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ワンピースの世界に

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9話

カイトの手配書が全世界に配布されてから、数日後・・・

新世界のとある島にて・・・

「親父、これを見てくれよい」

「なんだ?・・・グラララララ、大した奴だと思ったが・・・何をしたらこの金額になるんだ?」

「シャボンディ諸島で、天竜人3人殺害した後に軍艦3隻を沈めて赤犬を倒したらしいよい」

「グラララララ・・・大将に天竜人か、本当に面白いやつだ・・・おいマルコ、今日は気分がいい宴だ」

「わかってるよい」

「初頭の手配でこれか・・・グラララララ、長生きはしてみるもんだな」

「それと、これも見てくれ」

「スペード海賊団の船長エースか、確かカイトの弟もエースだったな」

「ああ、間違いないよい」

「グラララララ・・・そうか」

白ひげは手に持った酒を一気に飲み干し、2枚の手配書を見ながら笑っていた。



東の海、コルボ山

「ルフィ!!これ見てみろ」

「なんだ?」

「この手配書のカイトって、昔お前らと一緒にいた奴じゃないのか?」

「間違いない、カイトだ。ハハッなんだよこの金額スゲー・・・エースに続いてカイトも賞金首か」

「確かお前と一緒に海賊になるんだったな」

「ああ、あと2年だ。俺も負けねえぞ!!!」

その日からルフィの部屋の壁に、エースとカイトの手配書が貼られる事になった。





深海1万mにある、魚人島

「船長、これを見てください」

「ん?・・・これは、どうした?」

「さっき魚人島に着いた海賊が、持っていたんです」

「・・・カイト」

「あの後、大将赤犬を倒して天竜人を手にかけたらしいです」

「倒したのか・・・大将を」

「そうみたいです」

「いま、シャボンディはパニック状態みたいです」

「カイトはどうなったか解るか?」

「天竜人の連れていた奴隷を解放したあと、シャボンディを出たみたいです」

「そうか・・・先に新世界行って、待っているからな」





グランドラインにある、何処かの島

「これは?」

「ああ、今日回ってきた手配書です。シャボンディ諸島で天竜人殺害と軍艦3隻を沈め大将赤犬を倒した男のものです」

「雷帝カイト・・・か」

「ゴロゴロの実を食べた、雷人間らしいです」

「そうか(エースに続いてカイトも出てきたか、いずれはルフィも出てくる)」

「どうかしましたか?」

「えっ」

「いえ、嬉しそうに笑っていたので」

「いや、凄い奴が現れたと思ってな」

「まぁ、確かにそうですね」

(皆それぞれの海に出始めたか、俺の立つ場所は変わったけど・・・大事な兄弟達だ。いつか会う時まで、俺もここで自分のやるべき事をするよ)




海軍本部、訓練場

「先生・・・カイトさんの手配書ですか?」

「ああ・・・アイン、カイトが船から降りる時に言った言葉を覚えているか?」

「はい・・・弟達の為ですよね」

「そうだ、スペード海賊団船長のエースはカイトの弟だそうだ」

「はい、そう言っていたと聞いています」

「本当に兄弟のために、世界を敵に回しやがった」

「・・・・・・」

「これは俺の独り言だ・・・敵であれ味方であれ、一本の筋を通す男は格好良いな」

「はい」

「独り言だ・・・人に言うなよ」

「はい」

(今度会うときは敵同士だが・・・美味い酒が飲めそうだ)





シャボンディを出港して、レイリーに渡されたエターナルポースを頼りに元奴隷8人を匿ってもらえる可能性のある場所を目指していた。

目指す先にあるのは『女ヶ島・アマゾンリリー』

(受け入れてもらえなかったら、どうしよ。・・・いまルフィの事言っても訳わかんないだろうしな、引き受けた以上は知らん振り出来ないし・・・何より船が狭すぎる、3人乗りの船に9人だからな・・・間違いを起こす前になんとかしないと)

ここの来るまでに、カイトは彼女たちに向かっている場所の説明をした。

全員が『逃亡した元奴隷』よりかは、遥かにマシだと女ヶ島に行くことを承知してくれた。

遠くに女ヶ島が見えた時、こっちに近づいてくる海賊船が見えた。

(あの船って海賊女帝のやつだよな・・・海蛇?だったかな船を引いているのは)

海賊船がカイト達の船に隣接し、船から声がした。

「止まれ、これ以上島に近づくことは許さない」

声と同時に、数人の女性が弓を構えながら現れた。

「待ってくれ、敵対するつもりはない。海賊女帝・ボア・ハンコックに手紙を持ってきた、それを渡して欲しい」

「手紙?」

「ああ、冥王シルバーズレイリーからだ(師匠の名前を出せば大丈夫だろ・・・たぶん)」

レイリーの名を出すと、彼女達の後ろから大柄な2人の人物が現れた。

「レイリーから?」

「懐かしいわね」

(あれって、ハンコックの妹だよな・・・名前がわからん)

「そこの男、手紙を持って上がってこい」

「ああ、わかった」

カイトは船の中に、このまま待つように伝えて海賊船に飛び移った。

「俺はカイト、レイリーの弟子だ」

「あ、あなたは・・・」

「ん?・・・これが手紙だ」

そう言って、緑色の髪をした女性に手紙を渡した。

(なんだ?・・・みんな俺の顔を見て驚いてる)

「少し待ってて、姉様に渡してくるわ」

「頼む」

手紙を渡してからも、何故かジロジロと見てくる。

「なあ、俺の顔がどうかしたか?」

「えっ・・・いえ、違うのよ」

「ところであんたは誰だ?」

「私はボア・マリーゴールド、あなたが手紙を渡したのはボア・サンダーソニア。女帝ボア・ハンコックの妹よ。」

「そうなんだ」

「ええ、あなたはレイリーの弟子って言ってたけど」

「7年ほど世話になってた」

「そう」

マリーゴールドと話していると、サンダーソニアが戻ってきた。

「姉様が、会うそうよ。こっちに来て」

「わかった」

サンダーソニアについて行くと、開けた場所に1人の女性が待っていた。

「わらわがボア・ハンコックじゃ」

「俺はカイトだ、今日はあんたに頼みがあって来た(ぶっちゃけ美人だ!!メロメロやられたら石になりそう)」

「レイリーの手紙には、そなたの頼みを聞いて欲しいとあった」

「ああ、俺の連れてきた8人の女を匿って欲しい」

「女?」

「俺の船で待っているんだ、天竜人の奴隷だった奴らだ」

「「「っ!?」」」

カイトの一言で部屋にいる、三姉妹に動揺が走った。

(やっぱりそうなるよな)

「天竜人の手から解放したんだけど、この先の事を考えたら故郷に戻すのも危険だからさ。師匠にもしかしたらって教えてもらって来たんだ」

「では、そなたが雷帝か?」

「雷帝?なんだそれ」

「これよ」

マリーゴールドが手渡してきた手配書を見ると・・・

『DEAD OR ALIVE  雷帝・カイト  7億5千万ベリー』

「・・・・・・はっ?・・・俺の手配書?・・・ハァ~やっぱり手配されるよな」

一緒に渡された新聞を見ると、カイトが軍艦を沈め大将を倒し天竜人を殺害したと書いてあった。

(ほとんど合ってるけど、殺したのは赤犬じゃないのか?俺は弾いただけだし・・・狙ってたから俺がやったのか・・・まぁいいけど)

「ま、まぁ・・・俺だな、この金額はビックリしたけど」

「そうか・・・その記事もか?」

「ああ」

「そうか・・・・・・ソニア、マリー九蛇に帰還する」

「「わかったわ、姉様」」

「ちょっと待ってくれ、俺の船に「わかっておる」・・・えっ」

「そなた達も一緒に来い」

「俺は男だけどいいのか?男子禁制だよな?」

「かまわぬ、そなたはわらわの客人として特別に許可する」

「そうか、ありがとう・・・じゃあ俺は船に戻って、ついていくから」

「わかった」

カイトは部屋を出て、船に向かっていった。

その後、ハンコック達の海賊船に引かれアマゾンリリーに入ることが出来た。

入港した後カイトは一人で九蛇城に招かれ、ハンコック達三姉妹の過去を聞かされた。

天竜人の奴隷であった事、フィッシャータイガーに助けられた事その後にレイリーとシャッキーに保護された事、偶々シャボンディ諸島で生活していた九蛇の先々々代皇帝グロリオーサと会う事でアマゾンリリーに帰ることができたと聞いた。

そして最後に『そなたは奴隷であったわらわ達を、蔑むか?』と聞かれた。

「まさか、そんな事で蔑んだりするくらいなら、ここまでアイツ等を連れてこないだろ。それに天竜人嫌いだしな」

そう答えると、流した涙を拭いながら・・・

「フフフッ・・・そなたを気に入った、望みを叶えよう」

「そうか、ありがとう。じゃあ、俺が連れてきた8人を匿ってくれ」

「わかった、他にはないのか?」

「あ、あと食料と水を分けて欲しい」

「食料と水?」

「ああ、もう船のが無くなりそうだからな・・・次の島まで持ちそうにないんだよ」

「わかった、それも用意させよう」

「ありがとう、ハンコック・・・ソニアとマリーもありがとうな」

「フッ・・・気にするな」

「この後はどこに行くの?」

ソニアが聞いてきた。

「どこに行くかは決まってないけど、準備が出来次第出ていこうとは思ってる」

その言葉に、ピクっとハンコックが反応した。

「もっとゆっくりしていけば良いのに」

「男子禁制にいつまでも居座ってても、ダメだろ」

「大丈夫よ、ねぇ姉様」

「あ、ああ、かまわぬ・・・す、好きなだけいるとよい」

「ありがたいけど、色々とやらないといけない事があるからな」

「やる事?」

「ああ、俺が連れてきたやつらの家族に場所は言えないまでも、生きてる事くらいは教えてやろうと思ってな。あと、俺の帰りを待ってる奴もいるしな」

「どこの」

「ん?」

「ど、どこの女じゃ!!!」

いきなりハンコックが、カイトの胸ぐらを掴み聞いてきた。

「えっ!?」

「「あ、姉様・・・落ち着いて」」

ソニアとマリーがハンコックを落ち着かせようとしたが、妹達の声を聞かずにカイトをグラグラと揺する。

「ま、待て・・・女じゃない、弟だ弟」

「お、弟?」

「ああ、俺には弟が3人いるんだ・・・義兄弟だけどな」

「そ、そうか・・・弟か」

「あ、ああ・・・(ビックリした、なんだよいきなり)」

「す、すまぬ・・・大丈夫か?」

「ああ、大丈夫だ」

「ごめんなさい、姉様が」

「急にだったから、止められなかったわ」

ソニアとマリーも謝ってきた。

「いや、いいよ・・・じゃあ俺はアイツ等の所に行って、家族宛の手紙でも書いて貰うから。船のこと頼むな」

「う、うむ・・・わかっておる」

「ええ、任せて」

「ちゃんと用意しておくわ」

カイトは部屋を出て8人が待つ場所へ行き、アマゾンリリーで匿って貰える事を話し居場所は言わない事を条件に家族宛の手紙を届けることを約束した。

船の準備や手紙を待ったりで3日が過ぎた・・・

明日、島を出る事を伝えて部屋で休んでいたら夜遅くにソニアとマリーがカイトのもとを訪れた。

「遅くにごめんなさい」

「いや、大丈夫だ。どうかしたか?」

「カイト・・・単刀直入にきくわ」

「あ、おう(なんか鬼気迫る感じだな)」

「「姉様をどう思っているの?」」

「・・・・・・はぁ?」

「だから、姉様をどう思っているのかを答えて。カイトが明日島を出ると聞いてから、塞ぎ込まれて・・・」

(これは・・・下手なことは言えないな・・・)

「むずかしいな」

「「えっ」」

「ハンコックはいい女だと思う、外見は凄い美人だしな。時折見せる照れた顔なんかは可愛いと思うし、見てても話しても飽きない・・・3日程しか過ごしてないが、本当に良い女だと思う」

「じ、じゃあ」

「まあ待て・・・俺はハンコックの事は好きだ。でも、この好きが友としてなのか女としてなのかは、正直わからない」

「「・・・・・・・・・」」

「ハンコックは今どこにいるんだ?」

「部屋で休んでいるわ」

「ちょっと話ししてくるな、このまま別れても駄目だろう」

「お願いするわ」

「姉様をお願いね」

「ああ、ちょっと行ってくる」

カイトは部屋を出て、ハンコックのいる部屋を目指した。

(シャボンディで女遊びが過ぎて感覚がマヒしてんのかな?この3日何処に行くのもハンコックが傍にいたし、俺と仲良く話しただけで石にされた戦士も何人かいたな・・・説得して戻してもらったけど、考えてもわからん・・・直接会って話せばいいか)

部屋に着き、扉をノックする。

「だれじゃ」

「俺だ、カイトだ」

「カ、カイト・・・よ、よいぞ、はいれ」

「あ、ああ・・・お邪魔するよ」

中に入ると、酒を飲んで朱に染まった顔を直視してしまった。

(うわっ・・・色っぽすぎるだろ)

「酒を飲んでたのか?」

「ああ・・・寝付けなくてな、飲むか?」

「いただくよ」

ハンコックの横に座り、注がれた酒を一気に飲み干す。空になったグラスに酒が注がれた。

「ハンコック・・・この3日ありがとうな。本当に助かった、俺の連れてきた奴らも、安心して任すことが出来る」

「きにするな・・・わらわはそなたを気に入っただけじゃ」

「そうか」

グラスの酒を半分飲み・・・

「明日、島を出る」

「ああ・・・わかっておる・・・」

ハンコックがカイトの手を握ってきた、横を見ると目に涙を溜めて見上げているハンコックと目があった。

(この顔は反則だろ!!!)

ハンコックの手を握り返し・・・話し始めた。

「俺はな2年後、弟の船に乗って海賊になる約束をしてる」

「そなたが、海賊に?」

「ああ、大事な約束だ」

今までに何度もした話をハンコックに話した。

子供の頃の記憶がない事ルフィ、エース、サボの3人で兄弟の盃を交わした事、弟達の力に成るべくレイリーの元で修業して力を得た事を話した。

「レイリーの元で修業している間にも、ヒューマンショップを襲って金を得たりもした。人攫い屋を潰したり、賞金首を捕らえたりもした・・・女遊びもな」

「・・・・・・」

「ルフィとの約束の時まで強くなりたいと思ったのもあるが、好き勝手に生きてみたいと思ったってのもある・・・まぁ、何が言いたいのかは・・・俺は自分勝手な人間だって事だ」

「そんなことは・・・解っておるわ」

「ん?」

「そなたが女好きで、自分勝手な人間なのもわかっておる」

「そうか」

「それでも、わらわは・・・そなたの事を想っている」

「俺もハンコックの事は好きだよ。でも、この好きが友としてなのか女としてなのかは、まだわからない・・・それでもいいのか?」

「仕方ないであろう・・・ただ条件がある」

「条件?」

「この島にいる限りは・・・わらわだけにせよ、よいな」

「わかった、約束する」

「ならば、よい」

そう言ってハンコックが唇を重ねてきた。

何度も口付けを交わしたあと、カイトはハンコックを抱きかかえてベッドに運ぶ。

「カ、カイト・・・」

「ん?・・・どうした?」

「ま、前にも言ったが・・・わらわの背中には・・・」

「ハンコック、俺が気にすると思うか?」

「・・・ふっ、そうだな」

「全部引っ括めて、愛してやる」

「そうか・・・頼む。ただ、明かりは消してくれ」

「えぇ~~」

「さ、さすがに・・・恥ずかしい」

「わかった、ハンコックの頼みじゃ仕方ない」

「う、うむ」

カイトがハンコックに唇を重ねていき・・・部屋の明かりが消された・・・








翌朝・・・

カイトが目覚めると、隣のハンコックはまだ寝ていた。

(ハンコックって本当に美人だよな・・・じっくり見てるとまつげ長いんだな、髪もサラサラだし・・・ちょっと触ってみよ)

カイトがハンコックの髪をいじっていると・・・

「ん・・・やぁ」

そう言って抱きついてきた。

(か、可愛い・・・)

しばらくして、ハンコックが目覚めた。

「う・・・ん・・・」

「おはよう、ハンコック」

「う・・・む・・・起きておったのか」

「ああ、さっき起きたところだ」

「そ、そうか」

「それにしても・・・」

「なんだ?」

「ハンコック、体力ありすぎ」

ニヤニヤして言うと、布団の中に隠れてしまった。

隠れたハンコックを抱きしめると、背中に手を回してきた。

「今日、出るのだな」

「ああ、また会いに来る」

「うむ、待っておるぞ」

「ああ」

「浮気はホドホドにな」

「気をつけるよ」

「ふふっ」

口付けを交わしたあと、出発の準備をするために部屋を後にした。

準備をして港に向かうと、大勢の人が待っていてくれた。

カイトの連れてきた8人は、涙を流しながら感謝の言葉を言ってくれ、周りの人も任せろと安心できる言葉をかけてくれた。

「「カイト」」

「ソニアにマリーも、世話になった。あの8人のこと頼んだ」

「ええ、任せて」

「姉様のこと、カイトには感謝してるわ」

「今日の姉様は、いつにも増してツヤツヤしてたしね」

「カイトは少し疲れてるみたいね」

「ハハハ・・・まぁ頑張ったしな」

そう言うと、ソニアとマリーはクスクス笑っていた。

そこにハンコックが現れた。

「ハンコック、世話になった」

「ふっ、わらわの方がそなたには感謝している。8人のことは任せておけ」

「ああ、じゃあまたな」

「カイト」

「ん?」

ハンコックが口付けをしてきた。

「「あ、姉様」」

「「「「「「キャーーーーー」」」」」」

ハンコックの行動に、周りが大騒ぎしだした。

「カイト・・・達者でな」

「ハンコックも元気で」

そう言ってハンコック達に別れを告げて、アマゾン・リリーを後にした。

(ルフィの所に行く前に、預かった手紙を渡しに行かないとな。それが終われば、いよいよ出航だ)







 
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