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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第25話 久々の学校、いつも通りの生活

さて、学校です。
今クラスではとなりのBクラスの二人の美男美女?の転校生にスーパーハイテンション。

神崎組の熱狂度が半端ない。
転校生は桐谷と加奈なんだが。

二人とも俺と同じ学校に転校してきた。
さすがに同じクラスにはならなかったが。

「零治」

久々の登場だな、アリサ。

何か久しぶりに見た気がする。

「懐かしいな、ちょっと老けたか?」
「………いきなりなに言ってんのよ」

そんなに怒るなって、髪が逆立ってるぞ。

「零治君、いきなりそれはないんじゃないかな…………」

アリサの後ろからすずかが声をかけてくる。

「なに言ってんだ?すずか。これは俺達の挨拶さ。いつも通りだろ?」
「違うわよ!!」

怒りが収まりきれなかったのか、アリサが殴りかかってくる。

「甘いわ!!」
「避けるな、この馬鹿!!」
「………本当にいつも通りになった」

クラスの定番、零治対アリサの絵が今日も出来たのだった。




「はぁはぁ、で、用はなんだ?」
「はぁはぁ、新しい転校生のことよ」
「………疲れるならやらなきゃいいのに」

「これはお約束って奴や」

はやてがこっちに来ながら言った。

「ハロー!はやて」

「ハロー!零治君」

イェーイと俺達はハイタッチした。

「今のもお約束?」

「いや、ただアドリブでやってみた。さすがはやて、完璧に合わせてきたな」
「当然や、関西人ならこれくらいわけないで」
「お前、なんちゃってだろ?」
「そうやけど何かその言い方腹立つわ………」
「まぁ、それでも違和感ないし息ピッタリだしな」
「私たちいいコンビだと思うで、将来二人で漫才組まへん?」
「面白そうだけど遠慮しとく。俺の可能性は未知数なんでな」
「いつも寝ている人の言葉だとは思えへんな」

「………なんか零治君、いろんな意味で凄い人な気がしてきた」





「凄いのははやてちゃんだよ………」

「なんであの映像見たのに普通に話せるんだろう………」

廊下から覗いて様子を見ていた、なのはとフェイトが呟いた。



「ってそんなことより!!」

バンッ!!と机を叩いてアリサが言う。

「アンタ、あの子とどういう関係よ!?」

「あの子って?」

「となりのクラスに転校してきた女の子」

加奈のことか………

「あの子、アンタの名前知ってたのよ。アンタとどういう関係?」

「それは取り敢えず置いといて、はやて」

「なんや?」

「加奈の胸って何カップ?」

腕を組んで考え始めるはやて。

「………恐らくCやな。あれは巨乳言うより美乳の部類やで」

Cか………さすがに転生前よりは小さくなったか?
少なくともDはあると思うが………

「何を話してるのよこの変態共!!」

アリサの拳骨が俺とはやてに落ちる。

「男なら興味あるに決まってんだろ。直ぐ手を出すなよ………」

「女でも同じや!!」

「アンタらみたいな変態がいるからこの世の性犯罪が消えないのよ!!」

「はやてさん、聞きました?あの子、朝から性犯罪なんて言いましたよ」

「ホンマ、恥ずかしくないんか?普通の女子中学生が言うことじゃ無いと思うわ」

近所のオバサン風にひそひそ話す、俺とはやて。

「アンタたち!!」

「………いつまでやってるのかな」

「全くだ」

いきなり別の声が聞こえ、一斉にそっちを向く。

「何してんだ?桐谷」

「………ずっと話が終わるのを待っていたんだよ」

「ん?何か騒がしいな………って桐谷か、どうした?」

教室を出ていたフェリアが声をかける。
手にハンカチを持っている辺りからトイレにでも行っていたのだろう。

「零治はいつもこんな感じなのか?」

「うん?ああ、はやてと一緒にいるといつも一緒になってアリサやフェイトを弄るのが殆どだな。たまになのはやすずかに手をだし、ボコボコにされることもあるが………」

「余計なことは言わんでいい。それよりどうしたんだ?」

「ああ、様子見に来たのと、視線に耐えられそうにないから話に来た」

「ああ、確かに凄いよな」

特に女子の視線が。
神崎じゃないけどちょっとうざい。

「だから、おまえとフェリアさん「フェリアでいい」フェリアのいるクラスに来たんだ」

なるほど………
まぁ相変わらず目線は凄いけどな。

「ちょっと零治君」

すずかが声をかけてくる。

「この人零治君とどんな関係なの?」

「ん?腐れ縁で親友って所かな」

「「「「「親友!?」」」」」

でかい声でいきなり叫びだした5人。
なのはとフェイトはどこから沸いてきた!?

「し、親友ってどういうこと!?零治って一人ぼっちだよね!?」

何、俺そんな風にフェイトに思われてたの!?

「大丈夫?頭打ってない?」

なのはさん、それどういう意味ですか?

「そうか!これはドッキリや!!ふふん、このはやてさん、こんなドッキリに騙されはせえへんで!!」

ドッキリじゃないし!!

「親友か………アンタいたなら言いなさいよ!!」

「よかった………よかった………」

アリサさん、すずかさんや、なんで涙ぐみながら言ってんの?
俺ってそんなに寂しそうに見えてたのかな?

「お前の周りには面白い人が多いな」

それは同感。
意地はってないで原作キャラと友達程度の関係だったら学校ももっと面白かったかも。
まぁ星達もいるし、どっちにしてもしなかったと思うけど。

「っと話がそれたな。改めて、俺は加藤桐谷、親の都合で隣のクラスに転校してきた。これからよろしく頼む」

「私は月村すずかです、よろしくね。すずかでいいです」
「私はフェイト・T・ハラオウンです。フェイトって呼んでください」
「私は八神はやてや。はやてと呼んでな」
「私はアリサ・バニングスよ」

「ああ、君が燃える女の子か」

「れ~い~じ~!!」

桐谷め余計なことを。

「アリサちゃん、オハナシなら後で。私は高町なのはよろしくね」

「ああ、君が零治が魔王と呼んでいる女の子か。見た目は可愛らしい女の子なんだが………」

「零治君?」
「すいませんしたー!!!」

人生初のジャンピング土下座をかまし謝る俺。

「アンタ、覚悟はいい?」

「零治君、オハナシなの…………」

アリサは手をポキポキならしファイティングポーズをとる。

「アリサちゃん、先どうぞ………」

「うん、じゃあ行くわ!!」

頭を八の字に揺らし、その勢いをそのまま拳にって、
デンプシーロール!?

こいつ、マジでボクシングやったら世界狙えるんじゃね!?
なんて思っているとサンドバッグのように俺の体は左右に揺れる。

やがて、アリサが止まる。

「ふぅ、スッキリ」

いい汗かいた、みたいな爽快な表情を浮かべるアリサ。

「………恐ろしいな」

「こんなの序の口だ。本当の恐怖はこれからだ………」

フェリアの言葉に驚く桐谷。

「さぁ、オハナシだよ」

「誰……か……たす……」

完全に言い切る前に零治はなのはに教室から連れ出される。

「………助けなくていいのか?」

「巻き込まれるよ!?」

真っ青で桐谷に忠告する、フェイト。
他のみんなも頷いている。


しばらくして何処からか零治の悲鳴が聞こえてきた。

「なのはのおはなしの時には下手なことをしない方がいい。長く生き残りたいのならな…………」

「あ、ああ…………」

フェリアの忠告に頷くしかない桐谷。


この時、入る学校を星達の学校にするべきだったと後悔したのだった………










朝、学校に来てみるとやはり私達はかなり話題になった。

私自身それなりに自分の容姿には自信がある。
事実、転生前は結構モテた方だ。
兄さんには全然だったけど………

廊下から私と桐谷を見るギャラリーが凄い。
私はクラスの女の子から学校の事を聞いている内にいつの間にか桐谷はいなくなっていた。

どこに行ったんだろう?
私が席を立とうとした時、奴らが現れた………



「君が今回転校してきた女の子だね。俺は2ーAの神崎大悟って言うんだ、よろしくね」

「はぁ」

いきなり私の前にやって来て握手を求めてきた。しかも隣のクラスの男子。
銀髪も珍しいが、赤と青のオッドアイの方が珍しいと思った。

だけどそれだけ。

なぜ握手を求めてきたのか意味不明だし、何でこんなに馴れ馴れしいのよ。
兄さんの知り合いかな?
取り敢えず丁重にお断りして握手もせずにそのまま教室を出ようとした。

「おや、恥ずかしいのかな?恥ずかしがらなくてもいいのに」

「ハァ?」

こいつバカなのかな?

なんでそう思えるのかしら?

「いくら俺が魅力的だからってそんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないか」

髪をかき上げながら行こうとした私に近づき、そんなことを言う。
何カッコつけてんだこの男。
すごく気持ち悪い………

「どうだい?せっかくなら俺が優しく学校案内しようか?」

優しくってなんなのよ。下心丸出しじゃない。

「いいえ、結構です」

私が大人の対応で断る。

「そんな遠慮しなくても、別に俺なら全然構わないから。ねぇ?」

コイツ本当にしつこい。
しかもやたらと頭を撫でようとしてくるし………

「君は優しい子なんだね。でも俺に気を使わなくていいんだから………」
「余計なお世話って言ってんでしょうが!!」

私は我慢できず、回し蹴りで変態を廊下に吹っ飛ばした。

「か、神崎君!?」

後ろに付いていた男子生徒が走って様子を見に行く。

「さっきから馴れ馴れしいのよ!!しつこい男はウザイだけよ!!そこで一生寝ていなさい!!」

私は吹っ飛ばした彼に指差しそう怒鳴った。

「ッ、お痛はいけないな…………」

懲りていないのか少し痛そうにしながら立ち上がる。

「でもそんなツンデレな君も悪くない」

ヤバイ………コイツ生粋の変態だ。
初日から嫌な奴に目を付けられたな………


とそこに栗色の女の子が男子生徒を引きずってどこかに行こうとしていた。

「やぁなのは、どうしたんだい?」

あの子が高町なのはか………
兄さんが言ってたけど、確かこの世界の主人公だっけ?

でもあの変態、本当に空気読めないわね………
明らかに話しかけるなオーラ出してるのに。

「……………じゃま」

なのはと呼ばれた女の子は変態に裏拳を食らわせ、変態を壁の方にぶっ飛ばした。
すごく鈍い音がしたんだけど。

「さぁ早く行こうね、零治君…………」

「だ、誰かたす………けて」

何か兄さんの名前が聞こえた気がしたけど。
気のせいよね………?



だが加奈はこの後自分の兄の悲鳴を聞くことになる。
その時加奈も桐谷同様にこの学校選んでよかったのかと心から思ったのだった。







「ううっ………ひどい目にあった」

「零治君が悪いんだからね」

授業中になのはが痛がっている俺に言ってきた。

「少しは手加減しろよ。何か今日は一層きつかったし………」

「それは初めて会う人にあんなことを教えるからだよ」

むぅっと頬を膨らませ言ってくるなのは。
まぁ悪いとは思うけど流石にこれはないだろう。
無事でいる俺の体も化け物じゃないかと最近思ってきた。

「それで………ね、あの………聞きたいことがあるんだけど………」

「ん?なんだいきなり」

「ううん、やっぱりいい。ごめんね変なこと言って………」

そう言ってなのはは黒板に目を向けた。

何なんだ?一体。
その後、なのはから声をかけることはなかった。




「兄さん………」

自分の机で購買部で買ったパンを食べ終わり、昼休みどこで昼寝をしようかなと考えていた時に加奈から声をかけられた。
何故か加奈はこそこそと俺に近づいてくる。

「今までどこにいたのよ!?結構探したじゃない………」

相変わらずこそこそ喋ってるけど。

「俺はずっと教室にいたぞ」

昼休みからずっと教室にいたんだが………

「何であんな変態がこの学校にいるのよ………」

目線の先に教室を出ていく変態の姿があった。

「何かあったのか?」

「うん………実は………」





あの馬鹿またやらかしたのか。

こいつに手を出そうとしたのが運のつきだな。
コイツに蹴られ、なのはに叩かれ今日は散々だったな。
さて、これで少しは自重してくれればいいけど………

まぁないか。

「本当にいい加減にして欲しいんだけど。まぁ少しは懲りただろうし、つきまっとってこないと思うけど」
「残念ながらそんなんで諦めたらなのはたちも苦労しないよ」
「その通りや」

いきなり話に入ってきたはやて。
いつ湧いてきたんだ?

「はじめましてやな、八神はやてや。よろしくな」
「うん、私は佐藤加奈。兄共々これからもよろしくね」
「兄!?」
「何で苗字違うのに!?」

ベランダから顔を出して聞いてくるアリサ。
よく見ると他の面々までいるし。
ってか何やってんだ?

「私が義理の妹だからよ」

何か勝手に義理の兄になりました………
何考えてるんだか。

「そう、大変だったんだね………」

フェイト、特に何も無いからそんな悲しそうな顔しないで欲しいんだけど。

「別に。こうして兄さんとも会えたし、もう兄さんとの仲も邪魔する人もいないし」

挑発しながら言う加奈。
俺との仲?今度は奴隷にでもする気か?

「ふ、ふん。そんなの決めるのは本人でしょ?あんたじゃないわ」

何を慌ててるんだか。

「いいわ、受けて立つわよ。これからよろしくね」
「ええ、こちらこそ」

なんか知らないけど和解でいいのか?
アリサと加奈が二人で握手する。

「モテモテやな」

「?何がだ?」

「…………こりゃ、苦労するわ」

はぁとはやてにため息をつかれる。
俺なんか悪いこと言ったかな?

「アリサちゃん本気なんだ………」
「うん、この前決心したみたいだよ………」
「………………私は」

なのは、すずか、フェイトのそれぞれがこそこそと何か喋ってる。
何をこそこそと………

キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り昼休みの終わりを告げる。

「ほら、さっさと席に付けよ」

俺はみんなにそう言ってこの場を解散させた。





五時間目の休み時間……………

「フェイトちゃん…………」
「うん、分かってる。アリサのことだね」
「そやな、もし悪事を働いてて逮捕なんてなったら悲しむやろな………」

屋上で魔導師組3人が話していた。

「でも、それが管理局員として、執務官としての仕事だから妥協は出来ないよ」
「そやけど………」
「私だって本当は嫌だよ。大事な友達だし、優しいし………」
「せや、零治君に限って悪いことしてるとは思えへん。取り敢えず話は聞いてみよ、な?」
「そうだね、お話してからだね」
「なのは、戦闘じゃないよ?」
「そんなの分かってるよ!!」

「その話………」
「私たちにも教えて」

いつの間にか屋上にはアリサとすずかもいた。

「二人とも………」

「様子が少しおかしかったから見に来ちゃったんだ。零治君のことでしょ?」

「実は………」

フェイトは2人にもこの前のサーチャーの映像を見せた。
そしてこれからの行動についても話した。

「私たちもついていっていい?」

「えっ!?」
「でも………」
「それはアカンと思うで………」

魔導師3人は戸惑いながらも否定する。

「でも、私たちも気になるの。零治君が本当に悪いことをしているのかを」
「あの子との関係も!!」

アリサは恥ずかしがることなくそう答えた。

「…………分かったよ」
「「フェイトちゃん!?」」
「サーチャーは既に街に配置したし、もし見失っても大丈夫だよ。それに断っても勝手に付いてきそうだもん………」

「ありがとう、フェイト………」

「うん、アリサ。じゃあみんな放課後ね」

「「「「うん」」」」

こうして魔導師組3人とその親友2人のストーカー作戦が始まるのだった。 
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