英雄伝説～焔の軌跡～　リメイク

～キルシェ通り～



「みんな！行くわよっ！！」

「うおおおおお……………だぁぁぁぁぁぁっ！！」

「ぬあああ………てりゃあっ！！」

戦闘開始の合図の空砲を聞いたエステルは掛け声をかけて仲間の闘志を高め、フレンとジンはそれぞれ身体能力を上昇させる技(クラフト)で己の能力を上昇させ

「そこっ！！」

アーシアはボウガンから矢をソフィに放った。

「無駄だよ！」

放たれた矢を片腕に付けてるリストで防いだその時、アガットが攻撃を仕掛けてきた！

「くらいやがれっ！！」

アガットは跳躍して身体を回転させながら攻撃する技――――スパイラルエッジで攻撃を仕掛けてきたが

「獅子戦吼！！」

「グッ！？」

ソフィは両手から獅子の姿をした闘気の衝撃波でアガットの重剣による攻撃を防ぐと共にアガット自身を吹っ飛ばした。



「はあっ！ダークマター！！」

その時駆動を終えたオーブメントで空間を歪ませ、重力の負荷を与えるアーツをシェラザードが発動したが

「光よ、集え！！」

「！！」

ソフィは空高くへと跳躍して全身から光子のエネルギーをシェラザードに解き放ち、攻撃に気付いたシェラザードは側面に跳躍して回避し

「それっ！！」

アーシアはボウガンで空にいるソフィ目掛けて矢を連射していたが

「マークリバース！！」

「クッ……！」

瞬時に光子をブーメランへと変化させて投擲して襲い掛かる矢を撃ち落とすと共にアーシアへと襲い掛からせ、ソフィの攻撃を回避する為にアーシアは攻撃を中断して後ろへと跳躍して回避したが

「スカラーガンナー！！」

「キャアッ！？」

地面に着地した瞬間、すぐに光子を凝縮して砲撃したソフィのクラフトに命中した。



「とりゃっ、せぇぇぇい！」

その時天高くへと跳躍し、雷光のような速さでジンが蹴りを繰り出したがソフィは前に跳躍して回避し

「そこだぁ！！」

「霊子、障断！！」

離れた場所から重剣を叩きつけて放ったアガットの炎の衝撃波には拳に発生させた光子の刃で斬り裂いた。

「ハァァァァ……せいっ！！」

「そこだっ！！」

「それっ！！」

「たぁっ！！」

その時エステル、フレン、シェラザードが3方向から同時に詰め寄ってジンと共に攻撃を仕掛けたが

「光翼―――天翔！！」

「きゃっ！？」

「チッ！？」

「クッ！？」

「ぬあっ！？」

背中に光の翼を生み出して光の衝撃波を放ちながら跳躍して4人に同時攻撃した。

「女神よ………傷つきし者達にお慈悲を！！」

その時アーシアが星杯のペンダントを掲げて祈るとペンダントから癒しの光が放たれ、4人の傷を回復した。



「解放します！勝負を決める！」

「な―――カハッ！？」

地面に着地したソフィは一瞬で凝縮した光子をアガットに砲撃して吹き飛ばし

「風と共に！駆け抜ける！秘技！シャドウ・モーメント！！」

全身に風を纏い、超高速でアガットに詰め寄って強烈な一撃をアガットの背後を駆け抜ける瞬間に叩き込み、更にアーシアの背後まで駆け抜けてアーシアにも強烈な一撃を叩き込んだ！

「があああああああっ！？こん畜生……………！？」

「な――――キャアッ！？そ、そんな……たった一撃で倒れてしまうなんて………！？」

そしてアーシアの背後まで駆け抜けるとソフィの神速の域を極めた瞬撃技を受けてしまったアガットとアーシアは悲鳴を上げた後地面に膝をついた！

「アガット！？アーシアさん！？」

「まさかあの二人を同時に沈めるなんて……！」

「技のキレ、パワー、スピード……総てに置いて圧倒的すぎる……！」

「回復役のアーシアがやられたのはかなり痛いな………！」

自分達にとって心強い仲間がソフィの奥義によって一瞬で二人も戦闘不能になった事にエステル達は驚いた。



「シェルスロー！！」

「きゃっ！？」

「ああっ！？」

「おぁっ！？」

「ぐうっ！？」

その時ソフィは跳躍してエステル達の頭上から光子の短剣を降り注がせてエステル達を怯ませ

「行くよ！」

「うっ！？」

更に地面に着地した瞬間ソフィはシェラザードに詰め寄って二連の空中回転蹴り―――双月でシェラザードを空中に浮かせ

「ユベルティ！スラッシュローズ！！」

「あぅっ！？」

続けて両足を両剣のように回転させて攻撃を叩き込んだ後更に光子を細剣へと変えて目にも止まらぬ速さで切り刻み

「双撞掌底破！！」

両掌底から高まった気をシェラザードに叩き込んだ。すると”気”によってシェラザードが吹っ飛ばされ

「すべてを破壊する！！」

吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられたシェラザードに自身を光子と化し超高速で強襲した。

「うぁっ！？クッ……なんて強さ………！」

ソフィの超高速による強襲―――カタストロフィが命中したシェラザードは立ち上がろうとしたが、ソフィの連携攻撃によってついた傷によって既に立ち上がる力が残っていない為すぐに地面に膝をついた！



「シェラ姉！？」

「クッ、このままだとヤベェぞ！？」

シェラザードが一瞬で戦闘不能にされた事にエステルは声を上げ、フレンは厳しい表情をし

「こうなったら、それぞれの最大の一撃を同時に放って一気に決めるぞ！！」

ジンは真剣な表情でソフィを睨んで叫んだ。

「わかったわ！」

「ああ！」

ジンの指示に頷いた二人はそれぞれ武器を構え直した。

「俺の全力をみせてやるぜっ！ハアッ！！」

フレンは天高くへと跳躍し

「ぬおぉぉぉぉぉぉ！はぁっ！！」

ジンは全身に膨大な闘気を溜め込んだ後解放し

「柔招来！！」

エステルは大技を放つ前に自身の身体能力を上昇させた後そのままソフィに向かって走り出した！



「メテオ………ブレイカー―――――ッ！！」

「泰山………玄武靠―――――ッ！！」

更にフレンとジンは同時攻撃を仕掛け、3人がソフィに近づいたその時！

「解放します！宿れ拳神！轟け鼓動！」

「え――――」

「な――――」

「ぐ――――」

ソフィは正拳突きで吹き飛ばした後自身を光子と化させて追撃してエステル達の真上へと移動し

「お願い、間に合って……！」

それを見たアーシアはオーブメントを駆動させた。



「インフィニティアソウル！！」

「ティア・オル！！」

そしてアーシアがアーツを発動すると共にソフィは真上から地面をも砕く急降下蹴りを叩き込み、ソフィが大技を放ち終えるとジンとフレンが地面に倒れていた！

「ぐっ………届かなかった……か………！？」

「何なんだよ、今のは……！？一瞬あの嬢ちゃん自身が光になったように見えたぞ……！？」

地面に倒れているジンとフレンは呻き

「二人……？あの娘―――エステルは……？」

地面に倒れている人数を数えたソフィは眉を顰めた。するとその時！

「烈震天衝！！」

「っ……！？」

エステルが背後から奇襲し、ソフィはすぐさま両手で防御したが地面から発生する衝撃波は防ぎきれず、ダメージを受けた。



「兎迅衝！！」

「無傷……一体どうやって防いだの？私の”力”はアーツによる結界―――アースガード系の結界も貫けるのに。」

繰り出されたエステルの棒を回避しながらソフィはエステルを見つめて呟き

「確かに貴女はあたしたちの何倍も強いわよ！だけど貴女はあたし達を舐めすぎよっ！あたし達遊撃士は最後の最後まで諦めないんだから……！」

「え―――！！」

エステルの言葉に眉を顰めたソフィが周囲を見回すと、先に沈めたはずのアーシア、アガット、シェラザードが地面に膝をついて身体を震わせながらもオーブメントを駆動させ、それぞれが身につけているオーブメントから駆動の光を発していた。

「セイント！！」

「クロックアップ改！！」

「シルフェンガード！！」

そして3人は様々な身体能力を上昇させるアーツをエステルに集中して放ち

「いっくわよ～！散沙雨！まだまだー！秋沙雨！！」

アーツによって大幅に身体能力が強化されたエステルは休む事なく怒涛の突きを放ち、ソフィは一撃一撃を見切って回避し

「とらえた！」

「あうっ！？」

連続攻撃の間の僅かな隙を見つけると瞬時に反撃を叩き込んでエステルをふっ飛ばした。



「お、お姉ちゃん！？」

「ハハ、遊撃士協会の精鋭達を圧倒するなんて冗談抜きでレン君をも超えるとんでもないリトルレディだね……」

「……っ！オリビエさん、ティータちゃん！私達もエステルさんに加勢しましょう！彼女には敵わないでしょうけど、それでも僅かな間でもエステルさんの助けになれるはずです……！」

カウンター態勢に入るソフィのクラフト―――リペラチャージによって攻撃を中断されたエステルの敗北が濃厚になりかけている事を察したクローゼがティータとオリビエにエステルに加勢するように促したその時

「―――いや、それには及ばない。」

「え……！？」

クローゼ達の背後から青年の声が聞こえると同時に青年は神速の速さでソフィに奇襲した！



「爪竜斬光剣！！」

「っ！？」

青年の奇襲によってダメージを受けたソフィは驚き

「へ！？」

突然の出来事にエステルは呆けた声をあげた。するとソフィに奇襲をした金髪の青年がエステルの傍まで跳躍してエステルと肩を並べて細剣(レイピア)を構えた。

「私も加勢させてもらうよ、エステル。」

「へ！？な、何であたしの名前を……というか貴方、誰？？」

「話は後だ。ソフィ……と言ったね。途中参戦になるが構わないかい？」

自分の登場にエステルが戸惑っている中青年はソフィを見つめて訊ねた。

「……貴方もエステル達の”仲間”なの？」

「ああ。まあ、これから彼女達の仲間になる予定だけどね。」

「別にいいよ。それじゃあ続けるよ。」

そして金髪の青年を加えたエステルはソフィとの戦闘を再開した！



「輝け！穿光！！」

「「！！」」

空中へと跳躍して全身から解き放ったソフィの光子レーザーを二人は左右に散開して回避し

「烈空刃！！」

攻撃を回避した青年はソフィの着地地点に剣撃と共に無数の真空波を発生させ

「あうっ！？」

それを受けてしまったソフィは怯んだ。

「鳳凰天駆！！」

「舞え！紅蓮の翼！！」

その隙を逃さないエステルと青年はそれぞれ跳躍して鳳凰をかたどった炎を纏って上空からソフィに襲い掛かり

「好きにはさせない！」

ソフィは光子による結界――――光護陣を展開して二人の攻撃を防いだ。



「空を断つ！！」

そこに青年が回転斬りによって竜巻を生じさせながらソフィを空へと斬り上げ

「アストラルベルト！！」

空へと斬り上げられたソフィは自分を斬りあげた後空へと跳躍した青年に空中で光子を刃と化して抜刀攻撃を行い

「！！フッ！」

ソフィの反撃を武器で防いだ青年はそのまま吹っ飛ばされたが空中で受け身を取って着地した。

「ハァァァァ……金剛撃！！」

そしてソフィが着地する瞬間を狙ったエステルが強烈な一撃を落下するソフィへと放ち

「烈孔斬滅！！」

「キャッ！？」

対するソフィはそのまま空中から蹴りでエステルの一撃を相殺した後連続攻撃を叩き込んでエステルを怯ませ

「獅子戦吼！！」

「クッ……！」

続けて獅子の姿をした闘気の衝撃波を解き放ち、咄嗟に棒でソフィの追撃を防御したエステルは防御した際に発生した衝撃によって後退した。



「アーツ発動――――ティア・オル！！」

その時既にオーブメントの駆動を終えた青年がアーツでエステルの傷を完全回復し

「風雷神剣！！」

「！！」

続けて風のような速さで真空と雷撃が宿った突きをソフィに繰り出し、ソフィは繰り出された突きをギリギリ回避した。

「爪竜連牙斬！！」

攻撃を回避された青年は続けて舞を舞うかのように次々と攻撃を繰り出す剣技を繰り出したが

「カタストロフィ！！」

「グッ！？」

ソフィの反撃を受けて怯んだ。

「えいっ！ダークマター！！」

「！？身体が……！」

しかしその時青年が攻撃している間にオーブメントの駆動を終えたエステルが一時的に動きを封じ込めるアーツでソフィの動きを封じ込め

「好機！この奥義にて決めさせてもらう！」

その隙を逃さないかのように青年はソフィに一気に詰め寄って連続で斬り込んだ後後ろに跳躍してレイピアを空へと掲げた。



「はあああぁぁぁッ！光竜――――滅牙槍！！」

空へと掲げたレイピアには闘気によって発生した光の竜が宿り、溜めの動作を終えた青年は光の竜のオーラをソフィ目がけて解き放ち

「解放します！必中必倒!クリティカルブレード！！」

ダークマターによる拘束が解けたソフィは自分に襲い掛かる光の竜のオーラを強烈な回し蹴りで相殺した。

「あたしのとっておき、みせてあげるわ！はぁぁぁぁ！」

「……っ！」

その時全身に闘気を溜めこんだエステルはソフィの周囲を走り回って闘気による渦でソフィを閉じ込め

「奥義、太・極・輪！！」

立ち止まる事無く何度もソフィの周囲を走り回って巨大な竜巻を発生させた！

「うっ！？」

エステルが発生させた竜巻によって強烈な一撃を受けたソフィは呻き

「はあ、はあ……どう！？これがあたし達の力よ！」

奥義を放ち終え、疲弊して息を切らせているエステルはソフィを睨んで叫んだ。



「エステル、待たせたわね！貴女達が時間を稼いでくれたお陰で全員の戦闘不能を回復できたわ！」

「ここからは俺達も加勢するぜ！」

「フフ、今までよく耐えてくれたわね。」

「後輩のお前さんより先に倒れた汚名はここからの戦いで返上させてもらうぞ。」

「さっき受けた借りは倍返しにしてやるから覚悟しやがれ！」

「みんな……！」

するとその時既に回復を終えたアーシアがフレンと共にエステルの傍に近づいて武器を構え、二人に続くように戦闘不能から回復したシェラザード達もエステルの傍に近づいて武器を構えてソフィと対峙し、仲間達の復活にエステルは明るい表情をし

「………………………」

エステル達の様子を見たソフィはかつての仲間達と共に挑んだ強敵達との戦いの出来事を思い出し

「――――もうこれ以上模擬戦をする必要はないね。」

やがて静かな表情で呟いて攻撃態勢を解いた。

「へ…………それってどういう事？？」

「―――貴女達は十分強いってわかったから約束通り、私が知っている限りの情報を話してあげる。」

「あ……………」

ソフィの口から自分達の目的が果たされた事を知ったエステルは安堵や疲労の影響で地面に膝をついた！



「フフ、模擬戦はエステル君達の負け同然だけど、勝負には勝ったみたいだね。」

「お2人共、今治療しますね！ティータちゃん！」

「はい！」

その様子を見ていたオリビエの答えを聞いて明るい表情をしたクローゼはティータと手分けしてエステルと青年の手当てを始め

「私も手伝う。光よ集え、全治の輝きを持ちて、彼の者を救え！キュア！！」

「へ……」

ソフィも続くようにその場で詠唱をした後”術”を発動してエステルの傷を回復し、ソフィの治癒術を受けたエステルは呆け

「！」

「あれは一体……”法術”ではないようだけど……」

「嘘でしょう！？オーブメントも使っていないのに魔法(アーツ)が発動しているじゃない！」

「それ以前に”キュア”なんて名前の魔法(アーツ)はないよな？」

ソフィの治癒術を見ていた青年は目を見開き、アーシアは呆け、シェラザードは信じられない表情で声を上げ、フレンは考え込んだ。



「えっと……今更だけどソフィって、何者？？今のアーツみたいなのって、どう考えてもアーツじゃないわよね？オーブメントを駆動させていないし、”キュア”なんて名前のアーツ、聞いた事もないし、手帳にも載っていないわ。しかも手から光みたいなのを出して戦っていたし。」

「……貴女達の知りたい事はギルドに戻った時に説明するよ。」

その後手当てが終わったエステル達はギルドに戻った。