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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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DEAR KABY

 
前書き


 

 
エバルーを倒し、日の出を回収したアルトたちは依頼主であるカービィ・メロンの家に向かった



カービィ「こ、これは一体・・・どういうことですかな?私は本の破棄を依頼したハズです」


ルーシィ「破棄するのは簡単です、カービィさんにだって出来ます」


するとカービィはルーシィから本を乱暴に取る



カービィ「だ・・・だったら私が焼却します、こんな本・・・見たくもない!!」


アルト「おっさんはこの本を読んだことあるの?」


カービィ「いえ・・・話に聞いただけで読んだことは・・・」


アルト「じゃあせめて、父親の最後の作品くらい読んであげたらどうかな?」


カービィ「!!」


アルトの言葉にカービィが驚く



カービィ「な・・・なぜそれを・・・」


アルト「この本の存在が許せないっていうのは・・・父親の誇りを守る為なんだろ?」


カービィ「・・・その通りです・・・この作品は駄作だと父は言っていました」


ナツ「つまんねぇから燃やすってのか!!?父ちゃんの書いた本だろ!!!」


怒るナツをルーシィが止める



ルーシィ「言ったでしょナツ!誇りを守る為だって!!」


カービィ「えぇ・・・父は日の出を書いたことを恥じていました」




――――――――――――――――――――――――――――――――――――

それからカービィは自らの過去を語った


自分の父親がエバルーに3年間も監禁され無理やり本を書かされていたこと


そして3年たち、家に帰ってきた父は突然作家をやめると言い出し利き腕を切り落としたこと


カービィは家族をほったらかしエバルーの言いなりになって本を書いた父が許せずいたこと


父が自殺した後もずっと憎んでいたこと



すべてを包み隠さず話した



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


カービィ「しかし年月が経つにつれ父への憎しみは後悔へと変わっていった・・・私が「父親なんてつとまらない」なんて言わなければ父は自殺せずに済んだのかもしれない」


アルト「・・・・・」


ナツ「だから燃やすのか?」


カービィ「そうです、せめて父への償いに父の遺作となったこの駄作を・・・父の名誉のためにこの世から消し去りたいと思ったのです」


カービィがマッチ棒に火をつけ本を燃やそうとしたその時




本が光り輝いた




カービィ「な・・・なんだこれは・・・!?」


アルト「これがルーシィの言ってた魔法・・・!?」


ルーシィ「そう、ケム・ザレオン・・いいえ・・・本名はゼクア・メロン、彼はこの本に魔法をかけました」


カービィ「ま、魔法・・・?」



すると日の出の「デイ・ブレイク」のタイトル文字が「ディア・カービィ」へと変化した



ルーシィ「もちろんタイトルだけではなく、中身の文字も全て入れ替わります」


文字が本から飛び出し宙を舞う



アルト「めっちゃ綺麗だな!!」


ハッピー「あい!」


ナツ「おぉぉー!!」


ルーシィ「彼が作家をやめた理由は・・・最低な本を書いてしまった事の他に・・・最高の本を書いてしまった事かもしれません・・・」


アルト「おっさんへの手紙だな!!」


ナツ「いい父ちゃんじゃねぇか!!」


ルーシィ「それがケム・ザレオンが本当に残したかった本です」


カービィ「父さん・・・私は・・・父を・・・理解できてなかったようだ・・・」


目に涙をためながらカービィは呟く



ルーシィ「当然です!作家の頭の中が理解できたら、本を読む楽しみがなくなっちゃう」


カービィ「ありがとう・・・この本は燃やせませんね・・・」


アルト「じゃあ俺たちも報酬はいらねーな!」


ナツ「そうだな!」



カービィ「え?」


ルーシィ「はい?」



アルト「依頼は本の破棄だからな!」


ナツ「依頼達成してねーのに報酬は受け取れねえだろ」


ルーシィ「ええぇぇぇええ!!!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

フェアリーテイルに帰る途中、大きな声が響く



ルーシィ「信じらんない!200万をチャラにするかしら普通!!」


アルト「だって依頼達成してないのに報酬貰うなんてズルいだろ」


ナツ「フェアリーテイルの名折れだ」


ルーシィ「はぁー・・・もう」


ナツ「でもよかったな、あのおっさん」


アルト「あぁ、今頃自分の本当の家でゆっくり本を読んでるんじゃないかな」


ルーシィ「え?どういう事・・・?本当の家?」


ナツ「あいつらの臭いと家の臭いが違った」


アルト「ナツの嗅覚は獣並みだからねー」


ルーシィ「なにそれー!!?」


アルト「しかし30年間も魔法がかかってたなんてなぁ・・・」


ナツ「あの小説家、すげぇ魔導士だよな!」


ルーシィ「若いころは魔導士ギルドにいたみたいでそこでの数々の冒険を小説にしたの・・・憧れちゃうなぁ」




アルト「くくっ、ところでさぁ・・・ルーシィ」


アルトがルーシィの近くに寄り耳元で話す



アルト「俺さぁ、この前ルーシィの家に行った時ルーシィが自分で書いたと思われる小説の原稿を見たんだよねぇ・・・」


ルーシィ「っ!!?//////」カァァァ


一気に顔が紅潮するルーシィ



ルーシィ「ちょっ・・・えっ・・・!?//////」


アルト「やたら本に詳しいと思ったら、自分で書いてるわけだぁ・・・」


アルトはニヤニヤしながらルーシィを弄る



ルーシィ「あ、アルトっ!誰にも言わないでよ!!//////」


アルト「えー・・・いいじゃん別に」


ルーシィ「まだヘタクソなの!!//////」


悪魔のような笑い顔をしてアルトは言う



アルト「じゃあ、そうだなぁ・・・ルーシィの書いた小説を毎回見せてくれるなら言わないでおいてあげる」


ルーシィ「えぇぇ・・・//////」


アルト「ふーん嫌なのかぁ・・・ナツとハッピーが近くにいるのになぁ・・・」


ルーシィ「わ、分かった!分かったから誰にも言わないでぇ!!//////」

 
 

 
後書き


 
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