リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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Another31 取り調べ=カツ丼
前書き
プロットモンとの邂逅に大輔達は…。
取り敢えず、プロットモンをリビングに連れて行き、チキンライスの余りを皿に持って差し出した。
大輔「んで?お前は何でこの家にいるんだ?」
プロットモン[モグモグ…決まってるじゃない。ヒカリに会うためよ]
太一「ヒカリに?何で?」
チキンライスの余りを食べているプロットモンに太一は訪ねる。
プロットモン[私はヒカリのパートナーだから]
ブフォオオ…ッ!!!
その言葉にコロモンが飲んでいたコーラを噴水のように吹き出した。
ブイモン[うわ、きたねえ!!]
大輔「成る程、ヒカリちゃんも選ばれし子供なわけだ。でもヒカリちゃん、デジヴァイスは?」
ヒカリ「デジヴァイス?」
大輔「えっと、これ」
大輔がヒカリに見せるのは自身のデジヴァイス。
ヒカリ「…持ってない」
その時である、貫禄充分の八神家の飼い猫のミーコが何かを咥えて外に出ようとしていたのを。
大輔「こーらこらこらこら、ミーコ、外に出ちゃ駄目だぞ。家猫でこの辺りのことなんか分かんねえだろ。もう結構な歳なのに元気だよな。」
ミーコ「にゃー」
大輔「ん?ミーコ、何咥えてんだ?…あ、デジヴァイス。お前が見つけたのか?よしよし、偉いぞ」
ミーコ「にゃー」
大輔「ヒカリちゃん、ミーコの餌は?」
ヒカリ「あ、そこ」
大輔はミーコの餌の受け皿に山盛り餌を与えてやる。
デジヴァイスを見つけたご褒美だ。
ミーコが餌にありつこうとした瞬間。
ミーコ「ふーっ!!」
コロモン[!!!?]
コロモンがミーコの近くに寄ると、かつてコロモンに餌を取られた記憶が蘇ったのか、ミーコにヒカリがコロモンを自己紹介しようとした瞬間、鋭い眼光に射抜かれたコロモンはちょっと怖くなってヒカリにひっついた。
コロモン[な、何か怒ってる?僕何もしてないのに!!!]
ヒカリ「大丈夫だよ、ミーコ。今度はコロモン、ご飯取ったりしないから」
ヒカリの言葉に訝しげな視線を投げかけるミーコだったが、大輔が皿を差し出し、ミーコに食べるように促してくれたので安心したらしい。
そのまま食事にありつき始めたのだった。
ヒカリ「ミーコもコロモンのこと覚えてたみたい」
大輔「え?ミーコも?マジか?」
ミーコ「にゃー」
かつてコロモンと戦い、見事に初勝利を飾ったミーコは得意げに鳴いた。
ヒカリ「それにしてもね、最近ミーコの餌の減りが早いの。そんなに沢山出してないのに」
プロットモン[ムグッ!!?]
喉を詰まらせたプロットモンにブイモンとコロモンがジト目で見遣る。
間違いない、ミーコの餌の急激な減少の犯人はこいつだ。
部屋をカーテンで閉ざし、真っ暗にしたリビングで、どこからか引っ張り出してきた電気スタンドの明かりをプロットモンに向ける。
ブイモン[さあ、とっとと吐いたらどうなんだ?証拠は既に掴んでいるだぜ?]
プロットモン[さあ、何のことかしら?私は何も知らないわ]
ブイモン[とぼけるのもいい加減にしろ!!]
ダアンッ!!
リビングのテーブルを力一杯叩く。
太一「うちのテーブル…壊すなよ…」
テーブルが壊されないかハラハラして見ている太一。
ヒカリ「何か刑事ドラマみたい」
大輔「うん、まあ間違ってない」
アグモン[まあまあ、ブイモン刑事。落ち着いてよ]
スーツ姿のアグモンが現れた。
太一「いつの間にか進化してやがるし、ノリノリだし。ていうかあのスーツどこから出して来やがった」
ヒカリ「コロモン?」
大輔「コロモンじゃなくてアグモン。デジモンは進化すると別のデジモンになるんだ。」
ブイモン[これは…アグモン刑事。]
アグモン[ちょっと僕に代わって、はいカツ丼…はないからお菓子。]
カツ丼の代わりにお菓子の盛り合わせをプロットモンの前に差し出す。
大輔「…カツ丼作ってやろうか?」
太一「材料がないし、それに店屋物は駄目だぞ」
アグモン[プロットモンだっけ?君がミーコの餌を盗み食いしたことでミーコがどれだけ迷惑を被ったか分かる?]
大輔「昔ミーコの餌食ったお前に言えることじゃねえがな」
アグモン[げふんげふん!!とにかく、デジタルワールドにいる君の仲間が、これを知って泣いているよ…]
太一「いやそれ以前に知る手段ねえだろ」
一方、デジタルワールドのゲンナイの家でツカイモンはデジタル新聞を見ていた。
ツカイモン[ん?こ、これは!!?プロットモンが飼い猫の餌を盗み食いした罪で逮捕された!?プ、プロットモンがこ、こんなことをおおおおおお!!!?]
泣き崩れるツカイモン。
ユーノ「何してるのツカイモン?」
ツカイモン[いや、一度やってみたかったんだ。]
あっさりと復活したツカイモン。
大輔「とにかく、茶番はこれくらいにして。プロットモンがヒカリちゃんのパートナーデジモンであることは分かった」
太一「ヒカリを…連れて行かないと…いけないのか?危ないんだぞ?デジタルワールドは」
大輔「太一さんの気持ちは分かりますけど。多分ヒカリちゃんの力も必要なんですよ。選ばれたってことはそういうことでしょ?」
プロットモン[ヒカリ、これ。ヒカリの紋章よ。私の仲間が私をこの世界に送る時、渡してくれたのよ]
ヒカリ「紋章?」
大輔「…太一さん。ヒカリちゃんはみんなで守ればいいじゃないですか。みんなの力は1人のために。1人の力はみんなのためにですよ」
太一「…ああ、分かった。でも、問題は…」
大輔「どうやってデジタルワールドに帰るか…何ですよねえ」
全員【…………………】
ズドオオオオン!!
全員が沈黙していると、突如、凄まじい轟音が響き渡った。
全員が窓から顔を出すと…。
太一「デジモン…ティラノモンか!!?」
ブイモン[違う、あいつはマスターティラノモンだ!!それにトリケラモンまで…]
大輔「やばいですね。早くあいつらを何とかしないと」
太一「くそっ!!」
太一達が急いで玄関に向かう。
ヒカリ「待って!私も、私も行くっ!!!」
太一「ば、馬鹿、何言ってんだ!!光は留守番してろよ!!」
ヒカリ「嫌っ!!私も行くの!コロモンもお兄ちゃんも私の知らないところに行っちゃ嫌!!」
大輔「とにかく、動きやすい格好に。パジャマのままだと目立つから!!」
ヒカリを連れて行くことにし、出来るだけ、厚着をさせて向かうことにした。
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