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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第108話


~煉獄・最奥~



「………クク……やってくれたな…………だが”影の国”ある限りもはや『私』という概念は不滅……貴様の必死な強がりが果たしてどこまで通用するのか………この煉獄の狭間から見届けさせてもらうとしよう…………フフフ………ハハハハハ……………!」

戦闘が終了し、地面に膝をついたワイスマンは妖しげな紫の光を全身から放ち、不気味な笑みを浮かべながら消滅した!

「はは、必死な強がりか………まったく……痛いところ突いてくるなぁ。」

「え…………」

「ケビンさん?」

ワイスマンが消滅し苦笑しているケビンの言葉に驚いたリースと首を傾げたリタがケビンに視線を向けた時、ケビンは地面に膝をついた!

「ケビン……!大丈夫……!?しっかりして……!」

「ああ……さすがに無理しすぎたわ………でも大丈夫や………前みたいなことにはならへん。もうオレは……オレ自身とルフィナ姉さんにちゃんと向き合うって決めたから……」

「………ケビン…………」

「フフ………」

地面に跪いたケビンの言葉を聞いたリースは優しい微笑みを浮かべ、リタは微笑みながら2人を見つめていた。そしてケビンは立ち上がって、目の前にある巨大な門を見つめた。

「そういやリース。戦っていて疑問に思ってんけど、何でお前にオレの”聖痕”の力の一部が宿ってんねん?」

「……正直わからない。一体どうして私に”聖痕”の力が………」

ケビンに尋ねられたリースは戸惑った表情で答えたその時

(リースさん。リースさんにケビンさんの”聖痕”の力の一部が宿った事に私は思い当たりがありますよ?)

(え、本当ですか?一体何が原因で………)

(ちょっとこちらに…………)

リタがリースに耳打ちをし、ケビンから少し距離を離して説明をした。

(フフ、わかりませんか?ケビンさんの”聖痕”の力と一体化した覚えが。先程実行したでしょう?)

(”聖痕”の力と一体化…………先程実行……?…………………………!!!)

リタの話を聞いたリースは首を傾げて考え込んだが、ある事――――性魔術に思い当たり、顔を真っ赤に染めた。

(その様子だとわかったようですね。つまり、そういう事です。)

(……………………………)

(フフ、これからもケビンさんと性魔術を続けていけばさらに”聖痕”の力を受け取れますから、リースさん、もっと強くなれますね。)

(しません!あんな事はあれっきりです!)

(あら?ケビンさんに”処女”を捧げる時呟きましたよね?『いつか絶対に責任をとってもらう』って。つまりいつか”そういう事”をまたするんでしょう?)

(~~~~~~~~~~~!リタさん!!)

そして可愛らしい微笑みを浮かべたリタの耳打ちを聞いたリースは顔を真っ赤に染め、リタを睨んだ。

「?2人とも一体どうしたんや?」

2人の様子に首を傾げたケビンは尋ねたが

「何でもない!!」

「あ、ああ…………」

リースの叫びを聞き、戸惑った様子で頷いた。



「………しかし参ったな。”白面”を倒したはいいが………どうやったらその馬鹿でかい門を開くことができるか………3人で力を合わせたとしてもビクともしなさそうな感じやし………」

「………うん。でも、せっかくここまで辿り着いたんだもの………こうなったら力づくで破壊するしか。」

「フフ、それはいい提案ですね。あの門には”冥き途”の見習い門番として怒りを感じていますし。」

「だから過激な方法は最後の手段にしとけって……というかリタちゃんまでリースの影響を受けてるやんか……………それに、この”煉獄”を規定する一番重要かもしれへん構造物や。そう簡単に破壊できるとは………」

リースとリタの提案に冷や汗をかいて呆れたケビンは気を取り直して、真剣な表情で考え込んだ。すると

「お~い………!」

聞き覚えのある声が聞こえて来た。

「この声は……!」

「ウ、ウソやろ……?」

「こんな所にまで飛ばされたんですか……?」

声を聞いたリースは驚き、ケビンとリタは信じられない表情で振り向いた。するとケビン達が来た場所からギルバートが走って近づき、ケビン達の目の前で転倒した。

「はあはあはあはあ………じ、地獄に仏とはこの事だ………」

転倒したギルバートは立ち上がる事なく、息を切らせて安堵の溜息を吐き、ケビン達はギルバートに近づいた。

「ハア………兄さんも非常識な人やな。なんでアンタがこんな所まで入り込んでんねん。」

「ある意味、”奇跡”ですね………」

「………さすがに無理があるかと。あなた………”影の王”と通じていませんか?」

ケビンは溜息を吐いた後、真剣な表情で苦笑しているリタとジト目のリースと共にギルバートを見つめて言った。

「だ、誰だそれは…………ああもう!そんな事を言ってる場合じゃない!いいから逃げろ!追いつかれたら喰われるぞ!?」

一方ギルバートは立ち上がって、ケビン達を見つめて警告した。

「へ…………」

そしてギルバートの警告にケビンが呆けたその時



グルルルル…………



広間に唸り声や翼を羽ばたかせる音が聞こえて来た!

「今のは……!?」

「咆哮と羽ばたき……しかも多い!」

「まさか………!」

それらを聞いたケビン達はそれぞれ警戒した表情をしたその時、ケビン達を囲むかのように大勢の悪魔達が空から降りて来た!

「ひいいいいいいいっ!!」

降りて来た悪魔達を見たギルバートは悲鳴を上げて、ケビン達と背中合わせの状態で震えていた。

「あ、悪魔の群れ……!?」

「さっきの程やないがかなり高位の連中やな………クソ………さすがに数が多すぎる………!」

悪魔達を見たリースが驚き、ケビンが舌打ちをしたその時

「―――いえ、まだです!」

悪魔達を警戒しているリタが何かに気づき、声を上げた!すると亡者や怨霊の群れがケビン達が来た方向から近づいてきた!

「チッ!完全に道を塞がれたか………!」

その様子を見たケビンは舌打ちをし

「き、君達!責任を持って何とかしたまえ!ぼ、僕はこんなところでまだ死にたくないぞ!?」

ギルバートは身体を震わせ、慌てた様子で周囲を見回して叫んだ。

「それは私達もです………!」

「私は既に死んでいるから関係ないと言いたい所ですが………さすがに魂まで消されるわけには行きません………!」

「ああ、オレもさすがに勘弁や。(クソ………”聖痕”の力を使いすぎた………何とか………リース達だけでも………)」

ギルバートの言葉にリースとリタがそれぞれ悪魔達の行動を警戒しながら答え、ケビンは疲れた表情で頷いた後、真剣な表情で悪魔達を見回した。一方悪魔達は唸りながらゆっくりとケビン達との距離を縮めて来た!

「く、来るな………来ないでくれええええっ!」

悪魔達の行動を見たギルバートは悲鳴を上げ

「”冥き途”の見習い門番の力………舐めないで下さい!」

「………ケビン……!」

「クソ………こうなったら………!」

リタは悪魔達を睨んで叫び、リースは不安そうな表情でケビンの名を呼び、呼ばれたケビンは真剣な表情で叫んだその時!



ゴゴゴゴゴ…………



巨大な門に光が差し込んだ後、音を立てて開き、門の先――光の中から拠点にいるはずの仲間達全員が次々と現れた!

「大丈夫!?ケビンさん、リースさん、リタ!」

「3人共無事か!?」

「3人共、迎えに来たよ!」

そしてエステル、ウィル、アドルがそれぞれ叫び

「よかった………間に合ったようですね!」

「………?……リタ………雰囲気………変わった………?」

無事の様子のケビン達を見たヨシュアは安堵の溜息を吐き、リタを見たナベリウスは首を傾げ

「な、なにここ………!?」

「じ、地獄………!?」

「それに悪魔や怨霊、亡者達があんなに………!」

「……”想念”の力だけでよくもまあ、ここまで実現したわね………」

周囲の景色を見たジョゼットとティータは不安そうな表情をし、悪魔達を見たセラウィは驚き、エリザスレインは目を細めて悪魔達や”煉獄”の景色を睨み

「ふーん、どうやら”煉獄”そのものみたいね。うふふ、なかなか興味深いわ。」

「こんな所が興味深いなんて、どんな趣味をしているんですか………」

レンは興味深そうな様子で周囲を見回した後微笑み、レンの様子をティオは呆れた様子で見つめ

「ヘッ、良いタイミングで到着できたみてぇだな!」

「ふふっ………腕の振るい甲斐がありそうね。」

「ええ……これなら思いっきり身体を動かせそうね♪」

「フフ………格の違いを思い知らせてあげるわ。」

状況を見たアガットとシェラザードは口元に笑みを浮かべ、カーリアンとファーミシルスは好戦的な笑みを浮かべ

「な、なんか見覚えのある人も混じってるみたいですけど………」

「相変わらず運が良いのか悪いのかよくわからない人だね……」

「まあ、生き残っているから運が良いとは思うけど………」

「…………よくそれで”結社”の”猟兵”として務まっているな………」

ギルバートに気づいたアネラス、ミント、ツーヤは苦笑し、レーヴェは呆れた表情でギルバートを見つめた。



「き、君ら………」

「ど、どうして………」

(フフ………ちゃんと役目を果たしてくれたようですね、クローゼさん。)

一方ケビンとリースは驚きの表情でエステル達を見つめ、リタは微笑んでいた。

「あの後、セレスト様に君たちが落ちた場所について探っていただいたんだ!」

「そちらに”方石”があったので何とか突き止められたそうです!」

「つい先ほど、道を繋いで門を開けていただきました!この門をくぐれば”庭園”に戻ることができます!」

そしてユリア、プリネ、クローゼがそれぞれ自分達が”煉獄”に来れた理由を説明した。

「そうか………!」

「………助かります………!」

「フフ、これでもう大丈夫ですね……!」

「し、信じられない……!」

説明を聞いたケビン達はそれぞれ明るい表情をした。

「………話は後だ!今から突入してそいつらの包囲網を崩す!」

「君たちは隙を見て門の中に飛び込むといい!」

「ここからは我等が助太刀いたす!」

「脱出するみなさんを襲おうとする魔物達は全て私達が相手します!」

「脱出の援護は私達にお任せ下さい!」

「皆さんは絶対に守ります!」

「貴方達は脱出を優先するの!」

「………おおきに!」

「よろしくお願いします………!」

ジン、リシャール、ティファ―ナ、エレナ、フィーナ、ナユタ、ノイの言葉にケビンとリースは明るい表情で頷いた。



「フッ………それでは始めるとしようか。灼熱の炎の中、悪魔達と踊るダンスと!」

「そして我等が奏でる美しき協奏曲を!」

そしてオリビエとオリビエの言葉を続けるようにアムドシアスが自分から出てきて叫び

「破邪顕正………ヴァンダールの剣の前にまとめて砕け散るがいい!」

ミュラーは敵達を睨んで叫び

「俺の仲間を傷つける事は絶対に許さない!」

(ハハハハ!血がたぎってくるの………!)

「私やセリカを受け入れてくれた暖かい人達は私が守る!」

セリカとサティアはハイシェラの念話を聞きながら決意の表情で武器を構え

「みんな、準備はできてるわね!?」

「ええ!いつでもいけるわ!」

「はい!」

「はいです~!」

「うむ!わらわの力………存分に奮ってやろう!」

セリカの使徒達も続くように戦いの構えをし

「早く戦いが終わりますように………」

「アーライナ様……どうか私達に力を………」

「イーリュンよ………我等をお守りください………」

「ルリエンよ……今こそ御力を………」

「戦の神マーズテリアよ……邪を滅し仲間達を救う力を我等に………」

イリーナ、ペテレーネ、ティナ、シルフィエッタ、シルフィアはそれぞれ祈り

「みんな、気を引き締めて。」

「我が奥義、聖炎剣 その身に刻め!」

ラピスとリンはそれぞれの武器を構え

「フッ………まさか生きた身で冥界で戦う日が来るとはな………面白い!俺達の力を見せつけてやるぞ、リセル!」

「はい、ヴァイス様!」

不敵な笑みを浮かべた後、敵達を睨んで叫んだヴァイスの言葉に頷いたリセルはヴァイスと共に武器を構え

「余がいれば負けはなーい!」

「こいつら全部潰してもいいんだよね?キャハッ♪」

リフィアは胸を張って高々と叫び、エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべて敵達を見回し

「早速、貴女の力………貸してもらうわよ、フェミリンス!」

「ええ………姫神の力、存分にお見せしましょう………!」

エステルに召喚されたフェミリンスは微笑んだ後、異空間から膨大な聖気や神気を纏った神槍を召喚して構えた!

「みんな………行くわよ!」

「俺達の力……煉獄の魔物達に見せつけてやれ!」

そしてエステルとリウイが号令をかけ

「おおっ!」

仲間達全員は力強く頷き、戦闘を開始した!



こうしてケビン達の救出戦が始まった……………!









 
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