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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第三話 それぞれの時間

 
前書き
大輔と賢のそれぞれの時間。

賢「リリカルアドベンチャー、始まります。」 

 
大輔とブイモンは好意でフェイトとアルフが暮らすマンションに居候することになったのだった。
大輔「すげえ…一流のマンションじゃん」
ブイモン[大輔の家とは偉い違いだなあ]
さりげなく酷いことを言うブイモンの頭に鉄拳が炸裂した。
大輔「悪かったな!!てめえ、誰のお陰で腹一杯食えると思ってやがる!!」
フェイト「ふふ…」
大輔とブイモンのやり取りにフェイトは吹き出してしまった。
大輔「おい、フェイト。笑うなよ」
大輔も苦笑して、フェイトに言う。
フェイト「あ、ごめんなさい。」
ブイモン[まあまあ気にしなくても…痛あ!?]
大輔「お前が言うな!!」
再び大輔の鉄拳が炸裂したのだった。






































4人はエレベーターに乗るとフェイトとアルフが暮らしている階に向かう。
エレベーターを降りて、フェイトが扉を開ける。
フェイト「どうぞ」
大輔「お邪魔しま~す」
大輔とブイモンは中に入る。
フェイト「私、何か飲み物を持ってきますからソファで寛いでいて下さい。」
フェイトにソファに座るように促されて、大人しくソファに座る。
大輔は今まで気になっていたことをアルフに尋ねる。
大輔「なあ?フェイトって何者なんだ?空を飛んだりしたり、光弾を放ったりして」
フェイト「私は魔導師です。」
大輔「魔導師?」
フェイト「魔力を操り、魔法を扱う人のことです。大輔さんや私のように。」
大輔「へえ」
アルフ「って、何でそんなことに驚いてるのさ?フェイトがあんたもって言ったってことはあんたも魔導師だろ?」
不思議に思ったのか、アルフが聞き返してくる。
大輔「あ、いや。俺は今日魔法の力を初めて使ったんだ。言わば素人」
フェイト「え!?あの身のこなしや戦い方はとても素人には見えなかったけど…」
大輔「分からない。ただこれに触れた途端に戦い方の知識が分かるんだ。まるで知っていたかのように深い知識をくれたんだ。」
フェイト「1種のサポートシステムかな…?」
フェイトがD-3をマジマジと見つめる。
大輔「多分な。ところでアルフも魔導師なのか?」
アルフ「いや、あたしは魔導師じゃなくて使い魔さ。」
大輔「使い魔?」
アルフ「魔導師が使役する1種の人造生物だよ。」
大輔「へえ、フェイトは凄い魔法使いなんだな?」
フェイト「そ、そんなことないですよ…」
大輔の純粋な褒め言葉にフェイトの顔が赤くなる。
アルフを見れば、主が褒められたために上機嫌だ。
大輔「使い魔って言うのはつまりパートナーみたいなもんか」
アルフ「ああ、そいつと同じね」
ブイモン[俺?]
ブイモンは自分を指差して首を傾げる。
アルフ「あんたも使い魔だろ?」
ブイモン[あ、いや。俺はデジモンだよ。]
フェイト、アルフ「「デジモン?」」
今度はアルフとフェイトが首を傾げる番だった。
ブイモン[大輔、話してもいいよね?]
大輔「ああ」
ブイモン[俺はデジタルモンスターって言って、データで出来てる生き物なんだ。普段はデジタルワールドって言うデータの世界で暮らしてる。]
フェイト「ブイモンがデータ…?」
ブイモンをフェイトはマジマジと見つめる。
フェイトからすれば人間と同じくらい感情豊かなブイモンがデータだとは信じられないらしい。
大輔「まあ、こいつは俺の大事なパートナーなんだ。仲良くしてやってくれないか。」
フェイト「あ、はい。よろしくねブイモン。」
ブイモン[おう!!]
大輔「あ、そうだ。後、敬語を止めてくれないか?歳は近そうだし、これからは仲間なるし、それに敬語はちょっと苦手でさ。」
一瞬何度注意しても全く止めてくれない後輩の姿が思い浮かんだが、直ぐにフェイトの方を見遣る。
フェイト「え、あ…うん、これで、いいかな?」
大輔「ああ」
グウ~…。
大輔、フェイト、アルフ「「「?」」」
ブイモン[大輔~、腹減ったあ…]
腹を押さえながら情けない声を出すブイモン。
同時に吹き出す3人。
アルフ「あはは!!それじゃあ夕飯にするかいっと。」
ブイモン[待ってました!!]
大輔「おいブイモン。すまねえフェイト。御馳走になるな」
フェイト「うん。」
こうして大輔とブイモンは夕飯を御馳走になることになったのだが…。






























大輔「………」
大輔はテーブルに並ぶ冷凍食品を見遣る。
1度冷蔵庫を見せてもらったが、あるのは冷凍食品や飲料水、調味料くらいで、食材は入っていなかった。
フェイト「大輔、食べないの?」
アルフ「どうしたのさ?黙っちゃって?」
ブイモン[大輔~?]
不思議そうに大輔を見つめるフェイトとアルフ。
口一杯にご飯を詰め込んで大輔を見るブイモン。
大輔「え?あ、食べる食べる。」
大輔は急いでおかずの冷凍食品を口に運び、ご飯をかきこんだ。
大輔「(フェイトくらいの歳の子だと、料理は難しいかな?アルフは…問題外として、やっぱ居候の身だし、料理くらいは俺がするべきだよな?)」
フェイト「大輔?」
大輔「フェイト。明日から俺が飯を作るよ。明日の朝買い物行くからさ、スーパーの場所を教えてくれ」
フェイト「いいの?」
大輔「ああ、居候の身だし、それくらいさせてくれ。ところでアルフ。何食ってんだ?」
アルフ「何って…」
アルフは自分に出された皿を大輔に見せた。
アルフ「ドッグフードだけど?」
大輔「お前犬か?」
アルフ「違う!!狼だ!!」
大輔「ドッグフードを嬉々として食ってる奴が狼って言っても説得力がねえんだよ!!」
フェイト「?」
ブイモン[なあ、アルフ。それ美味いのか?]
アルフ「ああ、中々イケるよ」
ブイモン[じゃあ俺にも…]
大輔「食うな馬鹿!!とにかく…明日の飯は俺が作る!!」































大輔達が賑やかな夕食を過ごしている中、賢とワームモンも夕食にありついていた。
賢、ワームモン「[頂きます]」
賢とワームモンが手を合わせてはやてお手製の夕食を口に運ぶ。
蛸の形に切ったウインナーを咀嚼する。
賢「………」
はやて「ど、どうや?」
不安そうに賢の反応を待つはやて。
賢「美味しい…」
はやて「へ?」
賢「これ美味しいよはやて!!」
はやて「ほ、ほんまに!?ワームモンは?」
ワームモン[うん、凄く美味しい!!おかわりしたい!!]
はやて「よかったわあ…それにしてもワームモンみたいな生き物なんているんやなあ…最初は芋虫が喋ったかと思ったんやで?」
賢「まあ、普通に暮らしていればワームモンみたいな生き物には会わないよね普通。」
はやて「賢兄、デジタルワールドってどないな世界なんや?」
賢「そうだね、ワームモンみたいなデジモンもいるし、可愛い奴や大きい奴や汚い奴。」
はやて「き、汚い?」
賢「…聞きたい?」
何故か賢から凄まじい威圧感が放たれているため、はやては首を横に振る。
どうやら聞いてはいけないことだと悟ったようだ。
賢「…さて、明日はどうするかな…?まず明日はこの街のことを覚えないと…」
はやて「なあ、賢兄?」
賢「ん?何?」
はやてに話し掛けられた賢は思考を中断して、はやての方に意識を向ける。
はやて「あ、あのな。賢兄、明日の昼。私と一緒に動物園に行かへん?」
賢「動物園?」
はやて「うん。この前福引きで手に入れたんよ。私1人で行ってもつまらへんから…」
賢「…そう。それじゃあ、行こうか。」
はやて「うん!!」
賢は優しげな笑みを浮かべてはやての頭を撫でるのだった。






























大輔「なあ、アルフ。風呂使わせてもらうぞ?」
アルフ「ん~?ああ、いいよ別に」
寝ぼけているアルフが答える。
大輔は風呂場に向かった。
数分後、フェイトが着替えを持ってリビングにやって来た。
フェイト「それじゃあ私、お風呂入って来るね」
アルフ「うん~」
まだ寝ぼけているアルフが深く考えずに答えた。
これが災いを齎すとは知らずに。
ブイモン[なあ、アルフ。今は大輔が風呂に入ってんだけど…]
アルフ「っ…!?しまった!!」
一気に覚醒して風呂場に全速力で向かおうとするが…。
大輔「うわああああ!?フェイト何してんだよ!!!?」
フェイト「ご、ごめんなさい!!」
ブイモン、アルフ[「手遅れだった…」]
風呂場に響き渡る悲鳴にブイモンとアルフは頭を抱えたのだった。































賢「はやて、明日の準備のために風呂に入った方がいいよ」
はやて「そやね。賢兄…」
賢「?」
はやて「一緒に…入らへん?」
賢「……っ!!?!??!!?」
はやての発言に顔を真っ赤にする賢。
言葉を発しようとしても声にならない。
はやて「嫌…なんか…?賢兄…?」
上目遣いで目に涙を溜めたはやてに更に顔が赤くなるが、賢はワームモンに救いを求めるように見遣るとワームモンは首を傾げながら言う。
ワームモン[いいじゃない賢ちゃん。お風呂ぐらい]
ワームモンの言葉は賢の望んでいた言葉ではなかった。
デジモンには性別は存在しないため、そういうのはさっぱりなのである。
賢「(裏切り者…!!)わ、分かった…一緒に…入ろう…」
はやて「うん!!」
はやてを連れて風呂場に向かう賢。
風呂から上がった後、賢が暫くはやてと目を合わせることが出来なくなったのは言うまでもない。





































おまけ

大輔「………」
フェイト「………」
ブイモン[おお、二人共顔が茹蛸のように真っ赤だ]
アルフ「大丈夫かい?」
大輔「…ああ」
フェイト「うん…」
ブイモン[でもさ、普通なら大輔がフェイトの入浴中に入ってお湯をかけられるのが普通だろ?]
アルフ「そうだね。大輔、あんた何乙女やってんのさ?」
大輔「好きでやってんじゃねえ!!」
フェイト「あう…」 
 

 
後書き
第三話終了。 
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