ドリトル先生の名監督
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第四幕その十二
「先生竹刀持たないんだ」
「何か相撲部屋ではそれで指導というかね」
「叩いてでも教えるらしいけれど」
「そうしたことはしないんだね」
「監督になっても」
「だから僕は暴力は嫌いだね」
先生は皆にもこのことを言いました。
「そうだね」
「うん、それはね」
「その通りだよ」
「言われてみれば」
「そうしたことはしないね」
「僕達にもね」
「暴力は教育じゃないよ」
先生にはそうした考えは全くありません。
「それは人がしてはいけないことなんだ」
「暴力自体が」
「そうなんだね」
「鞭で人は教えられないよ」
こうも言ったのです。
「鞭を振るう先生は先生じゃないんだ」
「ただ暴力を振るう人」
「そうした人でしかないんだね」
「先生はそうした人になりたくないから」
「だから暴力を振るわないんだね」
「この考えは子供の頃からあるから」
先生の中にしっかりとです。
「しっかりとね」
「だから僕達にも他の誰にもだね」
「暴力は振るわないんだね、絶対に」
「例え何があっても」
「僕は紳士でありたいとも思っているし」
こうした考えもあるからというのです。
「だからね」
「それでだね」
「それはしない」
「そうなんだね」
「例え誰にも」
「そして相撲部でも」
「そうしていくよ、とはいっても僕は本当にスポーツの指導者になったことははじめてだから」
このことについても言う先生でした、困ったお顔になって。
「何か出来るかな」
「まあ頑張ろう」
「いてくれてるだけでいいって言ってたし」
「それじゃあね」
「何とかやっていこう」
「はじまる前から言っても仕方ないし」
こうも言った先生でした。
「やっていこうか」
「そうしようね」
「これからね」
「何があるかわからないけれど」
「僕達も出来ることをしていくから」
「やっていこう、はじめてのことでも」
「そうしていくしかないね」
先生も決意をさらに固めました、何はともあれ先生は今度は監督となって相撲部の皆の為に働くのでした。
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