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提督がワンピースの世界に着任しました

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第03話 初めての海上戦

 海上で未確認の船と接触したと長門さんから報告を受けて、艦内で待機していた艦娘である私達4艦は甲板へと繰り出していた。

「甲板の加賀より、待機していた艦娘達全員が甲板へと到着しました」
 私は甲板へと出てから、報告にあった所属が不明である艦隊を目視で確認しながら伝声管で艦橋にいる長門さんと司令官へ連絡した。すると直ぐに連絡を受けた長門さんから返事が返ってきた。

「艦橋の長門だ。正面に見える5隻の帆船は、コチラに攻撃を仕掛けてきているため交戦の意思ありと断定。甲板へ出てきた艦娘達は全員出撃するように。攻撃の方法等はそちらの判断に任せる」
「加賀より、指示了解しました」
 長門さんから命令を受けて、すぐに今聞いた内容を一度脳内で反復してから役割分担を決めて他の艦娘達に命令を下していく。

「天龍さんと吹雪さんは2人で組んで速度を活かしながら敵艦の撹乱を。妙高さんは中距離から艦砲射撃をお願いします。私は戦闘機を飛ばして航空戦を仕掛けます!」
「天龍、了解ッ! 吹雪、オレに遅れずついて来いよぉ!」
 命令を受けた天龍さんは元気よく敬礼し了解と言って吹雪に一言声をかけると、吹雪の返事も聞かず海に向かって飛び出して行った。そして、海へ着水後はそのまま一直線で正体不明の帆船へと突っ込んでいった。

「わ、わ、ちょっと待って下さい! 天龍さん!」
 急に飛び出して行った天龍さんに少し遅れて、吹雪さんが後を追って海へと繰り出して行った。私は天龍さんと吹雪さんが帆船へ一直線に突撃していく様を見て少し不安を感じたが、何かあれば戦闘機で支援して助ければいいと考えて妙高さんに向き直る。
 
 妙高と目を合わせて、互いに一度頷く。
「加賀さん。私達も向かいましょう」
「私が先に仕掛けます!」

 妙高さんが海へ繰り出すのを眺めつつ、搭載していた戦闘機である18機の零式艦戦、18機の九九式艦爆、45機の九七式艦攻機全てを一気に空へ向けて放出した。相手の航空戦力は未知数なため、私は持てる力を極力全て出し惜しみせずに発艦させた。そのまま、戦闘機を5隻の帆船の上空へと向かわせる。

 敵との接触は極力慎重にと一層用心して敵艦の対空砲火を気にしながら攻撃機を帆船へと速度を上げる。だが、帆船からは何故か一向に戦闘機に対する対空射撃や対抗するための戦闘機を発艦する様子は無かった。
 私が発艦させた戦闘機達はグングンと敵帆船に近づいて行き、そのまま一気に敵帆船の真正面に到着すると順次攻撃機から投下させた雷撃による帆船への一撃必殺を加えていく。

 目視で戦闘機による戦果を確認していた私は、敵への一撃目が想定していた以上にあっさりと成功している様子を見ていた。攻撃を加えた私の方が敵の呆気なさに一瞬呆然としてしまった。しかし、慢心してはダメとすぐに気を取り直して警戒を続けつつ再び敵帆船に攻撃を仕掛けていった。


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 加賀の航空射撃が成功したのを確認しながら、天龍はさらに加速して敵帆船に接近してく。敵帆船に近づくにつれて、帆船の甲板に立っている乗員たちも目に見えるようになって行った。そして、加賀からの命令による敵帆船の撹乱を成功させるために敵の乗員の目を惹きつけながら接近して射撃を繰り返していく。

「うっしゃぁっ!続いていくぜ!」
 天龍が吠えて敵帆船に攻撃を加えていく。
「ちょ、ちょっと待って天龍さん! あ、当たってー!!」
 天龍の後ろでは少し遅れながらも吹雪が攻撃を加えていって、確実に敵に被害を与えていく。
  
「続いて、私が! 第一、第二主砲、斉射始めます!」
 天龍と吹雪が速度で相手を翻弄している後ろから、気合十分に妙高の20.3cm連装砲が攻撃を加えていく。妙高が敵帆船に近づきながらトドメの一撃にと20.3cm連装砲を狙いを定めて撃っていく。

 ドォンと空気を振動させる大きな音を響かせながら、20.3cmという口径から発射された弾はかろうじて生き残っていた帆船に直撃していく。もちろん、強力な20.3cmの主砲を防御もなくマトモに受けてしまった木製であった帆船は艦首の根本から木っ端微塵に吹き飛んでバラバラとなっていった。重巡洋艦である妙高の攻撃は重く狙いも的確で、一発撃つごとに敵船隊の状況が悪化してく。

 3分間で5隻あった船の内、3隻がマストの真ん中からバキッとへし折れて帆が海へと倒れこみ船隊は傾いて航行不能になっていた。
 そして残りの2隻はかろうじてマストは立っていているが、天龍と吹雪による攻撃で張られた帆は破れており、妙高の攻撃によって木製で出来ている甲板はボロボロになっている。今のところかろうじて海の上に浮かんでいるが、5隻の帆船は大破状態だったため敵船の機動力は無いに等しかった。

 残りあと僅か、と妙高さんが再び構えて連装砲斉射を始めようとした時に、突然強力な風が吹き始めた。

「これは?」
 妙高が最初に海の異変に気づいて、疑問の声を出す。今まで天候や波の感じは穏やかな海だったのに突如発生した不可解な風。突風の吹くような海の状況ではなかったはずだと考える、しかし状況は一変して第二、第三の突風が繰り返し起こっている。

「おい、あれ!」
 今まで攻撃を加えて居たボロボロになっていた帆船の1隻から小舟が脱出しているのを天龍が発見し、仲間の艦娘達に伝えた。
 脱出した小舟には櫂ではなく小さな帆が張られていて、不可解なことに今現在吹いている突風とは逆の方向に風を受けて進んでいるのが見えた。

「よし、追うぞ!」
「天龍さん、ちょっと待って! こちら加賀、指示を乞う」
 後を追おうとする天龍を加賀が一旦引き止めて、長門に敵を追うべきかどうか指示を仰ぐと直ぐに長門から返事が帰ってきた。

「こちら艦橋の長門、敵の深追いは無用。繰り返す、敵の深追いは無用だ!」
 コレ以上の戦闘は不要と司令官が判断し、敵は見逃すことになり戦闘は終了した。

「了解しました。作戦終了。艦隊は帰投します」
 加賀が長門からの指示を受けて、天龍、吹雪そして妙高に戻ってくるように冷静に指示を出した。

「この勝利は、皆さんの努力の結果です。お疲れ様でした」
 妙高は戦艦長門へ帰艦しながら、他の艦娘達の健闘を称える。

「たりめーだ!オレが一番強いんだからよ!」
 初勝利に気分を高揚させる天龍。

「私、やりました! 演習と司令官のおかげです!」
 今までの努力が実を結んだと喜ぶ吹雪。

 こうして、この世界に来て初めての海上戦は艦娘達の圧勝で終わった。 
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