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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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予想外

 
前書き
よくよく考えたらリュツゼツランドの時、シリルハーレム状態だったんだな。見た目的には女の子4人で遊んでるシーンしか思い付かないが・・・
絵面的にはあとからレオンが合流するとレオンがハーレム状態になるのか?なんだこれ?レオンこれで前の話の前書きみたいなことしたらシリルから突っ込まれそうだな。「どっちが主人公かわからないぞ!!」って。 

 
「ぐっ!!」

下からのパンチを受け空中に体が浮くジュラ。蛇姫の鱗(ラミアスケイル)のマスターオーバは驚いていた。

「いけぇ!!ラクサス!!」
「オオオオオッ!!」
「イェー!!」

地面にめり込み倒されたかに見えたラクサス。しかし実際にはまだ戦闘不能にはなっておらず、油断したジュラに拳をねじ入れた。それを見て彼の親衛隊である雷神衆は大喜びである。

「フッ」

殴られたジュラはニヤリと笑うと足を地につけ着地する。そこから上に着ている黒い羽織を脱ぎ捨てると、地面に手をつけ魔法を繰り出す。

「はっ!!」
「うあっ!!」

足元から岩が現れ宙に投げ出されるラクサス。だが彼はあえてその力を利用して攻撃を試みる。

「雷竜方天戟!!」
「崖錐!!」

自分の雷で戟を作り投げ込むラクサス。ジュラはそれを無数の岩を作り防ぐ。
2人の力がぶつかり合ったことにより砂煙が立ち込めたその場所。ラクサスはその中に着地すると雷を纏いトップスピードでジュラへと果敢に突撃する。

「うあああっ!!」

ジュラの顔面に拳を放つが彼はそれを左腕1本で簡単に弾く。そこから素早く右手を振るいラクサス目掛けて数本の岩の柱を出現させるが、ラクサスもそれを見切り交わしていく。それどころか彼はその岩を逆に利用することにした。自由の効かない空中。だがジュラが作り出したその岩を足場にすれば空中でも移動することができるし、何より相手に軌道を読ませることなく接近できる。

「はぁっ!!」

右に左に岩を蹴って移動しジュラに迫るラクサス。だがジュラもそう簡単にやられるわけにはいかない。接近してきたラクサスの居場所をすぐに把握しその頭に手刀を振り下ろし地面に叩きようとする。
一瞬動きが止まりかけたラクサス。彼はそこから執念でなんとか持ち直すとジュラに左ストレートをお見舞いする。

ニヤッ

ラクサスのストレートにより重心が後ろに傾いたジュラ。だが彼はまだ余裕なようで笑みを見せる。
ラクサスがジュラに追い討ちをかけるように右ストレートを繰り出すがそれを左腕でブロック。防がれたラクサスは右足を使い蹴りに方向転換するがジュラはそれを読んでおり体を後ろに下げて回避する。

「はっ!!」
「ぐっ!!」

ジュラはガードを下げているラクサスに拳を繰り出し見事ヒットさせることに成功した。それでもラクサスは攻め続ける。時には雷を使い、接近すれば自分の鍛え上げた肉体から繰り出す格闘技で。

「すげぇ・・・」
「あのジュラと互角に戦ってる」
「あいつ・・・レイヴンを1人で倒しちまった奴たぜ」

これには観客たちも驚愕している。大鴉の尻尾(レイヴンテイル)のメンバー全員を相手に1人で勝利を納めたラクサス。それゆえに強いことはわかっていたがまさかジュラと渡り合えるとは思っていなかったからである。

「ラクサス」
「これほどの強さとは思っていなかった、という顔ですね」
「む」

驚いているのは観客だけではなく、ラクサスの祖父であるマカロフも一緒だ。マカロフはメイビスに図星を突かれ、何も言えなくなってしまう。

「皆成長するのです。これからを担う若者たちは」

メイビスはラクサスがジュラと渡り合えるとどこかで感じていたらしく、冷静にそう言う。

「うおおおおおおっ!!」

地面を殴り、コンクリートを伝って雷がジュラへと向かっていく。

「これは・・・たまげたわい」

広範囲に広がる雷がジュラを飲み込む。ジュラに全力で終始挑んでいるラクサスは大きく息を乱している。対するジュラもラクサスの攻撃に徐々に体力を削られ、片膝に手をつき苦しそうな姿勢になっている。

「この数年で、ここまでたぎったことはなかったのぉ」

ジュラは現在聖十大魔導の序列5位を獲得している。つまりこの大陸で5本の指に入る実力者ということだ。そうなると彼とまともに渡り合えるものは数が限られており、ここしばらくの間彼の中では血がたぎるほどの相手はいなかったのだ。しかし、今目の前にいるラクサスは一味違う。力はもちろんのこと絶対に負けないと思う強い精神力がある。ジュラはそれを感じ、興奮しているのだ。

「噂通りの化けもんだぜ、あんた」

ラクサスは自分の雷をもろに喰らったにも関わらず、ほとんどダメージを受けた様子もなく立っているこの男にそう言う他なかった。

「こういう時・・・なんて言うんだっけかな・・・ナツ・・・」

彼は目の前の強敵とぶつかり合ううちに、いつも仲間であるナツの口癖が頭をよぎっていた。彼はその言葉を思い出すと、拳を強く握りしめる。

「燃えてきたぜ」

どれだけ強い相手にも絶対に怯まず、逆にその状況を楽しんでいるナツの言葉。それを口にした時、彼の表情にも笑顔が滲み出ていた。

「来い!!どちらかが果てるまで、戦おうぞ!!」

それに対しジュラも応えるようにそう言う。2つのギルドの想いを背負った男たちが火花を散らす。




















「いくぜリオン!!」
「来い!!グレイ!!」

ラクサスとジュラと同じように、こちらでも妖精対蛇姫の戦いが行われようとしていた。

「アイスメイク・・・氷撃の鎚(アイスインパクト)!!」

巨大な氷の槍と槌を合わせたような武器を作り出して目の前の青年を押し潰そうとするグレイ。リオンはそれに対抗するように両手を合わせて造形を始める。

「アイスメイク・・・大猿(スノーエイプ)!!」

リオンはグレイの鎚に負けず劣らずの巨大な猿を自分を守るような形で出現させる。グレイの鎚とリオンの大猿は激しく衝突するが、ここでの軍配はリオンに上がった。

「ちっ。アイスメイク・・・氷創騎兵(フリーズランサー)!!」

1度舌打ちをした後、今度は正面から大量の槍を打ち出し攻撃してみる。
リオンは上空から降ってくる攻撃に意識が向いていたため、正面から飛んでくる槍たちには気づかず、攻撃を受けたように見えた。だが、そのリオンは薄緑色の氷になり崩れ落ちてしまう。

「甘いな、グレイ」
「!?」

グレイの後ろからリオンの声が聞こえ振り返ると、そこには間違うことは絶対にない兄弟子の姿があった。

「アイスメイク・・・(みずち)!!」
「ぐあああああ!!」

リオンの手から蛇のような竜のような動物が生み出されグレイはそれをモロに喰らってしまう。

「そういうことかよ・・・」

グレイは地面に手をついたまま片方の手の甲で汗を拭う。リオンはどこかのタイミングて自分の造形を予め作っておき、入れ替わっていたのだった。そして自分が偽物に気を取られているうちに後ろに回り込み攻撃を入れる。単純な作戦。しかし、それゆえに効果は絶大だ。

「おもしれぇことしてくれんじゃねぇか!!リオン!!」
「当然だ。俺は負けるわけにはいかんからな。ジュビアのために!!」

相変わらずジュビアのことを強調するリオンに呆れを通り越して逆にすごいと感じ始めたグレイ。ただ、ジュビアは彼の大切なギルドの仲間。そう簡単には・・・いや、絶対に譲るわけにはいかない。

「悪ぃが仲間をそう簡単には渡せねぇな」
「ならば力ずくで奪い取るまで!!」

2人はほぼ同時に造形の体勢に入る。

氷雪砲(アイスキャノン)!!」
(バク)!!」

グレイは肩に乗せる砲撃砲を作り出したのに対しリオンはタクトを倒した仮想動物(バク)で対抗する。
豹さながらのスピードで走る漠に対しグレイは砲撃を一撃発射する。

ドガァッ

グレイのその一撃で漠は一瞬のうちに砕け散ってしまった。

「何!?」
「これでも喰らえ!!」

驚くリオンに向かって砲撃をぶちかますグレイ。その攻撃は見事にリオンを捉えた。

「がはっ!!」

砲弾の勢いに押され倒れそうになるリオン。だが、なんとか持ち直し、1度敵との距離を取る。

「やるな、グレイ」
「当たり前だ。こっちにだって負けられねぇ理由があるんだからな」

ジュラとラクサス同様白熱した展開になってきた氷の造形魔法対決。生き残るのはどちらか!?





















「グレイとラクサスは大丈夫そうだな」
「当たり前だ。ラクサスなら相手が誰であろうと負けるはずないからな」

こちらは魔水晶(ラクリマ)ビジョンから試合を観戦している妖精の尻尾(フェアリーテイル)の応援席。ビッグスローとフリードはレオンの復活で勢い付く蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の実力者2人と互角に渡り合っているラクサスたちを見てホッと一安心といったところである。

「だけど問題は・・・」
「あの子だよね・・・」

目線を合わせてそう言うのはリサーナとカナ。彼女たちが心配している人物とは言わずと知れたあの少年である。

「シリルの奴、あんなバカみたいなパワーの持ち主に対抗できるのか?」

グラシアンとソフィアを一瞬のうちに姿を確認するのがやっとなほどに吹き飛ばした目覚めた神、レオンと対決することとなったシリルのことである。

「心配しすぎだよ。シリルは伏魔殿(パンデモニウム)でも三大竜との戦いでも勝っているじゃないか」
「それにあの三人衆のノーランと互角以上に戦えるのよ。少し力があるからって負けるとは思えないわ」
「頑張れシリルお姉ちゃん!!」

アルザックとビスカはシリルの4日目までの活躍を見てみんなの心配は不必要なものだと考えているようだ。彼らだけでなく、他にも何人かのメンバーはそう考えていたようで、アスカの「シリルお姉ちゃん」に大爆笑するほど余裕を持っているように見えた。

「だけど、シリルは水の魔導士だからな」
「氷の魔導士のレオンとは、相性悪い気がするぞ」

ジェットとドロイは属性的な問題でこの対決を心配しているようだった。グレイとジュビアのように恋愛関係なら水と氷の相性は良さそうだがバトルとなると話は変わってくる。

水の魔導士であるシリルにとってそれを凍らせることのできる氷は脅威と考えて間違いないだろう。

「それにあれだけのパワー・・・かすっただけでも致命傷になりかねない威力だからな」
「ラクサスやエルザならまだなんとかなったかもしれねぇけどよ」
「シリルは正面からぶつかることが多いし、純粋な力勝負になったら勝てないわよ」

雷神衆は全員が全員、このバトルに不安を持っているらしい。だが、それを聞いていたこの少女がその意見をバッサリと切り捨てる。

「いいえ。むしろレオンの相手がシリルで助かりました」
「「「「「え?」」」」」

初代マスターメイビスの発言に応援席のメンバーは驚き一斉に視線を彼女に向ける。

「シリルで助かったってどういうこと?初代」
「言葉通りの意味です。私の計算では、レオンを封じ込めることができるのはシリル以外にいないでしょう」

全員顔を見合わせ目を点にしている。そんな中フリードは初代に少し不機嫌そうな顔で問いを飛ばす。

「それはラクサスでは力不足ということか?」
「悪く思わないで下さい。ラクサスやエルザ、例え6代目といえどあのレオンと戦うのは困難だと思います。ですが、シリルなら試合を優勢に運ぶことができるでしょう」

ラクサスやエルザもかなりの強者ではある。さらには6代目マスターマカロフはジュラと同じ聖十の称号を持つ大陸(イシュガル)に誇る魔導士。にも関わらず、彼らでは対抗できずにそれよりも力が落ちるシリルでは対応できるというのがどういうことなのか、皆わからずにいた。

「初代。シリルなら大丈夫という理由は?」
「見ていれば分かりますよ、6代目」

意味深な笑みを浮かべる少女を一瞥し、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士たちはシリルとレオンの戦いを映している魔水晶(ラクリマ)ビジョンを見上げていた。























シリルside

「やぁっ!!」
「はぁっ!!」

俺とレオンは同時に相手に向かって突進していく。レオンはどうやら左が利き腕らしく、そちらで拳を握り締めて向かってくる。
両者の拳が交わろうとした瞬間、俺はあえて軌道修正する。

「!?」

レオンは俺が何をやろうとしているのかに気付いたみたいだ。だけど、残念だけど今からでは対応することはできないだろう。
向かってくるの拳より内側に自分の腕をねじ込む。そこから相手の魔力が込められていない上腕や前腕の部分に肘を押し当てより軌道を()()に行かせる。
これで俺よりも多少長いレオンのリーチを封じることができた。彼の拳は肘が外側に逃げてしまったことで俺からは離れている。だから体を近づけて出来うる限りの勢いを乗せて拳を入れる。

「くっ!!」

頬に完全にヒットさせることができた。続けざまに膝を腹部へと1度蹴り上げて追加攻撃を喰らわせる。

「このっ!!」
「危ね!!」

胴体に攻撃を受けたのにレオンの奴は全く動じることなく空いている右手でパンチをかましてくる。が、俺はそれを見切っていたので簡単に避けることができた。
やけくそのように見えなくもないけど、次から次からへとキックやパンチを繰り出して主導権を握ろうと攻めてくるレオン。だけど、それはすべて空振りに終わり、攻撃を出した直後の僅かな隙にちょいちょい細かく魔法をぶつけて彼の体力を奪っていく。

「氷神・・・・・」

片手に魔力を纏わせ膝を曲げるレオン。何をやろうとしているのかすぐにわかったので、素早く回避行動へと移行する。

「永久凍土!!」

勢いをつけて俺が元いた場所に飛んでくる。だがそこは俺が()()()()()いた場所でしかない。

「水竜の・・・」

彼の魔法を読み切り避けるために動いていた俺は何の心配もなくあの強力の魔法から逃れることができた。それに加えて背後を取ることにも成功。そこから指先に水を多く纏わせる。

「砕牙!!」

水の爪がレオンの胸を引っ掻く。そこまで深くは入ったような感覚はなかったが、それなりのダメージを与えることはできたはず。その証拠にレオンは顔を歪め痛そうにしている。

「氷神・・・・・」

だがそれでも彼は挑んでくる。体を大きく回転させながら足に魔力を纏わせて。

氷結(コンゲラート)!!」

足から雪山のような冷気を発しながら回し蹴りを繰り出すレオン。

「よっ」
「!!」

その蹴りも俺は力の流れを見て軌道を計算してギリギリのところで上体を反らせて回避。そのまま顔に上体を戻す力を利用しつつ頭突きを喰らわせる。

『これはどういうことだぁ!?グラシアンとソフィアを倒したレオンの攻撃が全く当たらない!!まるでシリルたんが彼の思考を把握しているかのように軽々と避けているぞぉ!?』

魔水晶(ラクリマ)ビジョンから驚きを隠しきれないチャパティさんの声が聞こえてくる。たぶんマスターたちも驚いているだろうな。だってグラシアンさんをあそこまで弾き飛ばしたパワーと俺の雲竜水を楽々返したソフィアの返し魔法(カウンター)をあっさりと打ち破ったレオンの力を考えるとラクサスさんやグレイさんたちよりも劣勢になると考えるのが普通だ。
だけど残念ながら俺にはレオンの攻撃は当たらない。理由も大体の人たちが気付いているだろう。すごく単純で分かりやすいような理由だ。

「やっぱり・・・当たらないか」

レオンもなぜ当たらないのかわかっているようで、乱れた呼吸を整えながら1度姿勢を正す。
レオンの攻撃は威力がある。だけど、彼は造形魔法と同様で技の発動までの時間が一般の魔導士よりも長い。氷の造形よりかは短いような気もするけど、それでもわずかに繰り出すまでに時間がかかりすぎていることに変わりはない。
それに追加して俺のこの目に入れた滅竜魔法の魔水晶(ラクリマ)。これがいい役割をしてくれる。
視力自体も相当に良くなっているけど何よりもありがたいのは相手の魔力の流れが見えること。どこに魔力が集中しているかで次にどのような攻撃をしてくるのか予想できるし、大体の動きも感知することができる。

「俺が動き出すより先に動いてるじゃん、シリル」
「そりゃそうだよ。じゃないと当たっちゃうもん」

レオンの言葉に即答する。レオンは魔力が高い分威力があるように見える。だけど、それ以上に怖いのはその攻撃時のスピードだと思う。グラシアンさんの時なんか特に明白だった。彼の方が先に魔法を発動させたのに、遅れたレオンもほぼ同じ位置で拳をぶつけ合わせてたから。たぶん発動までの時間がかかっている分少しでもカバーしようとして素早く動いているんだろうけど、そのおかげで魔法の威力が尋常じゃないことになっているんだ。
だから戦う人間としては1秒でも早く彼の動きを見切って回避しながら次の対応をしないといけないんだ。入りが遅いからって油断してるとスピードとパワーで一瞬でやられてしまう。

「だったら・・・」

レオンは一か八かといった感じなのか、頬を膨らませて体を少し捻らせる。

「そっちがそれで来るなら・・・」

ここはどのくらいの差があるのかを見るために同じ魔法で対抗する。

「氷神の・・・・・怒号!!」
「水竜の・・・咆哮!!」

ほとんど同時に放たれたブレス。ただしその後の行動は俺とレオンは違った。
レオンは力を込めるために放ったままの体勢で留めているのに対し、俺はブレスを吐き出しながらも体を地面にくっ付けるように倒れ込む。

「「はあああああっ!!」」

両者共に目一杯の力を振り絞っていることもあり均衡しているように見えた。だが、やはり真っ向対決では勝てるはずもなく無情にも水のブレスははね除けられてしまった。

「やばぁ!!」

氷の波動が向かってくるのにすぐさま反応して頭を抱える。彼のブレスは地面にうつ伏せになっている俺のわずか数センチほどを通っていった。

「危なかったぁ・・・」

とりあえず一安心といった感じに立ち上がる。今回のは作戦勝ちといっていいとだろう。ブレスを下からぶつけることでわずかながらに軌道を修正して地面にピッタリと張り付いているその上を通過させる。
予想よりもギリギリだったから怖かったけど、結果的には成功したからよかったよ。

「すごいな、シリル。頭いいじゃん」
「まぁね」

俺の作戦に感心しているレオン。俺はそれにちょっとドヤ顔になりながら答える。
最初はこんなパワーの持ち主にどうやって戦うのかと思っていたけど、意外と渡り合えることに気付いた。真っ向からの戦いは厳しいけど、自分の持てる力を最大限に活用すれば勝てない相手ではない。
自信にも似た感覚から、次第に心に余裕が持てた俺は思わず笑みをこぼしていた。









 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
なんとまさかのシリル優勢から始まったこのバトル、皆さん予想できたでしょうか。
このままシリルが勝ってしまうのか、はたまたレオンがまだ見せざる力を使うのか。
次回もよろしくお願いします。 
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