ハイスクールD×D ~始まりのアマゾン~
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月光校庭のエクスカリバー
Episode1
堕天使の幹部コカビエルがリアス・グレモリーに宣戦布告したのと同時刻
~駒王町近くの空港~
多くの人が出入りする空港の玄関からキャリーケースを引くサングラスをした男・森幹 仁(もりもとジン)が出てきた。
仁はタクシー乗り場に向かおうとするが、一人の黒髪の少女が立ち塞がるように仁の進行方向で立ち止まった。
SIDE仁
あれから2年か。
俺は空港から出てタクシーに乗ろうと歩いている最中、ふと2年前の事を思い出していた。
すると前方から若い女の声が聞こえた。
「お久しぶりですね、仁。」
聞き覚えのある声を聴き、顔を前に向けると顔なじみの一人の少女が俺の通る道をふさぐように目の前に立っていた。
「久しぶりだな。×××。」
俺は×××に返事を返しながらサングラスを外した。
「ええ。約2年ぶりですね。」
×××の言葉を聞き、2年前の一件の後、さらに4年前に命を救ったことのある×××のもとに身を寄せていた頃のことを思い出していた。
「ああ。わざわざ出迎えに来てくれたのか、ありがとな。・・・でも、忙しいんじゃないのか。」
「それなら問題ありません。事務処理は貴方から連絡を貰ってからある程度は終わらせましたし、残りは任せてきました。」
「そうか。ならいいんだがな。」
たわいもない雑談をした後、×××は真剣な目で俺の目を見ながら話しかけてきた。
「それで、・・・例の、・・・アマゾンでしたか?・・・その約4000もの実験体を始末するために世界中を回っているでしたよね。」
「ああ」
「残りあと何体ですか。」
「実験体は残りはあと2192体だ。そのうち517体は日本の駒王町に潜んでいる。」
「5ひゃk・・・、そんなにいるんですか。」
×××は顔を青ざめながら俯いた。
「安心しろ。お前は俺が守ってやるさ。お姫様。」
俺がそう言うと×××は顔を真っ赤にしながら、俺に怒鳴ってきた。
「な、な、な、何言ってるんですかっ!こんな公衆の面前でっ!!」
「まぁ任せとけ。アマゾンは一匹残らず俺が狩る。」
その言葉で、×××は落ち着きを取り戻し、俺の手を取り、俺の掌の上に鍵を置いた。
「これを持って行ってください。」
「これは?」
「これは貴方の駒王町での拠点として用意したマンションの鍵です。」
「なるほど、サンキュ、×××。」
「いえ、貴方のおかげで私は今生きていますし、今のあなたは私の●●ですから。」
「なんだか照れるな。」
俺は頬を掻きながら顔が赤くなるのを感じた。
「とりあえず行くか。」
「ええ。」
俺は×××と共にタクシーに乗り、空港を後にした。
~駒王町廃教会前~
俺は×××と別れ、廃教会の中にいた。
「此処にあいつが出入りしてたのか。」
俺は懐から1枚の写真を取り出して眺めた。
その写真には聖職者のローブを纏った俺と、俺と肩を組んでいる白髪の少年と十数人の男女の姿が映っている。
俺が協会に所属していたころのの仲間たちであり、俺と同じ被害者たちだった。
俺と肩を組む白髪の少年は俺の親友であり、相棒でもあった。
かつては俺と共に非常に強力なはぐれ悪魔や魔物を討伐しており、俺たち2人の所有する神器から『聖魔剣士』という異名がつけられつほどのコンビだった。
しかし、2年前からとある事情から悪魔の契約者やその親族を皆殺しにするという常軌を逸した行動を取ったため、異端認定され教会を追放されてしまった。
その後も人斬りを繰り返しながら各地を転々としているという情報を聞いており、×××から駒王町に出没したという情報を得たため、俺は日本を訪れた。
・・・まぁ、アマゾン狩りっていう理由もあるが、優先順位でいえば、相棒を探すことのほうが上だけどな。
「っ!」
その時、俺は二つの気配を感じ取った。
「一つは堕天使の、たしかコカピエル・・・いやコカビエルか。もう一つ・・・・・・アイツのか」
俺はアマゾンズドライバーを取り出して装着すると、ドライバーのアクセラ―グリップを回した。
<Alpha>
その音声が鳴り響き、俺は一度目を閉じた後に
「アマゾン」
俺がそう噛み締めるようにつぶやいた後、俺の体を高熱が包み、周囲の物を吹き飛ばす深紅の衝撃波が発せられた。
俺の体を包んでいた高熱が霧散すると俺はアマゾン態=アマゾンアルファに姿を変えていた。
俺は一度しゃがみ込んだ後、立ち上がる勢いを利用して跳躍し、廃教会の天井を突き破り気配が感じられる場所へ向かっていった。
SIDE OUT
~駒王学園前~
駒王学園は大きな結界で覆われていた。
結界の外側では10人にも満たない少年少女が結界を維持していた。
少年少女は学園の生徒会メンバーであり、悪魔でもあった。
SIDE×××
私は現在、駒王町の被害を少しでも減らすため私の眷属と共に結界を張っています。
ですが、コカビエルの力をもってすれば簡単に破壊されてしまうでしょう。
「みんなもう踏ん張りです。気を引き締めなさいっ!!」
ガシャーン!!!
結界の維持に力を入れていると突如として結界の一部が破られ何者かが侵入していきました。
訂正しましょう。何者かではなく、彼ですね、破られる瞬間、紅い残像が見えましたから。
「「「か、会長!」」」
私と事情を知る椿姫以外は動揺しているようですね。
ですが、彼が来たならもう安心でしょう。
さて、皆を落ち着かせるとしましょう。
それこそが駒王学園生徒会長=シトリー眷属の『王』たる私、支取 蒼那=ソーナ・シトリーの役目なのですから。
SIDE OUT
~駒王学園校庭~
SIDEイッセー
「――所詮は、折れた聖剣か。このデュランダルの相手にもならない。」
木場が禁手に至り、ゼノヴィアの切り札であるデュランダルによってイカレ神父フリード・セルゼンの持つ聖剣エクスカリバーが砕かれた。
「これで終わりだっ!」
木場が聖魔剣でフリードにとどめを刺すために目にも止まらぬ速さで斬りかかっていった。
ガンッ!!
「この程度か。」
グサッ!
次の瞬間フリードの左腕が異形の物に変わっていて、その腕についているマントみたいなもので木場の聖魔剣を受け止めやがった。
しかも、いつの間にか右腕に持っていた剣で木場を刺しやがった!!!
SIDE OUT
SIDEフリード
オレの前には1人の悪魔が腹に俺の神器魔剣創造ソード・バースで造った魔剣が刺さったまま血を垂れ流して倒れている。
この悪魔は聖剣計画の被害者らしいが、聖剣計画なんざ俺や相棒たちが被験者になったあの計画に比べれば取るに足らない、くだらないもんだ。
俺はアマゾン化した左腕を見た。
俺は新たな魔剣を空中に大量に造り出した後、宙に浮く無数の剣を悪魔共に放つため左腕を振り下ろそうとすると、
ガシャーン!!
結界の一部が破れ、俺の目の前に紅いアマゾンアマゾンアルファが、かつての相棒仁が現れた。
『久しぶりだな。相棒フリード。』
2年ぶりに相棒の声を聞いて俺は、俺の中の野生アマゾンを解き放った。
「アハハハハハッ!!!会いたかったゼェ、相棒ゥゥゥゥ!!」
その言葉を合図に、俺の体は高熱で包まれ、次の瞬間俺はアマゾン態=コウモリアマゾンへと姿を変えていた。
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