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カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション

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turn:8 タイガVSトコハ

 
前書き
ミツキとのファイトでミライの実力を垣間見たタイガ
2人のファイトに心を動かされトコハとのファイトに臨む
強くなろうとして焦る思いが生んだタイガの迷い
それを振り切ろうと戦いに挑むタイガの前に立ちはだかるユニット
その姿は苦い記憶を呼び起こそうとしていた 

 
お互い真剣な表情で対峙するタイガとトコハ
ミツキもそれを見守っていたが
「ミツキ、やっぱりここにいたのか………ん?」
ミツキを探しに来たハジメがファイトテーブルの方を見て目を丸くする
「トコハさんがファイトすんのか?………相手は………あいつか」
真剣な表情でトコハを見据えるタイガを見てその場から動かないハジメ
「お兄ちゃん、そんなところで見てたら通る人の邪魔になっちゃうよ」
「あ、ああ、そうだな」
ミツキに言われて場所を移すハジメ
「それじゃ、始めようか」
「はい」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」

Turn;8 タイガVSトコハ

惑星クレイ、ズーの花園
「ここは………」
タイガはその光景に表情をゆがめてしまう
ここはタイガとミライがファイトしたのと同じフィールド
嫌な考えを振り払おうとかぶりを降るガンナーギア・ドラコキッド
その正面でトコハが光に包まれていた
「桃園の乙女 エルミ」
その姿を見てタイガは確信した
花の妖精を浮かばせるようなそのユニット
「ネオネクタール………」
タイガがミライと戦い、そして敗れたクラン

「ライド!メーザーギア・ドラゴン」
メーザーギア・ドラゴンは低く唸ってエルミを威嚇していた
「そう焦らない、ファイトはまだ始まったばかりよ、ライド!純潔の乙女 カトリーナ!」
カトリーナはその羽を力いっぱい広げてメーザーギアに向かっていく
「ドライブチェック」
【メイデン・オブ・フラワースクリーン】トリガーなし
「ダメージチェック」
【スチームバトラー マシュダ】クリティカルトリガー

「しょっぱなからクリティカルトリガー」
「ついてねぇなぁあいつ」
カルとツネトはそれを見て思わず零してしまう
「ライド!スモークギア・ドラゴン!アップストリーム・ドラゴンをコール」
2体のドラゴンがカトリーナに向けて走っていき、そのすぐそばまで行って飛び上がった
【純潔の乙女 カトリーナ】トリガーなし
「ドライブチェック」
【スチームファイター ルガルバンダ】クリティカルトリガー
「ダメージチェック」
【早咲きの乙女 ピア】トリガーなし
【開墾の戦乙女 パドミニ】トリガーなし
「ライド!理想の乙女トゥーリア!開墾の戦乙女 パドミニとトゥーリアをコール」
ヴァンガードのトゥーリアが空中で回転しながら衝撃波を飛ばす
【早咲きの乙女 ピア】トリガーなし
「ダメージチェック」
【キラキラ・ワーカー】ヒールトリガー
「くそっ!不発か」
「あいつ本当についてねぇな」
「なにを焦ってるんでしょうか?」
カルの言葉を聞いたミライは黙ってタイガの方を見た
まだ彼の心に迷いがある
この展開はそのせいだという確信があった
「トゥーリアでアップストリーム・ドラゴンにアタック!」
「ルガルバンダでガード!」
「(迷った心のままでは母さんには勝てないわよ)」
「スタンドアンドドロー!」
手札のクロノファング・タイガーを手に取り深く深呼吸をするタイガ
ヴァンガードファイトは甘くないというメグミの言葉がタイガの心に響いていた
「(同じギアクロニクルで、全く違うデッキ、この人もそうだ、あいつがあの時使っていたのと同じネオネクタールだけど………デッキの中身がまるで違う)」
以前カードキャピタルで見た大量のカードを思い出すタイガ
「(そうだ、あれだけたくさんのカードがあるんだ………デッキはいろいろあるし、ファイトの展開だって………)」
意を決してタイガが掲げたクロノファング・タイガーのカード
そのカードが一瞬輝いて見えたことでミライは目を見開き、そして僅かに笑みをこぼした
「我が望む世界へ導け!ライド!クロノファング・タイガー!」
今までのどんな瞬間よりも力強い咆哮がフィールド全体に響き渡る
その姿を見てトゥーリアも笑みをこぼした
「吹っ切れたみたいね」
そう、小さくつぶやいて

「クロノファングのスキル!」
手札のスチームスカラー ジジをバインドゾーンに置くタイガ
「パドミニのグレードをマイナス2!」
時空の渦に飲み込まれるパドミニ
「スモークギアでリアガードのトゥーリアにアタック」
新たに呼んだスモークギア・ドラゴンがリアガードのトゥーリアに飛びかかる
消えていくトゥーリアを見ていたトコハだったが既に目の前にはクロノファングが
「ドライブチェック!」
【スチームナイト ムダル】トリガーなし
【スチームファイター ナンネア】トリガーなし
クロノファングの力強い拳が飛んでいたトゥーリアを地面にたたきつけた
「ダメージチェック」
【桜吹雪の乙女 リルガ】トリガーなし
「アップストリーム!」
「ガード!」
サボテンに似たコミカルな姿のユニット、ツッケン・ドーンがアップストリームの放った歯車を叩き落とした
「なるほどね、なかなかやるじゃない、けどね………」
引いたカード、グリーンショット・エルフを見て笑みをこぼすトコハ
「(来た!)」
それを手札に加えると別のカードを手に取った
「煌く蕾よ、今こそ花開け!ライド!」
大きな赤い花がヴァンガードサークルに現れる
その花が開き中心から新たなユニットが
そのユニットの姿を見たタイガは目を見開いた
「まさか………」
「ラナンキュラスの花乙女 アーシャ!」
そのユニットは以前ミライとのファイトで勝負を決めたユニットの姿に酷似していたのだ
「ストライドジェネレーション!」
まさに今目の前に立ってるそのユニット、夢紡ぐラナンキュラス アーシャに
「そのユニットは………」
タイガのその反応を見てトコハは首を傾げていたが
「もしかして………ミライのネオネクタールとファイトした?」
「え、あ、ハイ………」
戸惑うタイガに小さく笑うトコハ
「そっか、クロノファングを使ってるからもしかしてって思ったけど、君の事だったんだ」
トコハの言葉はタイガには届いていない
「アーシャはね、元々は私が子供のころから使っていた、それこそ、本当に家族みたいなもの」
ヴァンガードサークルに置かれたアーシャのカードを大事そうに指先で撫でるトコハ
「さ、ファイト再開だよ、アーシャのストライドスキル、リアガードと同名のユニットを山札からコール」
山札からコールされた2枚目のエルミがリアガードサークルに
「エルミが2枚………」
「続けてグリーンショット・エルフとメイデン・オブ・フラワースクリーン、早咲きの乙女 ピアをコール」
3枚のカードを立て続けにコールするトコハ
ところがタイガには気になることがあった
「グレード2のカードを同じ列に?」
そう、カードの配置はヴァンガードから見て右にフラワースクリーン、その後ろにグリーンショット・エルフ、ピアと追加で呼んだエルミは逆側の列に並んでいた
「今にわかるわ、まずはフラワースクリーンのスキル、トゥーリアをデッキに戻してこのカードをグリーンショット・エルフとして扱うわ」
「ユニットの名前を変える?いったい何のために………」
トコハのやってることの意味が解らず混乱してきたタイガ
「夢紡ぐラナンキュラス アーシャのスキル、グリーンショットを選択、そしてお待ちかね、エルミのスキル」
まずはピアの後ろのエルミをソウルに置くトコハ
「これにより山札からグレード2以上のユニットと同名のカードをコール、グリーンショット・エルフ!」
山札から新たなグリーンショットが現れると同時にその姿が花に包まれた
「グリーンショットのスキル発動!開花!」
開花、すなわちブルームはネオネクタールが持つ特殊能力
自身と同名のユニットがリアガードに登場した時発動できるスキル
「グリーンショットのスキルでパワー+2000、更にブーストを得る!
「そうか!このためにグリーンショットを後ろの列に!」
それだけじゃない、トコハのリアガードにはエルミがもう1枚
「エルミのスキル!山札からグリーンショットをコールしてもう一度開花!今度は両サイドのグリーンショットが同時に開花!」
左右のグリーンショットはパワー+6000、ヴァンガード後ろのグリーンショットはパワー+4000、それだけではない、夢紡ぐラナンキュラスの効果でパワーアップもしている
「グリーンショットでアタック」
ピアのブーストを受け弓を引くグリーンショット
「カー・ランマ!更にスモークギアのインターセプト!」
カー・ランマが爆弾を爆発させスモークギアも全身から煙を吹き出しクロノファングの姿を隠す
「アーシャ!」
その煙をアーシャの鍬が振り払う
「トリプルドライブ」
【メイデン・オブ・グラジオラス】トリガーなし
【理想の乙女 トゥーリア】トリガーなし
【フェアリーライト・ドラゴン】ヒールトリガー
「ダメージを回復したてパワーをフラワースクリーンに」
アーシャの攻撃がクロノファングを切り裂く
「ダメージチェック」
【メーザーギア・ドラゴン】トリガーなし
更にフラワースクリーンが掌をかざすと大量の花びらがクロノファングに襲い掛かる
「ダメージチェック」
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
「ターンエンド、エルミの効果で出てきたグリーンショットは手札に」
これで一瞬とはいえ手札切れを起こしていたトコハも手札5枚となった
「ストライドジェネレーション!」
タイガはスチームブレス・ドラゴンをドロップ
ナンネアのブーストを受けた時空竜クロノスコマンド・ドラゴンが杖を鳴らし光を放つ
「トリプルドライブ」
【スチームスカラー エメルアンナ】トリガーなし
【変革を呼ぶギアイーグル】トリガーなし
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
アーシャは光の中で必死に持ちこたえていた
だがクロノスコマンドの効果でリアガードがすべて時空の渦に飲み込まれてしまう
【開墾の戦乙女 パドミニ】トリガーなし
【理想の乙女トゥーリア】トリガーなし
「アップストリーム!」
「グラジオラス!グリーンショット!」
2体の乙女が飛びかかってきたアップストリームを止めて見せた
「なんてファイトだ………」
それを見ていたハジメも思わず拳を握った
「ストライドジェネレーション!咲き誇るラナンキュラス アーシャ!」
白を基調とした衣装に身を包むアーシャのさらなる可能性
大きな鍬を構えクロノファングを見据えていた
「こいつは………どこまで強くなるんだ」
「トゥーリアをラナンキュラスの花乙女アーシャとしてコール」
「トコハさん相手にここまで………」
「咲き誇るアーシャのスキル!Gゾーンの夢紡ぐアーシャを表に!ラナンキュラスの花乙女 アーシャをスペリオルコール!咲き誇るアーシャのクリティカル+1!そして同名のユニットすべてにパワー+15000!」
咲き誇るラナンキュラス アーシャが鍬を地面に突き刺す
蔦がクロノファングを捕らえ上の方の蔦からアーシャが飛び出してきた
「すごくいいファイトだった、でも………ここまでよ」
アーシャの鍬がクロノファングに振り下ろされた
【スチームブレス・ドラゴン】トリガーなし
【スチームファイター ナンネア】トリガーなし
「ふぅ、負けちまったか」
そう言って手札の変革を呼ぶギアイーグルを見るタイガ
このカードでストライドしてバインドタイム・ドラゴンを呼べれば勝機はあったかもしれない
だが効果でパワーアップしたユニットのパワーは高すぎた
手札に守護者はあったがあまりのパワーに残りのシールドが不足してしまったのが敗因だった
「これがトコハさんのネオネクタール………」
ミライとトコハ、そして自分とミライ
同じクランでも様々なデッキがあり
ファイトも様々な展開がある
「葛木の言いたかったこと、ようやくわかったよ」
負けたはずのタイガの表情はどこか晴れやかだった
「ミライ、交代してくれてありがとうね」
代わりに店番していたミライからエプロンを受け取って着け直すトコハ
「チャンピオンシップで待ってるわ、今度はお互い全力で」
すれ違いざまタイガに対してそう呟くミライ
「チャンピオンシップ………」

「じゃあ、今日はありがとうな」
「お兄さん元気になってよかったよ、勝ち逃げされたらお兄ちゃん拗ねちゃうから」
「おい!」
余計な一言で隣のハジメからチョップされ苦笑するミツキ
ハジメは肩を落とすとタイガの方を見た
「チャンピオンシップに出るんなら、3人一組での参加が絶対条件、お前どうすんだ」
「一人はもう決めてんだ、後の一人は追々考えるさ」
そう言って立ち去ろうとするタイガ
「俺がやってやるよ」
その背中に向けてハジメが放った言葉にタイガも振り返った
タイガを見るハジメの真剣な表情を見てタイガも小さく笑った
「それじゃ、俺は明日もう一人に声をかけることにする」
「しくじんなよ、ミツキはモデルの仕事が忙しくて大会には出れねえ、お前のアテが外れたら………」
「外させねぇよ」
そう言ってタイガは帰路を歩いて行った
 
 

 
後書き
目標を決め決意を新たにするタイガ
ミライの待つチャンピオンシップに向けてタイガの挑戦が始まる
そのためにタイガはメグミに再度ファイトを挑む
激しい戦いでメグミはついに………
turn:9 タイガVSメグミ 
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