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俺の名はシャルル・フェニックス

作者:南の星
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閑話――写真

 
前書き
時系列的には千冬、束が眷属になってから、原作始まる前の間。

イメージは高一くらいです

なんかハーレム的なのが書きたかったので書いてみました。 

 
日曜の休日。

誰も用事がなく、のんびりとした空気と朝のスッキリとした空気を楽しみつつ白雪の作った朝食を味わっていた時だった。

「写真を撮ろ!!」

唐突にバンッとテーブルを叩きながら、立ち上がりつつ束が言った。

テーブルに乗った朝食のサラダの皿をぶっ飛ばしながら。

「黙って落ちたサラダを拾え。そして食え。黙ってだ」

剣のように鋭く凍えるを通り越して凍りそうな声で家の風紀委員が宣った。

家は食事中の会話はOKなんだが、たぶん食い物を無駄にしたのと、服にドレッシングがかかったのにキレたんだろうな。

俺とのデートの時に俺がプレゼントしたやつだから、だったら嬉しいね。

「ち、ちーちゃん?
心なしか束さんに冷たいよ!?」

「黙れ、拾え、食え」

「全然心なしじゃなかった!?」

「黙れ」

「あ、はい」

めそめそと泣き真似をしつつ、束は散らばったサラダを回収し始めた。

千冬と束のやり取りに俺も含めて皆、我関せず、だ。

いつものことだし、気にするまでもないことだからな。

「……ん、おいしい」

つ、と隣に座る恋からつき出されたのはフォークに刺さったハムステーキ。

どうやらくれるらしい。

「おう。ありがとな」

礼を言ってからハムステーキを口に入れて、咀嚼。

うん。うまい。

「代わりにこっちのソーセージやるよ」

少し大きめなそれをナイフで切って一口サイズにしてから恋に差し出す。

「ん……」

艶やかな唇が開かれ、ソーセージを口に入れて、モグモグと咀嚼する。

その様子は何とも可愛らしくて何度見ても、何度やっても、飽きることはなく、俺を癒してくれる。

やはり、恋が食べてる所を見るの、しかも俺が食べさせたのを見るのは好きだ。

可愛さと愛しさが溢れてくる。

他の誰でも恋には敵わない恋だけの可愛さだ。

ゴクリと飲み込む。

それは何処か艶かしかった。

もう一度、やりたくて、俺はフレンチトーストを切り分け、恋の口元に近づける。

「恋、次のだ」

何も言わず、恋は口に入れて、咀嚼し、飲み込む。

俺はまだ見足りなくて、再び、食べ物を恋の口元に運び、恋は口に入れて、咀嚼し、飲み込む。

やる度に、もっとやりたい、という気持ちが溢れて、そこからは同じことの繰り返しだった。

これも、恋が俺の隣に座るといつものことだから、皆思い思いに朝食を味わっていた。


「うぅ……束さん、惨め……」

「床を拭いたらさっさと食え。
食器を洗うのが遅くなる」



「写真撮ろ!」

気を取り直してなのか、束が再びそう言ったのは朝食を終えて、罰として後片付けを終わらせた後のことだった。

「掃除中だから、パス」

休日だから、普段やれない所まで今日はやろうと決めたのだ。

理子、黒歌、千冬は各々自分の部屋を、白音、恋はペアで風呂場を掃除し、白雪は二階のベランダで洗濯物を干してる。

俺は布団を干すことになってる。

布団を干すといっても、家はかなりの人数がいるわけで……

先ずは干す場所から確保しなければならない。

物置から物干し竿やそれを支えるための支柱を出し、庭に設置。

物干し竿を乾いた雑巾で拭いて準備完了だ。

そして各々の部屋から布団を持ってきて干す。

家は、全員が布団を使ってるため、キングサイズの布団が1枚、シングルサイズが7枚の計8枚が日頃から使われている。

それに加えて、今日は予備のダブルサイズ1枚とシングルサイズ3枚も干すため、かなりの量だ。

まぁ、日頃から鍛えてるから辛くはないのだが。

「てなわけで。後でな。あ、お前も自分の部屋掃除しろよー」

「ぶぅーっ」

ぶーたれる束を置いて俺は布団を運ぶ。

布団を干し終えたら、トイレ掃除、それが終わったらキッチンとかなりあるからなー。

さっさとやんないと。



昼食の時間。

「「写真撮ろ!!」」

なんか、増えた。

そう思いながらうどんをツルツルと啜る。

「後でな。掃除が終わってから」

「えーー。シーくん!なう!」

隣の席に座ってる理子が俺の体に抱きつくように抗議してくる。

鬱陶しい。

「うどんの汁が飛ぶから止めなさい」

持っていた箸を置いてチョップをくらわす。

「あいたっ。うーいけず」

「つーか、なんでそんなに写真に拘るんだよ。
家、別に撮ってない訳じゃないだろう?」

俺が写真を撮ることはあまりないが、白雪、理子、白音、黒歌やらは出掛けた時とかにかなり撮ってるはずだ。

アルバムとか見せて貰ったことあるし。

「エロ写真かにゃん」

アホなことを言った隣のエロ猫にチョップをかまそうと――

「ざっつらいと!だよ!くーちゃん」

と、俺の向かい側にいる束が声をあげた。

「…………はぁ…?」

俺から出た声は間違いなく呆れ声。

「いいかい?シーくん」

隣を向くと、いつのまにやら縁の太い白ぶち眼鏡を掛けた理子がいた。

ドキッとした。

身長や態度からくる幼さと眼鏡からくる知的さ。

元々、小さいのに大きいという矛盾を体言(文字通り)してるその魅力が、眼鏡によって落ち着いた感じが合わさってミスマッチとまではいかないものの、らしくない感じがギャップがイイ。

何度も見たらたぶん感じなくなる魅力だけども、奇襲気味に俺の琴線に触れた。

眼鏡。いいかもしれんな。千冬と白雪と朱乃につけて貰いたいな。

その3人なら必ず似合うだろうし。

意外感を求めるなら恋、白音、黒歌かなぁ……

束?

なんか、微妙そうだわ。

「私たちは今ハーレムを築いてるわけですよ」

「そーですね」

語り始めた理子に俺はやり投げな間の手をしながらうどんを啜る。

だって、なー

エロ写真って言われたって、そう言うの間に合ってますし。

相手が言ても、エロ本等のエロ関係のモノは別バラだ!ってやつもいるけど、俺は相手がいれば満足して要らなくなるタイプだ。

それに、相手が複数いるのにそう言うので性欲を発散させることに俺は少し罪悪感を感じてしまう。

てなわけで、俺はあまり乗り気じゃない。

本当にエロ写真をとるのなら。

「だからね、シーくんに侍ってる感じの写真を撮ってみたいわけですよ」

「――――は?」

マジで、何言ってんの、この娘。

いや、何でウンウンと頷いてんの?束?

なるほど、って感じで頷くなよ、黒歌。

あんたら、反応おかしいよ。

普通は、千冬や白雪みたいに唖然としたり、恋みたいに頬を少し赤く染めたり、白音みたいに恥ずかしがるもんだよ。

おかしいだろ。何侍ってる写真て。

普通侍られてる側から撮りたいなんて言うもんじゃないだろ。

「というわけで、第25回眷属内総選挙―ハーレム写真撮影―を行いまーす!どんどんぱふぱふー!」

「いぇーい!」

と、束が言い、理子が乗る、そして遠い目をする俺。

正直言ってこのノリについていけないんだが。

「じゃ、賛成の人!」

バッ、と手を挙げたのは二人。

提案者の理子と束。

そして普通に黒歌が手を挙げ、遠慮しがちに白雪が手を挙げた。

驚きの目で白雪を見ると――

「ちょっとだけ憧れてて…………」

と伏せ目がちに宣いました。

憧れるもんなんかね……

これで、4人。

家は、8人だから、ちょうど半々。

同数となると引き分けとなってしまうため、家長である、俺がいる方が可決されるという嬉しいことがおこる。

最初は代表を決めて1対1の模擬戦で決定することにしてたが、家じゃ俺が一番強いため、意味を成さなくなり、その次にじゃんけん対決になったわけだが――

束と千冬と恋が無双した。

束と千冬と恋曰く、出す前の手の動きで相手の出すのがわかるらしく、話に成らなかった。

どんな反射神経してんだよって話だが……

一応、黒歌が本気で仙術やらで幻を作り出して五メートル近く離れてやれるか、俺が手の形を判別出来ないように手を炎の塊に変えてやれば何とかじゃんけんに持ち込めたが、じゃんけんとして有りなのか分からなくなったため、廃止。

そしてあーだこーだで半数の場合は俺がいる方が可決されるようになったという歴史がある。

だから、このままいけば俺の勝ち。

「くふふふ!賛成5!反対3で写真とることにけってー!」

は?

賛成5だと?

見回してみると確かに白音が小さく手を挙げてた。

ブルータスお前もか。












そんなこんなで昼飯を食って、既に関係を持ってる朱乃を呼び、ポジションを決めて白雪のデジカメで撮ることに。

ポジションとしては、中央の俺がソファーに腰をどっかりと下ろして左右にソファーに足が横になるように座り上半身を俺に預けるようにして腕を絡める白雪と理子。

そして俺の股の間に座る白音。

その下、つまりは俺の足に挟まれるように座る恋。

恋と俺の足を挟むように座る千冬と束。

俺の肩にしなだれかかる黒歌と朱乃。

はっきり言おう。

重いし窮屈だ。

「うふふ。今日は呼んでくれて有り難う御座います」

耳元で艶めかしく朱乃に囁かれる。

一瞬ゾクッとした。性的な意味ではなく。

「こんなんでそう言ってもらえて助かるよ」

いや、本当にマジで。

いきなり電話で写真撮るから来てくれ、って言われてよく来てくれたよ本当。

「撮ってみたかったの。だから呼ばれて嬉しいわ」

ぎゅっと密着度が上がった。

気持ちいいし、柔らかいんだが、キツい。

「お前もか」

「シャル兄様、私も撮ってみたかったです」

そう言ってきたのは股の間に座る白音。

お前もか、って思ったが何も言わずに頭を撫でた。

白音も何も言わず目を細めて、密着度が――って呼吸するのもキツくなってきたんだが……

圧迫死しかけても不死鳥って甦れるよな?

死因がハーレム写真を撮るためって情けなくて成仏できねぇぞ。

自分が羨ましい立場にいるのは分かってんだけどさ。分かってんだけども。

「んじゃ、撮るよん」

ピッ、とタイマー機能がONになって、カメラを操作してた束が定位置に滑り込み、数秒後。


パシャッ、とシャッター音が鳴り1枚の写真が撮られた。

写真の中央には少し顔を青くした薄い金髪をした目付きの悪い男が8人もの美女または美少女を侍らしたハーレムの王がいましたとさ。

一応、写真立て買って立ててみたけどさ。

何処に置こう。



 
 

 
後書き
この前、ハイスクールD×Dの作品を漁ってたらライザーに転生してた作品があって、しかも恋まで出ててビックリしました。

色々違うからパクリじゃないよね。

フェニックスは被ってるけどシャルルはオリだし、恋は出てきても音々音は出てきてないし、兵士じゃなくて戦車だし。

だから、気にしない。


 
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