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ロックマンX~5つの希望~

作者:setuna
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Another5 魂

 
前書き
セントラルタワー編そろそろ終わりそう 

 
エールのIDを手に入れたエックスとゼロはレジスタンスの装備品管理室に入り、扉を潜って先へと進む。
道中、メットール、ゼニーフォーラー、アインハンマー等のメカニロイドがいたが、エックスとゼロの100年間で培ってきた連携の前にあっさりと沈黙した。
しばらくメカニロイドを迎撃しながらセントラルタワーの通路を昇っていくともう1つの装備品管理室の前に辿り着く。
扉の前にレジスタンスの一員らしきレプリロイドがいた。

ゼロ「おい」

ゼロがレプリロイドに声をかけると、レプリロイドがこちらを振り返り、目を見開いた。

「エックスに…ゼロ…?ひょっとしてあの、伝説のS級のイレギュラーハンター?頼む!!この部屋に囚われている仲間を助けてくれ!!」

エックス「分かった。任せてくれ」

扉を潜り、プレオン・チェイサー2体がこちらに気付く前にゼロが距離を詰めていた。

ゼロ「零式突破!!」

トリプルロッドを抜き、凄まじい勢いで繰り出された突きが、プレオン・チェイサーを粉砕した。

「なっ!?エックスとゼロだと!!?」

エックス「チャージブレードだ!!」

腰のブレードを抜いて、チャージブレードを叩き込み、吹き飛んだプレオン・チェイサーにショットを連続で狙い撃ち破壊した。
エックスとゼロは他にリベリオン兵がいないことを確認してから扉を開けた。








































エックス達がプレオン・チェイサー達を倒した直後、それを見ていたレプリロイドがいた。
リベリオン幹部の1人にして高機動山猫型レプリロイド…ワイルド・ジャンゴー。

ジャンゴー「ふん、小賢しい!!だが、流石は伝説になったイレギュラーハンターなだけのことはあるニャ!!」

スパイダー「一般兵士くらいじゃ荷が重いか?」

ジャンゴー「ニャ!?スパイダー…お前なら奴らを倒せると言うのか!!?」

いつの間にかいたエックスとゼロと戦ったスパイダーに対して、ジャンゴーは不機嫌そうに尋ねる。

スパイダー「報酬は?」

ジャンゴー「ハッ!?金の話か!?良かろう!!貴様がエックスとゼロを止めたら欲しいだけくれてやろう!!いずれ我らリベリオンはレプリロイドの天下を取る!!そうなれば金など好きなように出来るわ!!」

笑いながら言うジャンゴーに対してスパイダーは静かに口を開く。

スパイダー「あんたらの天下に興味はないが…欲しいだけ貰えるってのは悪くない」

それだけ言うと、踵を返して部屋を後にした。










































そしてエックスとゼロの口から聞かされたエールの最期に、レジスタンスのメンバー達が目を見開いていた。

「そうか…エールが…奴はアル長官に拾われて以来、彼を親のように慕っていたからな…エックス、ゼロ。これを持って行ってくれ、アル長官が捕まっているデータバックアップ室の鍵だ」

カードキーをエックスに差し出すレジスタンスメンバー。

「頼む…アル長官を助けてくれ…そして、エールの仇を…」

ゼロ「無論だ」

その言葉にエックスとゼロは力強く頷いた。
亡きエールの魂に応えるためにも必ずアル長官を救うと心に誓う。

ゼロ「エックス、行くぞ」

エックス「ああ」

レジスタンスのメンバーが扱っていた武器を売ってくれたのだが、エックスとゼロの新型アーマーとそれに対応させた武器が高性能過ぎて装備出来ないために、属性を付加させるエレメントチップを3種類売ってくれた。
気のせいかやたらエレメントチップの値段が高かったが。
このチップにより、バスターとセイバー等に属性を持たせることが出来る。
セントラルタワーを占領しているのはリベリオン幹部のワイルド・ジャンゴー。
ジャンゴーは雷属性のレプリロイド。
ここのプレオンには雷属性を持つタイプもいるらしいので炎属性のエレメントチップが非常に役立つ。

エックス「喰らえ!!」

炎属性の超高温ショットとブレードによる攻撃は雷属性を持ったプレオン・スパークには有効で通常よりも早く片付いた。

ゼロ「チェーンロッド!!」

セイバーを勢いよく振るうと、柄の部分から鎖のような槍が発現し、ゼロを囲んでいたプレオン・チェイサー達を瞬く間に両断した。
こうして戦っているうちにエックス達はパネルのある扉を見つけた。
操作する前にIDを使わなければならないらしく、エールのIDを翳そうとした瞬間だった。

エックス「っ!!?」

IDを翳そうとしたエックスの真横の壁に見覚えのあるカードが突き刺さったのは。

スパイダー「大したご活躍だなエックス、ゼロ…おかげで良い稼ぎになりそうだ!!」

ゼロ「貴様は…」

エックス「賞金稼ぎ…!!」

スパイダー「スパイダーって呼んでくれ。あんたらが暴れまくったおかげで今やあんたらの首には法外な賞金がかけられてるんだ。あんたらの首…貰うぜ?」

ゼロ「やってみろ、イレギュラーめ。エックス、こいつは俺に任せて先に行け」

エックス「しかし、ゼロ…こいつは…」

ゼロ「最初の時と違って相手の手の内は大体把握した。それに俺にはあれがあるからな、前のようには行かない」

エックス「あ…」

そうだったゼロにはラーニングシステムがある。
それによってスパイダーのことをある程度把握出来たはずだ。

ゼロ「行け、エックス」

エックス「分かった!!」

スパイダー「ん?」

エックスの掌に納まっている球体を見たスパイダーの目が驚愕に見開かれた。

スパイダー「あのIDは…まさか…!!?」

ゼロ「何をぼんやりしている!!」

驚愕しているスパイダーに対してゼロはセイバーで横薙ぎするが、スパイダーはそれを跳躍してかわす。

スパイダー「あのIDはあいつの…あんたは後回しだ。今はエックスを追いかけさせて貰うぜ!!」

ゼロ「やれるものならやってみろイレギュラー!!」

バスターではカウンターカードのバリアで逆にスパイダーのエネルギーにされてしまうために、ゼロは接近戦を挑む。

スパイダー「成る程、バスターが通じないから接近戦を挑むのかい。けど、甘いぜ!!」

ゼロのセイバーの斬撃をかわしながら、カードボムを放つ。
先程なら回避出来なかったが…。

ゼロ「遅過ぎて欠伸が出るな」

スパイダー「何!!?」

カードボムの連射を容易く回避したゼロにスパイダーが目を見開いた。

ゼロ「イレギュラー…いや、スパイダー。お前の実力は大した物だ。並み居るレプリロイドの中でもS級ハンタークラスに相当する桁違いの戦闘力の持ち主。そいつは認めてやろう。だが、お前はあの時ミスを犯した。あの時お前は警報が鳴った時にとどめを刺さずに去った。それにより俺のラーニングシステムでお前の動きなどを完全に把握させてしまった。」

スパイダー「成る程、噂のラーニングシステムか…想像以上に厄介な代物だな…」

ゼロ「だが、お前との戦いで得られた物はそれだけじゃない。俺の新たなハイパーモードを見せてやろう。ハイパーモード・ライズフォーム」

ゼロのアーマーが灰色に変化していく。

スパイダー「おいおい、複数のハイパーモードなんてありかよ…フォーチュンカード…ストレート!!!!」

スパイダーのカードスリットからカードボムが連射されるが、ゼロはその軌道をラーニングシステムで把握するとそれを回避。
加速器を吹かしてスパイダーに肉薄した。
ゼロナックルがスパイダーの顔面に迫るが、スパイダーは顔を逸らしてかわそうとするが、即座にゼロの手がスパイダーの首を掴む。

スパイダー「ぐっ!!?」

ゼロ「このライズフォームはラーニングシステムの解析能力を向上させる形態でな。この形態なら通常よりも敵の行動を迅速に把握出来る。このようにな」

スパイダー「くっ!!」

ゼロの腹部に蹴りを入れ、何とか離れることに成功した。
しかし、まさかラーニングシステムによる強化と、新たなハイパーモードを得ていたことにより両者の実力差はひっくり返されていた。

スパイダー「今更、エックスを追っても追い付けないか…あんたに聞きたいことがある。」

ゼロ「?」

スパイダー「あのエックスが持っていたID…どこで手に入れた?」

ゼロ「イレギュラーである貴様には関係のないことだ」

スパイダー「関係?大有りだね。あのID…あいつの…エールの物だろう?下半身がないレプリロイドの」

ゼロ「何?」

何故スパイダーがエールのことを知っているのだろう?
スパイダーはスパイダーでゼロの反応を見て、エックスの持っていたIDがエールの物だと悟ったのだろう。
少しだけ目を閉じた後、口を開いた。

スパイダー「やっぱりそうか…エックスがエールのIDを持っているということは……あいつ…また怪我したのか?それとも………死んだ…のか?」

ゼロ「エールは…死んだ。俺達を先に進ませるためにIDを俺達に託して、リベリオン兵と戦って死んだ。アル長官を救い、リベリオンを打ち倒すという信念のためにな」

それを聞くとスパイダーの全身から戦闘意欲が失せていた。

スパイダー「そうか…はは…底抜けのお人好しのあいつらしいよな…。」

ゼロ「お前はエールと…」

スパイダー「悪いが、この仕事は降りるぜジャンゴーさんよ。」

ゼロが聞く前に監視カメラに向けて言い放つと、ジャンゴーの怒鳴り声が聞こえてきた。

ジャンゴー『ニャニャ!!賞金稼ぎめ!!勝手な真似を!!全警備兵出動!!奴ら全員始末しろニャ!!』

監視カメラからの怒鳴り声の命令に、複数のプレオン・チェイサーがこちらに向かってくる。

スパイダー「俺は確かにイレギュラーと言われても仕方ない賞金稼ぎなんかしているがね。友の魂に恥じる仕事だけは絶対にしない。」

踵を返し、ゼロに背中を向けながらスパイダーは言葉を続ける。

スパイダー「こっちは帰るついでに掃除していってやるから……さっさとアルさんとやらを助けに行くんだな!!」

ゼロ「おい、待てスパイダー!!お前はまさかエールの…」

ふと、壁に刺さったカードを見遣る。
ジャックのカードにはエールの絵があった。
もしかしたらスパイダーはエールの…。
いや、考えている暇はない。
早くエックスと合流しなければと、扉を潜る。








































そして先に進んだエックスもアル長官を監視していたプレオン・スパークを撃破し、アル長官を救出していた。

エックス「アル長官ですね?助けに来ました」

アル「ありがとう。…君は…?」

目の前にいる蒼いアーマーを身に纏う青年は、自分を慕ってくれていた青年と設定年齢はさほど変わらないだろう。
あの青年は無事だろうか?

エックス「俺はエックス。政府から派遣された、イレギュラーハンターです」

アル「君がエックス…!そうか…!!」

蒼き英雄エックスの名は、紅の破壊神ゼロ、朱き舞姫ルインと同じ、レプリロイドなら知らない者など存在しない。

アル「それで、レジスタンスは?私の仲間達は?」

エックス「ここまでに囚われていた何名かは救助しましたが、後は襲撃された際に散り散りになったようです。…それと……エールが自分を犠牲に……俺とゼロをここまで導いてくれました…」

アル「エール…彼が…!!?」

アルがエールの死に驚愕した時である。
モニターにジャンゴーの姿が映ったのは。

ジャンゴー『ふん!!アルよ!!リベリオンに協力しようという気はないようだニャ!!』

動物型レプリロイドの特徴の1つでもある独特な話し方をするジャンゴーの見下すような声色にアルはモニターに映るジャンゴーを睨み据えた。

アル「言ったはずだぞ!!例えバラバラに解体されたとしても、ネジの1本までお前達に抵抗するとな!!」

ジャンゴー『いずれ全レプリロイドを平定する我々に逆らうとは、どこまでも愚かな奴らよ!アル、エックス!!ふん、だが、もういい。貴様らと…』

ジャンゴーは一旦言葉を切り、画面の外から何かを引っ張り出した。
それを見たエックスが目を見開いた。

エックス「スパイダー!?どうしてスパイダーがジャンゴーに…?」

ゼロ「奴はリベリオンとの契約を破棄し、ジャンゴーに戦いを挑んだんだろう。エールのためにな」

エックス「ゼロ…どういうことなんだ?」

ゼロ「詳しいことは知らん。だが、恐らくスパイダーとエールは知り合いだったんだろう」

ジャンゴー『ついでにこの薄汚い裏切り者も合わせて、この建物ごと吹っ飛ばしてくれるニャ!!』

アル「まさか、自爆装置をっ!!?」

ジャンゴー『ネジの1本も残さず、消えてなくなるがいいニャ!!』

プツン、と音を立て、モニターの電源が落ちた。

アル「何ということを…っ!!」

エックス「長官!!自爆装置の解除方法は!!?」

エックスの問いで、アルはハッとなる。
目の前にいる伝説のイレギュラーハンター達なら…。

アル「そうだ!!ジャンゴーのいたモニタールームへ行けば、装置を止めることが出来る!!ここから通信でモニタールームへの道順を案内する!!装置を止めてきてくれ!!」

頷いたエックスとゼロは、通ってきた道を駆け戻った。







































セントラルタワー内の殆どのリベリオン兵はスパイダーが破壊したらしく、エックスとゼロは生き残ったリベリオン兵を薙ぎ払いつつ、モニタールームに向かう。
途中で複数のビットを従えたプレオンビットマスタがエックスとゼロに襲い掛かる。

ゼロ「ダブルチャージショット!!」

機銃を放とうとしたビットにダブルチャージショットを放ち、撃墜する。

ゼロ「エックス!!」

エックス「ああ!!チャージショットだ!!」

エネルギーチャージが完了したエックスがチャージショットを放つ。
プレオンビットマスタとビットは一瞬で全滅した。

ゼロ「くっ…間に合うか…!!?」

予想以上の敵の粘りに流石のゼロも焦りを隠せなかった。









































「ふむふむ、ここがモニタールームだねえ?」

ロングコートにサングラスをつけた怪しさ満点の少女がモニタールームの扉を見つめる。

「あ、あの…博士、何でこんな怪しい格好でギガンティスに?」

もう1人の少女が冷や汗を流しながら、こんな怪しさ満点の格好をしなければならない理由を尋ねる。

「ふふん♪ヒーローは正体不明だから格好いいの!!それじゃあ行くよ!!」

「は、はあ…」

扉を開くとリベリオン兵が驚愕したような表情をする。
プレオンシリーズに表情は無いけれど。

「非戦闘員に…人間の子供…?」

「そう!!ある時は正体不明な天才美少女!!ある時は天才科学者美少女!!そしてある時はああああ!!ロックオン!!」

懐から取り出したどこかエックスに似たような金属。

アリア「ライブメタルの発明者、アリア博士ってね!!そして隣にいるのはゼロ君の嫁にしてゼロ君の力の後継者、モデルZのアイリスちゃん!!」

アイリス「お、お嫁さんって…変なこと言わないで下さい!!ロックオン!!」

ゼロに似たような金属を使い、モデルZになり、赤面しながら、モデルZの専用武器であるエネルギーセイバーのZセイバーを構える。

アリア「あははー♪そおら、ダブルチャージショット!!」

プレオンチェイサー2体にダブルチャージショットを1発ずつ喰らわせるアリア。

アイリス「あの…アリア博士。私、剣の扱いなんて…」

アリア「大丈夫大丈夫!!モデルZにはアイリスちゃんのお兄さんの戦闘データが刻まれてるの。だからそのライブメタルはアイリスちゃん専用。今は感覚のままに戦ってれば大丈夫。」

アイリス「兄さんの…あなた達に恨みはないけれど、ごめんなさい!!」

加速器を吹かして、強烈な突きで動力炉を破壊するアイリス。

アリア「流石、究極のレプリロイドの片割れだね。もう1発、チャージショット!!」

チャージショットを最後の1体に喰らわせ、破壊すると、即座に自爆装置を停止させるために、端末を操作。
エックスとゼロがモニタールームに入ってきたのと、アリアとアイリスが自爆装置を止めたのはほぼ同時。

アリア「ヤッホー☆エックス君にゼロ君♪」

アイリス「あ、エックスにゼロ…」

エックス「アリア博士に…アイリス!!?その姿は一体!!?いや、それ以前にどうして2人がギガンティスに!!?」

アリア「ああ、これ?ライブメタルで一時的にレプリロイドに近い状態にしただけ。このライブメタルには一部だけどエックス君のデータが刻まれているのだ。アイリスちゃんのはゼロ君ね」

ゼロ「いつの間に…」

いつの間にデータを取られていたのか…、本当に油断も隙もない元女神様である。

アイリス「あ、私達がここにいるのはね?私達休暇で来たの。私はアリア博士の付き添い…。まさか行き先がギガンティスとは思わなかったけど」

苦笑しながら言うアイリスにエックスとゼロは脱力しそうになった。

アリア「君達、脱力するのはいいけど、大事なこと忘れてない?ジャンゴーは今、ヘリポートにいるよ」

モニターを指さすとジャンゴーは確かにヘリポートにいた。

エックス「はい、アイリス。これから俺達はリベリオン幹部のジャンゴーと戦う…君はアリア博士を」

アイリス「任せて」

アリアのことはアイリスに任せて、エックスとゼロはジャンゴーがいるヘリポートに向かう。 
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