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英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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終章~クロスベルの一番長い日~ 第88話

翌日、8:00―――



~朝・特務支援課~



「―――ティオ、本当に大丈夫か?何だったら課長やキーアと一緒に支援課で待機してくれても………」

翌日、ロイド達はセルゲイとキーアに玄関から見送られようとしていて、対面しているティオにロイドは心配そうな表情で尋ね

「心配ご無用です。早めに休ませてもらしましたし、普段より調子がいいくらいです。」

尋ねられたティオはいつもの調子で答えた。

「そうか……うん、顔色も良さそうだな。しかしキーアがいきなり一緒に寝るとか言い出した時はビックリしたけど………」

「んー、なんかそーしたいって思ったから。ねえねえ、ティオ。ぐっすりねむれたー?」

「ええ、それはもちろん。おそらく絶好調なのはキーア分を大量に補給したのが最大の理由かもしれませんね。」

「えへへ、よかったー!それにティオのつばさ、フカフカで気持ちよかったよー!えへへー!」

ティオの言葉に無邪気な笑みを浮かべたキーアはティオの背中に生えている漆黒の翼に嬉しそうな表情で顔をうずめた。

「フフ……くすぐったいですよ。………でも、キーアに喜んでもらえるなら、この翼を手に入れてよかったです。」

キーアに背に生える漆黒の翼に顔をうずめられたティオはくすぐったそうな表情をした後、微笑んだ。

「……その、ティオちゃん。よかったの……?その翼を隠さなくて………」

「以前みたいに幻影の魔術だっけか?その魔術で翼を隠してもいいんだぜ?」

一方エリィは心配そうな表情で尋ね、ランディは真剣な表情で尋ね

「……はい。わたしのこの姿を皆さんに受け入れられ………レンさんのようにありのままの自分で生きていこうと決めましたから。万が一騒がれても”闇夜の眷属”で誤魔化しますよ。今後はエリナさんやラグタス達みたいに翼を使って空を飛んで戦ったり、捜索したりすることもできますからいつでも頼ってください。……いざという時の為に人目のない所でラグタスに空を飛ぶ方法を習って、実際に翼で空を飛んだりしたこともありますから、飛行経験は大丈夫ですから。」

尋ねられたティオは決意の表情で答えた後、苦笑し、そして静かな笑みを浮かべて言った。

「………―――なあティオ。一つだけ約束してくれ。」

「………え………」

そしてロイドの言葉を聞いたティオは呆けた様子でロイドを見つめ

「昨日みたいな事があったらすぐに俺達に言ってくれ。自分一人で溜め込んで無理をするのだけはダメだ。酷な言い方だけど……戦闘の時に倒れられたら足手まといになりかねない。」

「……はい、肝に銘じます。わたしも支援課の一員……同じ仲間でありたいですから。だから………わたしの苦しみも、辛さも、どうかわかちあってください。」

見つめられたティオは頷いた後静かな笑みを浮かべて言った。

「ティオちゃん………」

「………はは。お安い御用だぜ。」

「ああ……喜んでわかちあわせてもらうよ。」

「ほえ~……」

「クク、確かにこりゃあ、オッサンの出る幕はねぇな。――――たしか午前中は薬物を使用した疑いのある市民の聞き込み、そしてガンツって鉱員にセティ達が創ったその解毒薬を呑ませて効果を確かめるんだな?」

ロイド達の様子を見たキーアは呆け、セルゲイは笑った後尋ねた。

「ええ、一課の資料も参考に改めて確認し、ガンツさんにセティ達が徹夜で創ってくれた治療薬を呑ませて効果を確かめます。それと、忙しくなりそうなので今の内に他の支援要請なども片付けておくつもりです。」

「そうですね………このタイミングを逃したら市外に出る余裕は無さそうですし。」

「それにセティちゃん達が徹夜で創ってくれた解毒薬の効果があるとわかったら、今後の服用者達の解毒に使えるしね。今は自室で休んでいるセティちゃん達の頑張りに応えてあげないと。」

セルゲイの疑問にロイド、ティオ、エリィはそれぞれ頷いた。

「しかし住宅街の証券マンにサーベルバイパーのパシリ………それにアルカンシェルの新米キャストか。」

「どれも昨日の時点で少し様子が変だった人達ね……」

そしてランディの言葉にエリィは疲れた表情で頷いた。

「時間があるならイアン先生の事務所にも行った方がいいだろう。先生から聞いた2人のうち、証券マンは一課の資料にあったのと同一人物だが………貿易会社の経営者ってのはまだマークされていないようだ。」

「そうですね……法律事務所にも行ってみます。あとは午後あたりにヨアヒム先生が成分調査の結果を連絡してくれるはずですけど………」

セルゲイの言葉にロイドが答えたその時、ロイドのエニグマが鳴りはじめ、ロイドは通信を始めた。



「はい、特務支援課、ロイド・バニングスです。」

「……ロイド君?私だ、マインツのビクセンだ。」

「ああ、町長さん。―――丁度よかった。ガンツさんの様子はどうですか?今から会いに行こうと思っているのですが。」

「そ、それが………その………ガンツのやつがまた居なくなってしまったんだ。」

「!?………詳しい話を聞かせてもらえますか?」

「あの後、夜遅くにガンツが目を覚ましたんだが………意識が朦朧としてるようでそのまま寝かせてしまったんだ。念のため私も部屋に泊まって明日の朝、君達にも話を聞いてもらうつもりだったが………朝、目を覚ましたら………」

「……なるほど。ホテルやカジノに問い合わせは?」

「い、一応したが誰も見た者はいないみたいで………ロイド君……どうしたらいいと思う?」

「………町長の方はホテルに待機してください。ひょっとしたらガンツさんが戻ってくるかもしれません。こちらは聞き込みに出るので彼の事も気に留めておきます。何かあったらまた連絡してください。」

「わ、わかった………よろしく頼む!」

「………ガンツさんが居なくなってしまったの?」

ロイドが通信を終えるとエリィが真剣な表情で尋ねた。

「ああ………今朝ホテルから抜け出してしまったらしい。自分から消えてしまったのかそれとも………」

(………一足遅かったわね………この様子だと他の服用している疑いがある者達や………もしかすればルバーチェも………)

エリィの質問にロイドが答え、ルファディエルは厳しい表情で考え込んでいた。

「………やはり他の人達の様子も確認する必要がありそうですね。」

「ああ………妙に嫌な予感がしやがるぜ。」

ロイドの話を聞いたティオは真剣な表情で呟き、ランディは頷いた。

「………どうやら思ってた以上に事態の進行が早いかもしれんな。こちらの事は心配するな。とっとと確かめて来るといい。」

「はい!」

「いってらっしゃーい!」

「ウォン!」

その後ルファディエルの提案で2手に分かれて、服用した疑いのある者達に事情を聞くと同時にセティ達が創った解毒薬を呑んでもらう事にし、ロイド達はサーベルバイパーに所属する少年と住宅街に住む男性を訪ねる事にし、ルファディエルとティオはとイアンとアルカンシェルの新米キャストを訪ねる事にした。



こうしてロイド達のクロスベルの一番長い日が始まった……………!
 
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