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英雄伝説~光と闇の軌跡~(FC篇)

作者:sorano
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第115話

~封印区画・第一層 ~



エステル達がある程度進むと、自動で動く機械のようなものが複数現れた。

「わっ!何よ、コイツ?」

「は、はわわ……!」

「見たところ、警備用の自動人形みたいだね……もしかしたら、リシャール大佐がここを見つける前から動いているかもしれないね……」

エステルはやティータ初めて見る敵に驚き、ヨシュアは相手の行動を警戒しながら呟いた。

「え~い!」

そしてリスティが身体中に風を纏って突進するクラフト――風のごろごろで機械人形達にダメージを与えた!

「「「「!!」」」」

リスティのクラフトを受けた機械人形達はのけぞった!

「止めよ!」

そこにカーリアンがクラフト――乱舞を放って、敵を粉々にした!

「す、すごっ……!一瞬で終わっちゃった!リスティも見かけによらず、強いわね!」

エステルはカーリアンの強さに改めて驚き、またリスティの強さにも驚いた。

「えへへ~。ありがとうございます。」

褒められたリスティは照れた表情をしながら、笑った。

「それにしてもカーリアン様と共に戦う日が来るとは思わなかったわ。敵にしたら恐ろしいけど、味方だったらこれほど頼もしい存在はいないわよ。……にしてもあんた達、カーリアン様によく勝てたわねぇ……ジンさんがいても勝てない相手よ?」

「ハハ……勝ったのはほとんどまぐれでしたよ。しかも、本気を出したのは一瞬で後は手加減してくれたみたいですから。」

カーリアンの強さに心強さを感じていたシェラザードはある事を思い出し、ヨシュアに尋ねた。尋ねられたヨシュアは苦笑しながら言った。

「本気を出させた上、耐えた事も十分凄いと思うわよ?……まあ、もしかしたらプリネさん達の動きを普段見慣れている分が幸いしたかもしれないわね。あんた達、この旅で大分強くなったんじゃない?」

「そうですね。少なくとも以前よりはかなり力がついたと僕自身感じていますし、エステルも感じていると思います。……シェラさんの教えのお陰ですよ。」

「フフ、あたしは先生の教えの一部をあんた達に教えただけよ。」

シェラザードに感謝しているヨシュアにシェラザードは苦笑しながら言った。

「はう~……これじゃ、もうわかんないな………」

一方ティータはカーリアンによって破壊された機械人形の残骸を拾って、がっかりしていた。

「何をしているの?ティータ。」

ティータの行動に首を傾げたエステルはティータに尋ねた。

「この機械人形の仕組みがどうなっているのか、凄く気になっちゃって………」

「アハハ………ティータらしいわね………」

ティータの説明を聞いたエステルは苦笑した。

(ん~………この娘にシェラを会わせたら、どういう反応をするのかしら……?)

カーリアンは機械好きのティータを見て、古代の遺産であるシェラと出会った時の反応が気になった。



その後も先を進むと今までとは比べ物にならないくらい強い敵である機械人形達が次々と襲ってきたが、新しい武器の威力や効果、カーリアンやリスティのお陰で難なく倒して行き、どんどん先を進んだ。



~封印区画・第三層空中回廊~



エステル達がある程度進むと、前方から聞き覚えのある女性の声が聞こえて来た。

「やはり、ノコノコとやって来ましたわね……」

エステル達が先を急ぐと次へ進む道を守っているカノーネ大尉が自分達を憎々しげに見ていた。

「カノーネ大尉………」

ヨシュアはカノーネの姿を認めると戦闘になると思い気を引き締めた。

「な、なんであんたがこんなところにいるのよ!?空中庭園で気絶してたんじゃ………」

エステルは倒したはずのカノーネがいたのに驚き、思わず本人に聞いた。

「フン、このわたくしがあの程度のことで倒れるものですか。どうやら城は奪われたようですけど……閣下が『輝く環』を手に入れればいつでも取り戻せるというものです。」

エステルの言葉を聞いたカノーネは鼻をならして答えた。

「しつこい女は嫌われるわよ?いい加減、諦めたら?」

「お、お祖父ちゃんを攫って脅した事、許しません!」

シェラザードはカノーネを挑発し、ティータはカノーネを睨んで言った。

「ええい、おだまりなさい!とにかく、リシャール大佐の邪魔だけはさせませんわよ!いでよ!人形(マペット)ども!」

カノーネが叫ぶと上から2体の大型の機械人形が降って来た。

「わわ………!」

上から降って来た大型の敵にエステルは驚き

「古代の人形を操ったのか……」

大型の機械人形がエステル達だけに敵意を向けているのを見てヨシュアはそう簡単にはカノーネは倒せないと思い気を引き締めた。

「フフ、我らの力を見くびってもらっては困ります。ここの調査を始めてから膨大なデータを集めたわ。このように強力な人形兵器(オーバーマペット)

を操ることも不可能ではありません。」

「よくそんな事をしたわね……下手したら死ぬわよ?」

「リスティ、よくわかんないですけど~、そういう事はしない方がいいような気がします~。」

人形兵器を操ることを得意げに話したカノーネにカーリアンは呆れ、リスティも同意した。

「フン、何とでもお言いなさい。それでは………行きますわよ!」

そしてエステル達とカノーネ率いる人形兵器達との戦いが始まった!



「敵将は私とリスティが速攻で決めるから、貴女達は取り巻きを倒しなさい!」

「了解しました!」

「お願いします!」

「ティータ、行くわよ!」

「う、うん!」

カーリアンの言葉に頷いたエステル達はそれぞれ二手に分かれて、人形兵器達と戦い始めた。

「…………」

ヨシュアとシェラザードが向かって行った人形兵器は自分自身についている銃を連射して、攻撃した!

「フッ!」

「ハッ!」

しかし途中までの探索での戦闘で攻撃方法がわかっていた2人は回避した。

「雷よ、走れっ!……電撃!!」

「!!」

そこにシェラザードが放った魔術が命中し、魔術の雷によってショートした人形兵器は身体の動きが鈍くなった!

「セイッ!!蓬妖舞!!」

そこにヨシュアが放ったクラフト――蓬妖舞が命中し、人形兵器はあちこちに斬り傷を作った。

「おぉぉぉ!」

さらにヨシュアはクラフト――魔眼で人形兵器の動きを止め

「猛る雷よ、落ちよっ!……轟雷!!」

「!!…………」

シェラザードが放った”落雷”の上位魔術――轟雷が命中し、人形兵器は動きが止まって地面に落ちて、そのまま動かなくなった。



「……………」

エステルとティータを標的にした人形兵器はヨシュア達が相手にした人形兵器と同じようにエステルとティータに銃を連射して、攻撃した!

「とりゃあっ!」

しかしエステルは棒を自分の目の前で回転させて、銃弾を弾いた!

「えいっ!」

そこにティータが魔導砲で攻撃した!

「!?」

ティータの持つ武器――『魔導砲エリル』は武器に込められている魔力――電撃属性の魔力によって砲弾に敵を麻痺させる能力が付随されていたので、命中した人形兵器は大ダメージを受けると共に雷を受けたかのようにショートして、動きが鈍くなった!

「はぁぁぁぁ……剛震撃!!」

そこにエステルが放った地の魔力を付随した金剛撃の魔棒技――剛震撃を動きが鈍っている人形兵器に命中させた!地属性の魔力によって打撃力が増した金剛撃は人形兵器の体の一部をへっこませて、さらに強い衝撃をあたえて怯ませた!

「エステルお姉ちゃん、危ないから下がって!」

「!!」

そこにいつの間にかティータは数ヵ所に銃口がある自分の背より高い大型の機関銃を構えて、エステルに警告した。ティータの警告を聞いたエステルはその場から横に跳んだ。

「か、覚悟してください!い、行きます!やあぁぁぁぁぁ!」

そしてティータは大型の機関銃を連射して、人形兵器に攻撃した!

「………!?」

ラッセル博士秘蔵のコレクションを使ったティータのSクラフト――カノンインパルスを全弾受けてしまった人形兵器は機能が完全に止まり、地面に落ちて動かなくなった。

「ドキドキしちゃった………。」

そして撃ち終わったティータは安堵の溜息を吐いた。



「さっきのように行くと思わないことね、戦妃!!ハァ!!」

カノーネは銃を構えて、毒薬を調合してある銃弾を素早い指さばきでカーリアンに連射した!

「フフ……手数を増やしてた所で、貴女じゃ私には勝てないわよ!……それぇっ!」

そしてカーリアンは双剣を震って、衝撃波を放った!衝撃波は銃弾を吹き飛ばし、さらにカノーネを襲った!

「!!クッ!?」

自分に襲いかかかる衝撃波を見てカノーネはすぐに回避行動をとり、そのお陰で衝撃波に当たる寸前で回避できた。しかし

「超・ねこパ~ンチ!」

「ガハッ!?」

リスティのクラフトがカノーネの腹に命中し、カノーネは呻いた。

「ぐっ!?ち、力が……」

また、睡魔であるリスティは攻撃時、無意識に精気を吸う魔力を武器に込めていたので、カノーネの体力を奪った。カノーネは自分の身体から体力がゴッソリなくなっている事を感じ、地面に跪いた。

「激しいの、行くわよ♪白露の桜吹雪!!」

そこにカーリアンが一気に距離をつめ、Sクラフトを放った!

「キャァァァァ……!?ガハッ!?そ……ん……な……閣……下……申し……訳……あり……ま……」

カーリアンのSクラフトを正面から受けたカノーネは身体中に傷をつくって吹き飛ばされ、吹き飛ばされたカノーネは壁にぶつかりリシャールへの謝罪の言葉を最後まで言えず気絶した。

「そっちも終わったみたいね。今度は完全に気絶しているといいんだけど……」

戦闘が終了し、エステル達がカーリアンやリスティに近付いた。

「さすがに今のを正面から受けたんだから、並の人間ではそう簡単に起き上がれないわ。」

「うん……。確かにしばらくは動けないと思います。それよりも……彼女がここを守っていたということはこっちのルートで正しいみたいだね。」

カーリアンの言葉に頷いたヨシュアはエステルに言った。

「あ、確かに……。それじゃあジークにお使いしてもらおうかな。おーい、ジーク!」

そしてエステルはジークを呼び寄せ、エステルの頼みに頷いた後、戻って待機班をエステル達のところまで先導した。そして博士から今いる場所は遺跡のちょうど中継地点だと知らされ、エステル達は補給や回復をした後さらに気を引き締めて先をすすんだ。さらに進んだエステル達は大きな広間に出た時、エステルは何かを感じ取った。



~封印区画・最下層~



「ここって……なんだか今までの場所と雰囲気が違う気がする……」

「確かに………息苦しい感じがするわね。」

エステルの呟きに頷いたシェラザードは気を引き締めた。

「なんとなくですけど……この雰囲気は”幻燐戦争”でリスティが戦った最後の場所に似ています~。」

「そうね。あそこと比べたらそれほどじゃないけど、フェミリンスと戦う前の雰囲気に似ているわね。」

リスティの言葉に頷くようにカーリアンは首を縦に振った。

(?なんだろう………さっきカーリアンが言ってたフェミリンスって言葉を聞くと、リウイが金髪の綺麗な女の人を抱えて、悲しんでいる姿が思い浮かんだのよね………)

カーリアンのある言葉を聞いたエステルは一瞬頭の中に過った光景に首を傾げた。

「たぶんここが終点だ。万全の準備をしてから中に入った方がよさそうだね。」

「うん。………あそこにちょうど回復オーブメントがあるから、それを使って準備をしよう?」

ヨシュアの言葉に頷いたティータは回復オーブメントの装置を見つけて、決戦の前の準備を提案した。



そしてエステル達は回復や装備の点検を行った後、リシャール大佐が待つであろう終点の大部屋へ進んだ……… 
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