SAO~円卓の騎士達~
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第十二話 オレンジギルドと少女
前書き
ピクシブの方では何故か抜けてしまったシリカ編
~キリト side~
俺が最前線の町に行こうとしてギルドのドアを開けたとき、
???「頼む! 助けてくれ!」
キリト「うわっ!?」
アーサー「どうした? キリト。 あぁ。 お客さんね。」
そして、訪れてきた男の話を聞くと、自分達のギルドを壊滅させたオレンジギルドを捕まえてほしいとの事だった。
アーサー「分かった。 そのギルドの名前とか分かるか?」
男「名前は分からない。 けど、ロザリアっていうグリーンの女プレイヤーがいる。」
アーサー「グリーンのロザリア、ね。 分かった。 何かあったら連絡する。」
男「そ、それと奴等を捕まえるときにコレを使ってほしい。」
そう言って手渡されたのは回廊結晶。
男「出口は牢獄にしてある。」
アーサー「いいのか? 高かったろコレ。」
男「あぁ。 残っていたギルドの金で買ったものだ。 これを使ってくれ。」
アーサー「了解した。 よーし! 聞いたな!? アルゴ、情報を頼む。」
アルゴ「OK。」
アーサー「ギルド名、構成員、人数、今そのギルドが狙ってるパーティーを調べてくれ。」
アルゴ「分かっタ。 一時間ほど待ってくレ。」
アーサー「その他は情報が来るまでギルドで待機! そのギルドの規模次第でメンバーを変えるからそのつもりで頼む!」
その後、アルゴの情報により、ギルド名はタイタンズハンド、構成員は全て中層レベル、人数は十人、そして今狙っているパーティーが三十五層の迷いの森にいることが分かった。
アーサー「レベルがこんくらいでかつ十人だけなら、俺とキリト、捕縛としてシンタローだけで平気か。」
キリト「よし、行くか。」
シンタロー「俺は待機でいいんだな?」
アーサー「あぁ。 キリト、装備ワンランク落としたものに変えるからちょっと待て。」
そう言ってアーサーが装備を変える。
流石に龍爪剣と神龍の鎧の二つで行けば誰でも攻略組だと分かってしまうからな。
アーサーが装備したのは蒼い両手剣と黒と白が入ったコートだ。
キリト「じゃ、行くか。」
アーサー「あぁ。」
そして、数十分後。
目的のパーティーを発見した、が、何かもめている。
???「もういいです!」
そう言って一人の少女がパーティーを抜けた。
キリト「おい、どうする?」
アーサー「別れよう。 俺がパーティーの方を追うからキリトはあっちの子を頼む。」
キリト「分かった。」
そう言って一旦別行動を取る。
しばらく彼女を追っていたが迷いの森の性質によって中々出口に辿り着かない。
しかももうそろそろ回復アイテムが底をついても可笑しくない。
さらに悪いことに俺と彼女の行くエリアが変わってしまった。
キリト「くそっ、どこに行った?」
迷いの森のマップを出し、現在位置と彼女の居るおおよその見当を付け、エリアを移動する。
???「ピナ、やだ、やだよ。 置いてかないで。」
居た!
モンスター三体に囲まれている。
しかも一体が攻撃しようとしているのを見て俺は駆け出した。
そして、三体のモンスターを倒した。
そう言えば彼女には使い魔がいたのにその姿が見えない。
と言うことは
キリト「ごめん、君の友達を助けられなかった。」
???「いえ、良いんです。 私にもっと力があったら、」
その時、彼女が何かを持っていることに気が付いた。
キリト「それは?」
???「ピナです。」
持っていたのは一枚の羽だった。
ピナ、とは多分使い魔の名前だろう。
キリト「その羽根だけどな。 アイテム名、設定されているか?」
彼女がその羽根を見ると、ピナの心と書かれていた。
情報では、第47層の『思い出の丘』に使い魔を蘇生させる花があったな。
キリト「最近、わかった事なんだが、使い魔を蘇生出来るかも知れない。 死んでから3日以内に47層に有る『プネウマの花』の粉を羽に振りかければ蘇生できる。 47層は此処よりも少し君には難易度が高いと思うんけど、」
そう言うとまた彼女は泣き出してしまった。
俺は無言で使わない装備をトレード画面に送り、彼女に送った。
キリト「それをつければ4、5レベくらいなら底上げできる。 それに、俺がついてくから」
???「何で、そんな事までしてくれるんですか?」
・・・まぁ、誰でもその質問するよな。
キリト「・・・笑わないって約束出来るか?」
???「わ、笑いません。」
キリト「君が妹に似てるから。」
俺がそう言った途端、彼女が笑い始めた。
???「ふふ、ありがとうございます。 これ、少ないと思うけど、」
キリト「あぁ。 大丈夫だ。 絶対に使うことの無い装備だから。」
そう言ってトレードに彼女が出した金、恐らく全財産を拒否する。
キリト「俺の名前はキリト。 よろしく。」
シリカ「私の名前はシリカです。 よろしくお願いします。」
その後、シリカを誘いに来るパーティーの睨みを受けながら彼女が泊まっている宿『風見鶏亭』で食事を取るために向かっていたとき、偶然シリカがいたパーティーと遭遇した。
ってことは近くにアーサーが、と思って索敵スキルを使うと、いた。
屋根の上に。
お前、屋根の上って何だよ。
ロザリア「あら。 シリカじゃない。 あのトカゲ、どうしたのかしら?」
シリカ「ピナは死にました。 でも、絶対に生き返らせます。」
ロザリア「ふ~ん。 じゃあ、思い出の丘に行くのね?」
キリト「そんなにレベルの高いダンジョンじゃないさ。」
ロザリア「あら、あんたもその子に誑し込まれたクチ? そんなに強そうに見えないけど。」
キリト「見た目でしか強さを判断できないようじゃ、まだまだだな。 行こう、シリカ。」
シリカ「あ、はい。」
そう言って俺達は『風見鶏亭』に入った。
シリカ「なんであんな意地悪言うのかな。」
キリト「シリカはMMOは『SAO』が初めてか?」
頷いて答えた。
キリト「どんなオンラインゲームでも性格が変わる人は多い。 自分で悪人になる奴もいる。 俺達のカーソルは緑色だろ? これが犯罪を行うとオレンジになるんだ。 中には殺人をする奴らもいる。」
シリカ「っ!? 人殺しなんて、」
恐らく実際にそう人達がいることは聞いた事があるけど、ちゃんと聞いた事が無かったんだろう。
キリト「今までのゲームなら悪人を気取って楽しめたんだろうけど、このゲームは違う。 これはデスゲーム、遊びじゃない。 っと、辛気くさくなったな。」
シリカ「キリトさんはいい人です! 私を助けてくれて、今も助けてくれてますから!」
キリト「っはは。 俺の方が励まされちゃったな。 ありがとう。」
その時、アーサーからメールが来た。
内容は『ロザリアがパーティーを抜けた。 狙いは多分そっちだ。 俺も合流する。 今いる場所は?』だった。
俺は『主街区の『風見鶏亭』ていう宿屋だ。 そこで今食事してる。』と返した。
キリト「これから俺の仲間が来るんだけど、良いかな?」
シリカ「仲間、ですか?」
キリト「あぁ。 迷いの森ではぐれて今連絡が来たんだ。」
シリカ「全然大丈夫ですよ。」
その十数分後、アーサーが到着した。
アーサー「ふぅ。 結構良い宿だな。 あ、どもキリトと今コンビ組んでるアーサーです。」
シリカ「あ、シリカって言います。」
キリト「俺達は先に部屋に行ってるから。」
アーサー「あ、何? もう食べ終わってた?」
キリト「あぁ。」
アーサー「分かった。」
そして、借りた部屋に入った俺はベッドに背中からダイブした。
キリト「・・・さて、これからどうするか。」
そして、数分後、
コンコン
ドアをノックする音が聞こえ、続いて
アーサー「俺だ。 少し良いか?」
キリト「あぁ。 アーサーか。」
俺がドアを開けるとアーサーと一緒にシリカもいた。
キリト「あれ? シリカも?」
アーサー「四十七層の事を聞きたいんだと。」
キリト「そうか。 説明してなかったもんな。」
そう言って俺は部屋の机の上にあるアイテムを置く。
アーサーは壁に寄っ掛かっている。
シリカ「それは何ですか?」
キリト「ミラージュスフィアだ。」
俺がミラージュスフィアのボタンを押すと綺麗な球体のウインドウが開いた。
シリカ「わぁ~。 キレイ。」
キリト「それじゃあ、説明するよ。」
ウインドウを指でなぞって47層の主街区と『思い出の丘』の場所、その行き方を教える。
アーサー「! キリト。」
キリト「! あぁ。」
部屋のドアに駆け寄りドアを開けて怒鳴る。
「「誰だ!?」」
アーサー「チッ、逃げられたか。」
シリカ「え、何?」
キリト「聞かれていたんだ。 《聞き耳》スキルが高ければ壁や扉越しでも話しを聞くことができるんだけど。 そんなの上げているのは、大概は碌でもない奴らだし。」
アーサー「まぁ、アイドルと誰かさんの密会が気になった追っ掛けだと思うけど。」
そんな風にアーサーがふざけてくれたお陰でシリカはあまり気にすることはなかったみたいだ。
~side out~
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