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英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)

作者:sorano
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第78話

その後、濃霧を抜け、研究施設についたエステル達は警備代わりの機械兵器を退けながら、アネラス達を探した。アネラス達は1階層ずつにいたが、全員操られてエステル達を襲い、エステル達は仕方なく、アネラス達と戦って戦闘不能にした後、ケビンの”法術”のよって正気に戻らせた。そして最後に助けたアネラスの証言により、ヨシュアがいた事に驚き、エステル達は急ぎ、ヨシュアがいるであろう屋上に向かった。



~ヴァレリア湖・研究施設・4階・最奥~



エステル達が部屋に入ると、そこにはヨシュアが倒れていた!

「ヨシュアっ!?」

倒れているヨシュアを見たエステルは血相を変えてヨシュアに駆け寄り、仲間達も続いて駆け寄った。

「ヨシュア!ねえ、ヨシュアってば!な、なんでこんなに身体が冷たいのよぅ……。起きて……起きてってばぁ!」

倒れているヨシュアをエステルはヨシュアの体を触り、悲しそうな表情で叫んだ。

「そ、そんな……」

「クッ…………」

「間に合わなかったのか…………!」

クローゼは悲しそうな表情をし、アガットとジンは無念そうな表情をした。

(……何か、おかしくない?)

(………お前も感じたか。恐らく”コレ”はヨシュアではない。………ここに来るまでに戦った機械の類だろう………)

(や、やっぱり………!私もなんか変だなって、思ってたんです………!)

(………という事はまさか……罠!?)

一方ニルはエステルの体の中からヨシュアを見て妖しがり、サエラブは頷いた後答え、それを聞いたテトリも頷き、パズモは血相を変えた。

「……う……………」

エステルが何度も揺すって声をかけていると、倒れているヨシュアから声が聞こえてきた。

「ヨシュア!?」

「……エ……エステル……。どうして君が…………こんなところに……」

「よ、よかった……無事……だったんだ……。待ってて、すぐに手当てを―――」

声を出しているヨシュアを見てエステルが安心した後、手当てをしようとしたその時!

「あかん!離れろ!」

ケビンの警告に咄嗟に反応したエステルは棒を構えた!するとヨシュアは起き上がってエステルに攻撃した!エステルの咄嗟の判断により、ヨシュアの攻撃をエステルは受けなかった。



「くっ………!?」

「……………」

攻撃を防御されたヨシュアは大きく後ろに跳んで、エステル達から距離をとった!

「えっ……!?」

「ヨ、ヨシュア……」

ヨシュアの行動にクローゼとエステルが驚き、ヨシュアを見た。

「………………………………」

ヨシュアが顔を上げると、顔はなんと真っ白だった!

「!!!」

「人形……!」

「小癪な……!」

さらにエステル達を囲むようにヨシュアの人形が2体、現れた!

「来るぞ………!」

そしてエステル達はヨシュアの姿をした人形達との戦闘を開始した!



「……………」

「クッ………ヨシュアと同じ技を………!」

敵が放ったクラフト――朧を咄嗟の反応で棒で受け止めたエステルは敵を睨み

「……………」

「チッ!?」

さらにもう一体が放ったクラフト――絶影を受けたアガットはダメージを受け

「………………」

「クッ………完全にヨシュアと同じ技を使うとは………!」

最後の一体が放ったクラフト――双連撃をジンは籠手で防ぎながら、顔をしかめた。

「ちょいと、本気を出させてもらうで……!

そしてケビンはクロスボウに刃を仕込み

「ハァァァァァァ………!」

一瞬の動作で敵達を滅多斬りにし

「滅!!」

滅多斬りにした後、ケビンがバッジを掲げると、地面から闇の槍が飛び出て、ダメージを与えた!矢の如き突進で体制を崩した敵を闇槍で突き上げるケビンのクラフト――デスパニッシャーの威力は高く、敵達に深くないダメージを与えた!

「行きます………水弾!!」

さらにそこにクローゼの魔術が一体の敵に命中し

「喰らいやがれっ!」

そしてたたみ掛けるようにアガットのクラフト――スパイラルエッジが命中し

「フン!」

ジンが攻撃し、止めを刺した!

「行けっ!圧縮溺水!!」

そしてクーと契約したお蔭で使えるようになった、”溺水”を水柱に圧縮して異空間より召喚して、攻撃範囲内の敵全てに1本づつ向かう水の魔術――圧縮溺水は残りの2体を壁まで吹っ飛ばした!

「「……………」」

しかし吹っ飛ばされた敵達は武器を構え

「「……………」」

「「きゃっ!?」」

「あいたぁ!」

「かはっ!?」

「おあっ!?」

2人同時にヨシュアが使うSクラフト――漆黒の牙を放ち、エステル達に大ダメージを与えた!



「………っつ!今だ!………光よその輝きで傷つきし翼達を癒せ……リヒトクライス!!」

しかしクローゼが痛みを我慢して、Sクラフト――リヒトクライスを放って、全員を回復し

「我が右手に有りし星の杯よ、天より授かりし輝きをもって我らが盾となれ…………グラールスフィア!」

さらにケビンはSクラフト――グラールスフィアをクローゼに続くように放ち、自分達に2回まで防げる絶対防壁を放った!

「らあぁぁぁぁぁぁぁぁ……………!」

「こおぉぉぉぉ………………………!」

そしてアガットとジンはそれぞれ力を溜めだした!

「「……………」」

2体のヨシュアはそれぞれ、”魔眼”、”絶影”を放ったが絶対防壁に阻まれて、アガット達にダメージを与えれなかった!

「くらえっ!ファイナルブレイク!!」

「奥義!はっ!雷神掌!!」

そして2体のヨシュアがクラフトを放って、元の位置にに戻った時、アガットとジンが放ったSクラフトが同時に命中し、大ダメージを受け、壊れる寸前になった!

「これで決める………!我に眠りし命の守護よ……ここに来たれ!! 」

そしてエステルは黒髪と翡翠の瞳になり、棒に水の魔力を纏わせ、水柱と化させ、そして踊りを舞うかのような動作で敵達に攻撃した!

「蒼流……演舞撃!!」

ラピスより受け継ぎ、クーと契約したお蔭で使えるようになった奥義――蒼流演舞撃を放って、止めを刺した!



「はあはあ……」

「くっ……さすがにキツイな……」

戦闘が終了し、元の姿に戻ったエステルは息を切らせ、ケビンが顔を顰めたその時、拍手が聞こえてきた。

「あ……!」

拍手が聞こえた方向を見ると、暗闇の中にうっすらと2人の人影が見えた。

「………………………………」

「はは、偽物と気付くのが少しばかり遅すぎたようだね。今回のゲームは私の勝ちにさせてもらうよ。」

声の主が指を鳴らすと、目の前にガラスの壁が現れた!

「なっ……!」

「ヤバイ……!」

そして部屋にガスが放たれ、エステル達の意識が遠のいていった!

「あ……」

「……こいつは!」

「クッ……意識が……」

そしてエステル達はガスによって、全員眠ってしまった!



「簡単すぎるゲームだったが、君の反応はなかなか楽しかった。お礼と言っては何だが……面白い場所に招待させてもらうよ。」

エステル達が眠るとガラスの壁がなくなり、そこからワイスマンとレーヴェが姿を現し、ワイスマンは凶悪な笑みを浮かべていた!

(あの男は………!)

(エステルさんの記憶を奪い、ヨシュアさんに哀しい決意をさせた人………!)

ワイスマンを見たパズモとテトリはワイスマンを睨んだ。そしてレーヴェは近づいて来て、エステルを抱き上げた。

(!!エステルを自分達の拠点に連れ帰るつもりね……!どうする?………出る?)

(……いや、ここは奴らの動向を探るために様子を見るぞ……予想外の情報が手に入る可能性もあるし、敵陣もわかる。いざとなれば我らや……そして獣の魔神や水竜もいる。いつでも脱出は可能だから、このまま様子見をするぞ……)

ニルに尋ねられたサエラブは静かに答えた。そしてエステルを抱き上げたレーヴェと共にワイスマンはどこかに向かった。



「う……」

「むっ……」

「あ……」

「くっ……」

少しするとケビン達は目を覚まし、起き上がった。

「え、えらい目に遭ったわ……。エステルちゃん、大丈夫か―――」

起き上がったケビンは周りを見回しながら呟いたが、エステルの答えは返って来なかった。

「!!」

何かに気付いたケビンは慌てて周りを見回した。

「……どうしましたか?」

ケビンの様子を見たクローゼは不安げな表情で尋ねた。

「エステルちゃん!?お、おい、冗談やろ……」

「まさか………!」

ケビンの言葉を聞いたジンは血相を変えて呟き、エステルの姿を慌てて探しているアガットやクローゼと共に探したが、見つからなかった。

「こっちだ!」

「!!!」

そして何かを見つけたアガットの言葉に全員が振り向くと、ガラスの壁がなくなっており、その先に扉があった。そしてケビン達は急いで先を進んだ。



~屋上~



「しもた……!」

「あ……!」

ケビン達が屋上に着くと、エステルを抱き上げているレーヴェと、その横にいるワイスマンが乗った赤い飛行艇が飛び上がり、どこかに去った!

「エステル――――――ッ!!」



そしてアガットの声はむなしく夜空に消えていった……………




 
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