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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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ミストガン

 
前書き
超亀更新で復活します、更新速度は徐々に戻していきたいと思っています

 

 

カルディア大聖堂で対峙するのはフェアリーテイルの最強候補である二人


ラクサスとミストガンであった



先に動いたのはミストガン、背中に差していた武器をとると それを五本、地面に突き立てる



「摩天楼」


ミストガンがそう呟くと同時に、大聖堂の床は輝かしい光を放つ



「!!!」


するとラクサスの足元が波状にうねり、光の柱が何本も現れる



「何!!?」


次の瞬間、大聖堂は光の柱によって粉々に砕かれ、ラクサスは宙を舞っていた


驚いた様子のラクサスが砕かれた教会を見降ろして言う



「バカな!! 教会を・・」


すると突如、足元からとてつもなく大きな光が差し込みラクサスを完全に飲み込む



「うおお」


次にラクサスがいたのは真っ黒な宇宙空間のような世界であった


何が起きているのか分からないラクサスは慌ててあたりを見渡す


するとラクサスの頭上に、空間の裂け目が現れる


裂け目からは鋭い爪をもつ怪物のような手が現れ、裂け目を徐々に広げていく




「!!!」


慌てるラクサスを何本もの太いベルトが縛りつける


完全に拘束されたラクサスは大きくなっていく裂け目をただ見上げているしかなかった




「なんだこの魔法は!!!?」


顔を青くしたラクサスが目の前の光景に恐怖し、声を荒げる




裂け目からは巨大で得体のしれない怪物が現れた


恐ろしい叫びを上げ、ラクサスに手を伸ばして牙をむける




「うおおおおおおおっ!!!!!」



ラクサスが叫びをあげた刹那―――――――










―――――――目の前の光景に亀裂が入った



「!!!」


「はははははははっ!!!! くだらねぇなァ!!!!」


高笑いしながら無傷のラクサスが姿を現す



「こんな幻覚でオレをどうにかできるとでも思ったか!? ミストガン!!」


左手で幻覚の破片を振り払い、ミストガンに視線を向ける



「さすがだな、だが気づくのが一瞬遅かった・・お前はすでに私の術の中」


ラクサスの頭上には五つ重なった魔法陣が展開されていた



「眠れ!!!! 五重魔法陣 御神楽(みかぐら)!!!!」


「気づいてねえのはどっちだ?」


頭上の魔法陣を気にも留めずに、笑みを浮かべるラクサス


するとミストガンの足元から激しい雷光が生じる



「ぐぁあああっ」


「うおおお」


ラクサスの雷撃を足元から食らったミストガンが空中に吹き飛ぶ


しかし、互いの魔法を食らった双方、平気な顔をして敵に視線を向ける




ミストガンは空中に飛んだまま、刀印を結び魔法を放つ


歪んだ足場がラクサスの体を捕らえようと襲いかかる


ラクサスは自身の体を雷に変え、ミストガンの魔法から逃れた




「抜けた!!?」


「はァ!!!!」


雷は壁を伝ってミストガンへと襲いかかった


しかし、ミストガンは体を煙状にしてそれをかわす



「チッ、やるじゃねーか」


再び双方対峙し、ラクサスが呟いた



その時――――――――




「「「ラクサス!!!」」」


アルト、ナツ、エルザの三人が同時に大聖堂へ到着した


するとミストガンは目を見開いてエルザを見据える



「ナツ、エルザ!!」


「よう、アルト」


「出られたのか、ナツ」


アルトたちが顔を合わせる


そして三人同時に、ミストガンの方へ視線を向けた



「誰だアイツ・・・」


「ミストガンか・・・?」


「ミストガン!? 初めて見た!!」


目を輝かせミストガンを見るアルト


一方、ミストガンはエルザと視線を合わせぬよう、俯く



「スキあり!!!」


笑みを浮かべ、一瞬の隙をついたラクサスがミストガンの顔に向けて雷撃を放つ


雷撃は命中し、ミストガンの顔を覆っていた布やマスクを焼き消す



「え!?」


「・・・・・」


ミストガンの素顔を見たアルトとエルザは言葉を失った


何故ならその顔は、以前エルザとアルトが闘った相手だったからだ




「ジェラール・・・」


目を丸くしたエルザが呆然と呟く



「何でお前が・・・」


アルトもただただミストガンの素顔を呆然と眺めていた



「ジェラールだと・・・」


ジェラールという聞き覚えのある名前を聞いたナツは少し考えた後、怒りの形相を浮かべミストガンを怒鳴る



「ジェラール!!? エルザを泣かした・・・あの・・・っ!!」


拳を握り、今にもミストガンに飛びかかりそうなナツ




「生きて・・」


潤わせた目でミストガンを見るエルザは震えた声でそう呟いた



「お? 知ってる顔だったのか?」


事情を知らないラクサスは笑みを浮かべてエルザたちを見ていた



「ど・・・どうなってんだ!!? ミストガンがジェラール!!?」


怒りと動揺が入り混じったナツが叫ぶ


するとアルトがナツの肩を優しく掴んでいった



「いや・・・ミストガンがジェラールなわけねェ・・・楽園の塔で会ったジェラールとは雰囲気がまるで違う」


そう言ったアルトも額に冷や汗を浮かべ、動揺していた


ミストガンはエルザに視線を合わせないまま言った



「エルザ・・・〝あなた〟にだけは見られたくなかった」


「え?」


「私はジェラールではない、その人物は知っているが私ではない」


動揺で震えたままのエルザはミストガンの言葉をただ聞いていた


頭が真っ白になり、口を開く気になれなかったのだ



「すまない、後は任せる」


「おい、ちょっと・・!!」


その場を去ろうとしたミストガンを止めようとアルトが動く


しかし、体を霧状に変えたミストガンは音もなく消えてしまった



「ど・・どういう事なんだ・・・?」


「だーーーっ、ややこしいっ!! 後回しだ!!! ラクサス勝負しにきたぞ!!! アルト、エルザいいよな オレがやる!!」


アルトたちの動揺を振り払うかのように、ナツが大声で事を進める


しかし、ナツの声など届かずに、エルザは震えたままミストガンの消えた跡を黙って見つめていた



「エルザ、避けろ!!」


「!!」


アルトがエルザに向かって声を上げる


「ぐはぁああぁっ」


ハッとしたエルザであったが向かってくるラクサスの雷を避ける事は出来ず、地面に飛ばされた



「似合わねえツラしてんじゃねーよ、ホラ!! 来な」


拳に雷を纏わせ、エルザたちを挑発するラクサス



「ラクサスーーーーーっ!!!!」


痺れを切らしたナツがラクサスの名を叫ぶ



「俺が相手するって言ってんだろ!!!! このやろォ!!!!」


ラクサスに指をさし、言い放つナツ


しかしラクサスは面倒くさそうな表情をナツに向けて言う



「ん? いたのか、ナツ」


次の瞬間、ナツの闘志に完全に火がついた

 
 

 
後書き
この小説をご覧になっている皆様、お久しぶりです

私情が無事終了しましたので、更新を再開させていただきます

相も変わらず稚拙な文章ですが、これからも大陸の妖精をよろしくお願い致します。 
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