ドリトル先生の名監督
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第三幕その九
「そっちにしたんだ」
「そうなんですね」
「そう、カレーライス大盛りだよ」
「それでサラダですか」
「その組み合わせにしたんだ」
「いい組み合わせですね」
その組み合わせにはこう言ったトミーでした。
「僕も聞いていて思いました」
「お野菜も多くてね」
「それでデザートはですね」
「フルーツセットだよ」
デザートはそちらだったというのです。
「やっぱりビタミン多いね」
「そうですね、いい感じですね」
「食事には気をつけないとね」
「はい、本当に」
「さもないとね」
それこそとも言う先生でした。
「身体によくないからね」
「身体にいいものをバランスよくですね」
「それぞれに合ったね」
「そういうことですね」
「そう、それとね」
さらに言う先生でした。もうセットは出されていますが今日は上段は柔らかめのクッキー、中段は蜂蜜をたっぷりとかけたトースト、下段はチョコレート菓子です。
「スポーツをしていたら」
「そのスポーツに合った食事をですね」
「重点的に食べた方がいいね」
「相撲部のお話ですね」
「うん、トレーニングも食事もね」
「両方ですね」
「合ったものにしないと」
それこそというのです。
「よくないよ」
「そうですよね」
「そう、本当にね」
それこそというのです。
「怪我が多くなるよ」
「そういうことですね」
「野球選手でいたね」
日本のプロ野球選手です。
「格闘家のトレーニングに励んで格闘家の筋肉をつけて格闘家の食事をした」
「野球選手なのにですね」
「そういうことをした人がいたよ」
「それ的外れですよね」
先生に淹れた紅茶を差し出しつつ言ったトミーでした。
「かなりの」
「うん、その通りだよ」
「それこそ先生の言われる通り」
「うん、百害あって一利なしだよ」
「そうですよね」
「実際にその人怪我がかえって増えたんだ」
相撲部の人達みたいにです。
「そうなったんだ」
「やっぱりそうですか」
「うん、野球選手も同じだよ」
「野球選手の筋肉がありますからね」
「野球選手に合ったトレーニングをして」
そしてというのです。
「食事をしないといけないよ」
「格闘家になっても仕方ないですね」
「野球選手は誰と闘うのかな」
甚だ疑問というお顔でこうも言った先生でした。
「果たして」
「グラウンドで相手チームとバットやグローブ、ボールで」
「ミットもあるね」
「ですが格闘はしませんね」
「乱闘なんかで活躍してもね」
それこそというのです。
「スポーツマンシップの問題だよ」
「そうですよね、本当に」
「何の意味もないよ」
それこそというのです。
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