歌集｢春雪花｣

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。ページ下へ移動

< 前ページ次ページ > 目次

5

　早春の

　　夜に降り積もるは

　　　　名残雪

　想いし刹那の

　　　　　　写し鏡よ

　その日の夜､淡雪が少し降ってました｡地面を濡らす程度でしたが､止む様子はない…｡まるで次から次へと想いが湧いている様で､自分の心の写し鏡みたいだと思ったんです｡

　君想い

　　嘆きし日々の

　　　空しさを

　翼在りければ

　　　　飛びて行くなれ

　上の歌と同じ時に詠んだもの｡
　詠んだ時､自分が如何に我が儘な生き物か再確認し､涙が零れてしまったのを覚えています｡
　たとえ飛んでいったとしても…彼には邪魔なだけの存在ではありませんか…｡会いたいのは自分だけであり､彼にとって私は然したる価値はないもの｡
　ただ…虚しい｡

< 前ページ次ページ > 目次

ページ上へ戻る

感想を書く

この話の感想を書きましょう！

全て感想を見る：感想一覧