ソードアート・オンライン ~story of Liebe~
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プロローグ
~とある病院にて~
ここではある家族による出産が行われていた。病室付近では母親からの叫び声と医者や看護婦による声援が響いていた。外の椅子には父親が座っており青ざめた顔になっていた。
数時間、病室から医師が出てきた。その医師に父親は駆け寄る。
「つ、妻と子供は大丈夫なんですか!?」
「はい、少し早かっのですが問題なく出産できました」
「よ、よかった~……」
「ですが、やはり少し早いため様子を……」
と言いかけたとき病室から看護婦が走ってきた。
「先生大変です!胎児の血液量が一定値よりかなり下回っています!!」
「なんだと!?まさか胎児貧血か……輸血の準備を!!」
「はい!」
看護婦は走って血液製剤を取りに行った。父親は床に崩れるように倒れた。
「大丈夫です。僕に任せてください。必ず助けて見せます」
と父親に声をかけて病室の方に急いで戻っていった。
~病室内~
「患者の容態は?」
「はい、新生児二人とも血液量がかなり低く非常に危険な状態です。母親の方は問題ないです」
「双子か……どちらも死なせるわけにはいかない!絶対助けるぞ!」
「「「「……!はい!」」」」
医師の表情はとても険しく周りにいる看護師達は少し驚いたがすぐに集中し始めた。そして先ほど輸血製剤を取りに行った看護師が帰ってきた。
「先生!持ってきました!」
看護師は持ってき血液製剤を渡した。
「……一応確認しておく。これは安全なものか?」
「はい、加熱製剤のため問題ないはずです」
「(何か嫌な予感がする……)すまないがこれとは別のものを持って来てくれないか?」
「え、あ、はい!」
そして看護師は持ってきた血液製剤を持って出ていった。周りの看護師は驚きながら先生に言った。
「先生、どうしてあんなことおっしゃったのですか?今子供は危険な状態なのに……」
「分かっている。だが、あれは使ってはいけないと思ってしまった。もしこの行動によりこの子達が死んでしまったら私が全責任を持って罰を受ける」
「……先生がそう決心して言ったのであれば問題ないです。今までもそう言ったときは上手くいってますからね」
「流石長く相棒やってくれただけあるな涼子くん」
とある看護師に医師は言った。
「もちろんです阿部先生」
二人は微笑んで会話していた。それを見た若い看護師は隣にいた看護師に
「私初めての体験でおどおどしているのに何であの二人だけは笑っているんですか……?」
こう質問した。質問された看護師は
「あぁ、あなたは初めてだったわね」
と言い出し続けてこう言った。
「あの二人はね、夫婦でね。表では少し腕のある医師と言われているだけなんだけどね裏では……」
「う、裏では……?」
ごくりと唾を飲み込む。
「神に仕えるコウノトリと言われるほど数多くの新生児を救った赤子の救世主よ。世界で名だたる医師と肩を並べるレベルよ」
「そ、そんなレベルなんですか!?」
「静かに!このことはあまり公にしちゃダメよ!」
「は、はい……」
(別に公にしても気にしないけど……まぁ、いいか)
少し場の緊張がほぐれたところで血液製剤を取りに行った看護師が戻ってきた。そして阿部医師は喝を入れるかのように言った。
「よし、これから新たな命を救う。始めるぞ!」
二人を救う手術が始まった。
それから12年の月日が経った。
天気も雲一つない晴天であるにも関わらず、朝からその天気に似つかわしくない慌ただしい家があった。
「ほら、早くしないと遅刻するよ!」
「わわ、待ってよお姉ちゃん!?」
「新学期早々に遅刻とか嫌だからね!?」
と急いで家を出ようとする二人がいた。
「ほら行くよ木綿季!」
「行ってきま~す!」
そう言って二人は笑顔で家から出ていった。今の天気に相応しい眩しい笑みで。
後書き
誤字脱字多いかもしれません・・・
文字数も少ないですがよろしくお願いします。
意見などあればお願いします。
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