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魔法少女リリカルなのは ~優しき仮面をつけし破壊者~

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StrikerS編
  110.5話:エース達の決意

 
前書き
 
本当に、遅くなってすいませんでしたぁぁぁぁ!
またしても一か月…否、それ以上かかってしまいました。誠に申し訳ありません!

な「まったく、その通りだよね~」

あ、あなたは…なのはさん!?

フェ「もうちょっと早く出たかったよね?」

ふぇ、フェイト殿まで…!何故ここに…!?

フェ「殿って言わないで」
な「士くんはシリアス場面に突入してるからね、代わりに私達がOHANASHIを、ね?」

い、いや…確かに遅くなってしまったのは大変申し訳なかったのですが、お二方のご活躍はしっかり確保したつもりで……

な「それとこれとは…」
フェ「話は別だよ?」

なッ、ちょっ、まっ―――アァァーーッ!!

フェ「という訳で、ようやく私達の出番です」
な「最初はフェイトちゃんから! 頑張ってね!」
フェ「うん! それじゃあ―――」


「「ご覧ください!」」
  

 
 




「くッ…!」
「君と私はよく似ているんだよ、フェイト・テスタロッサ」


 赤い魔力糸は白衣の男―――スカリエッティの意思によって、フェイトの体を縛り拘束する。
 最終手段〝ライオット〟を使って、後に引けない状況だというのに、赤い糸が動きを縛る。早くこいつらを逮捕して、他の援護へ…!


「私は自分で作り出した生体兵器達…君は自分で見つけた、自分に反抗することのできない子供達。それを自分の思うように作り上げ、自分の目的の為に使っている」
「―――ッ、黙れ!」


 スカリエッティの言葉を強く否定し、魔力スフィアを展開。直射弾を放つ。
 がしかし、これを非常に濃いAMF空間を展開することで防ぐスカリエッティ。その様子に驚きを見せるが、フェイトはすぐに気を引き締める。


「違うかい? 君もあの子達が自分に逆らわないように教え込み、戦わせているだろう?」
「…ッ!」


 違う、そう否定するだけなのに、一瞬言葉が詰まる。
 そんな…そんな訳ない筈、なのに…


「私がそうだし、何より君の母親も同じさ。周りの全ての人間は、自分の為の道具に過ぎない」


 違う! あの子達も、なのはもはやても、道具なんかじゃ…!


「そのくせ君達は、自分に向けられる愛情が薄れるのには臆病だ」


 実母がそうなら、その子供もそう。いずれ同じ道を辿ることになる。
 そう続けるスカリエッティ、フェイトは反論しようとするが、思う様に言葉が出ない。喉の水分がなくなっていくのが感じられる、うまく言葉が発せられない。


「間違いを起こすことに怯え、薄い絆にすがって震え―――そんな人生など、無意味だと思わんかい?」


 そんな、私は…私は―――





『『―――違う!』』





「「ッ!」」


 その瞬間、繋がっていた通信の向こう側から響く否定の言葉。
 まるでフェイトの気持ちを代弁するかのような、その強い否定は―――かつては心を閉ざしていた子供達から発せられていた。


『無意味なんかじゃない!』
『僕達は自分で自分の道を選んだ!』


 本当に生きていていいのか、そんな思いを抱いたままのあの頃。
 そこから連れ出してくれたのは―――紛れもない、フェイト(あなた)だと。

 あなたに連れ出してもらった世界。『自分の道(機動六課)』を選んで、なのはやヴィータ、士達に鍛えられて…スバルやティアナと共に戦い、成長していって……やっと少しだけ、前へ進めたような気がする。

 自らが持つ力の使い方を、力を持つということの意味を、理解することができた。
 温かい優しさを、守るという幸せを…分かち合うことができた。


『フェイトさんは、何も間違ってない!』
『不安なら、私達が付いてます。困ったときは助けにいきます!』
『もしも道を間違えたら、僕達がフェイトさんを叱って、ちゃんと連れ戻します!』


 ボロボロな装いでそう語る二人の目からは、強い意思が感じられた。
 今語ったことに嘘偽りがないと、紛れもない自分達の真実(おもい)だと。そのまっすぐな瞳が語っていた。


『僕達が―――みんながついてる!』
『だから負けないで…迷わないで!』





『『戦ってッ!』』





 まるでその言葉を切っ掛け(トリガー)にしたかのように、フェイトから漏れる光。
 彼女を包み込む光には、その表情には…瞳には―――もうどこにも、迷いも不安もなかった。


〈 Get set 〉
「―――オーバードライブ…〝真・ソニックフォーム〟」
〈 Sonic Drive 〉


 放たれる魔力は、欲望という闇を払う光。薄暗い研究施設の、その場の全てを照らそうとする光に、戦闘機人―――トーレとセッテは警戒する。

 そんな中、フェイトは閃光の中で思う。ごめんね、と。そして、ありがとうね、と。
 自分を激励してくれたエリオとキャロの二人に、感謝と謝罪の言葉を思い浮かべていた。


「…疑うことなんて、ないんだよね」
〈 Riot Zanber 〉


 疑ってしまった。自分に対する彼らの思いを、自分達で決めた彼らの決意を。
 そして何より、彼らが信頼してくれている〝自分自身〟を。

 疑うべきでないものまで、疑ってしまった。
 きっとそれは、自分自身が弱いから。


「私は弱いから、迷ったり悩んだりを…きっと、繰り返す」


 左右の手に握るのは、二振りの光刃。先程使っていた〝ライオット〟の二刀流である。
 そして彼女自身の装いも変わり、白いマントがなくなり装甲(ジャケット)もより薄くなっている。

 望まれずに生まれた存在である自分、その存在を生みの親に否定された自分。
 自身の心の奥底で抱え続けていた〝自分自身に対する不安〟。それはスカリエッティの言う通り、ずっと抱えてきたものだ。


「だけどいいんだ。―――それも全部…私なんだ」


 しかしそれでもいいのだと…それがあったとしても、前に進み続けるという決意。
 その思いを胸に、二振りの剣を戦闘機人へと―――スカリエッティへと向ける。払拭する為ではない、追いかけ続けていた因縁と決着を付ける為。

 そんな最中、フェイトの頭の隅にある言葉がよぎる。


(あぁ、でも―――士の言う通りだったかも)

『あいつらだって、必死になってお前の為になろうとしてるんだ。あいつらなりに、お前の背中追いかけてんだよ
 だからさ…少しは頼ってやれ、信じてやれ。そんでちゃんと、あいつらの信頼に応えてやれ。そうすりゃあきっと、あいつらも応えてくれるから。しっかり…追いかけてくれるから』


 いつぞやかに彼に言われた言葉。本当にその通りっぽいことになってるものだから、やっぱり凄いなと感心する。
 でもこれは、あの子達だけのことじゃないことにも気づいた。なのはやはやて、シャーリーや六課のみんなの事も、自分は信頼している。おそらくみんなも、私の事を信頼してくれている。

 ―――口にはしないけど…彼もきっと…


(応えなきゃ…みんなの思いに…!)


 双剣となったバルディッシュを改めて強く握ると、片方を肩に担ぐ。
 相対する者との戦いに臨む、その姿はまさに―――〝金色の閃光〟と呼ばれるエースの姿そのものだ。






















「ふん、はぁ!」
「でぇりゃぁぁぁ!!」


 渾身の拳が〝怪人もどき〟の顔を捉え、炎を纏った回し蹴りがガジェットを粉砕する。
 地上本部へと続く道の上で、ガジェットや〝怪人もどき〟と戦う二人の戦士―――ガイラとアスカ。


「やっぱ楽しいなぁ、戦いは!」
「黙って戦え…ッ!」


 楽しそうに言いながら敵を殴るアスカ、その様子に機嫌を損ねながらも蹴散らすガイラ。
 あまりに正反対の二人、こんなのでよくコンビが組めたものだ。


「フォトンランサー!」


 突如指先をガイラへと向け、叫ぶアスカ。指先からオレンジ色の直射弾が、ガイラへ向かって放たれ―――
 その背後から襲い掛かろうとしていた〝怪人もどき〟に命中、追い打ちをかけるようにガイラの回し蹴りが腹部を抉る。


「…礼は言わんぞ」
「はいよ」


 ……意外といいコンビのようだ。
 しかし戦い続けているが数が減らない、そのことに煮え切らない思いがあるのも確かだ。


「―――変えるか」
「任せる」


 だが二人に不安は見られなかった。短いやり取りをすると、アスカが動いた。
 先程バリアジャケットを展開した時と同じように、右手を左上へ。左手は左腰へと移す。
 そしてゆっくりと右手を左から右へとスライドさせる。


「チェンジ…〝ストームドラゴン〟!」
〈 Awakening 〉


 デバイスの音声と共に、アスカの体が閃光に包まれる。
 オレンジ色の光は次第に黄色よりの色合いへと変わり―――瞬間、ガラスが割れるように弾けた。


 宝石のはめ込まれた胸部のプロテクターは、黄色から青へ。逆に赤かったその宝石は黄色へと変わり、少し尖っていた肩は丸みを帯びたものへ。
 オレンジ色だった手甲や足甲は青く染まり、体の所々には黄色い稲妻をイメージした装飾が施されている。赤色だった髪は黄色く染まり、装甲を纏う前と同じように一本で縛られている。

 先程とは全く別の人物が、そこに立っていた。


「……いけるか?」
「―――Year…I'm all ready.(準備万端だ)


 感触を確かめるように、手を握ったり開いたりを繰り返すアスカ。
 ガイラが声を掛けると返ってきたのは、なんと英語。先程までの豪快な雰囲気からは考えられない返しだった。

 そしてアスカは数歩前へ出ると、両手を勢いよく広げ、叫んだ。


「さぁEnemyの皆さん、よくぞお集まりを! 自ら命を散らすべく来て下さり、感謝感激です!」


 なんともまぁ、露骨な煽り言葉。
 ガジェットにはなんの動きも見られなかったが、人の言葉を理解できる〝怪人もどき〟は少し目つきが変わった。


「いいからさっさとやれ」
「Oh…とんだ横槍が入りましたが、気を取り直して…Show Timeといきましょう」


 構えたまま呆れたようにため息をついてから、ガイラはアスカに注文した。
 しかしそれすらも受けながし、アスカは右手を上へ上げた。


「―――ストームランス」
〈 Storm Lance 〉


 刹那、雷が落ちたかのような閃光が走る。
 アスカが上げた右手にはいつの間にか、青い槍が治まっていた。それは黄色の槍頭に稲妻のような意匠の入った柄の槍だった。

 相対する敵の変化に気づいたのか、〝怪人もどき〟はそれぞれ構えを取り、襲い掛かる準備を始める。


「……いってこい」
「OK、それでは……」


 手に取った槍を数回振り回し、アスカも迎撃するような体勢を取る。
 そして遂に、アスカに向かって一斉に襲い掛かる〝怪人もどき〟。その光景にアスカは臆することなく、むしろ笑みを浮かべる。


〈 Lightning dash ! 〉
「―――Here we go!」


 アークルの音声と、アスカの叫び声が響くと同時に、黄色い稲妻が地を走った。
瞬間ガイラの横に確かにいたアスカの姿が消え、二人を囲んでいた〝怪人もどき〟の包囲の外に、青き槍を突き出した格好でアスカがいた。

 二人に跳びかからなかった〝怪人もどき〟やガジェットは、すぐさまアスカを視界に捉えようとする。―――が、そのとき自らの違和感に気づく。体中に鈍い痛み、または機体内から異音が響き……

 跳びかかった者達も含め、周辺にいたすべての者達が火花を上げ、爆ぜたのだ。


「――― Blitz dance…ッ!」


 閃光の如く駆け抜けたアスカは、周辺の敵と認識した者達を攻撃したのだ。
 機械であるガジェットは愚か、戦いに特化して作られた筈の〝怪人もどき〟すら、彼の姿を捉えられずに…


「ガァァッ!」
「ッ…!」


 だがそこへ、襲い掛かる新たな〝怪人もどき〟。四足歩行で素早く駆けた獣が、アスカを背後から襲い掛かり―――


〈――― Cyclone 〉
「ウィンドビースト」


 次の瞬間、三日月型の魔力斬撃が〝怪人もどき〟の背中を襲った。
 その光景に驚きつつも、アスカは振り返り、攻撃したであろう自らの相棒を見やる。

 対してガイラ。筆を振り抜いている格好でいる彼のその手には、黒い刀身の片手剣―――というより、脇差のような刀型の武器が握られていた。
 〝怪人もどき〟を迎撃したガイラは数歩、助けられたアスカは少し駆けるようにしてその場で落ち合う。


「Thank you、ガイラ!」
「借りを返しただけだ…それに、まだまだいるぞ」


 アスカはグーサインを出して礼を言うが、ガイラは気にせずに前を見据えていた。
 視線の先には、未だ多くいる〝怪人もどき〟とガジェット達。二人は互いに見合った後、自らの武器をそれぞれ構えた。


「I see …でも俺らがこんな奴らに負けるわけないだろ?」
「無論だ。―――いくぞ」
「OK ! Let's go !!」


 アスカの掛け声で、二人は再び敵軍の群れへと向かって行った。
























 アスカとガイラの激闘、その光景を少し離れたビルの屋上で眺める一つの影があった。
 右手には大きめの銃、長いシアン色の髪を束ねた青年―――戦闘機人・エクストラ。
 士の戦線離脱に伴って、戦いには参加せず、ある意味スカリエッティの最後の切り札として残されていたのだが……


「………」


 かつての彼も憧れた〝英雄(ヒーロー)〟にも似た彼らの戦いぶりに、懐かしさを覚えていた。
 昔―――この世界に来る前に思い描いていた妄想(ねがい)、だがもう叶わぬそれに今は怒りすら感じてしまう自らの決意。

 どこで間違えた…何をすればこんなことにはならなかった……
 僕は…何をすればよかったんだ…!


『誰かに助け出して欲しかったんじゃないのか? 自分が憧れた力が、悪の手で操られるのを、見たくなかったんじゃないのか?
 世界を壊そうとする敵と、本当は自分の力で戦いたかったんじゃないのか?
 自分の力を、誰かを護る為に使いたかったんじゃないのか!?』

「……くそ…ッ!」


 闘いの中で叫ばれた士の言葉を思い出し、エクストラは表情を歪めた。
 心にため込んでいたもの、その鍵穴をこじ開けられそうになったようなものだ。あまりいい気持ちはしない。


「だったら僕は―――どうすればよかったんだッ!」


 叫ぶように、怒るように。そして―――誰かに懇願するような……
 誰に向けたかわからないその叫びは…戦場の爆音に、かき消されていった。
























「ヴィヴィオ、今助けるから!」
「ダメなの! 止められないッ!」
「ダメじゃないッ!」


 その言葉と共に、カートリッジを一本ロード。威力を高め、聖王―――もといヴィヴィオの砲撃を押し返す。
 だがその先にはヴィヴィオの姿はなく、次の瞬間にはなのはの背後に現れた。

 すぐさま振り返るなのは、そこへ襲い掛かるヴィヴィオの拳。咄嗟に防壁(シールド)を展開するが、数回のうちに突き破られ地面に付き落とされた。


「もう…来ないで…!」


 涙を流しながら言うヴィヴィオ。なのははレイジングハートを支えにしながら立ち上がる。


「わかったの、私。もう、ずっと昔の人のコピーで…なのはさんもフェイトさんも、ほんとのママじゃ、ないんだよね…」
「……違う…」

「この船を飛ばす為の、ただの〝鍵〟で…玉座を守る、生きてる〝兵器〟…」
「違うよ…」

「ほんとのママなんて、元からいないの! 守ってくれて、魔法のデータ収集をさせてくれる人を…探してただけ……」
「違うよ!」
「―――違わないよッ!」


 そう、これは事実だ。ヴィヴィオが作られた存在で、その理由も確かに彼女の言った通りだ。
 悲しいことに……事実だ。


「悲しいのも、痛いのも…全部偽物の、作り物。私はッ、この世界にいちゃいけない子なんだよッ!」



「―――絶対に違うッ!」



「……ッ!」


 しかしそれでも、なのはは否定する。否定しなければならない理由が、彼女にはあった。


「ヴィヴィオの言う通り、ヴィヴィオのママはいないかもしれない。悪い人達の願望の所為で、その人達に利用される為に作られたのかもしれない。
 それでも、ヴィヴィオが感じた悲しいってことも、痛いってことも、偽物なんかじゃない! ヴィヴィオはいちゃいけない子なんかじゃないよッ!」


 否定しなければいけない。そうじゃなかったら、自分の大親友を……
 作られ、利用され、絶望し―――それでも自分と出会い、今でも前を向き進み続ける彼女を、否定してしまうことになるのだから。


「私達とヴィヴィオの出会いは、偶然じゃなく、元から決められていた出会いかもしれない。
 それでも、私達とヴィヴィオが一緒に過ごしてきた時間は、育んできた思いは! 偽物なんかじゃない…確かにあった〝真実〟だよッ!」


 否定しなければならない。そうじゃなかったら、あの大家族は……
 過去の人の勝手な思いの所為で人生を狂わされても―――育んだ絆を捨てず、今も共に歩んでいる彼女らを、否定してしまうことになるのだから。


「生まれ方は違っても、そうやって泣いてる〝今のヴィヴィオ〟は…偽物でも、作り物でもない!
 甘えん坊ですぐ泣くのも、転んでも一人じゃ起きられないのも、ピーマン嫌いなのも……私が寂しいときに、〝いい子いい子〟ってしてくれるのも…!」



「―――私の大事なヴィヴィオだよ…ッ!」



 途中から涙を流しながら言うなのは、一歩一歩ヴィヴィオへと進んでいく。対するヴィヴィオは本能的か、なのはが一歩ずつ進む度に、一歩後ろへ下がった。


「私は、ヴィヴィオの本当のママじゃないけど…これから、本当のママになれるように努力する。だから、いちゃいけない子だなんて言わないで! ほんとの気持ち、ママに教えて…!」


 ヴィヴィオのママ…つまり母親になるという、今までとは違うなのはの宣言。
 それを聞いて、そして自分の存在を認め守ってくれる…愛してくれる人がいる。そのことが知れたヴィヴィオは、自然と口が開いた。


「私は…私は、なのはママのことが、大好き…ッ! ママとずっと一緒にいたい…!」


 そして……!


「ママ―――助けて…ッ!」


 ヴィヴィオの心の底からの願い、涙の叫びを聞いたなのは。
 涙を拭い、レイジングハートを振るう。足元に自らの魔力光―――桃色の魔法陣を展開する。


「助けるよ―――いつだってどんな時だって!」


 なのはが魔法陣を展開したことに呼応し、ヴィヴィオの足元に虹色に輝くベルカ式の魔法陣が勝手に展開される。
 そんなヴィヴィオと相対するなのはの瞳には……強い決意の色があった。


 ―――そして遂に、二人は最後の激突を迎える。

 その、結末は…!
























「―――これで、Lastだ!」


 言葉の通り、最後の〝怪人もどき〟の胸部を貫く閃光。最後の悲鳴と爆炎と共に、〝怪人もどき〟は絶命する。


「…終わったか」
「Yes! まぁ途中、ガジェットがバタバタしたから、楽だったけど」


 そう言いつつ、互いに歩いて集合するアスカとガイラ。
 途中なのはによってNo.4―――クアットロが撃破されたことにより、統括する者がいなくなったガジェットが機能停止となった。

 残りはガジェットとは違った、個々の知能を持った〝怪人もどき〟だけだったのだが、二人にとってはこちらの方が本業だ。
 そんなに時間がかからない内に、全ての〝怪人もどき〟の殲滅が終了することになった。


「It's all settled ! ―――これにて一件落着!」
「だと、いいがな…」


 青い槍を地面に叩きつけ、高らかに宣言するアスカだったが、そこに水を差すようなガイラの一言。
 おいおい雰囲気悪くなるじゃないか、それが本当になったらどうするんだ。と思い文句を言おうとしたが……


「―――はぁ…」


 ガイラのため息、噂をすればなんとやら、とでも言うのか。
 ガジェットや〝怪人もどき〟が死屍累々する、その道の向こう。そこに灰色のオーロラが立ち込める。


「ガイラ……」
「文句を言いたければ後にしろ、まだ仕事は続くぞ」


 そう言って構えるガイラを見て、一度肩を竦めてから槍を構えなおす。灰色のオーロラ、その奥から来るであろう軍勢を相手にするために。

 だが―――今回は様子が違った。
 始めに出てきたのは剣だ。しかしただの剣ではない、とてつもなく大きく……縦長のビルなら二つに立ち切れるのではないのかと思える程だった。

 次に出てきたのは棍棒。剣とは違った、太く長い……大地をも砕けるかと思える程の物だった。
 次には盾、聖杯と。どれも巨大なものが次々とオーロラから現れる。そしてそれらは、同じような巨大な手の中に収められていた。


「……おい、おいおいおい…!」
「こ、これは…ッ」


 オーロラから次第に全容が露わになっていくそれに、二人も思わず声を上げた。
 黒々とした胴体に、蛇のような長い尾が現れ…ミッドチルダの地に現れた。


「マジ、かよ…!」
「………ッ!」


 息を飲む二人。そして巨大な双眸を見せ、赤い瞳で二人を捉えると―――


「■■■■■■ーーーッ!」


 言葉にしがたい、巨大な怪物の雄叫びがミッドの街に響き渡る。
 その巨大な全容と、凶暴的な雄叫びに。二人は勿論、後衛へと回っていた魔導士も、指揮を執っていたゲンヤも、驚愕を隠せなかった。


 ―――もしここに、彼が…士がいたなら。彼もまた、驚愕していたのだろう。
 そこに現れたその怪物は、色は違えどその姿はまさしく……



 ―――巨大邪神14(フォーティーン)だったのだから。





  
 

 
後書き
 
い、色々ぶっこんだつもりです、はい……
ただはやての活躍が書けませんでした。はやてファンの皆さま、本当に申し訳ありません。どうしても活躍の場が思いつきませんでした……

な「これを一か月以上かけて?」

いえ、正直に言うとここ1、2週間ぐらいです。
五月の頭は色々忙しくって…

フェ「いい訳は聞きたくない」

ぐっ…まさしくその通りで。
でもお二人の活躍も十分に書けたつもりですし、オリキャラ二人に関しても書きたいところまで書けました。
あとはちょっと時系列的なところが大変でしたが……

な「じゃあ順番的に、次回は士くんの方かな?」

そう、士のシリアス回の最終編。遂に二人の戦いに決着が!……つけばいいなぁ…

フェ「願望じゃん、折角途中までよかったのに…」

ま、まぁそこはいいとして…!
次回はまたいつになるか分かりませんが、出来得る限り早い更新を心掛けるつもりです!どうか首を長くしてお待ちください!

フェ「小説の感想や誤字脱字の報告など、お待ちしてます」
な「それではまた次回に!」

「「Take off!」」
  
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