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英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

作者:sorano
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第74話

~アルセイユ・会議室~



「…………………」

「まさかレマン自治州の遊撃士協会本部からこんな前代未聞な内容の許可を取るなんて……」

「つーか、一体いつ本部と交渉をしてこんな許可証を貰ったんだ……?」

許可証の内容を読み終えたエステルは口をパクパクさせ、アーシアは信じられない表情をし、ルークは表情を引き攣らせて訊ねた。

「ヨシュアが姿を消した翌日から手紙のやり取りをして最後にこの許可証を郵送してもらった後、依頼人がレンである事がわからないように多くの代理人を通じて”西風の旅団”に予め報酬を支払ってママの護衛を依頼したのよ。」

「オイオイ……ヨシュア君が姿を消した翌日って、確かオレがエステルちゃんと初めて会った日やろ?そんなにも前から”結社”にエステルちゃんやレンちゃん達のお母さんが狙われる事を危惧して、猟兵達を雇えるように下準備をした上で猟兵達を雇っていたんかい……」

「それにしても遊撃士協会の本部は何でこんなグレーゾーンギリギリな内容の許可をしたんだ?」

レンの説明を聞いたケビンは疲れた表情で呟き、フレンは考え込んだ。



「フン、大方その本部とやらの上層部に賄賂を贈ったんじゃないか?」

「失礼ね。レンはそんな小悪党がやるような姑息な真似はしないわよ。」

リオンの推測を聞いたレンは頬を膨らませた。

「………恐らく本部は毎月莫大な金額のミラを寄付し続けている”Ms.L”であるレンに対しては特別待遇をして、その許可証を発行したのかもしれません。」

「それってどういう事なの?」

「……遊撃士協会の運営資金は寄付で賄っている所が大きくてな。遊撃士の数が少ない理由の一つは民間人向けに依頼料が低めに設定されている影響で報酬も少ない事も理由の一つなのだが……2年前から依頼料とは釣り合わない金額の報酬が設定されたり受付達の給料が上がっているという現象に各支部の受付達も首を傾げていたんだが、まさか………」

「レンが莫大な金額のミラを遊撃士協会本部に寄付し続けている影響か!?」

ヨシュアの推測に首を傾げたソフィに説明をした後ある事を察したジンは驚いている様子のルークと共にレンを見つめた。



「うふふ、それは”女神のみぞが知る”ならぬ”遊撃士協会本部のみぞが知る”、よ♪」

そして小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの答えを聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「レ、レンちゃん。ちなみに毎月一体どれだけのお金を遊撃士協会の本部に寄付をしているの?」

「100億ミラよ。」

「ひゃ、100億ミラ~~~~!?」

「あんたが株や相場で滅茶苦茶儲けている話は知っているけどあんた、一体毎月幾ら稼いでいるのよ!?」

ティータの質問に答えたレンの答えを聞いたその場にいる全員が目を見開いて驚いている中エステルは驚きの表情で声を上げ、シェラザードは信じられない表情で訊ねた。

「まあ、その月にもよるけど去年からは大体毎月平均1000億ミラ前後は稼いでいるわよ。」

「毎月い、1000億ミラ……」

「一月の稼ぎだけでもリベール王国政府の一年の予算の最低でも数百倍はありますよ……」

「それどころか共和国政府や帝国政府の一年の予算の最低でも百倍はあるだろうな。」

「アハハ……毎月それ程の莫大な金額のミラを稼いでいたら、毎月100億ミラの寄付も大した痛手にはならないでしょうね。」

「というかそんなに稼いでいるのなら、1%でも構いませんから教会にも寄付して欲しい、です。」

「ホンマやで……そんなに稼いで、しかも遊撃士協会に毎月100億ミラなんて言うとんでもない金額のミラを寄付しているのに何で遊撃士をやってんねん……」

レンの説明を聞いたユリア大尉やクローゼは表情を引き攣らせ、バダックは真剣な表情で呟き、イオンは苦笑し、アリエッタの意見に頷いたケビンは疲れた表情で指摘した。

「あら、七耀教会にも”Ms.L”の名義で毎月50億ミラを寄付しているけど知らなかったのかしら?」

「ブッ!?」

「七耀教会にまでそんな莫大な金額のミラを寄付していたなんて……」

「まさかとは思うけど、今回のその許可証のように将来七耀教会の力が必要になった時、七耀教会に特別待遇される為とかじゃないでしょうね?」

しかしレンの口から語られた驚愕の事実にケビンは噴きだし、ステラは表情を引き攣らせ、アーシアはジト目でレンに問いかけた。



「うふふ、勘ぐり過ぎよ♪”Ms.L”は一人の人として、七耀教会が経営している福祉施設の人達の為に”善意”で寄付しているだけよ♪」

「その許可証の事を考えたら、全然信用できないんだけど?」

アーシアの問いかけを笑顔を浮かべて誤魔化すレンをエステルはジト目で見つめ

「レン。さっき母さんの護衛の依頼として”西風の旅団”に報酬を予め支払ったって言ったけど、一体幾ら支払ったんだい?」

「え?たった3億ミラよ。」

ヨシュアの質問に対して、3億ミラという莫大な金額を”たった”と言い切って答えたレンの答えを聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「猟兵の要人護衛の報酬の相場はわからんが、それでも猟兵の相場としても少なくても数十倍以上の報酬である事は間違いないだろうな。」

「というか3億ミラなんて莫大な金額、”国”が依頼するレベルの金額よ……」

「うふふ、レン達の大切なママを”たった3億ミラ”で”結社”から守れるんだったら、レンは安いくらいだと思っているし、レンは家族の為なら幾らでもつぎ込むわよ?」

我に返ったジンとアーシアはそれぞれ疲れた表情で呟いている中、レンは悪びれもなく小悪魔な笑みを浮かべて答えた後クローゼ達に視線を向けて笑顔を浮かべて問いかけた。

「―――ママを守っている猟兵達は”遊撃士協会本部が認めた遊撃士協会の協力員”だから、”猟兵の雇用を禁止しているリベールの法律を破っていない”から問題ないでしょう?ママを守ってくれている猟兵達はお姫様たちと同じ”遊撃士協会の協力員”として”結社”にパパに対する人質として狙われやすいママ―――つまり『民間人の安全を守る』という遊撃士協会の目的の一つを遂行しているのだし。」

「……………そうだね。それに遊撃士協会の規約でも猟兵を雇う事を禁止していないから、遊撃士協会の規約にも違反していないね。」

「……レンちゃん、一つだけ聞いてもいいですか?」

レンの正論を聞いたレイスは静かな表情で頷いて同意し、クローゼは複雑そうな表情でレンを見つめて訊ねた。

「何かしら?」

「レンちゃんはどうしてレナさんを守る為だけにリベールで定められている法律の抜け道を利用し、遊撃士協会本部に特別扱いされる程莫大な金額のミラを寄付してまでリベールで禁じられている猟兵を雇ったのですか?ヨシュアさんがエステルさんの前から姿を消した翌日からレナさんを守る猟兵達を雇う為の手配をしていたという事は最初から王国軍ではレナさんを守り切れないと判断して、王国軍を信用していなかったんですか?」

「クローゼ………」

クローゼの質問の内容を聞いたエステルは辛そうな表情をし

「別に王国軍を信用していない訳じゃないわよ?モルガン将軍やパパ直属の精鋭部隊とか王室親衛隊、後は特務兵だったら、”結社”の猟兵相手にもママを守れるでしょうけどさすがにロランス少尉―――”剣帝”みたいな”執行者”相手には荷が重いでしょう?ましてや、リベール各地で”結社”による襲撃がされている中、幾ら王国軍の最高司令官の家族とは言っても一個人の護衛の為だけに強力な戦力を割ける余裕はリベールにはないでしょう?実際、ユリア大尉の話だとママを守っていた部隊は苦戦していて、レンが雇った猟兵達が駆けつけてくれなかったらママが攫われたかもしれなかったし、”四輪の塔”に向かった斥候部隊に関しては”執行者”に単独で撃破されちゃったじゃない。レンは”万が一”の時の事を考えて、”保険”をかけただけよ。」

「それは……………」

「クッ……!」

「確かにそうだね……”執行者”は一般兵の手には余るし、今の状況では例え軍の最高司令官である父さんの家族と言えど、一個人の護衛の為だけに強力な戦力を割く余裕はないね。――――ユリアさん、ちなみに母さんを守った”西風の旅団”の猟兵達に関しての特徴等の情報はありますか?」

レンの正論に反論できないクローゼは辛そうな表情をし、ユリア大尉は唇をかみしめ、ヨシュアは静かな表情で答えた後ユリア大尉に訊ねた。



「あ、ああ。長身のサングラスと思われる眼鏡をかけた”ゼノ”と呼ばれた男と色黒の”レオ”と呼ばれた大男、そしてティータ君やレン君と同年代と思われる風貌に見える”フィー”と呼ばれた少女だそうだ。」

「ふえ?わ、わたしやレンちゃんと同い年くらいの女の子が猟兵……ですか?」

「正直信じられないがレン嬢ちゃんや”殲滅天使”の嬢ちゃんという前例がいるから、猟兵の中にいてもおかしくはないな……」

「そうね…………」

「ティータちゃんやレンちゃんくらいの幼い子供が猟兵をやっているなんて……………」

ユリア大尉の説明を聞いたティータは呆け、疲れた表情で呟いたフレンの意見にアーシアは頷き、クローゼは複雑そうな表情で呟いた。

「……ゼノにレオ………そしてフィーか…………―――――!恐らくその猟兵達は”西風の旅団”の中でも相当な腕利きの猟兵達でしょうね。」

「へ……」

「ヨシュアはその猟兵達の事について知っているのかしら?」

ヨシュアの話を聞いたエステルが呆けている中、ステラが訊ねた。



「ええ。恐らく特徴や名前から推測すると連隊長の”罠使い(トラップマスター)”ゼノと”破壊獣(ベヒモス)”レオニダス、そして”猟兵王ルトガー・クラウゼル”の娘――――”西風の妖精(シルフィード)”フィー・クラウゼルかと。」

「連隊長って事は”執行者”クラスの猟兵かよ………」

「しかも”西風の旅団”の団長である”猟兵王”の娘までよこすなんて、”西風の旅団”はレンの依頼を余程重要な依頼と判断したみたいね。」

「3億ミラという莫大な金額の報酬に見合う猟兵達をよこした……という事か。」

「やれやれ……良い意味でも、悪い意味でも掟破りな事をし過ぎだぞ、嬢ちゃんは……」

ヨシュアの情報を聞いたアガットは表情を引き攣らせ、シェラザードとバダックは真剣な表情で呟き、ジンは疲れた表情で溜息を吐いた。

「ちなみにカシウス殿の奥方の護衛の期間はいつまでなんだい?」

「”結社”がリベールから完全に撤退するまでにしてあるわ。勿論幾らママを守る為とはいえ、他の民間人を巻き込んだりとか遊撃士協会の規約に触れるような事をしない事も依頼達成の為に絶対に守ってもらう条件として伝えてあるから、安心していいわよ?」

「そんな滅茶苦茶強い猟兵達がリベールに来ている時点で全然安心なんてできる訳ないでしょうが。――――それよりもごめん、クローゼ!あたし達の家族が独断でグレーゾーンギリギリな事をやって、リベールでは禁じている猟兵達をリベール入りさせてしまって……!ほら、レン!貴女も謝りなさい!」

「…………勝手なことをしてごめんなさい、お姫様。」

レイスの質問に答えたレンにジト目で指摘したエステルはクローゼを見つめて頭を下げると共に隣の席にいたレンの頭を無理矢理下げさせ、エステルに無理矢理頭を下げさせられたレンは意外な事に不満を言うことなく素直に謝罪した。

「お2人とも頭を上げてください。実際レンちゃんがその猟兵の方達を雇っていなかったらレナさんは”結社”にカシウスさんに対する人質にされていた可能性は高かったでしょうし、遊撃士協会本部が彼らを”協力員”として認めている以上レンちゃんやその猟兵の方達はリベールの法律に違反している訳でもありませんので、レンちゃん達を法律違反で拘束したりするつもりはありませんので安心してください。」

「クローゼ……」

「……よろしいのですか、殿下?」

クローゼの言葉を聞いたエステルは明るい表情をし、ユリア大尉は複雑そうな表情で訊ねた。



「ええ。それにむしろ私達はレンちゃんにそんな法律違反スレスレな事をさせた事に加えて一国の国家予算をも超える莫大な金額のミラを消費させてまでレナさんを守らせてしまった事に反省するべきです。クーデターの件を考えると”結社”はカシウスさんの事を相当警戒していますし、実際クーデターの時もリシャール大佐達はレナさんをカシウスさんに対する人質にしようとしていましたから、レンちゃんにそんな事をさせてしまったのは王国軍最高司令官であり、”剣聖”と称えられているカシウスさんのご家族の危機管理を甘く見ていた私達の責任でもあります。」

「殿下………」

「…………………」

辛そうな表情で語ったクローゼの答えを聞いたユリア大尉は複雑そうな表情をし、レイスは目を伏せて黙り込んだ。

「うふふ、話がわかって貰えて何よりだわ♪もう猟兵達を雇っている事がバレちゃったし、ママの護衛をしている猟兵を一人だったらこっちに回せるから、その人に新たな”依頼”として”四輪の塔”の探索を手伝わさせてもいいわよ?勿論その時の報酬も全額レンが負担するし、何だったら来月から1年間リベール王家に猟兵達を雇った倍―――いえ、10倍の30億ミラを今回の件に対する謝罪金として納めてもいいわよ?」

そして悪びれもなく小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの申し出を聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「あたし達に隠れてお金の力で合法的に猟兵を雇った事を謝った直後に懲りもせずに同じような事をしようとするんじゃないわよ!」

「いたっ!?」

エステルはレンの頭に拳骨を落とした。

「つーか、何でもかんでも金で解決しようとするその考えはマジで止めろよ?」

「んもう、そのくらいの事はわかっているわよ。レンがそんな強硬手段を取るのは、家族を守る時だけよ。」

真剣な表情をしているルークの指摘にエステルに拳骨をされた部分を涙目になって両手でさすりながらレンは頬を膨らませて答えた。



「それよりも先に考える事は幾ら合法的とはいえ、その娘が雇った”西風の旅団”の猟兵達をどうするかよ……3億ミラなんて普通に考えたらありえない莫大な金額の”報酬”が前もって支払われている以上確かにレナさんの護衛はキッチリこなすでしょうけど、猟兵は遊撃士(あたし達)と違って依頼を達成する為には手段を問わないんだから、レナさんを守る為に民間人を巻き込んだりとかする可能性は十分に考えられるわよ……」

「―――いえ、その点についてはあまり心配する必要はないかと。」

疲れた表情で溜息を吐いたシェラザードにヨシュアは静かな表情で指摘した。

「ヨシュア?それってどういう事?」

「高ランクの猟兵団になれば、実績もそうだけど自分達に対する依頼人の信用も気にするんだ。ましてや”西風の旅団”は最高ランクの猟兵団である事に加えて3億ミラという莫大な金額の報酬が既に支払われているからね。だから当然自分達の信用を落とさない為や3億ミラという報酬に対する違約金を請求されない為にレンが出した条件――――母さんを守る為に”遊撃士協会の規約に触れない方法で護衛する”という条件も守る可能性はほぼ確実と言ってもいい。」

「うふふ、依頼人の信用も気にする点で言えばレン達遊撃士も同じだからこそ、最高ランクの猟兵団の一角である”西風の旅団”を選んだのよ。ちなみに”赤い星座”も考えたんだけど、”赤い星座”の団長を含めた”オルランド一家”って戦闘狂ばっかりだって情報だから止めたのよ。」

「連中と俺達を一緒にするんじゃねぇ、このガキが……!」

エステルの質問に答えたヨシュアの説明に続くように悪びれも無く答えたレンをアガットは睨んだ。



「……彼らについては依頼達成の為に故意に民間人を傷つけたり等をしない限りはそのまま仕事を続けてもらった方がいいだろうね。情けない話だが今の状況で一個人の護衛の為だけに王国軍は戦力を割けないし、それに彼女が雇った猟兵達の中には”執行者”ともまともに渡り合える者達もいるとの事だからそう言う意味ではカシウス殿の奥方に降りかかる危険の確率はかなり低くなっているだろうしね。」

「戦力を割けないという点で言えば遊撃士協会も同じだな。確かに軍の最高司令官である旦那の家族となると普通の民間人と比べると危険な目に遭う確率は跳ね上がるが、遊撃士協会は一個人の為だけじゃなく民間人全員の為に存在している組織だ。」

「……そうですね。ユリアさん、後でカシウスさんに連絡して、今の話やレンちゃんが雇った猟兵達に関しては彼らがレナさんを守る為に故意に民間人を巻き込んだりすると言った事等を行わない限りは静観という形を取るように伝えておいてください。」

レイスとジンの意見に頷いたクローゼはユリア大尉に指示をした。

「ハッ。」

その後アルセイユは次なる目的地、”紺碧の塔”に向かった。



~メーヴェ海道・マノリア近郊~



一方その頃、王国軍の兵士達はテレサとマーシア孤児院の子供達をマノリア村に送りとどけようとしていたが、結社の装甲獣達が執拗に追っていた。

「くっ……まだ追ってくるのか。」

「もう少しでマノリアの守備隊と合流できるのに……」

「ひるむな!必ず無事に届けるんだ!」

テレサ達を守る為に兵士達は銃を撃って、必死に敵を牽制していた。



「せ、先生……」

「大丈夫……心配いりません。あなた達には指一本触れさせませんから。」

不安そうな表情をしているマリィにテレサは優しい笑顔で諭したが

「さすがにピンチなの。」

「!!!」

ポーリィの言葉に驚き、後ろを見ると、別の装甲獣達がテレサ達に迫っていた。

「な……!」

「反対からだと!?」

「ふええええん!」

「こ、こうなったらオイラだって……!」

「いけません!下がっていなさい!(女神よ……無力な我らを救いたまえ。)

絶体絶命の状況に子供達を守るように前に出たテレサが祈り、そして敵達がテレサ達に向かって突進したその時突如森から銃撃が放たれて装甲獣たちを怯ませた後、クルツ達が現れて電光石火の速さで装甲獣達を撃破した!



「あ、あんたたちは!?」

「も、もしかして……」

「遊撃士さん……!?」

予想外の援軍の登場に兵士達が驚いている中、クラムとマリィは表情を輝かせて尋ねた。

「へへっ、待たせたな。」

「大丈夫?ケガはないかな?」

「う、うん………」

「平気なのー。」

「ふふ、間に合って何よりだ。」

アネラス達が子供たちの無事を確認しているとカルナが現れた。



「まあ、カルナさん……!」

「久しぶりだね、院長先生。マノリアに避難する途中かい?」

「ええ、軍の方々に送って頂いてたんですが……」

「軍の方々!ここは我らが引き受けた!」

「子供達を連れてマノリアに急いでください!」

「か、かたじけない!」

「みんな!我々に付いてきてくれ!」

クルツ達の申し出を聞いた兵士達はテレサ達を促した。

「うん……!」

「了解なの~。」

テレサ達をクルツ達が見送ると海道から多くの装甲獣達が現れた!



「さ~てと。なかなか骨が折れそうだな。」

「だが……やるしかなさそうだね。」

「大丈夫、何とかなりますよ!”塔”に向かっているエステルちゃんたちに比べればこんなの軽いもんです!」

「ふふ、そうだな。彼らが心置きなく戦えるよう最善を尽くさせてもらおう。方術―――貫けぬこと鋼の如し。いくぞ、みんな!」

「おおっ!」

「ああっ!」

「了解っ!」

そしてクルツ達はテレサ達を無事マノリアに避難させる為に自分達の倍以上の数を揃えている装甲獣達との戦闘を開始した!



一方その頃、”紺碧の塔”の上空に到着したエステル達はシェラザード、アガット、フレン、ステラを同行メンバーに選び、今までの塔と同じように異空間になった紺碧の塔の探索をし、そして屋上に到達した。 
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