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『自分:第1章』

作者:零那
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『リスク』

この人は掴めん。
別の意味で怖い。
大体此くらいの時間があったら、ある程度喋って人間性や性格とか少しは解る筈なんやけど...
目が笑ってない。
本音か演技か解らん。
妙な恐怖心を抱いた。
早く仮面剥がして。
嘘くさい笑顔。
喋り方も演技っぽい。

トイレも我慢してた。
席外して妙なクスリ入れられても嫌やし。

もしかして殺されたりするんかな?
なんかそんな事件あったよね。
デリで自宅呼ばれて行ったら刺殺されたり。

高給な代わりにリスクもあるって解ってる。
それでも今の自分にはこの方法でしか稼ぐことは出来ん。
個人援助は犯罪やし危険。
泡ヤるよりはマシ。
そんな曖昧な境界線...

ユウや友達を裏切ってる。
でも、こうすることでしか生きれん。
食べさしてくれる人は居らん。
寝る処もない。
風呂は事務所やホテルで入れるけど。
現実は金がないと生きれん。
稼ぎ方も限られてる。
年下の友達に食べさして貰ったり金使わせたりは絶対に嫌。

逃げてきたのは自分。
自分で稼いだ金で生きていく。
汚い金だろうが何だろうが現実は金が無いと死ぬ。
そんなもん。
否定されても同情されても意味ない。
何も感じん。
否定する人は助けてくれるん?
綺麗事なんか要らん。
普通に生きてきた人に文句言われる筋合いやか無い。
現実は簡単じゃない。

当たり前の如く家族が居て、当たり前の如く受け入れてくれる人が居る。
当たり前の如く愛されて生きてる。
そんな幸せな生活してる人には何一つ文句言われたくない。

 
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