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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第六章 正義の在り処編
  第二百二話    『シホの新たな世界』

 
前書き
更新します。

今回は黒い獣が暴走を開始します。
それをみんなで倒しましょうという話です。

ではどうぞー。 

 


………ヴォルフ・イェーガー………いや、セヴィル・アインツベルンが死んだ時間にどんどんと増殖し続ける黒い獣が次々と暴走を開始していた。

「くっ! シホが戻るまで黒い獣は暴走することはないのではなかったのか!?」

士郎が干将・莫耶で襲い掛かってくる黒い獣を切り裂きながらもそう愚痴る。
そう、黒い獣はすでに数えきれないほどに増えてしまっていて機動六課の戦力だけでは対処できなくなってきていた。
黒い獣は三提督が捕らわれていた施設を中心にどんどんと拡散していき、その広がりは下手をすれば大災害と呼ぶにふさわしいほどに地上を黒く染めていた。
その光景を空に浮かんでみていたなのは達はその光景に絶句していた。

「そんな………これはもう私達では対処できないよ!」

なのはが少し絶望感を感じながらもひたすらにディバインバスターを黒い獣に向かって放っていた。
だがそんな中を機動六課の敵であったセイバー、アーチャー、ランサー、アサシンは突き進んでいた。
四方に散ろうとしている黒い獣を四人は東西南北に散らばって対処していた。

「切り裂けッ!」

セイバーは雷の刃を放って黒い獣をこれ以上進ませないように切り裂いていく。

大神宣言(グングニル)!!」

ランサーはグングニルを放って次々と貫いている。

射殺す百頭(ナインライブズ)!!」

アーチャーは出し惜しみは無しだとばかりにナインライブズを放っていた。

「………かかれ」
「………マスターの最後の命令、果たして見せる」
「………ククク」

アサシンは次々と分身してダークを放って一撃で仕留めていく。
それを見てネロ、アルトリア、オリヴィエ、ランサー、ライダー、キャスター、志貴、アルクェイドも触発されたのか、

「昔の敵は今の友………とも言うが、今は余達もともに戦おうぞ!」

そういってネロは大剣を構えて踊るように切り裂いていく。

「決めます! シホが帰ってくるまであなた方はここから出ることを許しません!」

アルトリアはエクスカリバーを振るいストライクエアを放って吹き飛ばしていく。
いざという時には宝具解放をしようと思っていた。

「……そうですね。完全に敵ではないのです。今はともに戦う時です!」

オリヴィエはそう言って聖王鉄槌砲を負けじと放っていた。

「ククク………昔を思い出すぜ! 血がたぎってきたぜ!」

ランサーは昔の乱戦を思い出して血がたぎって逆にギアが上がっていた。

「ここで使わずにいつ使うのですか!スズカ、使わせていただきます! 騎英の手綱(ベルレフォーン)!!」

ライダーは思念通話ですずかの許可をとってペガサスを召喚して突撃していった。

「赤皇帝には遅れを取るようではいけません! ここは必殺の!」

キャスターは呪術を使わずに走り込みをして何度も「去勢拳ーーーッ!!」と蹴りを叩き込んでいた。
周りからは魔術を使えよ!と全力ツッコミを受けていたがキャスターは己の道を走っていた。

「志貴! いっくわよ! アサシンに後れを取らないようにね!」
「あぁ! 俺たちの力を見せる時だな!」

志貴とアルクェイドがいつも通りの仲の良さで次々と切り裂いていった。

………敵味方のサーヴァントが入り乱れて黒い獣を次々と葬っていた。
それでなのは達も勇気づけられて「みんな! ここで防がないとミッドチルダは地獄になる! だから本気を出すよ!!」となのはが叫び、全員が『おー!』と叫んで魔導師組も次々と立ち向かっていった。
そんな中、ゼストが、

「お前達はどうするのだ………?」

地獄のような戦場の中でいまだにロボ達ブリューナク隊は意気消沈していた。

「オジキ………俺は、どうすれば………?」

ロボは心の支えを失ったために戦う気力を無くしていたのだ。
しかしゼストがロボの肩に手を置き、

「少年よ。今はジグルドのためにも戦う時ではないのか………? そしてお前たちの大将はミッドチルダになにを思っていたか思い出せ!」

ゼストがのジグルドが何をもってしてこのクーデターを起こしたのかを語り、ブリューナク隊を勇気づける。
そして、

「俺はこの戦場に行く。お前たちもジグルドを思うのなら、立ち上がれ……」

そう言ってゼストは黒い獣の群れへと進んでいった。

「俺は、俺は!」
「若! おじ様のためにもここは立ち上がりましょう!」
「ああ! セイラ! いくぞ!」
「はい!」

ロボとセイラは立ち上がった。
そして凰華とティーダも「そうだな」と再びデバイスを握りしめて、

「いきましょうか、獅堂陸曹」
「そうだな。ティーダさん! みんな、立ち上がれ! 今こそジグルド提督の弔い合戦を開始するぞ!!」
『おーーー!!』

凰華の鼓舞する言葉でブリューナク隊は全員士気を取り戻して立ち上がり次々と向かっていった。
そう、敵味方関係なく全員が一致団結して黒い獣に立ち向かっているのだ。
この光景を見られないジグルドは、しかし死んでもみんなのことを見守っているだろう。

「オジキ! 見ていてくれよ! 俺は最後まで戦って見せる!」

それでロボはブランカを振るって黒い獣を打ち倒していく。
………しかし、全員が立ち向かったはいいがやはり数が多すぎたためになかなか攻勢に出れないでいた。
そんな時にはやてが接近戦にまで追い込まれてピンチになる。

「くっ! やられる!?」

黒い獣の爪がはやてに迫ろうとしたその時だった。

『おいおい………情けないぞ。我がうつしみよ?』
「へ………? この声は?」

途端、はやての目の前にキャスターのクラスカードが浮いていて黒い獣の爪をなにかの謎の力で受け止めていた。
そこに金色の髪の少年が姿を現して、

「どうも、お姉さん!」

その子は小ギルであった。

「ギルガメッシュ!?」

はやてが警戒するが、小ギルは「大丈夫です」と前置きをして、

「今回はあなた方を助けに来たのですよ。それに………彼らがともに戦うとうるさいのでね」

そう言って小ギルはその手に『セイバー』『ファイター』『ランサー』『バーサーカー』のクラスカードを持っていた。
それを『キャスター』のクラスカードが浮いている空に放ち、

「さぁ、約束の時ですよみなさん! 暴れて構いません! 召喚(サモン)!!」

小ギルの言葉でクラスカードから莫大な魔力が発生して次第に体を形作っていく。
そして、

「………セイバーのサーヴァント、アルトリア・ペンドラゴン。参る!」
「ファイターのサーヴァント、クラウス・G・S・イングヴァルド、いくぞ!」
「ランサーのサーヴァント、ディルムッド・オディナ、今こそ誓いを果たす時!」
「■■■■■■■■----ッ!」
「キャスターのサーヴァント、ヤガミ。ククク………! 久方ぶりに暴れるとしよう!」

黒い甲冑を身に纏い黒く染まっているエクスカリバーを構えたセイバーが、クラウスが、ディルムッドが、狂化しながらもきっちりと黒い獣だけを標的にしているランスロットが、不敵な笑みを浮かべながら今か今かと飛び出そうとしているヤガミが、この戦場に降臨したのだ。

「なぁーーー!?」

当然、はやては驚くが五人はそれぞれ行動を開始する。
瞬く間に五人の攻撃は黒い獣を駆逐していく。
道中でそれぞれ宿敵と合流して色々と会話をしてまた戦闘を開始したところ、心配はないのだろう。むしろ安心するというものだった。
まさにこの戦場には十体以上のサーヴァントが暴れまわっているという異常事態。
しかし、そんな状況でも本体を潰さない限りは無限に増えていく黒い獣。
士郎はそんな光景を見て、全滅させなければいけないと決心をして固有結界を使おうと詠唱を始めようとしたその時にブレイドテミスの格納スペースに入っている宝石剣がなにかの反応を示しだして士郎は宝石剣を取り出す。
すると宝石剣から七色の光が漏れてきて、次の瞬間には士郎の前にシホの姿が出現した。

「ここは………」
「シホ! 無事だったのか!」
「士郎! ということは座標は合っていたようね! それにしてもやっぱり黒い獣は暴走を開始していたのね………」
「暴走した理由を知っているのか?」
「セヴィル………いえ、ヴォルフ・イェーガーが倒れたことで制御下を離れたんだと思うわ」
「ヴォルフ・イェーガーは死んだのか……?」
「ええ………詳しい事情はあとで話すわ。今は………」
「そうだな………」

シホの行おうとしていることを士郎も悟ったのだろう。

「シホは詠唱に専念しろ。私が詠唱中はシホを守ろう!」
「お願いね?」

士郎がシホに向かって迫ってくる黒い獣を干将・莫耶で切り裂き迎撃してシホの詠唱を邪魔させない士郎。
そんな光景を目にしながらもシホは目をつぶって詠唱に入る。


―――I am the bone of my sword(体は剣で出来ている).


シホの詠唱はただ呟くだけだというのに戦場で戦っている全員の耳に届く。
それで全員はシホが行おうとしていることを悟ったのだろう。
より一層迎撃に力を込める。


―――Steel is my body(血潮は鉄で). and fire is my blood(心は硝子).


「これって、シホさんの声! シホさんは例の固有結界を使おうとしているのかな!?」
「ラン姉さん! たぶんそうだと思うけど今はレジアスさんを守ることに専念しよう!」
「レン君のいう通りね!」

ランとレンとギンガがレジアスを守りながらも戦っていた。
シホの詠唱はまるで浸透するかのように響いていく。


―――I have created over a thousand blades(幾たびの戦場を越えて不敗).


「やっぱり悲しい詠唱だね……今からシホは心を開こうとしている。私達はそれをただ聞き届けるしかないんだね」

フェイトがシホの自身の心も抉る詠唱を聞くだけで自身の事でもないのに心が張り裂けそうになっていた。
しかし、ここからシホの詠唱は変わっていた。


―――Unaware of loss(ただの一度の敗走もなく、),I notice a thing to protect(大切なものを守護し続ける).


「え………? 詠唱内容が変わっているんか?」

はやてが詠唱内容の変更にすぐに気づいた。
そう、シホの詠唱は十年前のと違い変化していた。
新たな正義である『大切な者達を守れる正義の味方』を志したことで変化したのだろう。


―――With stood pain to pledge manufacture weapons(担い手は誓いをここに).


シホは聖王のゆりかごでの戦いのときに世界と本気で渡り合った。
そして世界とは契約をせずに自身の正義だけで乗り切った。


―――promised for one's arrival(約束の剣の丘で鉄を鍛つ).


この時からシホの心象世界は変化を起こしていたのだ。
さらには体内になるアヴァロンとアルトリアの持つアヴァロンをフルにシンクロさせることによって世界はさらなる変化を遂げていたのだ。


―――Yet,those. This is end of the only thought(故に、我が生涯は想いの果てに).


シホの新たな境地。
二度と破らない、破らせない。
そんな思いを込めたことで変化した詠唱内容、そして心象世界。
それを今、解き放つ………!


―――I stay my body(この身は) "unlimited blade works(無限の剣を宿していた)".


シホの詠唱内容が終了する。
瞬間、地面に炎が走っていく。
そう、黒い獣と戦っている機動六課、ブリューナク隊、サーヴァント達………すべてを巻き込んで世界は塗り替えられていく。
そして世界は新たに新生する。
しかし、そこはもう赤い荒野ではなかった。
さまざまな剣が突き刺さっているのは変わっていないが地面には草原が広がり蒼天の青空に眩しい太陽………。
そう、シホの心象世界は詠唱内容が温かいものに変化していたように世界も同様に温かい空間へと変化していたのだ。
その光景に以前の世界を知っているなのは達はとても嬉しそうな表情を浮かべていた。
変われたのだ………。もうシホがエミヤと同じ道を辿ることは二度とないという証のようなものだろう。

「………いくわよ? 無限に湧く黒い獣よ。数の貯蔵は十分か?」

そしてシホが手を上げるとすべての剣が引き抜かれて空へと上がる。
太陽の光をうけて剣たちすべてが活気溢れているかのように光り輝く。

「全剣整列! 穿て! 一斉掃射!!」

剣軍が次々と綺羅星のように黒い獣へと殺到していく。

[ギ、ギィィーーーッ!!?]
[ガァッ!?]
[ギャアアアッ!!]

剣軍に貫かれて黒い獣たちは生き残った者は逃げようとする。
しかしすべてもう固有結界の中に閉じ込めたのだ。
逃げ場はない。

「吹き飛びなさい!!」

シホの命令で連続で突き刺さっていく剣達。
そして貫かれる黒い獣たち。
まさに蹂躙劇を見ているようだ。
一体、また一体と潰されていきついには数を二桁まで減らされていた。

解析開始(トレース・オン)!」

そしてシホは残りの黒い獣を解析する。
それでついに核になっている『疑似聖杯のカケラ』を持つ本体を発見したのだ。
それで、

「アルトリア! いくわよ!」
「はい、シホ!」
『ユニゾン・イン!』

ユニゾンしてセイバーフォルムへと変化する。
そしてエクスカリバーフォルムを構えて、剣先を本体の黒い獣へと向けて構えて、解き放つ。

約束された(エクス)……勝利の剣(カリバー)ーーーッ!!」

核を持っている本体の黒い獣はエクスカリバーで焼き払われてついには消滅した。
それで残りの黒い獣もすべて消滅して、シホは固有結界を解除する。
そう、戦いは終わったのだ。
ジグルドが死んでしまった事は悲しいことだがそれでもきっとブリューナク隊の面々も前を向いて歩いていけるだろう。
シホのもとへと駆け寄ってくるみんなを目にしてシホは「終わったのね………」と思った。
その時だった。


―――ダンッ!

シホの胸に銃弾が撃ち込まれていたのは……。

「なっ!?」

それで撃った先を見るとそこには首だけの状態で生き汚く生きていたモリアが口から銃口を出してシホを撃っていたのだ。

「キヒヒ! これで貴様もおしまいだ! 最後のあがきを見せたぜ!」

モリアがまた嬉々とした叫びを上げているが、シホは倒れなかった。
それはなぜか? 答えは簡単。
シホの胸の傷は最初からなかったかのように塞がっていたのだ。

「はっ………?」

それでモリアは思考を停止させる。
そんなモリアにシホは近づいて剣を振り上げる。
モリアは「ひっ! やめ―――……!?」と言うがもう遅い。
シホの剣はモリアの顔に剣を振り下ろされ、しかし顔の横に剣は落とされた。
それでモリアは殺されると思っていたのか泡を吹いて気絶してしまった。

「………あなたには聞きたいことが山ほどある。だから殺さないわよ……」

モリアの件はこれで一応片がついた。
それからみんながどうして傷がすぐに塞がったのか、ヴォルフ・イェーガーはどうなったのか、とシホは色々と聞かれることになるのであった。
とりあえず落ち着いて話し合える場所で話すとしてシホはみんなに納得してもらったのであった。



 
 

 
後書き
小ギルの手によって復活したかつて敗れたサーヴァント達。彼らの扱いは次回に語ります。
そしてシホの新たな固有結界の世界。
これがシホの今の心象世界です。変われたんです!
そして自然と塞がったシホの傷。これが意味することとは……。



ちなみに新詠唱文です。
どうぞ。

―――I am the bone of my sword(体は剣で出来ている).
―――Steel is my body(血潮は鉄で). and fire is my blood(心は硝子).
―――I have created over a thousand blades(幾たびの戦場を越えて不敗).
―――Unaware of loss(ただの一度の敗走もなく、),I notice a thing to protect(大切なものを守護し続ける).
―――With stood pain to pledge manufacture weapons(担い手は誓いをここに).
―――promised for one's arrival(約束の剣の丘で鉄を鍛つ).
―――Yet,those. This is end of the only thought(故に、我が生涯は想いの果てに).
―――I stay my body(この身は) "unlimited blade works(無限の剣を宿していた)".



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では。
 
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