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NARUTO うずまき兄妹伝~天の書~

作者:ハマT
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No.1過去へ

とある場所。ここに二人の男がいた。回りに光はなく月だけが二人を照らしている。
「分かったな?」
「何故お前がこんなことをする?」
一人の男がもう一人に問いかける。
「俺にも俺の道理があるお前には関係ないことだ後は頼むぞ・・・サスケ」

人通りの多い町を二人の子供が走って行く。二人は大きな屋敷に入ると軒先でお茶を飲んでいる男のもとにいく。
「じいちゃーん」
「ただいまー」
「おかえり、ボルト、ヒマワリ」
じいちゃんと呼ばれた男ーー日向ヒアシは先程帰ってきたばかりのボルトとヒマワリをみて顔に笑顔を浮かべる。
「ジィジ今日アカデミーの試合でお兄ちゃんに勝ったんだよ」
「試合?また剣術の授業か?」
「違うってばさ!!もうすぐ卒業だから実戦を想定して何でもアリってルールでやったんだってばさ!!」
ヒマワリの剣術とボルトの柔拳はほぼ互角の実力であるため互いに得意なもので勝負した今回の試合はどっちが勝つかはやってみるまで分からない。
「でもお兄ちゃん卑怯だよ何でもアリって言っても流石に回天は無しだよ」
「そう言うお前も影分身使ってたじゃないかそれにチャクラ流しも」
ボルトとヒマワリはまだ12才ではあるが両親の遺伝のせいかこの年にしていくつかのアカデミーでは教わらない術を使える。ハナビの修行を真似てボルトが一発で回天を成功させ教えてもいないのにヒマワリが影分身を使えるようになっているのを見て少しばかり驚いたのは記憶に新しい。
「そーいや俺達の親ってどんな人なんだ?」
「貴様らにはまだ早い!!」
ヒアシを含め日向の皆はボルトとヒマワリの両親の事を教えてくれない。今回みたいに上機嫌な時に聞いても直ぐに怒鳴られる。一度両親の友達に話を聞いたけどやはり教えてくれなかった。しかし二人とも両親の事は1つだけ知っていることがある。それは既に死亡していると言うことだ。

「結局ダメだったな」
次の日ボルトとヒマワリは帰り道どうするか悩んでいた。両親に繋がるの手掛かりは日向家の人間であることとうずまき性であること。この二つを調べると何故か毎回七代目火影に行着く。そのたびに流石にこの人は違うと調べ直して既に四年がたつ。
「ここも変わったんだな・・・」
町中を歩いていると一人の怪しい男がいた。鎧を身に付けた、その男は町を見渡しながら何かを懐かしんでいる。怪しいのは鎧を身に付けているということだ。今は結構平和な世の中であるため町中で鎧を身に付けることなどまずあり得ない。それどころか明らかにめだっているのに誰も気にしていない。二人が怪しいと感じ目を合わさないようにしているとその男は二人に近づいてきた。
「少年よ・・」
「ヒマワリ!!」
「逃げよう!!」
怪しい人がいたらまず逃げるようにアカデミーで教えられているため一目散に逃げる二人。二人は必死に走りあえて遠回りをし近くの公園に逃げ込んだ。そろそろ皆帰る時間のため公園には二人しかいない。
「俺を舐めるな!!」
さっきまいたはずの男がすぐ後ろにいた。
「少年よ俺はただお前たちと話がしたいだけだ」
「俺達はお前なんかと話すこと何でないってばさ!!」
「なら少年よもしお前達の両親の事といったら聞くのか?」
目の前にいる男の言葉に二人は耳を疑う。今この男はずっと調べていた。両親の事を教えてくれる、と言っている。
「おじちゃん名前は?」
「あえてなのるなら死に遅れた亡霊と名乗っておこう。」
そう言うと男は二人の両親について語り始める。
「お前たちの父の名はうずまきナルト・・・今の七代目火影だ。母はうずまきヒナタだ」
二人とも名前は聞いている。忍界の英雄でいくつもの昔話や伝説に名前が載っている。
「その二人って・・・昔話の・・・」
「知っているか・・・なら話は早い『十尾と英雄の子』という昔話を知っているか?」
もちろん知っている。ボルトとヒマワリが好きな昔話だ。内容は、昔喧嘩ばかりしていた五つの里が大きな厄災十尾に皆で協力して立ち向かうというものだ。ナルトはその中でピンチに陥ったみんなを導いて十尾を封印したと描かれている。実はこの物語は実在した出来事でありしかも十数年前の出来事であることをボルトは知っていた。だからこそこの男は何が言いたいのかが分からなかった。
「・・・その物語がどうしたんだってばさ?」
「かつて六道仙人はいつ、どうやって死ぬか、それは生まれた時から決まっていてその部分だけを運命だと説いた。その運命は決して変えられない。しかし時間が経つにつれて運命は人の一生で頑張れば変えられると変わってきた。変えられぬ運命・・お前たちの両親はその運命をねじ曲げられ殺された」
ボルトはともかくヒマワリは頭がついて行ってないようだ。
「両親は死ぬはずのない時間で死んだ・・その二人を助けたいならサスケの元を尋ねろ」
そう告げると男はその場から音もなく消えた。

「・・・そうか」
ボルトとヒマワリは話の後サスケのもとに行き謎の男から告げられたことを伝える。最後まで聞いた後サスケは懐から巻物を取り出すとその場に広げた。
「これには俺が十二年探し続けたとある術が書かれている」
「術?」
「時空・反転の法・・簡単に言えばタイムスリップだ。この術を使えば過去に行きナルトとヒナタを助けられる。今いる未来をちゃんとした未来に書き換えることでな」
今いる未来をちゃんとした未来に書き換える・・つまり歴史を変え二人が生きているーー恐らくサスケや謎の男からしたらそれこそが正史なのだろうーー未来を作る事が両親を助けることだろう。なら話は早い過去に行ってちゃんとした歴史に書き換える。
「二人共覚悟は決まったようだな・・二日後に過去に出発するぞそれまでにこれを読んでおけこれには俺やナルトが何をしたかが書かれているちゃんと予習してから来いよ」
それから出発までの間二人はその内容を頭に叩き込んだ。

そして迎えた出発の日。二人はみんなに黙って過去に出発することにし夜明け前に家を出ようとした。
「どこに行くの?」
突然声をかけられ後ろを振り向くとそこにはハナビがいた。ハナビは二人を見ると二人が使用としていることを察したのか少し微笑んだ。
「二人共ちょっときて」
そう言ってハナビは二人をつれて自分の部屋にいく。ボルトとヒマワリはハナビの部屋に入ったことがないためハナビの部屋を見るのは始めてだ。色んなぬいぐるみなどがあるなかハナビは机の上にある箱を持ってきて二人に渡した。なかには赤い布切れと形の変形した指輪が入っていた。
「これはあなた達の両親の形見よ・・二人とも気を付けてね忘れないでよ私達のこと!!」
ハナビから形見を受け取った二人は約束の場所に向かう。もうこの世界の皆には会えない。でも自分達にはしなければならないことがある。二人は流れる涙をふきながらサスケのもとに向かった。

「さていくか・・」
ボルトとヒマワリとサスケは準備をし印を結ぶ。その瞬間回りを光が包み。光が晴れるとそこにはさきっきまで三人がいた形跡は跡形もなく消えていた。
サスケが目を覚ますとアカデミーにいた。かつてこの時代にいた自分はその自分の意識を上書きしてタイムスリップしている。回りを見るとボルトとヒマワリの姿もある。どうやら成功したみたいだ。しかし安心はできない。自分達がここに来たことで何かしらの変化が起きる可能性がある。回りを見て面子に変化が無いことを確認する。どうやら今は授業中のようだ。内容は地球最後の日に誰と一緒にいたいか名前を書くと言うものだ。横を見るとナルトが名前を書くのに悩んでいるのが目に入った。しばらく観察しているとナルトは誰かの名前をその紙にかきはじめた。 
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