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遊戯王ARCーⅤ 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜

作者:ざびー
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七話 デュエルの最終進化系です。

 
前書き
ついにアクション・デュエルができる!!だが、アクションカードが全く使われない!!全くアクションしていない!!

それでも、いいよという方はどうぞ。

ちなみに時系列的には、ネオ佐渡が黒遊矢に襲われる少し前です。 

 
学校が終わり、徹を引き連れ二つ目の塾見学へと向かう。

「へぇー、ここが遊勝塾かー。やっぱりLDSと比べると見劣りするね」

こじんまりとした建物。やはりLDSのような圧倒的な存在感はない。

「いや、比べる対象が間違ってるから。」

「まぁ、そりゃそうか。ここの塾って何教えてるんだっけ?」

塾には、それぞれの売りがある。LDSならあそこでしか教えていない融合召喚を筆頭にシンクロ、エクシーズを学べる事なのだが、ここは?

「確かエンタメデュエルって言って、お客さんと一体になって楽しませるデュエルを目指してるんだって。あと、榊 遊矢って人がペンデュラム召喚を使って有名になったよ。てか、姉ちゃん自分で調べなよ」

ジト目で見てくる徹。

「あの〜?どちら様ですか?」

「わっ⁉︎は、はい?」

徹と話していると急に私と同じ年齢くらいの女の子が疑いの目線をむけて来ていた。

すっかり忘れていたが私達はこの塾の出入り口のところで立ち話してしまっていたのだ。てゆうことはこの子はこの塾の生徒さんかな?

「あの遊勝塾に何か用事でも?」

「あっはい!この塾に見学に来てたんですけど」

「あ、そうなんですか。じゃあ、どうぞ」

そのまま腕を引かれ、中へと連れて行かれる。

「おとうさ〜ん!うちの塾、見学したいってーー!!」

そう女の子が大声で叫ぶ。数秒後、ドダドタと煩い音を立てながら赤ジャージをきたおっさ……ゲフンゲフン、大人の人が駆けてくる。

「なんだってぇ!そうか!そうか!うちの遊勝塾に入ってくれるって!!」

肩を掴まれ、前後に揺すられる。

の、脳が…………。そして、めっさ暑苦しい……。

「お父さん!そこまで言ってないって!困ってるから!」

「おぉ、そうだった。すまんすまん」

娘に一喝され、私を解放し、頭を掻きながら謝罪してくる。

まだ頭がクラクラするんですが……。

「おぉっと、自己紹介がまだだったな。俺はここ、遊勝塾の塾長をやっている柊修造だ」

「私は娘の柊 柚子です」

柚子はぺこりとお辞儀をして、自己紹介をする。やはり父親が駄目だと娘がしっかりするんだよなーと思う私がいた。
てか、この人、モロ某テニス選手なんだが……。今度、ファ○リーズでも渡してみようかな?

「えーと、神崎 優希です。こっちが弟の徹。」

「ども。」

「誰か来たの?ゆずおねーちゃーん」

「あー!、徹じゃん!ここに入んの?」

徹と同い年らしき子達が三人ほど現れる。

「う〜ん、今日は見学に来ただけ。入るかは未定。」

「ふ〜ん、そっかー。」

なにやら太っちょの男の子と親しげに話し出す徹。そして、早速蚊帳の外の私。…………なんだ、この差は。

「ちょいちょい。徹の友達?」

「そうそう。クラスメイトのフトシ君。で、こっちの子がアユちゃん。これがたっくん。」

「コレって⁉︎ 僕だけ酷くない⁉︎」

コレ呼ばわりされたたっくんに突っ込まれた徹はテヘペロと舌をだす。

「おー?どうしたどうした?」

「どーしたのー?」

今度は髪型がまさしくトマトの男子と、中性的な顔立ちの子。

「おう、遊矢か。うちの塾を見学したいそうだ。」

「へ〜、よろしく。榊 遊矢だ。よろしく」

「紫雲院 素良だよ」

これで主要メンバー全員集合か……。なかなか楽しそうなメンバーだね〜。


◆◇◆

遊勝塾のカリキュラムを見学と言うから、がっつりと体験した私と徹。遊勝塾では、お客さんを楽しませるデュエル。通称"エンタメデュエル"を目指しており、アクションフィールド内を自由自在に駆け回れるように筋トレやエアロビなども取り入れていた。とういうか、デュエル3割、筋トレ5割、残り遊び、みたいな感じでアットホームな塾という印象を受けた。徹もクラスメイト達とワイワイキャッキャとはしゃいでいたがさすがに疲れたのか今は少しぐったりしている。私?私はめっさ元気でっせー。

ひとまず安心したのが、ここの塾では超融合理論とか教えていなくてよかった。あんな代物が他の塾でも普通に教えられていたら、マジで考えものだよ。あっ、そういえばまだやることやってないや。

「遊矢ってさ、ナントカって人とデュエルして、ペンデュラム召喚やってた人だよね?」

私の質問に対し、首を振って肯定してくれる。

「じゃあさ、デュエルしようよ。ペンデュラム召喚も見たいし、エンタメデュエルっていうのも体験したいし」

「おっ、いいぜ。」

ノリがいいトマトで助かった。

他の子達もデュエルと聞いて、テンションが上がっている様子。そんな中で徹が……

「まっ、待って⁉︎遊矢さん、姉ちゃんとデュエルしちゃ駄目だ!」

「ちっ……」

徹が折角のデュエルする雰囲気に水をさす。とりあえず、目で威圧して黙らせる。遊矢達、一同は訳がわからないよ、と首を傾げている。

「まぁ、気にしないで。ささ、デュエルしようか」

「お、おう……。」

腕を引っ張り、デュエルスペースへと急ぐ。

「優希さん、そっち出口!」

またかよ……。


◆◇◆

体育館並の広さを持ったアクションデュエル専用フィールドへやってきた私と遊矢。

ついでにせっかくだから、アクションデュエルの説明を。アクションデュエルとは『遊戯王ARCーⅤ』の物語の舞台となっている舞網市で普及している新たなデュエル方法。質量を持つ『立体幻影(ソリッドビジョン)』でモンスターやフィールドを実体化させ、フィールド内を駆け回りながらデュエルをするのである。

質量を持つ=実際にモンスターたちに触れるのだ。モフモフモンスターを召喚して、モフッたりできる。つまり、私のフェイバリットのHERO達と触れ合えるわけだ。

「お〜い、準備はいいかー!二人ともー!」

「おお、塾長!やってくれ!」

小窓から顔を覗かせている塾長の呼びかけに対して遊矢が応答する。ちなみに徹達は観客室的なところで観戦していたりする。

「行くぞー!アクションフィールド、オォン!フィールド魔法【アスレチック・ジャングル】!!発動!」

天井の球型機械が作動し、光を放つと何もなかった室内に巨大な木々がそびえ立つ。

「戦いの伝統に集いしデュエリストが!」

「?」

急に遊矢が何かを叫び出す。

「モンスターと地を蹴り……」

「??」

「宙を舞いぃ……。優希ェ」

「???え?私?」

目がお前も合わせろと言っている。そんなこと言われても何言えばいいか知らないし〜。どうしろと?

「あー、ごめん。ど忘れしちゃった。テヘペロ^_−☆」

「そうなら、早く言えって。全くしょうがないな〜」

チョロいな。

あっさり信じた遊矢にお決まりの台詞を教えてもらい、仕切り直し。

「戦いの伝統に集いしデュエリストが!」

「地を蹴り、」

「宙を舞い!」

「フィールド内を駆け巡る」

「「見よ、これぞデュエルの最終進化系!!アクショ〜〜ン……」」

「「デュエル」」

優希LP4000 遊矢LP4000

さぁ、積年の恨みを晴らす時が来たよ!!

◆◇◆
side徹

「あぁ、ついに始まってしまった……。」

思わずため息が漏れる。

「どうしたの、徹君?」

「いや、遊矢さんが可哀想だなーと思って……。」

「へ?」

みんなの頭にハテナが浮かぶ。まぁ、そうなるよね……。

「まぁ、見てればわかるよ。」

そう言うと再び姉ちゃん達へと視線を戻す。



◆◇◆

「私の先行!手札から【召喚僧 サモンプリースト】を召喚。サモプリの効果で守備表示に。そして、手札から魔法カードを捨ててサモプリの効果発動。デッキからレベル4モンスターを特殊召喚できる。私は【ハーピィ・チャネラー】を特殊召喚。さらにダンサーの効果で手札からハーピィと名のつくカードを捨て、デッキから別のハーピィを特殊召喚できる。私は【ハーピィの狩場】を捨て、デッキから【ハーピィ・ダンサー】を特殊召喚!」

半人半鳥のハーピィ・レディ達が妖艶な笑みを浮かべ、私の場に舞い降りる。

むぅ……あそこまで胸があったらな〜

「す、凄い。一気にモンスターを三体も召喚しちゃった!」

「痺れるぅ〜」

「姉ちゃんならいつもあれくらいはやってのけるよ。ソリティアやったり、酷い時は無限ループなんてしてくるからね」

「へ、へー……すごいのね、優希って」

柚子は若干引き気味である。一方、ソリティアや無限ループの恐ろしさを知らない子供達は無邪気にもすごいと感心している。無知は罪なり……

なんかものすごく不本意なこと言われてる気がする⁉︎

「【ハーピィ・ダンサー】の効果で場のハーピィを手札に戻し、風属性モンスターを特殊召喚できる。私はチャネラーを手札に戻し、【ハーピィズペット(ドラゴン)】を特殊召喚するね。竜は場のハーピィ・レディ一体につき、攻撃力が300ポイント上昇する。ダンサーやチャネラーは場と墓地に存在するとき、ハーピィ・レディとして扱うから、竜の攻撃力はその分上昇するよ」

「一ターンで、モンスター三体に攻撃力2000越えのモンスターを出してきたか。すげーな、優希!」

まだまだこんなものじゃなし。最終的には絶望してもらうつもりだから、よろしく〜遊矢くん

「永続魔法【ヒステリック・サイン】を発動!このカードの発動時にデッキから【万華鏡ー華麗なる分身ー】を手札に加えられる。そして、そのまま発動。デッキから【ハーピィ・レディ1】を特殊召喚!」

天から色とりどりの光が放たれ、光の中からハーピィ・レディが舞い降りてくる。

「綺麗……」

「痺れるぅ〜」

確かに幻想的である。しかし、あのデブは痺れるしか感想がないのか⁉︎

「ハーピィ・レディが増えたってことは……竜の攻撃力が2600に⁉︎」

「ノンノン。ハーピィ・レディ1の効果で場の風属性モンスターの攻撃力を300ポイント上昇するから、2900だよ。私はカードを一枚伏せてターンエンド」


さて、私の手札はチャネラーのみ。さらに場には守備表示のサモプリとダンサー、攻撃表示のレディ1と竜の四体。正直、神風を使えば、ダンサーの効果でもっと展開できたけど、文句を言ってもしゃあないか……。さぁ、エンタメ使いの遊矢くんはどんなデュエルを見せてくれるのかな?

「俺のターン、ドロー!手札から【EM(エンタメイト) ヘイタイガー】を召喚!」

オモチャの兵隊をモチーフにした虎がに遊矢が跨るとフィールド内を走って行ってしまう。

「へー、なるほどね〜。私も乗ってもいいのかな?」

チラリと竜へと視線を向けると首を私の位置まで下げてくれる。乗れっていうことかな?首にしがみつく形で乗ると翼を使って一気に上昇する。

頬に当たる風が気持ちいし、空からの眺めも最高だね。…………けど、こいつ、乗り心地悪い!

『ぐるぅ⁉︎』

乗り心地に関して批判を言われてショックだったのか情けない声をあげる竜。どーどーと周りを飛んでいるハーピィ・レディたちが宥めている。

う〜ん、ダシムなら乗り心地いいかな?あの子ふわふわして気持ち良さそうだし。

「バトルだ!ヘイタイガーでハーピィ・レディ1を攻撃!」

「チッ」

優希はフィールド内を文字通り駆け回っていた遊矢の突然の攻撃宣言に一気に不機嫌になる。

ほー、私の快適、空中散歩を邪魔しますかね?

「この時、アクションマジック【ハイダイブ】発動!モンスター一体の攻撃力をターンの終わりまで1000ポイントアップさせる。俺はヘイタイガーの攻撃力をアップだ!」

「リバースカードオープン【ゴッドバード・アタック】。ハーピィ・レディ1をリリースして、ヘイタイガーとヒステリック・サインを破壊する」

ハーピィ・レディは紅い光を纏うと超光速で突っ込んでいき、遊矢のモンスターを蹴散らす。

大日本帝国、バンザーイ\(^o^)/ とか言ってそう。

「アレ? なんで優希おねーちゃんは自分のカードを破壊したの?」

「それはね、まずゴッドバード・アタックはカードを二枚選択しなきゃいけないんだよ。あと、ヒステリック・サインは墓地に送られる時も効果を発動するんだ。ホラ、あんな風にね。」

ユカの質問に対し、素良が答えているのが伺える。

「ヒステリック・サインは手札・場から墓地に送られたターンの終わりにデッキからカード名が異なるハーピィと名のついたカード三枚を手札に加えられるよ。」

「っ!三枚も!俺はカードを二枚伏せてターンエンドだ」

くくく、人を見下ろすのもなかなか楽しいですな〜

「ヒステリック・サインの効果でハーピィ・チャネラーとダンサー、あと狩り場を手札に加える。そして、私のターンドロー!」

竜へと指示を出し、一本の木の幹まで飛んでもらう。そこには何でくっついているかわからないが裏に"A"と印されたカードACカードがあった。

私はただ単に空中散歩を楽しんでただけではなく、ちゃんと空からカードの位置を把握してたんだな、コレが。

「サモプリの効果発動。手札のAC魔法をコストにデッキから【聖鳥 クレイン】を特殊召喚。クレインの効果でドロー。さらに通常魔法【七星の宝刀】を発動。手札の【嵐征竜 テンペスト】。除外し、二枚ドロー。そして、テンペストは除外された時デッキから風属性・ドラゴン族モンスターを手札に加えられる。私は【ハーピィズペット竜】を手札に。」

「え?ちょっ⁉︎」

一気に私の手札が一枚から八枚に増え、さすがに驚きが隠せない遊矢。お楽しみはこれからだ!

「まずは手札から【DDクロウ】を捨て、クロウの効果発動。遊矢の墓地のヘイタイガーを除外。さらに墓地の風属性と闇属性モンスターを一体ずつ除外し、【ダークシムルグ】を特殊召喚する!来い、ダークシムルグ!!」

黒い暴風を巻き起こしながら私の目の前へと現れる。とりあえず、乗る対象を竜からダシムへとチェンジ。その際、竜が私を捨てられた仔犬みたいな目で見てきたが気にしない。あまりにも落ち込むのでハーピィがよしよししている。和むわ〜。

「す、すごいよ!一気にモンスターがあんなにも!」

「へー、あのおねーちゃん結構やるね〜」

なかなか子供たちも盛り上がってきた様子。

「おーし、やったんでー。ダシムで遊矢にダイレクトアタック!ダーク・ストーム!」

「させるか!トラップ発動【EMコール】!モンスター一体の攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力以下になるようにデッキからEMモンスターを二体手札に加えられる。俺は【EM ウィップ・バイパー】、【EM カレイドスコーピオン】を手札に加える。」

あちゃー、手札を増やされたか。しかもP(ペンデュラム)モンスター……。全く面倒な

「ハーピィズペット竜でダイレクトアタック!」

「速攻魔法【カバーカーニバル】発動!場に三体のカバートークンを特殊召喚する!」

場にサンバみたいな格好をしたカバが軽快な音楽と共に踊りながら、登場してくる。決して、逆に読んではいけない。

モンスターの総攻撃により、トークンを全て破壊するも遊矢のライフを削るまでには至らない。

「まぁ、まだ二ターン目だしね〜。カードを二枚伏せてターンエンド。さて、そろそろお得意のペンデュラム召喚を見せてもらいましょうかね?」

「あぁ、お楽しみはこれからだ!俺のターン、ドロー!!」

キラキラと光を撒き散らしながら、カードをドローする。特殊演出とかずるい。

その後、木から垂れている蔦をターザンのように使い、木の頂上へと立つ。

「レディース、アーンド、ジェントルメーン!これより、エンタメイト達による素敵なショーをお見せしましょう。」

スポットライトが遊矢を照らし、天に手を広げ、高らかに宣言をする。

「まずは【時読みの魔術師】、【星読みの魔術師】をペンデュラムスケールにセッティング!」

両サイドに光の柱が上がり、1と8の数字が現れ…………ない!!

「え?えぇ⁉︎なんでェ!!」

予想外の自体に遊矢をはじめ、他の子達も驚きが隠せない。

「あっ、ごめん。【魔封じの芳香】発動してた。」

遊矢の表情がわかりやすく絶望色に染まる。

これが遊戯王恒例の 効果は発動されていた というやつだ。ドヤァ。
しかし、ACカードメタとして組んだアロマシムルグだったけど、まさかペンデュラムまでメタってしまうとは、嬉しい誤算だね♪

一方、遊矢はヤバくね、コレと呟き、ダラダラと冷や汗をかいている。確かに決め台詞まで言ってこれでは格好がつかない

「お、俺は【EM ウィップバイパー】を召喚し、効果発動。相手モンスター一体の攻守を反転させる。俺はダークシムルグの攻守を反転させる」

尻尾を振り子のように揺らし、催眠をダシムに施す。鞭じゃあ、ないのね……

「ウィップバイパーでダークシムルグに攻撃!」

優希LP4000→3300

「俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ。」

「アレ?ペンデュラムは?」

という声が聞こえてくる。これはもう、遊矢に変わって私が魅せる番だね!!

「レディース! アーンド! ジェンドルメーン!!」

「「「パクった⁉︎」」」

オマージュと言え!オマージュと!

「今宵はハーピィ達による幻想的なshowをお魅せいたしましょう!まずはサモンプリーストの効果を発動!手札からAC魔法を捨て、【聖鳥 クレイン】を特殊召喚!効果でドロー!
そして、レベル4のサモンプリースト、クレイン二体でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよ!【隻眼のスキル・ゲイナー】!!」

サモンプリーストが紫、クレインが白い光の玉になりフィールドに現れた紅い渦に飲み込まれると強烈な閃光が迸り、光の中からモンスターが姿を現す。

「す、すごい!こんな召喚方法見たことない!!」

「ねぇ、えくしーず召喚ってなに?」

「エクシーズ召喚っていうのはね、同じレベルのモンスターを重ねて召喚する方法なんだ。けど、あのおねーちゃんが知っているとはね〜。」

面白そうだと素良は口元を歪めて笑うと、デュエルの続きに視線を戻す。一方、徹はやっちまったか……と額に手を当てていた。

「まだまだいくよ!手札から【ハーピィ・チャネラー】を召喚し、効果を発動!【ハーピィの狩り場】を捨て、【ハーピィ・ダンサー】を特殊召喚!さらにチャネラーは場にドラゴン族モンスターが存在するとき、レベル7になる。
私はレベル7になったチャネラーと竜でオーバーレイ!!怒涛の如き突風と雷を巻き起こし、我がフィールドに降臨せよ!!【迅雷の騎士 ガイアドラグーン】!!」

渦の中から嵐を起こしながら、竜騎士が降臨する。

「そして、伏せておいた【万華鏡ー華麗なる分身ー】を発動!デッキから【ハーピィ・レディ三姉妹】を特殊召喚!コレでラスト!通常魔法【トライアルグル・X・スパーク】を発動!このターン、三姉妹の攻撃力は2700となり、このターン、罠を発動することはできず、効果も無効になる!」

三姉妹は美しい輝きを放ち、妖艶さが増す。その姿に一同息を飲む

「っ⁉︎俺はウィップバイパーの効果発動!ガイアドラグーンを選択し、攻守を反転させる」

「無駄無駄!これで、準備は整った!It's show time!

まずは一撃目!スキルゲイナーでウィップバイパーに攻撃!!ダークブレイド!」

闇を纏った剣がバイパーを斬り裂く

遊矢LP4000→3200

「そして、二撃目!ガイアドラグーンでダイレクトアタック!迅雷螺旋槍殺撃!!」

雷と暴風を纏った一撃が遊矢を穿つ。

遊矢LP3200→1100

「これで、これにてフィナーレです!

ハーピィ・レディ三姉妹でダイレクトアタック!トライアングル・X・スパーク!!」

三姉妹の華麗なるコンビネーションアタックが炸裂し、遊矢のライフを0にすると私のお辞儀に合わせ、観客に向かってお辞儀をする。

パチパチと聞こえてくる拍手の音が心地よい。


◆◇◆

「あーあ、言わんこっちゃない……。」

ゴーグルをかけて落ち込んでいる遊矢を見て、誰にも聴こえないように呟く。

なんとなくこうなる事は予想していたのだ。というのも、ここに来る前楽しそうに笑みを浮かべ、アクションカードのメタデッキを組んでいたのだ。正直、そんな姉から狂気を感じたのは、記憶に新しい。まぁ、そんなわけでデュエルの中止を呼びかけたのだが忠告を聞かなかった遊矢が悪いと自己完結する。

「いや〜、まさかペンデュラム召喚まで封じちゃったのは嬉しい誤差だったよ。」

みんな、必死になって遊矢を慰め、ようやく立ち直って来た所だった。…………のだが、姉の一言で振り出しに戻ってしまう。

何やってんだよ…………。てか、遊矢さんもメンタル弱っ⁉︎


「けどさ、これで一つ弱点が見つかったわけだし、良かったじゃん」

「…………負けは負けだし……」

「まぁ、誰でも負けはあるよ。必要なのは、敗因を分析してそれを今後に活かす事なんだよ。だから、今遊矢がすることは落ち込む事じゃなくて、どうやって勝てるようにするか、だよ♪」

姉の言葉が響いたのか、顔を上げゴーグルを外すと立ち上がる。

「そう……だよな!

縮こまっていたら何もできない。勝ちたいなら勇気を持って一歩前に出ろ!」

「そうだァ、遊矢!熱血だぁ!!」

どうやら立ち直ったらしいがここで塾長の熱血が炸裂。完全に空気になったので柚子さんに一言言って、帰らせてもらった。もう今日は色々疲れた。主にメンタルが……。


◆◇◆

side赤馬零児

「社長、今から一時間ほど前に強大なエクシーズ召喚反応を感知いたしました。偵察隊によると場所は遊勝塾。エクシーズ召喚を行ったのは、先日LDSの見学に参加していた 神崎 祐希だと。」

「融合召喚だけではなく、エクシーズ召喚まで使用するのか………………フフッ、興味深いな……。引き続き調査を進めろ」

命令を下された黒服の男は一礼をして、下がっていく。


一方、祐希は……

「へっくち。うぅ、なんか寒気が……」

「姉ちゃん、風邪?やめてよー、うつさないでよね」


















 
 

 
後書き
アクションデュエルと称しておきながらのちゃんと発動されたのは一度のみ!しかも、無意味な発動に終わる。まぁ、後半はコストとして、捨てられまくってますがね……。コストにするのが正しい使い方だと思う作者です。普通に発動するより、アドが稼げますし。


AC魔法【ハイダイブ】
モンスター一体の攻撃力をターンの終わりまで1000ポイントアップさせる。

虚栄虚栄のアクションカード版みたい?アニメでは、エクストラソードとかと全く同じですねー。


ACフィールド、及びAC魔法・罠のオリカ受け付けてます!どしどしどーぞ。(採用されるかは、未定。)

詳しくは作者のつぶやきまでー。





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