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ハイスクールD×D大和の不死鳥

作者:sou×yuki
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31決戦!サード



◇木場祐斗

暖かい。とても暖かい光が、僕を包む。この暖かさは、全員が抱いているものだと、直感した。
光に包まれた僕はゆっくりと目を開いて、バルパーを見据える。


「バルパー・ガリレイ。あなたを滅ぼさない限り、目の前の邪悪を打ち倒さない限りーー僕たちの悲劇は繰り返される。第二、第三の僕たちの生が無視される」


これまで、僕は自分が生きていていいのかと後悔していた。
だけど、僕の為に一生懸命頑張ってくれた仲間を見て、同志たちの想いを聞いてーー僕は感謝した!同志に、仲間に、主人に!
こんな僕を、大切にしてくれた人たちに感謝の念が尽きない。だから僕は……決着をつけるよ。


「ふん。研究に犠牲はつきものだと昔から言うではないか。いい加減煩いぞ。ーーフリード、トドメをさせ」

「……え、うっそだろ。マジかよ、やる気でねー……」


バルパーに指名されたフリードは毒気が完全に抜かれた状態になっていたのか、ため息をついていた。
……どういう心境の変化だ?


「んー………………仕方ねぇ、やりますか。おいイケメン君!剣を構えろ。俺の持つハイパーなエクスカリバーちゃんとテメェの魔剣!どちらが強いか勝負してやんよ!あっ、分かってんだろうけどそこのエクスカリバー使いは邪魔すんじゃねぇぞ!」

「無論だ。私は横槍をするような真似はしないさ」


フリードは剣を構えてゼノヴィアに釘をさす。ゼノヴィアはその釘を受けても不快感を表さず、寧ろ心得ていると言わんばかりの対応で僕たちの対決を見守る姿勢を取った。

「裕斗!やりなさい!あなたの力で、エクスカリバーを超えるのよ!私の『騎士
ナイト
』は、そんな剣に負けないわ!」

「裕斗くん!信じていますわよ!」

「……裕斗先輩!」

「「ファイトです!」」


「自信を持って……」

「あなたならできるわ!」

「木場祐斗やれ!お前なら折れた聖剣ごときに負けることはない!」

リアス部長、朱乃さん。……皆!そしてヤマトさん!
ありがとう!僕は、本当に……幸せ者だ!


「さあ、さあさあ来いよ!クソ悪魔如きが、エクスカリバーを越えられるなんて思ってんじゃねぇよ!!」


フリードはすっかり調子が戻ったらしく、僕の事を挑発してくる。
ーー超える。超えてみせる。僕のこの涙は、決意の涙だ!


「ーー僕は剣になる」


僕の魂と融合した同志たちよ。一緒に超えようーー。
あの時、果たせなかった想いを、願いを、今ここでッ!!


「僕は、仲間を守る剣となる!今こそ僕の想いに応えてくれッ、『魔剣創造
ソード・バース
』!!」


僕の神器
セイクリッド・ギア
と同志たちの魂が混じり合い、同調し、カタチを成す。
魔なる力と、聖なる力が融合されていく。
ーーこの感覚。僕の神器
セイクリッド・ギア
が、同志たちが教えてくれる。これは昇華なのだと。
神々しい輝きと禍々しいオーラを放ちながら、僕の手元に現れるは一本の剣。


「禁手
バランス・ブレイカー
『双覇の聖魔剣
ソード・オブ・ビトレイヤー
』。聖と魔を有する剣の力。その身でとくと味わえ」


僕はフリードに目掛けて走り出した。
『騎士
』である僕の特性はスピード!フリードが目で僕の動きを追うが、フェイントを何度も入れて彼の視界から脱する。
しかし、それでも僕の一撃をフリードは受け止めた!
本当に、大した「はぐれ悪魔祓い
」だよ。だけど、僕の聖魔剣が、彼のエクスカリバーを覆うオーラをかき消す!

「ッ、エクスカリバーを凌駕するか……!」

驚愕と共に楽しげな声をあげるフリード。

「それが真のエクスカリバーならば、勝てなかったろうね」

「だろうなァ! ハッ、愉しくなってきたぜぇぇぇ!」

フリードは愉しげな声をあげ、僕を押し返して後方へ下がる。

「こいつはどうだぁ聖魔剣んんんっ!!」
まるでホーミングレーザーのように刀身が枝分かれして神速で僕に襲いかかる!

『擬態の聖剣』と、『天閃の聖剣』の能力!

「ッ、っ、ふっ、はっ」
でも、殺気の飛ばし方が単調だ。むしろ、枝分かれする前は入れづらいほどだったのに。

「うひょっ、そうこなくっちゃぁぁぁ!」

不意に聖剣の先端が消える。でも――殺気の飛ばし方を変えなければ、どうと言うことはない!

僕はフリードに接近する。
フリードは接近してくる僕に対応するべく剣を振るうが、僕はこの一太刀に想いを込めて振り抜く!
ガギィィィィィン!
透明になり、枝分かれしていたエクスカリバーは砕かれて姿を現した。


「うぇぇぇええええ!マジかよ、マジですか!これは酷い!伝説のエクスカリバーちゃんが木っ端微塵の四散霧散かよ!かぁーっ!折れたものを再利用しようと思うことがいけなかったのでしょうか?人間の浅はかさ、教会の愚かさ!色んなものを見て俺様は成長したい!」


エクスカリバーが折れた彼はバックステップで僕と間合いを取り、残っているエクスカリバーで応戦しようとするがーー僕は一気に距離を詰めて勢いよく剣を振り下ろす。そして残っていたエクスカリバーを砕き、その勢いのままフリードを切り払った。


「ーー見ていてくれたかい?僕らの力は、エクスカリバーを超えたよ……」


フリードは肩口から横腹までの僕がつけた傷から鮮血を滴らせて倒れた。
ーー勝った。僕たちはエクスカリバーを超えた。
僕は天を仰ぎ、聖魔剣を強く握りしめた。


続く 
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