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ロックマンゼロ~救世主達~

作者:setuna
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第13話 爆撃機

 
前書き
爆撃機迎撃 

 
輸送機の上に乗りながら、降りるタイミングを伺うルイン。

『これ以上は近付けない…奴らのレーダーに引っ掛かる』

パイロットからの通信にルインは笑みを浮かべる。

「ありがとう。もう充分だよ」

パイロットに礼を言うとシエルからの通信が入ってきた。

『…ルイン、爆撃機に着いたら、簡易転送装置を起動して、私達を呼んで』

ルイン「了解。」

下の小型爆撃機に飛び移ろうとした時、パイロットから再び通信が入る。

『ルインさん…どうか、お願いします。これ以上、仲間を失うわけには…エルピス様の元で苦楽を共にした仲間を…』

「ネオ・アルカディアに攻撃を仕掛けたレジスタンスはみんな、エルピス司令官の部下だったね…」

『はい…沢山の仲間が死んでしまった…残された我々はどうすればいいんでしょうか…』

「生きて。殺されたレジスタンス達の分までしぶとく生きるの。それが君のミッションだよ…何てね。それじゃあ行ってくるよ!」

『はい!お気をつけて!!武運を祈っています!!』

輸送機から飛び降りながらHXアーマーに換装し、ホバーで落下速度を調整しながら、小型爆撃機に着地した。

機動力に特化したHXアーマーの能力を最大限に活かして、小型爆撃機をエアダッシュとホバーで移動を繰り返しながら大型爆撃機に向かう。

途中で迎撃しようとするパンテオンがいたが、ダブルセイバーで両断していく。

そして大型爆撃機の甲板に着地したルインに一機の小型爆撃機が攻撃を仕掛け、爆弾を投下してきたが、上方向へのエアダッシュで爆撃機の真上に着地するとオーバードライブで強化したセイバーを突き刺し、セイバーのチャージをする。

「プラズマサイクロン!!」

電磁竜巻が爆撃機に炸裂し、爆撃機は爆発を起こして爆散した。

「よし、急がないと!!」

奥にいるパンテオンを薙ぎ払いながら梯子から駆け降りると、爆撃機の中に入る。

そこには盾を装備したパンテオンと属性弾を発射するメカニロイドがおり、電磁シャッターが道を塞いでいる。

「これはまた随分と厳重だね…ここはPXアーマーのシャドウダッシュで!!」

時間が無いため、敵と電磁シャッターは無視の方向で行く。

ステルス性能の高いPXアーマーに換装し、オーバードライブを発動するとシャドウダッシュの性能を活かしながら、電磁シャッターのスイッチを破壊して先に進む。

いくつかの電磁シャッターを通り、敵の攻撃を掻い潜るとシャッターを発見した。

そこを潜ると特殊爆弾が目視出来る場所に出て、デバイスもあることから、恐らくはここから操作しているのだろう。

「転送座標をセットしたよ。ゼロとシエルを転送して」

直後、ゼロとシエルがこちらに転送されて来た。

「急いで爆弾の解除をするわ…デバイスは…こっちね。信管の解除まで九十秒必要よ。それまで…お願い…」

「了解。」

次の瞬間、背後のシャッターが開く音がしたため、背後を見遣るとパンテオンとメカニロイドが入ってきた。

「チッ…」

「迎え撃つよゼロ!」

ゼロがバスターショットを引き抜き、此方に向かって放たれる光弾をシールドブーメランで跳ね返す。

そしてルインがFXアーマーに換装すると、ナックルバスターからショットを連射した。

ゼロも攻撃の合間を縫ってチャージショットを放ち、それを繰り返していくと、シエルがルイン達に声をかけた。

「何とか…半分まで解析出来たわ。後少し頑張って!!」

「心配しないで!絶対に守ってあげるから!!」

「お前は自分のやるべきことに集中しろ」

ルインとゼロの頼もしい言葉にシエルは頷くと、作業を続ける。

「纏めて倒す!フリージングドラゴン!!」

LXアーマーに換装してハルバードをチャージして氷龍を召喚し、パンテオンとメカニロイド達を纏めて破壊していく。

「トリプルショット!!」

ゼロもエレメントチップを状況に合わせて切り替えながら多彩な技を繰り出して迎撃していく。

「後少しで…何とかなりそう…」

シエルもデバイスを操作する手を早くしていく。

「くっ…キリがない…」

「ゼロ、アレをやるよ!」

「アレか…」

ルインがZXアーマーに換装してZXバスターを構えるのと同時にゼロもバスターを構え、同時にエネルギーチャージをする。

「クロス!!」

「チャージショット!!」

ルインが発射したチャージショットに時間差で発射されたゼロのチャージショットが合体、広範囲を拡散するチャージショットとなってパンテオンとメカニロイド達を飲み込んだ。

「…信管解除、完了!!」

『信管の解除を確認。転送します。安全を確保して下さい』

ルージュの言葉に安堵して、ゼロとルインは残りの敵がいないことを確認した。

「敵は全て撃破したよ。ルージュさん、転送してくれる?」

『了解。安全を確認、転送を開始します』」

「シエル、ルインと一緒に先に行け。」

先にシエルとかなり消耗しているルインをレジスタンスベースに帰還させようとするゼロ。

「分かった!ゼロも急いで!!」

「お先に!!」

シエルとルインが転送の光に包まれ、レジスタンスベースに帰還するのを見届けたゼロは自分もレジスタンスベースに帰還しようと、通信を繋げようとした時であった。

突如、爆撃機が揺れた。

『大変、ゼロ!乱気流のせいで…転送が上手くいかないみたい!!爆撃機の倉庫が壊れてるからそこから脱出して!!』

「…分かった」

ゼロはシエルに言われた通りに倉庫のある部屋に向かい、倉庫に入ると、確かに穴が開いていたのでそこから脱出し、待機していた輸送機の上に着地する。

「これなら通信が届くか…?」

レジスタンスベースに脱出に成功したことを告げようとしたが、突如輸送機に一体のレプリロイドが着地した。

「そう簡単に、帰すわけにはいかんな、ゼロ!爆弾は、解除されたようだが…まだ、あの爆撃機ごとお前達の基地に突っ込むことが出来れば、作戦は続行出来る!!お前もこのクワガスト・アンカトゥスと一緒に炎の矢となれ!!」

「アンカトゥスだと…?ネオ・アルカディアで倒したヘラクリウス・アンカトゥスと同じ…」

「ヘラクリウス・アンカトゥスは我が兄上だ!ゼロ…兄上の仇も討たせてもらうぞ!!」

クワガストが凄まじい勢いでゼロに向かって突進してくる。

それをゼロはジャンプでかわしながらアイスチップを使い、武器に氷属性を付加させる。

兄のヘラクリウスは氷属性が弱点だったので、ならば弟のクワガストも氷属性が弱点のはずだ。

「喰らえ!」

氷属性のチャージショットを放つが、それをクワガストは旋回してかわす。

「その程度の攻撃が当たるわけがあるまい!サイクロン!!」

「っ!?」

次の瞬間、ゼロの体が凄まじい勢いでクワガストに向けて吸い寄せられていく。

「マンディブルクラッチ!!」

「ぐっ!?」

「このまま断ち切ってくれるわ!!」

引き寄せたゼロを顎の鋏で挟むと、顎に力を入れて真っ二つにしようとするが、ゼロもそのままやられるつもりもなく、片腕で鋏を押さえながらバスターをクワガストに向けた。

「っ…だが、これならかわせないだろう?」

「ぐあっ!?」

ピンチを利用して至近距離でのチャージショットを発射すると、弱点属性をまともに喰らったクワガストが仰け反る。

その隙を逃すまいと、ゼロはショットを連射したが、クワガストのアーマーはヘラクリウス同様に強固であり、大したダメージを与えられない。

「奴同様に固いか…」

「この程度で俺を倒せるとは思わぬ事だ!ビートアンカー!!」

ゼロに向けてレーザーを放ってくる。

シールドブーメランでそれを受け流しながら距離を詰めて、Zセイバーによる三連撃を喰らわせる。

「ぐっ!これしきのことで!!」

距離を取ろうとするクワガストだが、ゼロはチェーンロッドを伸ばしてクワガストを拘束した。

「何!?」

「悪いが…仲間が待っているんでな…一気に終わらせてもらうぞ」

拘束したクワガストを引っ張り、距離を詰めるとチャージセイバーを叩き込んだ。

「ぐああああ!お、己!!」

鋏でゼロを挟もうとするが、それを屈んでかわしてバスターの銃口をクワガストの胸に押し付けると、零距離でチャージショットを放った。

零距離で放たれたチャージショットはクワガストの胸に風穴を開けた。

「ば、馬鹿な…あ、兄上…あなたの仇を…討てませんでした…」

兄に謝罪するように言うと、クワガストは爆散した。

『大丈夫ですか、ゼロさん。そろそろレジスタンスベースに着きますので、中に戻って下さい。』

「ああ」

ゼロは武器を収めると輸送機の中に戻り、しばらくしてレジスタンスベースに帰還するとシエル達が出迎えた。

「ゼロ!無事でよかった…」

「無事でよかったよ」

「ゼロさん、ルインさん、シエルさん…爆撃機の迎撃。ありがとうございました。」

「うん、ところでエルピス司令官はどうしたの?まだ目を覚まさないの?」

ジョーヌの礼の言葉に頷くと、いつもの場所にエルピスがいないことに気付いたルインはジョーヌ達に尋ねる。

「司令官は、シエルさんを司令官代行に指名し、何処かへ出撃されました。」

「行き先は不明です。司令官からのメッセージがありますので、再生します」

ルージュがデータディスクを機器に差し込むと、エルピスの音声が出る。

『シエルさん…作戦は、失敗しました。』

震えているようなエルピスの声。

成功すると信じていた作戦をハルピュイア達により、あっさりと打ち砕かれてしまったことに打ちのめされてしまったのだろう。

『全ては…私の責任です。ハハ…。私は、駄目な奴です…。ネオ・アルカディアでは、いつも下っ端で………ここに来て、ようやく司令官になれたのも束の間…全て台無し…です…それもこれも…私に力がなかったから…力が欲しい…力が欲しいよ…。力を手に入れ…ネオ・アルカディアを…人間を…滅ぼし…今度こそ…英雄になってやるんだーーーっっっ!!』

エルピスの悲痛な叫びを聞いたルイン達は目を見開いた。

今までエルピスが押し殺していた負の面を見た気がしたからだ。

「コンピュータに司令官が使った転送装置の記録が残っています。」

「それらの何処かに、司令官がいる可能性があります。司令官を追いかけ…連れ戻して頂けませんか?」

「ゼロ…ルイン…。彼を…救ってあげて…」

モニターに映る場所は、ノトスの森、南極のコンピュータ施設、クリスタルの洞窟、輸送機工場の四カ所だ。

「それじゃあ、最初は私が行くよ。ゼロは疲れているでしょう?ちゃんとメンテナンスを受けないと…ネオ・アルカディアに攻撃を仕掛けたせいで、レジスタンスベースに攻撃が来るかもしれないから、前の時のように二人同時に出撃するのは危険だからね…」

「そう、ね…ゼロはメンテナンスを受けてきて。ルイン…お願い」

「任せて。最初は…ノトスの森に行くよ。」

「ネオ・アルカディアが管理している旧文明の遺跡ね…。ここは、禁断の地として、ネオ・アルカディアの人間さえ、立ち入ることが禁止されている場所…。エルピスは、一体何のためにこんな所へ行ったのかしら?」

「さあ…、取り敢えず行けば分かるんじゃないかな?ジョーヌさん、ルージュさん。転送お願い」

「ミッション発令…各員転送準備にかかれ。」

「転送準備完了…転送!!」

転送の光にルインが包み込まれ、ノトスの森に転送された。

「気をつけて…ルイン」

友人の無事を祈るように呟くシエル。

ルインとエルピスの身を案じながら一度自室に戻ると、そこでベビーエルフがエルピスに盗まれたことを知るのであった。 
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