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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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強く歩け

 
前書き
長い間更新できずに本当に申し訳ありませんでした。

三連休の休みの間に閉話と本ストーリーの方を少し書いたので投稿します 

 


楽園の塔が崩れて三日が経過した・・・



アルトはアカネビーチの一室にあるベッドの上に横たわっていた




ルーシィ「はい、あーん」


スプーンに食べ物を乗せ、アルトの口元へと運ぶルーシィ




アルト「くっ・・・」


アルトは少しの抵抗心を持ちながらも、やむをえず、スプーンをくわえた




グレイ「ハハッ、赤ん坊みたいで可愛いじゃねえか」


アルト「あー、うるさいなぁ!」


その光景を見て、笑いだすグレイ



何故ルーシィに食べさせてもらっているかというと、アルトの両腕がパンパンに腫れあがり、細かい指の動きが状態なのである



それゆえ、スプーンやフォークを持つことができず、結果的にトイレ以外の食事や着替えは他人にやってもらうハメになった




エルザ「だがまぁ、無理もない・・・仕方ない状況だったとはいえ、毒を身体に取り込んだに等しい」


グレイ「エーテリオンを取り込んだんだっけか?だんだんアルトも化け物じみてきたな」


ルーシィ「元々素質あったと思うけど・・・」


アルト「そんな事ない」


不満顔のアルトが言った




エルザ「今回の件では皆にも迷惑をかけたな・・・本当に、何と言えばいいのか・・・」


ルーシィ「もう・・そのセリフ何回言ってるのよォ」


すると、エルザがある事に気がついた



エルザ「そういえば、あのエレメント4の娘は?」


アルト「ジュビアなら帰ったよ、フェアリーテイルに一刻も早く入りたいからマスターに頼みに行くんだって」


エルザ「そうか・・・聞けば世話になったようだし、私からマスターに稟請してもよかったのだがな」


ルーシィ「ホント、あの子行動力あるよね」


アルトたちが話し合っている中、突如部屋のドアが開いた


そこからは大きな魚を抱えたナツとハッピーが現れた



ナツ「アルトー!!」


アルト「ナツ!!今までどこに居たんだ?」


驚くアルトに近づいたナツは、すかさず手に抱えていた魚をアルトの口に押し付ける



アルト「むぐっ!?」


ルーシィ「ちょっ・・何してんのよナツ!?」


ナツ「魚を捕ってきた、これ食って早く元気になれよアルト!」


ハッピー「あい!」


騒ぐアルトたちを横目に、グレイが言う



グレイ「つーかエルザ・・・お前は寝てなくていいんかよ?」


エルザ「ん・・・見かけほど大したケガではない、エーテリオンの渦の中では体は組織レベルで分解されたハズなのだがな」


グレイ「分解・・て・・・本当に奇跡の生還だったんだな」


グレイの言葉を聞いたエルザは目を閉じて再びエーテリオンの渦の中で起こったことを思い出していた



エルザ「(正直・・・何が起こったかはよく分からない・・・だが、今は生きている事を喜びたいな)」


アルト「奇跡だろうがなんだろうが生きててくれて嬉しいよ、流石エルザだな!」


グレイ「フクロウのエサになったどっかのマヌケとはエライ違いだ」


鼻で笑いながらそう言ったグレイをナツが睨みつける


グレイの方もナツの視線を感じ取ると、小馬鹿にした様子で笑みを浮かべる



ナツ「今なんつったァ!!!!グレーイ!!!!」


グレイ「火の竜は食物連鎖の底辺ですねって言ったんだよバーカ」


そこから間もなく二人の喧嘩が始まる


いつもは怒るエルザも今回は呆れた様子で首を左右に振り、喧嘩している二人に目を向ける



しばらくして、アカネビーチの宿全体に楽しそうな笑い声が響いた















アカネビーチ浜辺



ウォーリー「あ・・あのよ・・すまなかったゼ、エルザ」


ミリアーナ「ごめんなさい、エルちゃん」


申し訳なさそうに俯く二人がエルザに向かって謝罪する



エルザ「私の方こそ・・8年も何もできなかった・・本当にすまない」


ショウ「姉さんはジェラールに脅されてたんだ、オレたちを守る為に近づけなかったんじゃないか」


エルザ「今となってはそんな言い訳もむなしいな・・もっと早くに何とかしていればシモンは・・・」


沈んだ表情のエルザがそう言った



ウォーリー「シモンは真の男だゼ!!だって・・だってよぅ・・エルザを守りたかったんだ・・・あいつは・・ずっと・・」


ミリアーナ「ウォーリー!!!」


ウォーリーの言葉を遮るように、ミリアーナが叫ぶ


エルザは静かに頷いた後、言う



エルザ「あいつの気持ちはよく分かるし・・・残された者の気持ちも今はよく分かる・・・だけど私たちは進まねばならない、シモンの残してくれた未来を」


ショウ「うん」


ミリアーナ「とても悲しい事だけど、シモンはずっと私たちの中にいるんだね」


ウォーリー「そう信じてなきゃやっていけねえゼ、チクショウ・・・一体オレたちは何の為に・・・」


ショウたちはエルザの言葉を聞き、受け入れつつも表情はどこか寂しげであった



エルザ「過去は未来に変えて歩きだすんだ、そして今日の一歩は必ず明日へとつながる一歩となる」


ウォーリー「今日の一歩か・・・」


ミリアーナ「私たちはこれからどうすればいいんだろうね」


するとエルザは優しげな表情で三人に言った



エルザ「行くあてがないのならフェアリーテイルに来ればいい、お前たちなら大歓迎だ」


ショウ「!!」


ウォーリー「フェアリーテイル!!?」


ミリアーナ「みゃあ!?私たちが!!?」


エルザの思いもよらぬ提案に三人とも驚いた様子だった



エルザ「お前たちの求めていた自由とは違うかもしれんが、十分に自由なギルドだ、きっと楽しいぞ」


ウォーリー「そういや、サラマンダーもそんな事言ってたゼ!!!」


ミリアーナ「元気最強のギルドだぁー」


エルザ「それに、お前たちともずっと一緒にいたいしな」


ショウ「・・・・・」


ウォーリーたちが喜ぶ中、ショウは何かを考えているようだった



エルザ「さぁ・・・もう戻ろう、皆にお前たちをきちんと紹介せねばな」


ウォーリー「オレの事は世界一ダンディな男って言ってくれヨ」


ミリアーナ「私はハッピーちゃんとお友達になるー」


楽しげに会話しながらホテルへと向かうエルザたち





―――強くなったな、エルザ・・・





エルザ「(ジェラール!!?)」


海岸の方からジェラールの声が聞こえたような気がしたエルザ


急いで振り向くが、そこにはただ広い海が広がっているだけだった



エルザ「(・・・そんな訳ないか・・・)」


エルザは自分にそう言い聞かせ、ホテルへと戻っていったのであった
















その夜、ホテルの男子部屋



ものすごいイビキをかいて寝ているナツの横に座るアルト




アルト「グレイ・・飲み物のフタ・・・開けてくれ」


指先が動かないアルトは飲み物のフタが開けられず、グレイに頼み込んだ



グレイ「ほらよ」


グレイはフタを開けた飲み物をアルトへと手渡す


するとハッピーがアルトの元へやってきて、ニヤケながら言った



ハッピー「アルトー、ルーシィかエルザに飲ませてもらわなくていいの?」


アルト「飲み物は両手で挟めば飲めるわっ!」


ハッピー「えー、でも女の子に食べさせてもらったりするなんて滅多に無いチャンスだし」


アルト「人事だと思って、このやろー」


そんなやりとりをしている最中、ルーシィが扉を開け、中に入ってきた



ルーシィ「アルト、ナツ、グレイ!エルザが〝花火〟の用意をしてって言ってた!」


グレイ「花火!?」


アルト「何かあったの?」


ルーシィ「ショウたちが居なくなっちゃって・・今、エルザが探しに行ってるの!」


ルーシィの言葉を聞いたアルトとグレイが顔を合わせる


二人はエルザが何をしようとしているのか分かっているようだった



アルト「分かった、すぐに準備する」


グレイ「そこのうるせえクソ炎を叩き起こさねえとな」


ハッピー「あい!」


アルトたちはナツを起こした後、すぐに海岸の方へと向かった















その頃、アカネビーチの夜の海岸ではショウたち三人が小舟を用意していた



ウォーリー「本当にオレたちやっていけるのかナ、外の世界でヨ」


ミリアーナ「みゃあ」


ショウ「やっていけるかどうかじゃないよ!やっていかなきゃ、これ以上姉さんに迷惑をかけられない」


海岸と小舟を繋いでいた縄をほどく



ショウ「行こう!!姉さんたちがオレたちに気づく前に出発するんだ」


ウォーリー「だな!!何とかなるゼ!!」


ミリアーナ「元気最強ー!!!」


小舟を海へと押し出し、出港しようとしたその時



エルザ「おまえたち!!」


エルザの大声が、三人の足を止める



ショウ「姉さん!!」


ミリアーナ「エルちゃん・・」


ウォーリー「くうぅ・・噂をすれば何とか・・だゼ」


こちらへと近づくエルザを見据える三人


するとウォーリーが叫んだ



ウォーリー「と・・止めるつもりなら無駄だゼ、オレたちは自分で決めたんだ・・」


エルザは足を止め、静かに三人へと視線を向ける


そんなエルザを見たショウが拳を握りしめながら言った



ショウ「オレたちはずっと塔の中で育ってきた、これから初めて〝外〟の世界に出ようとしてる・・・わからない事や不安な事が一杯だけど、自分たちの目でこの外の世界を見てみたい」


エルザ「・・・・・」


ショウ「もう誰かに頼って生きていくのはイヤだし、誰からの為に生きていくのもごめんだ・・・これからは自分自身の為に生きて、やりたいことは自分で見つけたい」


そう言ったショウは真っ直ぐな瞳でエルザを見る



ショウ「それがオレたちの自由なんだ」


決意を固めた様子のショウ


その姿を見たエルザは笑みを浮かべて言った



エルザ「その強い意志があればお前たちは何でもできる、安心したよ・・・だが、フェアリーテイルを抜ける者には三つの掟を伝えねばならない、心して聞け」


するとエルザは鎧を換装する



ウォーリー「ちょ・・!!抜けるって・・入ってもねェのに」


ショウ「・・・・・」


鎧姿に換装したエルザは、フェアリーテイルのマークが描かれている旗を持っていた



エルザ「一つ!!!フェアリーテイルの不利益になる情報は生涯他言してはならない !!! 二つ!!!過去の依頼者に濫りに接触し、個人的な利益を生んではならない!!!!」


ウォーリー「ギルドの不利益になる情報なんて持ってねえゼ」


ミリアーナ「依頼者って何?」


ショウ「姉さん・・・」


エルザが言うギルドの掟を聞き、首を傾げる三人


じわじわと目に涙が溜まっていたエルザは、最後の掟を叫ぶ



エルザ「三つ!!!たとえ道は違えど、強く・・・力の限り生きなければならない!!! 決して自らの命を、小さなものとして見てはならない!!!」


堪え切れず、涙を流すエルザ




エルザ「愛した友の事を忘れてはならない!!!!!」


エルザが言い放つ言葉に、ショウたちは涙を流す



そして旗を掲げたエルザが高らかに叫んだ




エルザ「フェアリーテイル壮行会!!!!始めェ!!!!」




ナツ「おまえらー!!また会おーなーっ!!!」


ナツたちが現れて、魔法の玉を空中へ放つ


すると空で盛大に弾け飛び、綺麗な花火を作り上げた



グレイ「氷もあるんだぜ」


ルーシィ「じゃあ、あたしは星霊バージョン!」


グレイやルーシィも魔法を使い、綺麗な花火を作る



アルト「拡散花火だ!!」


残ったアルトは衝撃波を使い、ナツたちの花火を更に大きく弾けさせた



フェアリーテイルが作り出す花火を、ショウたちは涙を流しながら見上げる




エルザ「私だって本当は、お前たちとずっといたいと思っている・・・だが、それがお前たちの足枷になるのなら・・・この旅立ちを、私は祝福したい」


ミリアーナ「逆だよぉぉ、エルちゃぁん」


ウォーリー「オレたちがいたら、エルザはつらい事ばかり思い出しちまう」


ウォーリーとミリアーナは、顔をくしゃくしゃに歪ませて言った



エルザ「どこにいようとお前たちの事を忘れはしない、つらい思い出は明日への糧となり私たちを強くする、誰もがそうだ人間にはそうできる力がある」


フェアリーテイルの旗を空へと掲げるエルザ


その顔は、涙を流しながらも笑っていた


かつての友を笑顔で見送る為に



エルザ「強く歩け、私も強く歩き続ける・・・この日を忘れなければまた会える・・・元気でな」


ショウ「姉さんこそ・・・」


ミリアーナ「バイバイ、エルちゃーん」


ウォーリー「ゼッタイまた会おうぜ!!!約束だゼ!!!」



エルザ「約束だ」


再開を約束し、エルザたちはショウたちの出航を見送った




こうして楽園の塔に囚われていた三人は、外の世界で強く生きていく事を誓ったのだった

 
 

 
後書き
本ストーリーの進行が大分遅れてますね・・・今年中に大魔闘演舞編まではかなり厳しいかも(汗)

恐らくこれからも三日に一度ペースはできませんが、なんとか書いていくのでよろしくお願いします 
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