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光明の魔導師〜眩き妖精の物語〜

作者:南魚座
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六魔将軍編〜ニルヴァーナを死守せよ!〜
  旅路は山あり谷あり闇ギルドあり?


歩き続けて2時間弱したところで、小さな街に出た。



「さて、じゃあこっからは別行動だ。お前らはそのまま馬車に、俺は別ルートで目的地まで向かう。」



「え!?どういう事?」


「そのままの意味だ。少し寄るところがある。」


嘘である。実は先ほどから闇ギルドの連中と思しき奴らが近くにいる。かなりの数だ。



「お前らは先に行ってろ。シャルル、ウェンディを頼むぞ。」



「ええ、わかったわ。でもあまりウェンディに心配かけるんじゃないわよ。」


「ああ。あまり時間はかけないさ。」


そう言って馬車乗り場とは別の方向へ歩き出す。ああ。時間はかけないよ。かける必要もない。



少ししたところで俺は建物の上に登り無事に馬車が走り出したのを見届けると、路地へと降り立つ。まだ昼時だというのに人っ子一人いない。この異常な状況、恐らく人払いの術式でも刻んだのだろう。ていうか対象はやっぱ俺か。
あーあ、めんどくせえ。



「先に俺を狙ってきたか…魔水晶に通信が入ってねえってことは向こうは大丈夫か。」




すると、あちらこちらから武装した人達が出てくる。どんだけ人数いんだよ。あーあ、囲まれちまった。



「……てめえら、六魔将軍の傘下の闇ギルドか?」



「そうだ。俺らは六魔将軍の傘下"黒の波《ブラックウェーブ》"だ。」



ギルド名ださっ



「この任務についた以上、殺す覚悟も殺される覚悟も出来てんだろ?」



六魔将軍に警告という意味も込めてここは派手に行こう。正規ギルドなめたら痛い目みるぞ、と。



「さあ殺し合おうぜ、闇ギルド諸君!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



その頃、集合場所では…



「これで3つのギルドが揃った。残るは化猫の宿の連中のみだ。」



「連中というか、2人と聞いてまあす。1人は遅れると、先ほど連絡の香り(パルファム)がありました。」



「2人だ!?こんな危ねえ作戦にたった2人だけをよこすのかよ!?」



「ちょっと、どんだけやばいやつが来るのよ…」



すると



「きゃあっ」


女の子の声とこけたのであろう音にみんなが驚いた。


「痛……あ、あの……遅れてごめんなさい……化猫の宿からきたウェンディです。よろしくお願いします…」



「女!?」




「子供!?」



「ウェンディ…」



全員が驚きの反応を見せた。


「これで全てのギルドが揃った。」



「いや、話進めるのかよ!」



「この大がかりな作戦に子供をよこすなんて…それに1人は遅刻ですって…?化猫の宿はどういうおつもりですの?」



「あら、それだけじゃないわよ。ケバいお姉さん。」



「シャルル!」



シャルルが入ってきてウェンディが声を上げる。



「ネコ!?」




「もしや遅刻の1人というのは…」



ジュラがシャルルに疑問の表情を浮かべるが、



「いいえ、違うわ。"彼"はもう少ししたら来るでしょうね。」



「む、そうか。」



「あ、あの……私、戦闘は全然できませんけど、皆さんの役に立つサポートの魔法いっぱい使えます…だから、仲間外れにしないでください〜」



涙目になってぐずってしまうウェンディ。



「もう!そんな弱気だからなめられるのよあんたは!全く、あいつがいないとすぐこうなんだから…」



そんなウェンディをシャルルが嗜める。



「すまんな、少々驚いたがそんなつもりは毛頭ない。よろしく頼む。」



「うわぁ、本物のエルザさんだよ、シャルル。」



「思ってたよりいい女ね。」




そんな中、シャルルに熱い視線を送る猫がいた。
シャルルは興味なさそうにシカトするが、



「おいらの事知ってる?ネコマンダーのハッピー!」



またしてもシカト。



「てれてる…かわいい〜」



「相手にされてないように見えるけど。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・



一方、俺は闇ギルドの連中をボコボコにした後、集合場所まで馬車で移動していた。え?間に合うのかって?遅刻は確実だな。こりゃ。だから急いでもしょうがない。どうせ遅れるなら俺は俺のペースで行く。それが俺流。なに、作戦なら大丈夫だろう。メンバーが多少遅刻したところで向こうには妖精女王《テイターニア》、火竜《サラマンダー》、何よりも聖十大魔導のジュラもいる。うちのような地方ギルドまで名が轟いている人物だ。相当のものなのだろう。それに他のギルドのメンバーも精鋭揃いのハズだ。



なんて思いながら馬車に乗っていると、




ドコォッ!!!!




不意に横からとてつもない衝撃を受けた。



「なんだなんだぁ!?」



外に出てみると、




「まーた囲まれちまったよ…厄日だな、今日は。」



闇ギルドと思われる奴らに囲まれてた。ここは既に樹海。作戦の地だ。こいつらが六魔将軍の傘下のギルドだとすると、六魔将軍はもうこの樹海に到達しているとみていい。



「あーあ、死んでやがらぁ…」




かわいそうに、馬車を動かしてた男は息を引き取っていた。

つーか六魔将軍がもうここに到達してんならモタモタはしてらんねえな。



「お前らも六魔将軍の兵隊か。クソッタレ。ああクソッタレ!数が多いいんだよクソ!」



奴らが一斉に襲いかかってくる。しゃあねえ、いっちょ本気でやるか。



「一撃で決めてやる、後悔すんなよ…」



強く地面を蹴って魔力を使い浮遊、腕を2振りして複雑な魔法陣を真下に向かい描く。



「禁忌魔法!天照・百式!!」


その直後、樹海が激震し、奴らがいた所は跡形もなく、吹き飛び巨大なクレーターが形成された。


「さて、集合場所に行くか。」


集合場所めがけて、魔力ブーストを使い飛んでいく。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



集合場所付近で人影が見えたので上空から見てみると、赤い髪の女が倒れておりその横で男2人が口論をしていた。何やら不穏な空気だ。ってあそこにいんのシャルルか。とりあえず降りるか。



シュタッ!と地面に着地すると、



「誰だ貴様は!」



「六魔将軍のヤツか!」



と警戒態勢を取られたのでとりあえず両手を挙げて抵抗の意思がないことを示す。



「遅れてすまん、俺は化猫の宿のフーガ・フォーマルハウトだ。つーか俺をあんなびっくり人間衆と一緒にするんじゃねえ。」



「お前が……」



「見た所フルメンバーかと思ったがウェンディがいないな、あいつどこいった?」



「ウェンディが六魔将軍に連れ去られちまった…」



桜髪の男が答える。
てか今なんて?ウェンディが連れ去られただと?



「おいあんた!それ本当か!」



「フーガ!一回落ち着きなさいよ!」



俺が掴みかかろうとした時、シャルルが俺の襟元を引っ張る。



「わ、悪い。つか、誰か状況を説明してくれ。」


「僕が説明するよ。」



すると茶髪のホスト風の男が答えた。



「集合場所が六魔将軍にバレていてね。僕たちは先ほど襲撃を受けた。ジュラさんと一夜さんは傷を負いエルザさんは敵の毒にやられてしまったんだ。」




「で、ウェンディが連れ去られたのよ。」



金髪の女が付け加える。




「あとハッピーもだ!!!」



「ハッピー?」



「俺の仲間だ。」



「オスネコよ。」




そうか、そんな事があったのか…



「ちなみにエルザだっけ?ウェンディがいれば解毒出来るぞ。」



「あの子が解毒の魔法を?」



「それだけじゃないわ。体力回復にキズを塞ぐことも痛み止めもできるのよ。」



と、シャルルが補足する。



「あの、私のアイデンティティーは…」



横のおっさんが脂汗を流すが見ないことにした。うん、見たくねえ。



「治療の魔法って、ロストマジックじゃなくって?」



「天空の巫女ってのになんか関係があるの?」




ケバい女と金髪の女が言う。



「ああ、あいつは天空の滅竜魔導士。天竜のウェンディだ。」




俺の放った言葉にみんなが驚く。



「ドラゴンズレイヤー!?」



「詳しい話はあと!今私たちに必要なのはウェンディよ!」



「と、なると」




「やることは一つ!」



「ウェンディを助けるんだ。」



「エルザのためにも!」




「ハッピーためにもね。」




「行くぞ!!」




「オオッ!!!!」




全員の気合とともに、ウェンディ奪還作戦が始まった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ちょっと!ちょいまち!」



俺はみんなを一回止める。




「ここに来る前、六魔将軍の傘下の闇ギルドと二回もぶつかった。奴らの傘下のギルドはほぼこちらに来てると見ていい。」




奴らにとってもニルヴァーナとやらは重要らしいからな。




「じゃあどうするのよ?」




「班を4つに分けよう。一つの班はエルザのとこで待機、残り3つの班でウェンディを探すんだ。」



「ならば早くせねばなるまい。」



と、ハゲのおっさん。うおっまぶしっ



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



結局班分けはこうなった。

エルザのところへ残る班


金髪女改めルーシィ、ホスト一号改めヒビキ



班その1



桜髪改めナツ、半裸改めグレイ、そしてシャルルと俺。



班その2


キモいおっさん改めキモいおっさん。あ、一夜か。そしてホスト二号のイヴと三号のレン。



班その3



ハゲ男改めジュラ、糸目のリオンにスイーツ女のシェリー。


メンバー全員の名前も覚えたし、大丈夫かな。うむ、実に覚えやすい。



「よし、行くぞぉ!!」



と、ナツ。先にダッシュしていってしまった。



「待てこら!」



グレイも行ってしまった。無駄にはええなあんたら。



「よしシャルル、俺の肩にでも掴まってろ。」



そうしてシャルルを肩に乗せ、魔力を使い俺も追いつく。



「ところでさ、天空の滅竜魔法って何食うの?」



と、ナツ。



「あまり食ってるとこは見かけねえが一応空気を食うぞ。」




「うめえのか?」




「俺は知らんな。」



「それ、酸素と違うのか?」



グレイも突っ込む。



「そういえばフーガ、ウェンディの親って…」



ナツが聞いてくる。やっぱり気になるか。




「消えたんだと。ある日突然。天竜グランディーネっていうそうだ。」




「おい!それって7年前の7月7日じゃねえのか!?」




「覚えてねえが多分そうだっつってたな。」




するとナツは独り言をブツブツ呟く。っておい、前見ろ、枝が、




バキッ!!!



「んがっ!!」



そら、言わんこっちゃねえ。だがすぐに起き上がる。頑丈だな、おい。




「そうだ!ラクサスは!?」



「じーさん言ってたろ?あいつは滅竜魔法の魔水晶を埋め込んだだけだ。」




グレイが答えると、



「何よこれ!?」



そこには異常な光景が広がっていた。



「木が……」




「黒い……」



複数本の木が黒くなってた。真っ黒も真っ黒。



「ニルヴァーナの影響だってな、ザトー兄さん。」



「ぎゃほー、あまりの魔力に大地が死んでくってなぁ、ガトー兄さん。」



「誰だ!?」


グレイがそう叫ぶと、周りから人影が出てきた。なんでこうも囲まれるかね、今日は。おいら疲れちまったよ。



「ニルヴァーナの影響だって」



「さっき言ったぜ、ガトー兄さん。」



「そうかい、ザトー兄さん。」


「ち、ちょっと、囲まれてるじゃないのよ!」



「うほぉ!猿が2匹いんぞ!」



「胸毛をかくせよ、気持ち悪い。」



あー吐きそう。



「こ、こいつら妖精の尻尾の奴らですよ!」



おお、見事に猿っぽいのが参戦したぞ。



「六魔将軍傘下、『裸の包帯男《ネイキッドマミー》』」




「ぎゃほおっ!遊ぼうぜえ!」



あーあ、しかも戦る気満々ですがな。裸の包帯男ってそれってただの素っ裸と違うんかい。



「こいつぁ丁度いい。」



「うほほっ!丁度いいうほー!」



2人もすでに臨戦態勢だ。



「さてと、やりますかね。」



俺も掌に拳を打ち付ける。



「何言ってんのあんた達!?」



「拠点とやらの場所を吐かせてやる。」



「さっさと片付けんぞ。」



「全員沈めてやんぜ!」



すると向こうも戦闘態勢にはいる。



「なめやがってクソガキが…」




「六魔将軍傘下、裸の…」



「死んだぞてめーら。」




「何なのよあんた達…」



シャルルは頭を抱えて混乱してた。あ、木の上で待っててね?あぶねーから。





 
 

 
後書き
少し間が空いての投稿になってしまい申し訳ありませんm(._.)m 六魔将軍編突入です!とはいえものすごい展開早いですが……汗
分かりづらいこと、アドバイス等ありましたら感想ページで容赦なく、ぶっ叩くように書き込んでください!感想も読んだまま、感じたままをバンバン書き込んでください!お待ちしております\(^o^)/ 
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