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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第23話(3章終了)

~第三星層・終点~



「あ………レシェンテちゃん達と同じメイドさんだ。」

「ということは………」

光から現れようとした一人を見たティータは気付き、ヨシュアはマリーニャ達を見た。

「これで残るはあと一人ね。」

「うむ。それと肝心のセリカも忘れてはならんぞ!」

「わーい、シュリお姉様です~。」

マリーニャとレシェンテはそれぞれ明るい表情をし、サリアは喜んだ。

「あ、やっぱり、ティアお姉様みたいですね。」

「うむ、そのようだな。…………ん??」

「なんか………微妙に違うように見えるんだけど。」

一方プリネは納得した様子で呟き、リフィアも頷いたが何かに気付いて首を傾げ、エヴリーヌは違和感を感じた。そして光の中からメイド姿の女性――シュリとある人物――ティアと瓜二つの容姿でイーリュンのシスター服を着た”人間”の女性が地面に膝をついた状態で現れた。

「うっ………今の光は……?」

「これは一体………?私は既に転生を果たしたはずなのに………」

シュリは目を瞑った状態で呟き、女性は自分の身体を見て戸惑っていた。

「シュリお姉様~!」

そしてサリアは嬉しそうな表情でシュリに抱きついた。

「サリア、無事だったのね!マリーニャさん、レシェンテ、一体何が起こったのですか?」

サリアを受け止めたシュリは安堵の表情をした後、マリーニャとレシェンテを見て尋ねた。

「あ~……何から説明するべきかしら………」

「まずは周りを見てみるのじゃ、シュリ。」

尋ねられたマリーニャは溜息を吐いた後考え込み、レシェンテは指摘した。

「え………?……!!こ、ここは一体………!先程までお屋敷にいたのに………!それにあなた達は誰ですか?」

レシェンテの指摘に気付いたシュリは周囲を見回し、そして目の前にいるケビン達に気付いて驚いた。

「ハハ、じゃあ、まずは自己紹介を始めましょうか。」

シュリの様子にケビンは苦笑した後、仲間達共に自己紹介をして、状況を説明し始めた。

「そんな事が……………」

話を聞き終えたシュリは驚いた後、表情をわずかに暗くした。

「………顔色が少し悪いようですが、先程の話に何か心当たりがおありなのですか?」

シュリの様子を見たリースは尋ねた。

「い、いえ。………その”黒騎士”でしたか?その方が言っていたという御主人様が再び、愛する方をその手にかけるという言葉がどうしても気になって………」

「…………それは確かにあたしも思ったけど、今はまずご主人様やエクリアと合流することが先決でしょ?」

「………そうですね。わかりました。セリカ様の”第三使徒”――シュリ・レイツェン、微力ではありますが協力させて頂きます。」

マリーニャの話を聞いたシュリはケビン達に微笑んで言った。

「よろしく頼みますわ。………って”レイツェン”?」

「サリアさんと同じ姓名みたいだけど………もしかして2人は姉妹なのですか?」

シュリの言葉に頷いたケビンはある事に気付き、ヨシュアは尋ねた。

「はいです~。ご主人様に買って頂き、そしてシュリお姉様の妹にして頂きましたです~。」

「へ………」

「か、”買って”頂いたって………まさか…………」

サリアの答えを聞いたケビンは呆けた声を出し、クローゼは不安そうな表情で尋ね

「………この娘は幼い頃、商人に奴隷として売られていて、ご主人様がある仕事である街に滞在していたのですが、その時にこの娘を買い取って、今に至るのです。」

そしてシュリが表情をわずかに暗くして答えた。

「ど、奴隷………」

「……………………」

サリアの過去を知ったティータは仲間達と共に信じられない表情をし、ウィルは表情をわずかに暗くしてサリアを見つめた。

「………奴隷でいる間、辛くはなかったのですか?」

そしてリースが静かにサリアに尋ねた。

「そんな事、思いもしなかったです~。ご主人様に買って頂くまで世話をして頂きましたし、買って頂いた時も”よかったな”って言ってもらえましたし、それに今の生活はとっても幸せですよ~?」

「………強い娘だ。」

サリアの答えを聞いたミュラーは感心した様子でサリアを見つめた。

「………ウィル。そんなに暗くならないで下さい。あなたはたまにユイドラに来る奴隷商人から、奴隷の方達を全て買い取って、自由にしてあげているじゃないですか。」

「そうね。私もその場面に立ち会わせてもらったけど、解放された奴隷達、みんな喜んでいたし、中には自分から雇ってくれっていう奴隷もいたじゃない。」

一方セラウィとエリザスレインは表情を暗くしているウィルを励ました。

「………俺にできるのはそれぐらいだしね。励ましてくれてありがとう、2人とも。」

そして励まされたウィルは静かに答えた後、2人にお礼を言った。



「え!?瞳が蒼い上、しかもに、”人間”!?ティアお姉様じゃ………ないようですね………貴女は一体………」

「これは驚いたな………ティア殿と瓜二つの容姿ではないか。」

「………………………」

その一方プリネとリフィアはティアそっくりではあるが瞳は水耀石のような透き通った蒼い瞳を持つ女性を見て驚き、エヴリーヌは女性を凝視していた。

「あの………今ティアとおっしゃっていましたが、あの娘の知り合いなのですか?」

一方女性は戸惑った様子でプリネ達に尋ねた。

「は、はい。ティアお姉様とは腹違いの姉妹になります。」

「余はティア殿の姪にあたる。」

「え!?………失礼ですがご両親はどなたなのですか?」

プリネとリフィアの答えを聞いた女性は驚いて尋ねた。

「父はメンフィル初代皇帝、リウイ・マーシルン。母はアーライナの神格者、ペテレーネ・セラです。」

「余の父はリウイとシルフィア様の息子であり、現メンフィル皇帝であるシルヴァン!母はリウイとカーリアンの娘であり、現メンフィル皇妃であるカミーリじゃ!」

「え!?ペテレーネさん、そしてシルヴァン陛下達の………!?」

プリネとリフィアの話を聞いた女性は目を見開いて驚いた。

「あの………失礼ですが貴女の名は?」

そしてツーヤは女性を見て尋ねた。

「あ………………申し遅れました。私の名はティナ。ティナ・パリエです。」

「え!?」

「な、何だと!?」

「おお。どっかで見覚えあると思ったら、側室の中でも一番リウイお兄ちゃんの傍にいたイーリュンのシスターだ。…………というか何で生き返っているの??しかも若い姿で。」

女性―――ティナが自分の名を名乗るとプリネとリフィアは信じられない表情で叫び、エヴリーヌは納得した表情で頷いた後、再び首を傾げた。

「あ、あなたは確かエヴリーヌさん。それが私にも何が何だか………」

エヴリーヌに気付いたティナは自分自身信じられない様子で答えた。

「エ、エヴリーヌお姉様!本当にこの方はティナ様なのですか!?」

一方プリネは血相を変えてエヴリーヌに尋ねた。

「ん、そうだよ。このシスターが若い時だけど、エヴリーヌがリウイお兄ちゃんと一緒に寝ようと夜行ったら、結構な確率でリウイお兄ちゃんに奉仕していたり或いは抱かれていたもん。あんまり話した事はなかったけど、それで覚えたし。」

「エ、エヴリーヌさん!」

そしてエヴリーヌはとんでもない事を答え、それを聞いたティナは顔を真っ赤に染めて声を上げた。

「エ、エヴリーヌお姉様………そういう事は口に出すべきではないですよ………って、それよりも信じられない事態が起こりましたね。」

その様子を見ていたプリネは呆れて溜息を吐いた後、驚きの表情でティナを見つめ

「うむ。”あり得ない”事が起こり続けているこの”影の国”ならでこその”あり得る”事かもしれんが、まさかリウイの人間の側室の………それも”幻燐戦争”で活躍した英傑の一人であり、リウイの”光”となった方の一人であり、そして第一側室であられるティナ様にこうしてお会いできるとは余も信じられない思いだ。」

リフィアはプリネの言葉に頷いた後、目を輝かせてティナを見つめた。



「お~い。一体どうしたんや?って、”癒しの聖女”さんじゃありませんか!まさか貴女まで取り込まれていたなんて………」

その時、シュリに状況を話し終え、そして自己紹介を終えたケビン達がプリネ達に近づいて来た。

「この方が………」

驚いている様子のケビンの言葉を聞いたリースはティナをティアと勘違いして、驚いて見つめ

「わあ、ティアさんじゃないですか。」

「お久しぶりです。………あら?」

ティータは目を輝かせ、クローゼは会釈をした後、ティナを見つめてある事に気付き

「瞳が……蒼い?」

「………それによく見ると耳が我々と同じ………という事は”人間”………つまり別人か………?」

ユリアとミュラーはティアではない違和感を口にし、不思議そうな表情でティナを見つめた。

「えっと………実は………」

そしてプリネ達はティナがティアの母親――寿命によって既に他界したリウイの側室の一人であるティナの事を説明した。



「なっ………!死者が生き返ったやって………!?それも若い姿で………!」

それを聞いたケビンとは仲間達と共に驚いた表情で見つめ

「…………間違いないのですか?」

「は、はい。生前のティナ様を存じているエヴリーヌお姉様が間違いないとおっしゃっていますし………それに今、思い出しましたが肖像画通りのお姿なんです。」

リースはプリネ達に尋ね、尋ねられたプリネは頷き

「………ん?待てよ。確かディアーネは”幻燐戦争”時から我が陣営の将の一人としていたはずだから、ティナ様の事も当然知っているはずだな………ディアーネ!」

リフィアはある事を思い出して、ディアーネを召喚した!

「我に何の用だ。」

「ディアーネよ、この方に見覚えはないか?」

「何?」

リフィアに尋ねられたディアーネは眉を顰めてティナを見つめた。

「あ………貴女は………」

見つめられたティナは驚きの表情でディアーネを見つめた。

「………!貴様は…………!…………何故、貴様がここに………いや、それ以前に生き返っている?」

「それが私にも何が何だか………」

驚いた様子のディアーネに尋ねられたティナは戸惑いながら答え

「”冥き途”でずっと魂達を導いていましたが、こんな事は初めてです。」

「私も………知らない………貴女………確か………結構前に……門の中へと………入ったはずなのに………」

一方リタとナベリウスは信じられない様子でティナを見つめた。

「あの。実は私はもう他の人に生まれ変わって、私の魂はその人の中で眠っているんです。」

「え!?」

「な、何だと!?では、ティナ様も転生を果たされたのか!」

そしてティナが言った言葉を聞いたプリネとリフィアは驚いてティナを見つめた。

「一体どんな人間に転生したの?」

一方エヴリーヌはある事が気になって尋ねた。

「………今はクロスベルという所にある病院で看護婦の職について、多くの傷ついた方達の為に働いています。」

「まあ………フフ、ティナ様にピッタリのお仕事ですね。」

「うむ。さすがはあのティア殿のお母上だ。生まれ変わってもなお、傷ついた民達を思うとは………」

ティナの話を聞いたプリネとリフィアはそれぞれ微笑みながらティナを見つめ



「あの………それより私”も”という言葉が気になったのですが、一体どういう意味ですか?」

「あ、そうですね。………実は………」

そしてプリネとリフィアはイリーナとラピス、リンがそれぞれティナのように転生を果たし、イリーナはリウイと再会し、そして改めてリウイの正妃になった事を説明した。

「まあ………イリーナ様が………!よかった………ようやく陛下に本当の幸せが訪れたのですね…………」

プリネ達の話を聞き終えたティナは涙を流しながら喜んでいた。

「え、えっと…………あのメンフィル大使――リウイ皇帝の事を何とも思わないの?」

その様子を見ていたジョゼットは戸惑った様子で尋ねた。

「?どういう意味ですか?」

「え、えっと………ティア様のお話ですとティア様のお母様――ティナ様はリウイ陛下の事を心から愛していたと聞いていましたので……嫉妬等はされなかったのですか?」

首を傾げているティナにクローゼは戸惑った様子で尋ねた。

「ああ、そういう事ですか。嫉妬どころかむしろ感謝をしています。………最愛の女性であったイリーナ様を亡くしたばかりの陛下を私は少しでも悲しみにくれている陛下を支える為にお傍にいさせて頂いたのに、陛下は私の事も大事にしてくれ、そして愛してくれました。そして陛下と私の娘であるティアも授かり、本当に幸せな一生でした………唯一の心残りは陛下の心の傷を癒せず、逝ってしまったことですが、イリーナ様が再び現世に蘇ったのですから、もう私に心残りはありません。」

一方尋ねられたティナは心の底から幸せそうな表情で答えた。ティナの答えを聞いたケビン達は驚きの表情でティナを見つめていた。

「なんという慈愛を持つお方………」

「さすがは”癒しの聖女”と称えられているティア殿の御母上だな………」

そしてリースは尊敬の眼差しでティナを見つめ、ユリアは感心した様子で呟き

「へ~。シュリのご主人様を思う強さと良い勝負をする人がいるとは思わなかったわ。」

「マ、マリーニャさん!さすがにそれは言い過ぎですよ………」

マリーニャも感心した様子で呟き、それを聞いたシュリは顔を赤らめて言った。

「フフ…………それにしてもペテレーネさんは無事、神格者になられたのですね。それにしてもまさかペテレーネさんと陛下のご息女である貴女とこうしてお会いする日が来るとは夢にも思いませんでした。」

そしてティナは優しい微笑みを浮かべてプリネを見つめた。

「フフ、それは私もですよ、ティナ様。母から聞きましたが、メンフィルに帰還した時、真っ先にティナ様の墓碑に報告に行ったと聞いております。」

「そうですか…………」

プリネの話を聞いたティナは静かに頷いた。

「差し出がましい事を聞くがティナ様が転生したという女性は未婚なのか?」

「リフィアお姉様?」

「?一体、何故そのような事を………」

リフィアの疑問を聞いたプリネは首を傾げてリフィアを見つめ、ティナも首を傾げて尋ねた。



「もし未婚ならば、再びリウイの側室として嫁いだらどうなのだ?ティア殿も再びティナ様に会えてきっと喜ばれると思うし、何よりリウイとイリーナ様も喜ばれるぞ。」

「………………………………確かに私が転生した女性は未婚ですが……以前は心から愛している男性が”いた”のです。」

リフィアの提案を聞いたティナは静かにリフィアを見つめた後、表情をわずかに暗くして答えた。

「”いた”って事は………」

「も、もしかして死んじゃったの~!?」

「ノ、ノイ!わかってても口に出したら、駄目だよ!」

ティナの言葉を聞いたジョゼットは信じられない表情をし、ノイは驚きの表情で言い、ノイの言葉を聞いたナユタは慌てた。

「…………ええ。私が生まれ変わった女性にとって義弟になるはずだったその男性の弟の方もその女性自身が幸せになる事を祈っているのですが、女性自身、その弟の方を本当の家族だと思っていますし、女性自身せめてその方が一人前になるまでは自分の事は後回しでいいと考えていますし、それに私の魂はまだ女性の中で眠っていますので………」

「ならば、もしその弟とやらが一人前になり、そしてティナ様の魂が目覚めれば………」

ティナの答えを聞いたリフィアは期待した様子で尋ねた。

「…………イリーナ様がいる以上私の支えはもう必要ないとは思うのですが…………もし、陛下がそれでも私の支えを必要とされるのであれば、喜んで再び陛下のお傍にいさせて頂きます。」

「おおー………ぱちぱち………」

「フフ………生まれ変わってもなお、同じ男性を愛し続けるなんて素敵ですね。」

ティナの答えを聞いたナベリウスは感心した声を出して軽い拍手をし、リタは微笑み

「うむ、そうか!では元の世界に帰ったら、まずティア殿に報告にしなければな!」

「ええ。きっとティアお姉様、喜ばれるでしょうね…………!」

リフィアとプリネはそれぞれ明るい表情をした。

「え~と、盛り上がっている所悪いねんけど……それでティナさんは今後どうするんですか?」

「勿論、協力させて頂きます。これも我が主神、イーリュンのお導きかもしれません。私は戦う事はできませんが探索中に傷ついた皆さんをいつでも治癒しますので、いつでもお連れ下さい。」

そしてケビンに尋ねられたティナは優しい微笑みを浮かべて頷いた。

「ありがとうございます。………それと個人的な頼みになるので申し訳ないのですが、時間がある時で構わないのですが私にイーリュンの秘印術を………治癒魔術を教えて頂けませんか?」

「リース!?なんで、そんな事を………?」

リースの言葉を聞いたケビンは驚いてリースを見て尋ねたが

「………私が法剣を選んだ理由と同じ理由と言えばわかるでしょう?前々から機会があれば、習得しようと思っていたもの。姉様に治癒魔術を教えていたイーリュンのシスターの方も私にも素質があるって言っていたし。」

「…………そうか……………」

リースの答えを聞いたケビンは静かな表情になった。

「何やら事情がおありのようですが………一人でも多くの傷ついた方達を癒すというのなら私でよければ喜んでお教えさせて頂きます。」

「………ありがとうございます。」

そしてティナの答えを聞いたリースは会釈をしてお礼を言った。



その後シュリとティナを仲間に加えたケビン達は残りの2つの封印石を解放する為に庭園に一端戻った……………






 
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