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英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)

作者:sorano
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外伝~冥界の守護者達との再会~

~アヴァタール地方・冥き途~



死した命が集まる場所――冥き途。そこにカーリアン達を入口で待たせて来たリウイ、ペテレーネ、プリネ、イリーナが大門に近付いて来た。

「あら、珍しい方がお見えになりましたね。」

「……久し……ぶり……」

リウイ達の姿を見つけ、門番の2人――リタとナベリウスは姿を現した。

「………お久しぶりです、リタさん、ナベリウスさん。」

「あら?もしかしてプリネちゃんですか?わあ………大きくなったね。」

「おおー…………」

プリネに話しかけられたリタはプリネを見て驚き、ナベリウスも驚いていた。

「フフ………実は2人にとって懐かしい人もいますよ。」

「懐かしい人?」

「だ………れ………?」

プリネの言葉にリタとナベリウスは首を傾げた。

「………ペルル!アムドシアス!」

そしてプリネはペルルとアムドシアスを召喚した!



「2人とも、久しぶり!元気にしていた?」

「ペルル!それにアムドシアスも!2人とも本当に久しぶりですね。まさかプリネちゃんの使い魔になっていたとは思いませんでした。」

2人を見たリタは懐かしそうな表情で答えた。

「アムドシアス………久し………ぶり………」

「久しいな、ナベリウスよ。お主は相変わらず、飽きもせず今の仕事を続けているのだな。」

「それが………私の………仕事………」

どこか呆れている様子のアムドシアスの言葉にナベリウスはいつもの調子で答えた。

「それより今日はどうしてここに?また、お妃様の行方を聞きに来たのですか?」

「…………いや………その必要はなくなった。」

リタの疑問に今まで黙っていたリウイが2人に話しかけて来た。

「………?………あの人………お妃様…………」

ナベリウスは一瞬首を傾げた後、興味深そうに周りの景色を見ているイリーナを指差して呟いた。

「え!?それ、本当!?ナベリウス!」

ナベリウスの呟きが聞こえたリタは驚いて尋ねた。

「本………当………同じ………魂………感じ………られる………」

「…………そうか。」

ナベリウスの答えを聞いたリウイはあまり驚いた様子はなく、頷いた。



「あの………ペテレーネ様。ここは一体……」

一方リウイ達の様子に気付いていないイリーナは周りの景色を見て、ペテレーネに尋ねた。

「………ここは”冥き途”。死した魂が集まりし場所よ。……本来は私達のような生者がここに来てはいけないのだけど……門番の2人とは縁があって、特別にこうやって来ても咎められないのよ。」

「死した魂が集まりし場所………ですか………」

ペテレーネの説明を聞いたイリーナはリタ達が守っている大門の先を見て、呟いた。

「………イリーナさん。いくら彼女達と縁があるとはいえ………さすがに既に死んだ方と会わせる事はできないわ。」

「………わかっています。でも、お父様やお母様もきっとここに来たんですね………」

ペテレーネの忠告に頷いたイリーナは大門を見続けていた。その一方イリーナの事を知ったリタが表情を輝かしてリウイに尋ねた。



「あの………お妃様が今ああして、生きているのですから、主やエクリアちゃんは……!」

「………”あいつ”が転生した以上、もう奴らに用はない。」

「そうですか………!やったね、ナベリウス!主を狙う敵も減ったし、エクリアちゃんももう狙われないよ!」

「おおー…………セリカの………敵………減った…………嬉しい…………」

リウイの話を聞いたリタとナベリウスは喜んでいた。、

「フフ………そうだ。これ、私が作ってみたんです。よければどうぞ。」

2人の様子を微笑んで見ていたプリネは2人にお菓子を差し出した。

「わあ………いい匂い………!プリネちゃんが作ったんだ………!ありがとう。」

「甘い………匂い……ありが……とう………」

差し出されたお菓子を受け取った2人はプリネにお礼を言った。そしてリタは表情を戻し、リウイ達にある事を尋ねた。

「あの………貴方達に最後に会ってしばらくしてから、以前より多くの魂が来るんです。それも戦争とかで死んだ人ばかりじゃなく、普通に寿命や事故で死んだ人の数――それも人間の方の数が前より多くなったんです。もし何か知っていれば、教えてもらえませんか?」

「………………」

リタに尋ねられたリウイは黙って考えていた。

「お父様。2人にはイリーナ様の事を教えて頂いたご恩もありますし……」

「………ああ。そちらにも知らせるべきだったな。」

プリネに言われたリウイは頷いた後、リタ達に異世界の存在を話した。



「………そうですか。異世界の方達の魂がこちらに流れて来ていたんですね………道理で今まで見た事ない服を着ていた訳です。」

「………見覚えのない……服装……みんな………きていた……………」

リタの言葉にナベリウスは頷いていた。

「…………タルちゃん……?………え…………わかった…………」

そしてナベリウスが突如首を傾げて呟いた後、リタを見た。

「ナベリウス?タルタロス様は何を言われたの?」

「リタ………しばらく………向こうに………行って………調べて………来て……ってタルちゃんが………」

「え!?………わかったわ。」

ナベリウスの話を聞いたリタは驚いた後、頷いた。そして真剣な表情でリウイ達を見た。

「あの……実はお願いがあるのですが。」

「願いだと?一体それはなんだ?」

リタの頼みにリウイは意外そうな表情をして尋ねた。

「ナベリウスによるとタルタロス様の命により、しばらく異世界を調べて来て欲しいそうです。ですから私を異世界に連れて行ってもらえませんか?」

「え…………!どうしましょう、お父様。」

リタの頼みに驚いたプリネはリウイを見た。見られたリウイはナベリウスをじっと見て尋ねた。

「………それが”冥王”の………冥界の意向か?」

「………うん………」

リウイに見られたナベリウスは頷いた。

「…………わかった。好きにしろ。」

「ありがとうございます。………しばらくお世話になるね、プリネちゃん。」

「はい。私でよければ、色々教えますね、リタさん。」

「アハハ……まさかリタが一緒について来るなんてね……その内、セリカやハイシェラと会う時が来るかもしれないね。」

「……セリカはいいとして、ハイシェラと再会するのは結構だ!」

ペルルの苦笑に頷いたアムドシアスはある人物の事を思い浮かべて、苦い顔をした。そしてリタはナベリウスから調査する内容等を聞いた後リウイ達の傍に行って、ナベリウスに言った。

「じゃあ、しばらく留守にするわね、ナベリウス。」

「行って………らっしゃい………」

こうしてリウイ達は新たな同行者を加えて、メンフィルへと帰還した………



一方その頃、3箇所に装置を置いたエステル達は博士に報告するために中央工房に向かった………






 
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