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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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シリルvsエンジェル

 
前書き
私事ではありますがまさかのプレイブサーガのデータが全部消えてしまった……・゜・(つД`)・゜・ 

 
ルーシィside

「黙れよ!! シャルルを打ち殺そうとする奴にいきなりがひどいとか言われる筋合いはねぇんだよ!!」

突然シリルが声を荒げる。さっきまで丁寧な口調で優しい目をしていたシリルが目の前の敵を睨んでいる

「潰してやる!!」

シリルがジェミーとミニーに向かって構える

「ジェミニ!! もういいぞ!!」

すると向こう岸から女の声が聞こえてくる

「この匂い………六魔将軍(オラシオンセイス)の………」

「は~い。こんにちはシリルちゃん。ルーシィちゃん。エンジェルちゃん参上だゾ」

現れたのは天使のような格好をした女……あれは

「六魔将軍(オラシオンセイス)!!」

「そのちっこいのはてめぇの使いか?」

「そう。この子たちはその人間の容姿、能力、思考、すべてをコピーできる双子のジェミーとミニー。双子宮のジェミニ。私もルーシィちゃんと同じ星霊魔導士だゾ」

「星霊魔導士………」

あたしたちが闇に染まらないように六魔将軍(オラシオンセイス)に善の心が宿ることもない!! そんな甘い考えじゃやられる!!
ナツもヒビキも戦えない………シリルだけじゃとてもじゃないけど勝てるわけない………だったらあたしが頑張らないと!!

「シリル!! あたしも一緒に「必要ねぇ!!」え!?」

「こんな奴、俺一人でお釣りがくるぜ!!」

シリルの強気発言に思わず驚いてしまう。本当にどうしちゃったのよシリル

「あなた一人でお釣りがくる? あははははは」

「何がおかしい!!」

「だってあなたみたいなお嬢ちゃん一人に一体何ができるって言うんだゾ? 水の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)と言ってもさっき私たちに全然歯が立たなかったんじゃないのかゾ」」

エンジェルはお腹を抱えて笑いそう言う。確かにシリルは滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)と言ってもまだ子供……とても一人じゃあ………
しかしシリルはそれを聞き逆に笑みを浮かべる

「敵を見た目で判断してしまうとは………六魔将軍(オラシオンセイス)も大したことないようだな。こっからさきはそんなものは一切関係ない。強い者が勝つ。それだけだ」

「あなたの強さと私の強さじゃ全然格が違うと思うゾ?」

エンジェルはシリルに言う。まさしくその通りだよね………

「まぁ………口で言うのはただだからな。なんでも言っておくといい。来いよ」

シリルはエンジェルに向かってかかって来いと指を振る。あんたそんなことして大丈夫なの!?

「ふ~ん。いいゾ!! 相手したあげるゾ!! ジェミニ閉門」

そういってエンジェルはジェミニを閉門して鍵を取り出す。その鍵は………

「黄道十二門!?」

「開け、天蠍宮の扉………スコーピオン!!」

「ウィーアー!!」

そういって現れたのは赤と白の髪をしたさそりのような姿の星霊

「へぇ………斬新な髪の色してるねあんた」

「何変なところに感心してるのよ!?」

シリルのあまりにも場違いの発言に思わずツッコムでしまう

「本当はルーシィちゃんのアクエリアス封じに使うつもりだったけど、スコーピオンは十分強いし問題ないゾ」

アクエリアス封じにって………もしかしてあれアクエリアスの彼氏!? 初めて見たわ!!

「スコーピオン。あのお嬢ちゃんやっちゃって」

「オーケーエンジェル。サンドバスター!!」

スコーピオンはそう言って尻尾から砂煙をシリルに向かって放つ。しかしシリルはそれを避けようとはせず攻撃を受ける

「あははははは!! なんだこいつ!! 全然口だけだったゾ!!」」

笑いすぎて涙を出しているエンジェル。もうシリルのバカ!! あんなにまともに食らって大丈夫なわけないじゃない!!

「シリル!! 今助けるわ!!」

あたしがシリルの元に駆け寄ろうとすると突然誰かに腕を引っ張られる。腕を引っ張ったのは………セシリー?

「セシリー!! なんで邪魔するの!? シリルが心配じゃないの!?」

「大丈夫~。シリルならほら」

セシリーが指差す方向を見るとそこにいるのは無傷のシリル

「な!?」

「バカな!! 俺のサンドバスターを受けて無傷だと!?」

動揺するエンジェルとスコーピオン。一体どうなってるの!?

「たぶんシリルは反射で防御力アップの魔法を使ったんだと思うよ~。それにシリルは水の魔導士で相手の攻撃は砂。シリルの方が相性はいいからね~」

セシリーが解説ぎみにあたしに教えてくれる。そしてシリルはスコーピオンを見据えて話す

「全然効かないな………次はこちらがいかせてもらおう」

シリルは川にある石を渡りながらスコーピオンに接近しようとする

「やらせるか!! サンドバス「遅ぇ!! 水竜の鉄拳!!」ぐああ」

スコーピオンがシリルに向かってサンドバスターをしようとしたのだがシリルがそれよりも速くスコーピオンの顔にパンチを入れる。
それにしてもシリルの動きがさっきよりも格段に速い!!

「すまねぇ………エンジェル………」

シリルの攻撃を受けたスコーピオンは星霊界へと帰っていく。黄道十二門の星霊を一撃で倒すなんて………

「ふ~ん。少しはやるみたいだゾ。開け、双子宮の扉……ジェミニ!!」

「「ピーリピーリ」」

エンジェルがジェミニを召喚するとジェミニはグレイに変身する

「アイスメイク……突撃槍(ランス)!!」

「水竜の翼撃!!」

ジェミニの攻撃をシリルが魔法で壊す。しかしその隙にジェミニがシリルに接近して

「アイスメイク……大鎌(デスサイズ)!!」

「うおっ」

ジェミニが大鎌でシリルに斬りかかるがシリルはギリギリでそれを避ける。そこからシリルは腕に水を纏う

「水竜の鉄拳!!」

「フン!!」

シリルがジェミニにパンチを繰り出すがジェミニはそれを凍らせて受け止める。戦い方までグレイと一緒なんて……なんて厄介な能力なのかしら

「「やっと触れた……ピーリピーリ!!」」

ジェミニはそう言うと煙に包まれていき……今度はシリルが二人現れる

「へぇ……でも……なんとなく弱点が分かってきた気がするな」

おそらく本物のシリルがそう言う。弱点?

「おめぇはエルザさんやジュラさんに変身すれば俺なんかに勝つのは容易いはずだ……だがそれをしないのは……おめぇは一度触れた相手じゃないと変身できないんだろ?」

「ピーリピーリ。よく分かったね」

「さっきお前がやっと触れたとか言ってたからな……それに変身できるストックにも限りがあるようだな。最初に戦ったとき俺にも変身してたんだからもう一度触れる必要なんて本来はないんだからな」

シリルはジェミニとの距離を気づかれないように少しずつ後退し開けながら言う。シリル……そんなことまで見抜くなんて……さっきまでの少し頼りないシリルとは全然違う

「ピーリピーリ!! でもこれで君の考えは僕に筒抜けなんだよ?」

そうか!! ジェミニは相手の容姿、思考、能力をコピーできる。つまりシリルに変身しちゃえばシリルの考えてることは筒抜け!! 能力が一緒なら相手の考えを分かる方が強いに決まっている

「別に俺が何を考えているかおめぇに分かったところでさほど戦局に影響はねぇよ」

しかしシリルは全然気にした様子はなくあくまで余裕の表情。何か作戦でもあるの?

「そう? なら……水竜の咆哮!!」

「水竜の咆哮!!」

シリルとジェミニの魔法がぶつかり合う。でも二人の能力は一緒なんだからここは相殺しあうだけなんじゃ……と思いながら見ているとシリルの水がジェミニの水をどんどん押していき

「うわあああ」

ジェミニがシリルの攻撃を受け吹っ飛ばされる。そのダメージによってかジェミニは元の星霊の姿へと戻る

「なんで!? ジェミニは相手の能力をコピーするのだから力は互角のはずだゾ!?」

エンジェルはその状況を見て思わず驚きの声をあげる。でもその気持ちは分かる。あたしにだってなんでシリルが打ち勝ったのか全然わからないんだから……

「最初に言っただろ? 強い者が勝つ。それだけだ」

「それはおかしいゾ!? 二人の力は互角なんだゾ!?」

シリルは怒りに満ちた表情の中でもあえて冷静な口調でエンジェルに言う。エンジェルはそのシリルの言葉に異論を唱える
するとシリルはやれやれと言った動きを見せ話し出す

「お前の言っている強いは魔力のことだろ? 俺の言っている強いは違う」

シリルはそう言うと自分の胸を叩く

「俺の言っているのは力じゃない。気持ちだ」

「気持ち?」

あたしはオウム返ししてしまう

「誰かを守りてぇ。誰かの力になりてぇ。そういう気持ちが強い者だけが勝つことができるんだ!!」

シリルはそう言ってエンジェルに向かって走り出す

「こうなったら奥の手だゾ。ジェミニ閉門!! 開け、白羊宮の扉……アリエス!!」

「すみませ~ん。ウールボム!!」

「よっと」

シリルは攻撃をよけて一度距離をとる

エンジェルが呼び出したのは白い毛皮の服を着た角の生えた星霊……あれ!? アリエスって

「カレンの星霊……」

ヒビキが呟く。そう……アリエスは以前ロキが自らを犠牲にしようとしてまで助けようとした星霊。その持ち主は青い天馬(ブルーペガサス)の星霊魔導士……カレンだったはず

「なんであんたがカレンの星霊を!?」

「私が殺したんだもの。これはその時の戦利品だゾ」

「あう」

アリエスの頭をポンポンと叩きながらいうエンジェル。カレンが死んだのって……こいつのせいだったの!?

「あの女……大した魔力もないのに二体同時開門しようとして……自滅だったゾ。まぁトドメを指したのは私だけど」

なんの悪びれた様子もなく言うエンジェル。こいつ……なんてひどいやつなの!!

「さぁ……シリルちゃん。あなたはこの子に勝てるかな?」

「……来なよ……」

シリルは一瞬迷ったような顔を見せるが気を取り直してアリエスに向き合う

「ウールボム!!」

「水竜の翼撃!!」

アリエスの攻撃をシリルは魔法で弾く。しかしアリエスはシリルのすぐ前まで接近しておりモコモコの毛を腕に纏ってパンチする

バシッ

しかしシリルはそれをキャッチし後方に投げる
アリエスは着地するとすぐにシリルに向かって突っ込んでいく。でも……アリエスは確かそこまで戦闘に秀でた星霊じゃなかったはず……今のシリルには敵わないんじゃないかしら?
あたしはそう思いエンジェルの方を見るとエンジェルは余裕の笑みを見せている

「あぅ」

「うっ」

シリルとアリエスが互いのパンチを受けて少し距離を開ける。それを見たエンジェルはポケットから銀の鍵を取り出す

「開け、彫刻具座の扉……カエルム!!」

「二体同時開門!?」

エンジェルはアリエスを召喚したままもう一体星霊を召喚した。2対1に持ち込んでシリルを倒すつもりね!!

「だったら!!」

あたしも加勢しようとロキの鍵を手に取る。しかしエンジェルの召喚したカエルムはシリルとアリエスの方を向いて魔力をためている
もしかして……味方ごとシリルに攻撃するつもりなの!?
あたしはそう思ったとき体がシリルとアリエスの方に向かって走っていた

「やぁ!!」

「はぁ!!」

シリルとアリエスはエンジェルのやろうとしていることに気づかずに戦っている。そして魔力をため終えたカエルムは

ズドォン

シリルとアリエスに向けてレーザーを放った

「シリル!! 避けて!!」

あたしが叫ぶとシリルはレーザーに気づいたようだった

「やべぇ!!」

シリルは横に倒れるようにしてレーザーを避ける

しかしアリエスはそれを避けきれずにレーザーに当たる……寸前であたしがアリエスを抱いて避けさせる

バシャン

あたしとアリエスは水の中に飛び込む形で入る

「ルーシィさん!!」

「ルーシィさん!!」

「だ……大丈夫よ……」

シリルとセシリーが名前を呼ぶのでそれに答える。あたしはアリエスを見るとわずかにレーザーがかすったあとはあるが大きなケガもなかったので安心する

「よかった~」

「助かりましたルーシィさん」

「なんで……」

「え?」

「なんでアリエスを助けたの!?」

あたしとシリルが安堵に包まれているとエンジェルが少しトーンが低くなった声で聞いてくる

「むしろなんで助けちゃいけねぇんだよ」

シリルがエンジェルに質問返しする

「アリエスはあんたたちの敵なんだゾ!? それをなんで助ける!?」

「あんたがアリエスごとシリルを殺そうとしたからでしょ!?」

「星霊は死なないゾ!! そんなこともお前は知らないのか!?」

エンジェルがあたしを指差しながら言う。確かに星霊は死なない……だけど

「星霊だって痛みを感じるんだ!! 星霊だって生きているんだ!!」

「うるさいうるさいうるさい!! カエルム!!」

ドン

「やらせねぇ!!」

エンジェルの指示でカエルムがこちらにレーザーを放つがシリルがそれを川の水を盾のように使って防ぐ

「こいつ……どこまでも邪魔をして!!」

「仲間を守るために俺は戦ってるんだから当然のことだろ?」

忌々しそうにシリルを見るエンジェル。それにシリルは冷静に言う

「このぉ!! カエルム!!」

カエルムがシリルにレーザーを放つがシリルはそれを避けてに水を纏ったパンチを繰り出すがエンジェルをカエルムが守る

バシャッバシャッバシャッ

するとあたしの後ろから誰かが歩いてくる音がしてきて…首に手をかけられる。あたしの首に手をかけているのは……ヒビキ?

「ヒビキさん!? 何してるんですか!?」

「まさか……こいつ闇に落ちたのかぁ!?」

「ヒビキくん!!」

その様子を見て動揺するシリルとセシリー。そして指を指して笑っているエンジェル

「ヒビキ……」

「じっとしてて……」

ヒビキはそう言うと首にかけていた手を頭の方へ移動させていく

「古文書(アーカイブ)が君に一度だけ超魔法の知識を与える」

「うあっ!!」

突然あたしの頭の中に見たことのない図形が流れ込んでくる

「何これ!? 頭の中に……知らない図形が……」

「おのれぇ~!! カエルム!! やるよぉ!!」

エンジェルがカエルムを手に持ちこちらに走ってくる……でも

「行かせねぇよ!!」

「がっ」

シリルがエンジェルの脇腹にけりを入れるとエンジェルはその場に倒れる

「頼んだよ……ルーシィ……」

ヒビキは魔力を使いきったのか川の中へと倒れる

「天を計り天を開きあまねく全ての星々その輝きを持って我に姿を示せ……アトラビブロスよ・我は星々の支配者アスペクトは完全な荒ぶる門を開放せよ」

あたしとエンジェルの周りにたくさんの惑星が姿を現していく

「な…何よこれぇ……」

「すげぇ……」

動揺するエンジェルと見入っているシリル

「全天88星。光る!! ウラノメトリア!!」

「きゃあああああ」

ウラノメトリアを食らったエンジェルは打ち上げられる。すると次第にあたしの意識もはっきりしてくる

バシャーンッ

「ひっ」

川に何かが落ちてきて思わず驚いてしまうあたし。それを見て笑っているシリルとヒビキ
あたしには何が起きたのか全然わからずにシリルとヒビキの顔を交互に見るしかなかった





 
 

 
後書き
いかがでしたでしょうか。当初はシリルがエンジェルを倒そうと思っていましたが先のことを考えるとルーシィがウラノメトリアを覚えてくれないといけないよなぁ……と思い多少無理矢理ですがルーシィにトドメを刺したもらいました。次はシリルたちの過去に触れるお話の前振りです。また次回もよろしくお願いします

 
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