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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)

作者:sorano
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外伝〜遊撃士訓練への参加要請〜後篇

~アルモリカ村・入口~



「それっ!!」

戦闘開始の号令がかかるとエオリアは風をも切り裂く勢いで短剣を投擲するクラフト―――ウィンドエッジを次々と連続で放ち

「……………」

レーヴェは襲い掛かる短剣を身体を僅かにずらしたり、剣を振るって叩き落として反撃しようとしたが

「それっ!雷神脚!!」

「!!」

上空から襲い掛かってきたリンの蹴り技を回避する為に一端後ろへと跳躍して二人と距離を取った。



「エニグマ駆動……!」

エオリアはアーツで攻める為にオーブメントを駆動させたが

「甘い!」

「キャッ!?」

「チッ!?」

レーヴェのクラフト―――零ストームを受けて駆動していたオーブメントが妨害され、リンは舌打ちをしながら横へと回避したが

「空を断つ!!」

「グッ!?」

凄まじい勢いの衝撃波を放つレーヴェのクラフト―――空破斬を受けて怯んだ。



「―――疾風突!!」

自分の攻撃でできた隙を見逃さないかのようにレーヴェは疾風の速さでリンに襲い掛かり、突進攻撃から連携しようとしたが

「させないわよ!」

「!」

エオリアが投擲した短剣を回避する為にリンから距離を取り

「せいっ!風神脚!!」

「ハアッ!!」

リンが脚を振るって放った風の衝撃波―――風神脚を剣で振るって無効化した。



「アークス、駆動……」

そしてレーヴェはオーブメントを駆動させ始め

「リン、今回復するわ!」

その隙にエオリアは自身が持つ秘薬でリンの傷を回復し

「助かったよ、エオリア。コォォォォ……ハッ!!」

対するリンは”気功”で傷を回復するクラフト―――養命功でエオリアの傷を回復して、エオリアと共にレーヴェに向かって行った。



(しろがね)の叫びを聞くがいい。――――ファントムフォビア!!」

「え―――」

「な―――」

するとその時オーブメントの駆動を終えたレーヴェがアーツを発動すると二人の足元から巨大な骸骨が現れて呪いの叫び声を上げると共に衝撃波で二人を攻撃した!



「キャアッ!?」

「グッ!?何なんだい、この見た事のないアーツは……!?攻撃と共に身体能力を下げるなんて……!」

未知のアーツを受けたエオリアは悲鳴を上げ、身体能力が下げられた事に気付いたリンは厳しい表情でレーヴェを睨み

「今のアーツは一体……」

「もしかして話にあったプリネさんも持っている戦術オーブメント――――”ARCUS”で放つ事ができるアーツですか?」

戦闘を見守っていたロイドは不思議そうな表情をし、エリィはプリネに尋ね

「ええ。―――”ファントムフォビア”……攻撃と共に身体能力を下げる幻属性のアーツです。」

プリネは頷いて静かな表情で説明した。



「むんっ!受けて見ろ、”剣帝”の一撃を……―――鬼炎斬!!」

そして身体の動きが鈍くなった二人に止めを刺すかのようにレーヴェは剣に溜め込んだ闘気を炎の斬撃波として解き放ち

「キャアアアアッ!?」

「グゥゥゥゥゥッ!?」

斬撃波を受けた二人は悲鳴を上げながら吹っ飛ばされた!



「………………………ほう?今の技を受けて耐えるとはな。」

大技を二人に叩き込んだレーヴェは地面に叩きつけられた後それぞれ身体を震わせながら立ち上がった二人を見て感心した。

「フフ、遊撃士を舐めてもらっては困るわ……!―――セレスティアル!!」

一方立ち上がりながら素早くオーブメントを駆動させたエオリアは自分達の傷を完全回復し

「今度はこっちの番だよ!ハァァァァァ……!」

リンは気功―――”龍神功”で自身の身体能力を上昇させ

「”泰斗流”奥義――――鳳翼天翔―――ッ!!」

全身に炎の闘気を纏ってレーヴェに突進した!



「吼えよ、獅子!!」

突撃して来るリンにレーヴェは獅子の姿をした闘気の衝撃波―――獅吼破を放ったがリンは獅子の闘気をも貫いてレーヴェに突撃し、レーヴェは咄嗟に剣でガードした。

「ハァァァァァ……!千手悔拳!!」

そして攻撃をガードされたリンは無数の高速の拳を繰り出し

「…………………」

レーヴェは繰り出される高速の拳を剣でガードするか、身体を僅かに傾けて回避していた。



「―――月華掌!!」

「――――旋風斬!!」

そして闘気を纏った二人の技が互いにぶつかり合った時、衝撃波が発生してリンを吹き飛ばした!

「グッ!?ッ……!時間稼ぎはさせてもらったよ……!」

「何……?―――!!」

不敵な笑みを浮かべたリンの言葉にレーヴェが眉を顰めて周囲を見回し、オーブメントの駆動を終えたエオリアを見て目を見開いたその時!



「エニグマ駆動!いでよ、氷の女王!―――エンドオブワールド!!」

水属性の最高位アーツが発動し、アーツによって発生した氷の女王が絶対零度の吹雪をレーヴェに吹き付けた!

「グッ……!?」

「コォォォォ……ハッ!喰らえっ!奥義―――雷神掌!!」

エオリアが放った最高位アーツに耐えている隙を狙ったリンは両手から闘気の球体を解き放ち、解き放たれた球体はレーヴェに襲い掛かった。しかし―――



「ハァァァァァ……!セイッ!!」

全身に練った膨大な闘気を解放して襲い掛かる絶対零度の吹雪を吹き飛ばしたレーヴェは襲い掛かってきた闘気の球体を剣を振るって真っ二つにし

「フッ、少々舐めすぎていたな。詫び代わりに俺の”本気”を見せてやろう……!」

「「!!」」

不敵な笑みを浮かべて大技の構えをし、レーヴェの構えを見た二人はそれぞれ身構えた。



「獅子の叫びを聞くがいい。おぉぉぉぉぉぉ………!!」

膨大な闘気を纏ったレーヴェが剣を地面に突き刺すとエオリアとリンの身体が凍結し始めた!

「なっ!?」

「クッ!?」

「せいっ!!」

凍結して身動きが取れなくなっている二人にレーヴェは強襲して最高位の高速剣―――”ハートヴェイル”を叩き込み

「ハアッ!!」

天高くへと全身にすざましい闘気を纏わせながら跳躍した!するとレーヴェの姿は巨大な黒獅子の姿になり

「滅!獅子皇!!」

エオリアとリンに突進した!すると超越した爆発が二人の中心で起こった!



「キャアアアアアッ!?も、もうダメ……」

「アアアアアアッ!?グッ……これが……”剣帝”の力か……!」

レーヴェの大技をまともに受けてしまった二人はそれぞれ悲鳴を上げて地面に跪いて戦闘不能状態になった!



「―――そこまで!勝者、レーヴェ!」

二人の状態を見たメティサーナは模擬戦終了の合図を出した。

「す、凄い戦いだったな……」

「え、ええ。あのレーヴェさん相手にここまで戦えるなんて……」

「フフ、さすがですね。」

「遊撃士って連中は、みんなこんなとんでもない使い手ばかりなのかしら?」

戦闘を見守っていたロイドとエリィは冷や汗をかき、プリネは微笑みながらリンとエオリアを称賛し、エルファティシアは興味ありげな表情をしていた。



「ふう……さすがにダメだったか。」

「まあ、”剣帝”を本気にさせただけ、上出来と言った所かしら。―――私達の完敗よ。」

リンと共に立ち上がったエオリアはアーツで自分達とレーヴェの傷をそれぞれ回復し

「フッ、さすがは遊撃士。相変わらず油断のならない連中だ。」

レーヴェは静かな笑みを浮かべてリンとエオリアを見つめていた。



「ハハ、”剣帝”のあんたにそんな事を言ってもらえるなんて光栄だね。―――はいはい、手合わせはこれにて終了だよ。」

「そうそう、これ以上待っても面白いものは見れないからね。」

レーヴェの称賛を苦笑しながら受け取ったリンはエオリアと共に村人達を見つめて模擬戦が終了した事を宣言した。



「ふむ、そういうことなら我々はここで解散じゃ。みんなも仕事もあるじゃろう。ほれ、休憩は終わりじゃぞ。」

「はは、了解です。」

「ほら、みんな行くよ。」

「いんや~、いい戦いだっただァ!」

二人の宣言を聞いた村人達は解散し、それぞれの仕事に戻った。



「ああ、それと村長さん。場所を使わせてもらってありがとうね。おかげで、いい訓練になったよ。」

「いやいや、それを言うならこちらこそ。あんたたちには世話になっとるし、またいつでも何でも言ってくれ。それじゃあの。」

そして村人達に続くようにリンにお礼を言われた村長もその場から離れて自分の仕事に戻った。



「はは、まさかあんなに喜んでくれるとは思わなかったな。でも、リンさん……肝心の手合わせの内容はどうでしたか?」

「ああ、”剣帝”は勿論だけど、二人とも思っていた以上に手強くて身を持って驚かされたよ。訓練の成果も上々って所かな。」

「ふふ、でも私達も負けっぱなしは趣味じゃないから。またいつかリベンジさせてもらうわよ。」

「ええ、機会があれば是非お願いします。」

「フフ、アガットさんの事といい、人気者は大変ね?」

エオリアの言葉にロイドは頷き、プリネは苦笑しながらレーヴェを見つめ

「やれやれ……」

見つめられたレーヴェは呆れた表情で溜息を吐いた。



「あとはやっぱり、それぞれの戦闘スタイルを間近で見られた事が収穫だったかな。特にロイド、私にはあんたのトンファー術がなかなか興味深かったよ。確か警察で教えている制圧術の一種なんだったっけ?」

「ええ、よくご存知ですね。でも興味深いというのは……?」

「―――トンファーは東方にも伝わる武器だ。”泰斗流”の使い手が使えてもおかしくはない。」

リンの話を聞いて不思議そうな表情をしているロイドにレーヴェは説明した。



「まあ、それなりにね。他にも東方武具と呼ばれる様々なものは門下生時代に一通り扱ったけど……その観点から言わせてもらうとロイド、あんたの回転技はもしかしたら化けるかもしれない。」

「化けるって……技がより強力になるということですか?」

「まあ、あくまで可能性だけどね。アンタさえよければ、この場で指南してもいいけど……何だったら試してみるかい?」

「ええ、教えてもらえるなら是非!」

リンの申し出を聞いたロイドは嬉しそうな表情で頷いた。



「いいな~、ロイド君。リンが人に物を教えるなんて、滅多にないことなんだからね。」

「この場にランディがいたら、間違いなくエオリアに指南して欲しいって言いそうね♪」

「確かにランディなら間違いなく言うでしょうね……」

エルファティシアの推測を聞いたエリィは苦笑し

「まあ、そんな事を言われても絶対パスするけど。」

「うふっ♪そして断られた時の反応も目に見えているわね♪」

「フフ、そうですね。」

(何気に酷い扱いをされていますね、ランディさん……)

エオリアの答えを聞いてからかいの表情になったエルファティシアの言葉に微笑んだエリィの様子を見たプリネは冷や汗をかいて苦笑していた。



「みんな、ゴメン……そういうことなんだけど、ちょっと時間をもらっていいかな?」

「ええ、せっかくの機会だし教えてもらったらいいんじゃないかしら?」

「俺達はその様子を見学させてもらおう。」

申し訳なさそう表情をするロイドにエリィとレーヴェがそれぞれ答え

「はは、それじゃあさっそく始めようか。」

「お願いします!」

リンの申し出にロイドは頷き

「それじゃあ、リンがロイド君に教えている間は私がメティちゃんをい~っぱい、可愛がってあげるね♪」

「うわっ!?こら、やめろ、エオリア!」

エオリアは嬉しそうな表情でメティサーナに抱き付いてメティサーナの抱き心地を堪能し始めた。



その後リンの指南によってロイドのクラフト―――”アクセルラッシュ”は回転を取り入れた事によって新たな技へと進化した。



「い、今のはいい感じでしたかね?」

「ああ、十分合格点さ。後は実戦でも使い込めば、すぐにものに出来るだろう。」

「ふう、よかった……どうもありがとうございました。」

「ふふ、やったわね。」

「ロイドさん、お疲れ様でした。」

新たな技を習得したロイドにエリィは祝福し、プリネは労いの言葉をかけた。



「ああ、ありがとう。でもすごいな……型一つで、こんなに力の在り方が変わるものなのか。」

「ふふ、今アンタに教えたのは俗に”螺旋”と呼ばれる型に分類される立ち回りの一つでね。アリオスさんの使う”八葉一刀流”にも取り入れられているいわば武術の一つの形なんだ。全ての基本であり応用でもあるこの型から派生する技は、それこそ星の数ほどあるけど……”螺旋”を極め、”無”を操る者は全ての武術にして究極の到達点、”理”に至るなんて言われてるんだ。」

「螺旋に無、それに”理”ですか……」

リンの説明を聞いたロイドは驚き

「―――そして”理”と相反するもう一つ究極の到達点―――”修羅”さ。例えばそこにいる”剣帝”のようにね。」

「………………………」

「”理”と相反するもう一つの究極の到達点ですか……」

リンに視線を向けられて静かな表情で黙り込んでいるレーヴェをロイドは驚きの表情で見つめながらリンの説明を聞き続けていた。



「ま、この辺りは判ろうとして判るものでもないし、講釈はこの位にしておくけど……詰まる所、”理”ってのは常人には一生かかっても辿り着けない達人の境地みたいなものでね。その境地に至った者は大陸にもせいぜい数人しかいないと言われているのさ。」

「た、大陸に数人……」

(”光の剣匠”もその一人でしょうね……)

リンの説明を聞いたロイドは信じられない表情をし、プリネは静かな表情で黙り込み

「フム?”神格者”と比べるとどちらが強いのだろうな?」

「さすがにそれはわからないけど、少なくとも”神格者”に届く程の力はあるでしょうね。」

メティサーナの疑問を聞いたエルファティシアは苦笑しながら答えた。



「まあ流石に”理”とまでは言わないがこれからも精進することだね。」

「ええ、わかりました!」

リンの講釈にロイドが頷いたその時、アラーム音が聞こえて来た。



「おっと、そうこうしている間に次の時間が来たね。」

「うん、お互いにちょっと急がないとヤバイ感じね。」

「やはり随分とお忙しいんですね。」

「ああ、特に今は通商会議のおかげで色々とタイトでね。」

「それだけにミシェルのシフトが重要なんだけど………今はそれが数分単位で刻まれちゃってるのよ。」

「全く、本来ならサポート側のメティやご主人様達まで遠慮なくこき使う事といい、遊撃士協会は人使いが荒すぎだぞ!」

リンとエオリアの説明に続くようにメティサーナは文句を言った。



「話を聞く限り大変そうですね……」

「というか私からしたら”神殺し”が人間の仕事を手伝っている時点で信じられない出来事なんだけどねぇ。」

「フフ、確かにそうですね。」

3人の話を聞いたエリィは驚き、エルファティシアとプリネは苦笑していた。



「ふふ、といっても適度に休んでいるけどね。それじゃ私達は失礼するがみんなも精進を怠らないようにね。」

「またね~、ロイド君たち。」

「はい、どうもありがとうございました。」

その後リン達と別れたロイド達は一端休憩する為に車で支援課のビルに向かった。


 
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