| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

入学編〈下〉
  対テロリスト戦(2)

図書館前では、拮抗した小競り合いが繰り広げられていた。襲撃者であるテロリスト共は、CAD以外にも銃火器である飛び道具やナイフ・鈍器を持ち込んでいた。一部は生徒と見えるが、ほとんどが部外者=テロリストであった。三年生を中心とする応戦側には、もちろんCBのメンバーにオートマトンが殲滅をしていたところだった。オートマトンの装甲はあらゆる攻撃から防ぐのと対魔法に関しても反魔法装甲である。三年生はCADはないが、魔法力で圧倒はしていたが隙を突かれては鈍器で殴られたりとしていた。怪我をした生徒は医療班である者たちが、回復魔法による回復していた。主にIS部隊の者たちだったけど。でもさすが三年生なのか、さすがは将来を約束された魔法師の雛鳥たちだった。雛鳥というより、虎の子の方が合っている気がするが。

「他の生徒は、9時方向を固めるんだ!侵入を防げ!」

「間合いを詰めろ!生徒たちに魔法を使わせるな!!」

「そうはさせるかよ。オートマトンよ、敵を殲滅せよ!」

「銃火器で飛んでくる弾の雨は、シールドビットで防いでくれ!桜花」

「やっているわよ!」

とCBのメンバーとテロリストの会話だったけど、CBのメンバーの指示を聞きながら殲滅をする三年生の姿があったけど。それを目にしたレオが突っ込んだけど。

「パンツァァー!」

雄叫びと共に、乱戦へ飛び込むレオ。オートマトンたちはレオを味方と識別していたので、攻撃はしない。しかもその咆哮には意味があった。

「音声認識とはまたレアな物を・・・・」

「お兄様、今、展開と構成が同時進行していませんでしたか?」

「ああそのようだな。あれは逐次展開だ。十年前に流行った技術だな、まあ俺の属性もある意味でレアだが」

「アイツって、魔法までアナログだったのね・・・・。まあ一真君のも、ある意味だけどね」

幸いな事に、刻印魔法などという過去のものとなった技術を常用している自分の事を棚に上げたエリカの陰口だった。あとは俺のも過去の技術ではあるけどな。とりあえずエリカの陰口は戦っているレオには聞こえていなかったけど。手甲のように前腕を覆う幅広で分厚いCADで、振り下ろされた棍棒である鈍器を受け止めてから殴り返す。あれはプロテクターを兼ねたCADであって、可動部分やセンサーの露出が必要ない音声認識を採用するのは頷けるとしか言えない。

「あんな使い方して、よく壊れないわね」

「CAD自体にも硬化魔法が掛けられている。硬化魔法は分子の相対座標を狭いエリアに固定する魔法だ。どんなに強い衝撃を加えても、部品間の相対座標にずれが生じなければ外装が破られない限り壊れる事はないけどこれほどのはまるでお似合いだな」

「ホントよね。どれだけ乱暴に扱っても壊れないって訳か」

俺らは乱戦の中に入っては、主にキャスト・ジャミングを使う者たちを中心に浮かばせてから、地面に叩き付けた。レオは何かの鬱憤を晴らすために、暴れ回る。一応味方と敵の区別はついているみたいだけど。大地たちも加わり、レオのサポートをする。主に鈍器で殴る者に対して動きを止めたりとかね。黒い手袋に包まれた両手は飛来する石礫氷塊を粉砕して、金属や炭素樹脂の棍棒という鈍器をへし折っていく。時折火花が見えるが、あれはスタンバトンが混じっているようで。かわせないと判断したのか、ナイフやダーツもブレザーを貫くことはなかった。

「なるほど。あれは身に付けているのを全てを硬化している訳か、俺の属性でいえば鋼だな。それを纏いながらだったら、レオみたいに出来るけどあまり使いたくないパターンだ。全身を覆うプレートアーマーを着込んでいるかのようだ(赤龍帝の鎧もそうかもな)」

得意魔法、と躊躇なく言い切ったのは伊達ではないという事か。レオの硬化魔法は、起動式の展開と魔法式の構築・発動が並列的に行われる逐次展開の技法により、継続的に更新されているわけのようだ。武器を持つ相手とはいえ、素人に毛が生えた程度の練度しかない駆け出しテロリストではあの鎧やCBの武器とオートマトンを貫くことなど不可能だろ。肉体のみで突き出されているはずの拳は、移動術式や加速術式を使っているのと遜色のない破壊力を生み出す。銃火器の使用で制限された近距離なら、前線で活躍しそうだと思った。

「蒼太たちCBメンバーはそのままテロリスト共を無力化しろ!オートマトンたちは生徒を守りつつ、図書館に入らせないようにしろ!レオ、先に行くが蒼太たちの指示をよく聞けよ!」

『了解!』

「おうよ、ここは蒼太さんたちと共に引き受けた」

オートマトンはまるでテロリスト共を駆逐してからの上に向けての発砲をしたので、それはオートマトン独自の返事として受け取り行動を再び開始したのだった。蒼太たちはヘッドギアの応用ので各ビットを飛ばしながら、伸縮警棒で立ち向かった。そして道を空けた事で俺達は図書館の中に入って行った。図書館は不気味なほどに、静まり返っていたけど俺には敵がいるのは丸分かりだった。

CBメンバーには主力は行かせろと言っといたからか、館内にもいるようだと感じた。職員以外にも警備員も常駐しているはずだが、どうやら無力化されたようだった。主力とだけあってなのか、ここ以外のテロリスト共とは偉い違いの練度を持つようだ。俺達は一旦、入り口脇にある小部屋に身を潜めてから俺は心眼を発動させてから気配や存在を探った。

現代魔法では事象の付随情報にして、存在と表裏一体の情報体たるエイドスに干渉する技術。現代魔法を使う者は皆、イデア「世界そのもので情報体であり、全てのエイドスを内包している「情報」のプラットフォームを、古代ギリシャ哲学の用語を流用してこう呼ぶそうだ」の中に個々のエイドスを認識している。ただし、それを意識して、見分けることが出来る者は、少ない。本来の主人公である司波達也は、通常の魔法の才能と引き換えに、イデアの中に個々のエイドスを見分ける特別高性能の知覚力を有していたそうだ。だが俺のは全てを見通す目を持っているからか、現代魔法ではなく神の力として知っているのは、ここにいる深雪とCBメンバーと記憶共有者のみである。

「ふむ。二階閲覧室に四人、階段の上り口に二人、階段を上り切ったところに二人・・・・のようだ」

「凄いね。一真君がいれば、待ち伏せの意味が無くなっちゃう。実戦では絶対に敵に回したくない相手だな」

「特別閲覧室で何をしているのでしょう?」

「ふむ・・・・。特別閲覧室にあるのは、一般閲覧禁止の非公開文献にアクセスでもしているんじゃねえの。あれは魔法大学が所属する機密文献の宝庫だからな」

深雪の質問に対する俺の推測に、エリカがガッカリしてた。という表情をしていた。

「エリカ、何だか期待外れって顔をしているけど?」

深雪に訊ねられたのか、エリカはここぞとばかりオーバーリアクションで肩をすくめて見せたけど。

「だってさ~、高校生の反乱なんて、青春の暴走、みたいな感じてチョッとワクワクするものがあったのに、種を明かせばありふれた諜報工作だなんて・・・・夢を返せって感じ?」

「俺に疑問系で聞かれても困るんだが・・・・。まあこの事件が終わったら、そうだな・・・・。九重寺だったら真剣での剣術の試合ができるから、そこでなら試合という仕合をやっても構わんが?」

「ホントに!なら、断然やる気が出てきたよ。待ち伏せの相手はあたしがもらったわ~」

やる気を出させたエリカが飛び出した。まあ作戦通りだけど、エリカは剣術に関してはちょっとやそっとではやられないからな。音もなく、気配もなく、滑るように階段へ急迫。柄にCADを仕込んだ伸縮警棒を既に伸展済みのまま、待ち伏せしていたはずの敵が逆に奇襲を受ける。振り下ろされた警棒は打ち込まれた瞬間に背後へ翻っている。エリカは一瞬で二人を倒す技量を持つくらいの強さを持つ。まあさすが千葉家の人間だと思うが、俺とやるのはまだまだ隙があるけど。荒々しいレオの闘い方とは対象的に、洗練された白兵戦技だ。

「エリカもやると思いますが、お兄様から見てどう思いますか?」

「そうだな。例えCADを使おうが加速術式を使おうが、まだまだ隙があるからな。正直言って修業不足だね、俺は、と、これは秘匿だったな」

味方の倒れた音に気付いた階段で待ち伏せしていた二人が、エリカにはようやく気付いたようで。一人が駆け寄って来る背後で、もう一人が起動式を展開するので俺のCADにてその起動式を無効化したのを撃ちこんだ。サイオンの閃きと共に砕け散ったのを、呆然と立ちすくむ魔法を否定する魔法師。その身体が不自然に硬直したと思ったらバランスを崩し転げ落ちてしまった。

「あっ・・・・」

「深雪の所為ではない、ご愁傷様と言うべきだよ。それにテロに加担した時点で罪に問われるのだから」

可愛く声を上げた妹に対して拳銃形態のCADを降ろしながら、一声かけた。二本足で立つ人間は常に、無意識に重心を調整しながら立っている。身体の動きを急減速=強制停止された人間は、そのままでは立っていられない。とそこまでは想定内だったのだろうけど、残念な時に止めてしまったので階段から転げ落ちてしまったという事に至った。まあ首の骨は折っていないよういだし、全身打撲って感じかな。それか脳震盪と肋骨を何本か折っているかのどちらかだ。

で、もう一人は真剣という日本刀を持っていたけど、エリカに斬りかかる伏兵だった。あの顔は見覚えがあった。剣道部のデモンストレーションで、壬生先輩の相手をしていた男子生徒だったけど。剣道部丸ごと侵食=汚染されているなと思ったからだ。その理由が手首にあるリストバンドだった。

「ちっ。一真君、生徒には手加減しなきゃ、ならないん、だよね?」

鍔迫り合いの中から問いかけてくる声は、少し震えていたけど。体格差からの腕力は、膠着状態では影響を及ぼす。

「本来なら生徒に対して手加減ではあるが、その生徒は既にテロに加担した者だ。それにその程度の相手に本気は見せないんだろ?」

「あらま。あたしの本音が分かっちゃうほどなんだ、ここは任して先に行って!」

と俺が話している間に、圧力を瞬間的に上げてから力を逸らす。そして相手との上下を入れ替えたあとに、エリカは先を急ぐよう促した。

「それなら任したぞ」

挟み撃ちを警戒してか半身になる男子生徒であったが、既に俺と深雪の眼中にその生徒は存在しない。一真は風術で身体の周りを竜巻状になって、深雪は軽く蹴ったら、一真は空を飛ぶようにして、深雪は静かに宙に浮いたのだった。二人は階段というのを経由せずに、二階に飛んで行った事にエリカは口真似で口笛を吹くようしたのと、呆気にとられた生徒を残して二人は突き当りの特別閲覧室に向かった
のだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧