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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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打ち上げ!

 
前書き
たまには息抜きも必要だよね 

 
俺達はバスの中で、話し合って雷雷軒で打ち上げをする事になった。



────ガラガラガラガラ

「ちょっと待ってろ。すぐ用意する」

響木監督はそう告げると厨房に入った。

「響木監督」

「どうした?」

俺は一番、気にかかっていた事を話す。

「監督…、今俺の財布はカラ何ですけど…、どうすれば良いですか…」

俺が呟くと、周りも俺も俺もと騒ぎ始めた。

「ふははは!そんなことを気にしていたのか!今回は特別にタダで食わせてやる!腹一杯食っていけ!」

「本当ですか!響木監督!」

俺達は本当、響木監督に感謝しながら、容赦ない鬼畜な注文を言いまくる。

「すみません、俺、角煮とチャーシューと餃子、炒飯下さい!」
と俺。
我ながらスムーズに言えた。俺はここぞとばかりにセレブの食べ物であるチャーシューを頼む。

「俺はチャーシュー麺と餃子で!」
と風丸。

「俺はラーメン定食と餃子とチャーシューでお願いするっス!」
と壁山。

皆が皆、かなり頼み込み響木監督と手伝っている円堂は忙しそうだ。
というか、響木さん、これ完璧に赤字になりますよ。

俺は大好物の角煮を頬張りながら、横で上品にラーメンを啜っている心美に話し掛けた。

「本当に雷雷軒の飯は美味いよなぁ、毎日でも食べたいよ」

「そだね、響木監督から調理法教えて貰えないかな…」

「まあ、監督も商売だからな、無理だろ」

「ちょっと残念だけどしょうがないね、とりあえずお兄ちゃん、全国出場権獲得おめでと!」

「ああ!ありがとな!」

俺と心美が話していると、隣の豪炎寺が話し掛けてきた。

「今回の勝利は雷藤のおかげかもな」

「そんなことないって!皆が力を出し合ったから勝てたんだよ!」

「ふっ…、雷藤らしい返し方だな」

そして注文の嵐が終わり一段落した円堂が話す。

「お前らの合体シュート格好良かったぜ!二人で打つファイアトルネード……、思い出しただけで鳥肌が立つぜ!」

「まあ、かなり奇跡に近かったけどな…」

「どういうことだ?」

円堂が俺に聞いてくると俺は本当の事を話す。

「実際あれはまぐれに等しいんだ。練習じゃ十回打ったら五回成功するかどうか……、なかなかのプレッシャーだったよ」

「あれは本当に掛けだったな、もっと練習して制度を上げなくてはな」

と豪炎寺も言葉を付け足す。

「そうだったのか…、でもお前らのお陰で勝てたんだ!ありがとな!」

「なぁ豪炎寺?」

俺が豪炎寺に話し掛けると、豪炎寺も少し苦笑いしながら頷く。

「こういうこという奴は大抵気付いてないよな」

豪炎寺も軽く頷く。

円堂は本当にわかっていないらしく首を傾げている。

(勝てたのは円堂のお陰なんだよ)
俺は心でそう呟くと何でもないと会話を切った。



────
「それじゃとにかく今日は皆お疲れ様!各自今度は全国に向けて頑張ろうぜ!」

最後に俺が打ち上げを締めると、土門たちも「お疲れ」と言い残し解散した。



──────
最後に俺と円堂が残り、俺達も帰ろうとしたとき、戸が開いた。

「すみませんね、今日はもう…うん…?浮島…!」

響木監督が浮島と呼んだ人は、前髪が長く目が隠れていて、髭を生やした男性だった。

「忘れられてなかったか…雷門中が帝国学園を倒したって聞いてな、何だかお前の顔が見たくなったんだ」

「そうか…こいつがそのサッカー部のキャプテン、円堂守と副キャプテンと言っても過言ではない、雷藤真紅だ」

「この人まさか…!」

俺が呟くと響木監督が頷き話した。

「ああ、元イナズマイレブンの一人だ」

「や、やっぱり!」

と円堂も興奮気味に浮島さんに近付く。

「ずっと憧れてたんです!伝説のイナズマイレブンに!物凄く強くて無敵だったって!俺ももっともっと強くなりたいんです!」

「…あんまり英雄視するな。やっぱり来るんじゃなかったな」

「え?」

「イナズマイレブンはお前達が言うほど大したものじゃない。イナズマイレブンは諦めちまったんだ。サッカーを」

俺達は何故か、浮島さんに煙たがられているみたいだ。
もしかしたら原因は、鬼瓦刑事から聞いた、40年前のあの事件…、あのバス事故以来の自分達を卑下してしまっているからかもしれない。

「俺たちは、誰一人もう一度立ち上がろうとはしなかった…みんなサッカーを捨てちまった。表舞台はダメでも、草サッカーでだって続けることは出来たはずだ。それなのに俺たちは…」

「おじさん…」

俺たちは、浮島さんの言葉に返す言葉がなく言葉が詰まった。

「これが伝説の正体だよ、イナズマイレブンはサッカーを捨てた負け犬というわけだ」

俺は喉まで出て来た言葉を、そのまま浮島さんに叫んだ。

「だったら何でここまで来たんだ?浮島さん、あんたまだサッカーが好きなんだろ!?だから響監督のとこに来たんだろ!?だったらもう一度サッカーを…、捨てちまったサッカーを取り戻そうとしないのか!?」

「…!何を言って…」

浮島さんの言葉を、響木監督の言葉が遮った。

「やるぞ浮島、日曜の朝イナズマイレブンは河川敷に集合だ」

「響木…!集合って…」

「雷門中イレブンと試合だ。見せてやろうぜ、伝説を」

(サッカーを捨てたと言っていたけど、浮島さんはサッカーを捨て切れていない。まだ浮島さんからはサッカーへの情熱を感じるんだ)

響木監督が半ば強引に試合を決定させ、日曜日に元イナズマイレブンとの試合ということになった。

そして本当に日曜日、伝説のイナズマイレブンが全員揃う事になる。 
 

 
後書き
円堂「日曜日が楽しみだな!」
雷藤「ああ!響木監督とも戦えるしな!」
風丸「本当にお前らサッカー好きなんだな」
円堂 雷藤「「当たり前だろ!!」」 
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