ドリトル先生の名監督
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第九幕その七
「大阪では広島焼きというね」
「それであっちでは大阪焼きって言いますね」
「その辺りは言うと厄介なことになるけれど」
「イングランドとスコットランド、アイルランド、ウェールズみたいな」
イギリスの中にある四つの国です、グレートブリテン及び北部アイルランド王国即ちユナイテッドキングダムといって中にその国々があるのです。
「あそこまではいかなくても」
「地域的なね」
「ライバル意識があって」
「そこはお互い引かないんだよ」
「だからお互いに言い合ってるんですね」
「そうなっているんだ」
「野球とかサッカーでもそうですね」
トミーはこうも言いました。
「大阪の人と広島の人って張り合いますね」
「阪神と広島だね」
「何か広島の方が勝ってますけれど」
「そのことはもっと言ったらいけないよ」
お好み焼き以上にというのです。
「どちらの人も思い入れが凄いから」
「お好み焼きと同じか」
「下手をしたらそれ以上に」
「注意してね、ただもんじゃ焼きはね」
こちらはといますと。
「食べてないよ」
「あれ大阪にあります?」
「あっても食べる人は少ないかな」
「あれは東京ですね」
「そう、東京のものってイメージが強くてね」
「大阪って物凄く東京に対抗意識あるから」
「もんじゃ焼きはあってもね」
それでもというのです、
「食べる人は少ないね」
「大阪はお好み焼きですね」
「何といってもね」
「それと焼きそばですね」
「そうだよ」
そちらになるというのです。
「その文化だよ」
「お好み焼き文化ですか」
「うん、それを楽しんできたよ」
食べてというのです。
「イギリスには絶対にないものだね」
「イギリス料理のお店もありましたよね」
「これが美味しんだよね」
「あれっ、けれど」
イギリス料理のお店が美味しいとです、先生が言ってです。トミーだけでなくてでした。
動物の皆もです、きょとんとして言います。
「あれっ、イギリス料理が?」
「僕達の母国の料理が美味しい?」
「あれだけ評判悪いのに」
「それも世界的になのに」
「それが美味しいって」
「先生何言ってるの?」
「そのお店では美味しいんだ」
これが先生の皆への返答でした。
「そのお店のシェフの人がお料理したらね」
「そうしたらなんだ」
「イギリス料理も美味しいんだ」
「まずいまずいって言われてるのに」
「そうなんだ」
「そう、どうもちゃんとしたシェフの人が作ったら」
そうすればというのです。
「イギリス料理も美味しいみたいだね」
「意外だね」
「そうね」
チープサイドの家族も思うことでした。
「あのイギリス料理が美味しいって」
「そのことがね」
「イギリス料理イコールまずいだったのに」
ガブガブは首を捻っています。
「ちゃんと作ったら美味しいのね」
「しっかりとしたシェフの人が作ると」
トートーもガブガブと同じく首を傾げさせています、ただトートーは右でガブガブは左にそうさせています。
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