| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)

作者:sorano
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

外伝~特別模擬戦最終戦 VS特務支援課~

~グラウンド~



「みんな、行くぞ!」

「みんな、一気に行くぞ!」

戦闘開始の号令がかかるとロイドとリィンはそれぞれ号令をかけて仲間達の闘志を高めた。



「ガーちゃん、ブッ飛ばせ~!」

「――――」

ミリアムの指示によってアガートラムはロイド達にクラフト―――バスターアームを放ったが

「おっと、させないぜ?」

「―――!?」

「ええっ、嘘!?ガーちゃんの一撃を受け止めるなんて……!」

なんとランディがスタンハルバードでアガートラムの攻撃を受け止めた!



「今だ!クロスミラージュ!!」

「ぐっ!?」

「きゃあっ!?」

「あうっ!?」

「チッ!?やりやがったな……!お返しだ!」

そしてエリィが導力銃からレーザーを放ってリィン達に次々と命中させるとクロウがクラフト―――ダブルクイックを放ってロイド達を怯ませたり牽制したりしていた。



「四の型―――紅葉切りっ!!」

ロイド達が怯んだ隙を狙ったリィンはロイド達に強襲したが

「させるかぁっ!!」

「クッ……!」

ロイドがトンファーでリィンの太刀を受け止め

「リィン、下がってろ!」

「!!」

クロウの警告を聞いたリィンはロイドから下がった。



「凍っちまいな!」

「グッ!?しまった……!」

するとクロウは2丁の銃から凍結させる弾丸をロイドに命中させ、クロウのクラフト―――フリーズバレットによってロイドの身体は凍結し始めた。

「リカバーモード、起動します……―――これで大丈夫です。」

「アークス、駆動……」

しかしその時ティオが傷と共に状態異常を回復させる特殊魔法(クラフト)―――エナジーサークルでロイドの傷と凍結を回復し、セレーネはオーブメントを駆動させ

「ガーちゃん、ぶっ放せ~!!」

「――――」

ミリアムの指示によってアガートラムはクラフト―――ライアットビームをロイド達に放った!



「!散開!」

「わかったわ!」

「えい!」

「ったく、ビームとかそんなのアリかよ!?」

襲い掛かるレーザーを見たロイド達は散開して回避したが

「えい!ダークマター!!」

「しまった!?」

「キャアッ!?」

「ダークマターですか……!」

「チッ!?」

オーブメントの駆動を終えたセレーネが放ったアーツによってダメージを受けながら一か所に固められ

「二の型―――疾風!!」

「俺様のとっておきだ!―――喰らいやがれ!―――カオストリガー!!」

その瞬間を狙っていたリィンが電光石火の速さで次々とロイド達に斬撃を叩き込み、リィンに続くようにクロウは禍々しい狂気の詰まった弾丸をロイド達に命中させた!



「ミリアムさん、今です!」

「うん!ガーちゃん、速攻で決めるよ~!」

「――――!!」

そしてセレーネがミリアムに呼びかけたその時ミリアムはアガートラムを巨大な槌に変形させ

「どぅりゃああああああっ!!」

ロイド達に向かって突撃し空高くへと跳躍した。

「絶対障壁を展開させている時間はありません………なら……!」

するとその時ティオは自分を中心としたドーム型の結界を即座に展開し

「ギカント………ブレイ―――――クッ!!」

ティオが結界を展開したその瞬間、ミリアムは巨大な槌と化したアガートラムを結界に叩きつけた!



「嘘!?そ、そんなのアリ~!?」

罅だらけになった結界の中にいる無事な様子のロイド達を見たミリアムが驚いたその時

「さあ、今度はこっちの番よ!絶対に逃がさない!!」

「わあっ!?」

エリィがライフルを構えてミリアムに集中攻撃し

「ミリアム!?今助ける!」

その様子を見たリィン達は援護をしようとしたが

「させねえよ!」

「クッ!?全員、目をつぶれ!」

ランディが投擲したスタングレネードの光から目を守る為にその場で目を閉じてスタングレネードの爆発を受けて怯み

「そこだぁっ!!」

「あうっ!?」

エリィが銃撃を終えると電撃を流し込んだトンファーをミリアムに命中させて怯ませ

「ハァァァァァァ……!ゼロ―――ブレイクッ!!」

「かはっ!?ご、ごめん……ボクはギブアップ……」

クラフト―――スタンブレイクから続けて零距離で強烈な一撃―――ゼロブレイクをミリアムに命中させて吹っ飛ばしてミリアムを戦闘不能にした!



「ミリアム!?」

「クソ、いきなり一人減らされるとかヤヴァすぎだろ……!?」

「わたくしが復活魔法でミリアムさんの傷を回復します……!…………」

戦闘不能になったミリアムを見たリィンは驚き、クロウは唇を噛みしめ、セレーネは魔術の詠唱を開始した。しかし!

「みんな、”アレ”で一気に決める!エリィ、ティオ!頼む!」

「わかったわ!ティオちゃん、お願い!」

「お任せ下さい!」

号令をかけたロイドに指示をされたエリィとティオは同時に詠唱をし

「「コールドゲヘナ!!」」

「なっ!?」

「キャアッ!?」

「嘘だろ、おい!?」

二人は膨大な氷のエネルギーを放ってリィン達を凍結させた!



「今だ!ランディ、行くぞ!」

「合点承知だぁっ!」

「「バーニング………レイジ!!」」

そして凍結して動けないリィン達にロイドとランディは猛連撃を放ち続けた後強力な一撃を放ってリィン達の中心で大爆発を起こすと共に通り抜け

「次!エリィ、行くぞ!」

「ええ!」

「「スター…………ブラスト!!」

「ティオすけ、俺達も行くぞ!」

「はい、ランディさん!」

「「ハーケン……ストーム!!」」

通り抜けたロイドとランディはそれぞれエリィとティオと共に強力な一撃を放つと共に再び通り抜け

「まだだっ!ティオ、行くぞ!」

「はい、ロイドさん!」

「「Ω――――ストライク!!」」

「お嬢、こっちも頼んだっ!」

「ええ!頼まれましょう!」

「「ライアット―――スター!!」」

さらにロイド達は組み合わせを変えて強烈な攻撃を同時に放ってリィン達に大ダメージを与え続けた後、リィン達を包囲するような陣形にそれぞれ着き、ロイドは上空に向かって跳躍しながらトンファーを構え、エリィは懐から白と黒の銃を取り出してそれぞれの手に持った後構えてエネルギーを溜め、ティオは魔導杖を変形させて砲口に膨大なエネルギーを溜め、ランディは武器をブレードライフルに持ち替えて怒涛の銃撃を撃ち続けた。



「これが!」

そして跳躍したロイドは回転しながら突撃し

「私達!」

エリィは双銃から白鳥の姿をしたエネルギーを放ち

「特務支援課の!」

ティオは銃に変形させた魔導杖から膨大なエネルギーを解き放ち

「絆だっ!」

ランディは突撃しながら銃撃を続けリィン達に近づくと一瞬で無数の斬撃を叩き込んだ!



「「「「ゼロ―――ブレイカ―――――――――――ッ!!」」」」



4人全員で放つ事が出来る協力奥義(チームクラフト)―――ゼロ・ブレイカーを放ったロイド達が協力奥義(チームクラフト)の締めにそれぞれ同時に放ったそれぞれのSクラフト―――ロイドの『メテオブレイカー』、エリィの『デバインクルセイド』、ティオの『エーテルバスター』、そしてランディの『ベルゼルガー』による強烈な一撃が交わったその時、辺りを轟かせ、さらに地震も起こすほどの超越した大爆発がリィン達の中心で起こり、爆発による煙が消えるとリィン達全員は地面に倒れて呻いていた!



「―――そこまで!勝者、特務支援課!」

そしてリィン達の状態を見て戦闘続行は不可能と判断したサラ教官は戦闘終了の号令をかけた!


「つ、強い……!これが”特務支援課”の真の強さか……!」

「一人一人強かったですけど、特に連携がわたくし達より遥かに凄かったですよね……?」

「あたたた……ちょっとは手加減してくれよな……」

「あう~、負けちゃったよ~……」

戦闘終了の号令がかかるとリィンとセレーネは信じられない表情でロイド達を見つめ、クロウとミリアムは疲れた表情で呟いた。

「フウ……かなりヒヤヒヤする戦いだったな……」

「ええ……」

「結界の展開がちょっとでも遅れていたらあのまま押し切られていたかもしれませんね。」

「……だな。ティオすけの結界に感謝だな。」

安堵の表情で溜息を吐いたロイドの言葉にエリィは頷き、疲れた表情をしたティオの推測にランディは頷いた後口元に笑みを浮かべた。



「み、みんな大丈夫!?」

「な、何なの今の技!?」

「4人全員が同時攻撃をしたように見えるが……」

「ただでさえタイミングが命の協力技(コンビクラフト)を連携させる事自体相当難しいのに、そこに加えて4人全員がそれぞれの強力な攻撃を同時に放つなんて、”特務支援課”の連携力は間違いなくトップクラスだね。」

戦闘を見守っていたエリオットはリィン達を心配し、アリサは驚き、ガイウスは呆け、フィーは興味ありげな表情でロイド達を見つめ

「……我らも彼らの連携力を見習わなければならないな。」

「さ、さすがに僕達が今の技みたいな真似をするなんて無理じゃないか!?」

「フン、努力もせずに諦める気か、阿呆。」

感心した様子でロイド達を見つめて呟いたラウラの言葉を聞いて慌てているマキアスを見たユーシスは鼻を鳴らして呆れた表情で指摘し

「フフ、まさかロイドさん達がここまで強いなんてね。」

「正直驚きましたね……」

「フッ、今の奴等なら”執行者”ともまともに渡り合えるだろうな。」

「フェミリンスやサティアの力を使わない状態のエステルやヨシュア達ともいい勝負をするかもしれないね。」

ロイド達の強さにプリネは微笑み、ツーヤは苦笑し、レーヴェは感心し、エヴリーヌは興味ありげな表情で見つめていた。



「やれやれ、仮にもそれなりの修羅場を経験した”Ⅶ組”がまさか全敗するとはね。さすがは警備隊が”第四機甲師団”を破るほどまで鍛え上げた”六銃士”が育て上げただけはありますね。どんな育て方をしたのか参考までに聞きたいくらいですよ。」

サラ教官は苦笑しながらヴァイスを見つめ

「フッ、お望みとあらばこの後二人で近くの酒場で語り合っても構わないが?貴女のような女性なら大歓迎だ。勿論、酒代等はお近づきの印として俺が奢るが?」

対するヴァイスは静かな笑みを浮かべてサラ教官を見つめた。



「う~ん、ちょっと魅力的な提案ですけど、残念ながらあたしは渋いオジサマがタイプなので、申し出はありがたいですけどここは断っておきます。」

「フッ、それは残念だ。……という訳で、ランディ、お前が誘っても無駄のようだぞ?」

「うっせ!さりげなくナンパしやがって、このリア充局長は……!」

サラ教官の答えを聞いて静かな笑みを浮かべるヴァイスに指摘されたランディはヴァイスを睨み

「きょ、局長……」

「お願いですから少しは時と場所を考えて下さい……」

「こんな人を支える羽目になったリセルさんは色々と大変だったんでしょうね……」

ロイドとエリィは疲れた表情をし、ティオはジト目でヴァイスを見つめた。



「フフ……―――本日はお忙しいところを、はるばるクロスベルからこちらまでお越し頂いて本当にありがとうございました。お蔭様で”Ⅶ組”の面々にとっていい刺激になりました。」

「フッ、それはお互い様だ。こちらにとっても部下達に良い経験をさせられたしな。依頼も終えた事だし、クロスベルに戻るぞ。」

サラ教官の労いの言葉に静かな笑みを浮かべて答えたヴァイスはロイド達を見回し

「わかりました、局長。」

「うげっ、もう帰るのかよ……せっかく帝国まで来たんだから帝都で遊んでもバチが当たらねぇんじゃねえのか?」

「せめてノエルさん達やキーアのお土産を買う時間くらいは欲しいですよね。」

「もう、二人とも仕事を何だと思っているの……」

ヴァイスの指示に頷いたロイドと違って、不満を口にするランディとティオの様子を見たエリィは呆れた表情で指摘した。



「フッ、心配しなくてもヘイムダルで土産を買う時間くらいはある。」

「おお、さすが俺達の局長!」

「話がわかる上司がいる職場は働きやすいですね。」

「あのな……」

「ハア……」

ヴァイスの提案を聞いて喜んでいるランディとティオを見たロイドとエリィは呆れた表情をし、その様子を見守っていたリィン達は冷や汗をかいた。



「それじゃあ帰る前に各自別れの挨拶だけ言っておけ。」

「わかりました。―――Ⅶ組の皆さん、本日の特別模擬戦は俺達にとっても勉強になりましたので、ありがとうございました。」

「また機会があればよろしくお願いしますね。」

「ま、そん時になったら適当によろしくな。」

「………ありがとうございました。」

そしてヴァイスに指示されたロイド達はそれぞれリィン達を見つめて別れの言葉を言い

「いえ、こちらこそ勉強になりました。」

「私達の方こそ、また機会があればよろしくお願いします。」

リィンとアリサがⅦ組を代表して別れの言葉を口にし、エリオット達もリィン達に続くように次々と別れの言葉を口にした後、ヴァイス達は見送りのレーヴェと共にその場から去って行った。



「フフ、どうだったかしら?あれが貴方達―――”Ⅶ組”が目指すべき理想の連携よ。色々と勉強になったでしょう?」

「はい……わたくしも皆さんの足を引っ張らないようにもっと頑張らないと……!」

「アハハ……それを言ったら僕達全員がそうだよ。」

「ああ……僕とユーシスなんか開始早々に翻弄されてしまったからな……」

「フン……次に機会があれば先程の”借り”を必ず返すまでだ。」

「そうね。やられっぱなしでいる訳にはいかないし。」

サラ教官の言葉を聞いて重々しい様子を纏って頷いたセレーネの言葉を聞いたエリオットは苦笑し、疲れた表情で呟いたマキアスの言葉を聞いたユーシスは鼻を鳴らして真剣な表情になり、ユーシスの言葉にアリサは頷き

「個人個人の強さもそうだけど、何よりも連携力がピカイチだったよね。」

「オレ達はARCUSのお蔭で連携できているが……彼らはARCUSも使わずにオレ達とは比べ物にならない連携だったな。」

「きっと互いがそれぞれわかりあっているのでしょうね……」

フィーとガイウスの言葉を聞いたエマは考え込んだ。



「ま、次に模擬戦をする機会があったら、成長した俺達の力を見せつけてやろうぜ!」

「うんうん!勝ち逃げされるのもシャクだしね~!」

クロウの言葉にミリアムは無邪気な笑顔を浮かべて頷き

(”Ⅶ組”と”特務支援課”………互いにいい刺激になったみたいね、)

(ええ……いつかロイドさん達とも協力し合うような出来事があるといいですね。)

(ま、もしかしたらいつかあるかもしれないね。世の中何が起こるかわからないし。)

その様子を見守っていたプリネとツーヤは微笑み、エヴリーヌは静かな表情で呟き

(”特務支援課”か…………)

リィンはロイド達が去った方向をジッと見つめていた。



こうして……”特務支援課”との模擬戦を終えたリィン達は、敗北を糧とし、それぞれ連携や実戦技術により励むようになった…………




 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧