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ロックマンX~5つの希望~

作者:setuna
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第十五話 炎の戦士

エックスとルナはかつてのシグマの反乱で、バーニン・ナウマンダーに占拠された総合火力発電所に赴いていた。
ひたすら前へと進む。
守備隊らしきものがわらわらと現れてくるがそれらはバスターとレーザーにより残骸と化す。
ランナーボムがエックスに向けて爆弾を投げるが、グライドアーマーによってパワーアップしたフルチャージショットにより、複数のランナーボムが塵と化した。

ルナ「バスターの出力が以前とは比べものにならねえな。今まではルイン以下なのに。グライドアーマーになんか仕掛けでもあったのか?」

エックス「…迷いを振り切ったからさ」

その言葉だけで何となく悟ったルナは笑みを浮かべた。

ルナ「迷いを振り切った…か。それは大いに結構。頼りにしてるぜエックス」

エックス「ああ」

ルナから見たエックスの戦闘力は精神面に大きく左右されるようであり、迷いを振り切ったエックスはその高い潜在能力を余すことなく発揮している。

ルナ「にしても、ここは確か、最初のシグマの反乱で占拠された場所だよな?エックス、懐かしいんじゃねえか?」

エックス「そうだな、ここは俺が初めて特A級ハンターに勝利した場所でもあるから印象深いよ」

ルインと共闘したとはいえ、格上の相手であったナウマンダーを倒した記憶は今でも残っている。

エックス「ここは俺がライト博士と再会した場所でもあるから…。ボルトルネード!!」

ハイウェイが全ての戦いの始まりの場所ならここは強敵との戦いを決意した場所。
懐かしさを感じながらもメカニロイドにボルトルネードを繰り出し、薙ぎ払う。

ルナ「トランスオン!!ガンガルン!!」

ガンガルンに変身し、軽快なフットワークで攻撃を回避し、至近距離からエネルギー弾を放つ。
そして次々に襲い掛かるメカニロイドとランナーボムを返り討ちにし、最奥部に向かう。





































最奥部。
かつてナウマンダーを破壊した場所でイグニスが佇んでいた。

ルナ「よお、イグニス。また会ったな」

イグニス「やはり来たか同胞。それから最後のライトナンバーズ、ロックマンX。」

ルナ「同胞?」

イグニス「お前も私達とルインと同じように人間素体型だろう?お前からは私達と同じ反応を持っているから一目で分かったぞ」

エックス「ルナがルインと同じ?ならお前達も元は人間だと言うのか!!?」

イグニス「そうだ。力を得るために貧弱な人間の身体を捨て、レプリロイドに進化した。世界の歴史は戦いの歴史…人々は戦いの中にあってここまで進化して来れた。今、世界は新たに進化しようとしている。この戦いで死んだ者は進化についてこれなかった…ただそれだけの事だ」

エックス「違う」

イグニス「何?」

エックス「そんな物は進化じゃない。俺はそんな物は認めない!!」

ルナ「大体、犠牲のある進化なんかねえよ。てめえがしてんのはただの“暴走”だ。」

エックスとルナの反論にイグニスはナックルバスターに手を伸ばす。

イグニス「自分の力の意味も知らないお前達に何が分かる。お前達が正しいと言うのなら私に勝ってみせろ!!」

ナックルバスターを構え、エックスとルナに向けて放つ。

ルナ「こんなもん…」

回避しようとした時、弾道が変化し、虚を突かれたルナは直撃を受けた。

ルナ「っ!!な、何だ?いきなり弾道が…」

エックス「気をつけろ。奴がルインのアーマーを元にして造られたなら性能も準ずるはず。奴はナックルバスターによる遠近戦闘もこなせる万能タイプ。パワーも他の奴とは比較にならないはずだ!!」

イグニス「ほう?流石だなロックマンX!!流石は今までの戦いをくぐり抜けて来ただけのことはある!!」

イグニスが距離を詰める。
ダッシュからメガトンクラッシュを繰り出す。

エックス「なっ!!」

イグニス「私はこの力を限界まで極めている。オリジナルに出来なかったことも出来る。」

ギリギリでダッシュメガトンクラッシュを回避したエックスはフルチャージショットを放つ。
ショット本体はかわされたが、追尾弾がイグニスに襲い掛かる。

イグニス「せいやっ!!」

ダブルメガトンクラッシュの炎が追尾弾を相殺し、ナックルバスターショットを連射する。

エックス「スナイプミサイル!!」

ホーミングミサイルを放ち、イグニスに喰らわせるが、微動だにしない。

ルナ「トランスオン!!ストンコング!!」

ストンコングに変身し、盾でショットを防ぐ。

イグニス「中々頑丈だな。だがいかに超硬石と言えど…」

ナックルバスターを勢いよく盾に叩きつけ。

ルナ「なっ!!?」

イグニス「私には砂糖菓子のような物だ!!」

一撃でストンコングの盾を粉砕する。
超硬石の盾をいとも簡単に。

イグニス「喰らえ!!」

もう片方のナックルバスターをルナの胴体に叩きつけ、吹き飛ばす。

エックス「ルナ!!」

イグニス「お仲間の心配をしている暇があるのか!!?グラウンドブレイクボム!!」

ナックルバスターから複数の爆弾が発射され、床に落ちる。
変身が解けたルナを抱えてエックスは即座に壁蹴りとグライド飛行を駆使して上空へと避難する。

イグニス「流石だな。英雄の名は伊達ではないようだな。悪いが地に這いつくばってもらうぞ。ブラストボム!!」

巨大な火球を作り、こちらのいる側へ真横に発射し、壁に当たると無数の小さい弾に分裂した。

エックス「何!!?」

驚愕するエックスだが、バーニアを吹かして、弾を回避するがイグニスはナックルバスターを床に叩きつけ、大ジャンプをするとエックスの真上に移動し、もう片方のナックルバスターをエックスの背中に叩きつけ、叩き落とす。
そして床に転がっていた爆弾が大爆発を起こし、エックスとルナは爆発に飲まれた。
かに見えた。
咄嗟にエックスはチャージボルトルネードのバリアで爆発から身を守っていた。

イグニス「成る程、流石だな」
ルナ「助かったぜエックス」

エックス「ああ………」

再び睨み合う両者。

イグニス「お前程の強者を倒すのは惜しいが、私の邪魔をするのならば倒さなければならないんでな!!」

ルナ「トランスオン!!デボニオン!!ボルトルネード!!」

高速回転し、電磁竜巻を突っ込んでくるイグニスに直撃させた。

イグニス「ぐあああああ!!?」

今までどのような攻撃を受けても微動だにしなかったイグニスが絶叫した。

エックス「電撃が弱点なのか?ならボルトルネード!!」

エックスも電磁竜巻を放ち、イグニスに直撃させる。

イグニス「ぐっ…舐めるなあ!!」

ダッシュメガトンクラッシュでエックスを吹き飛ばし、ルナにはショットで牽制。

イグニス「ダブルブラストボム!!」

真横、斜め上に向けて放たれた火球が壁に当たると同時に無数の弾がエックスとルナに迫る。
エックスはルナを庇うように弾を全身に受ける。

ルナ「エックス!!?」

落下していくエックス。
イグニスはナックルバスターを構えて、落下していくエックスに向かう。

イグニス「とどめだ!!」

メガトンクラッシュがエックスを捉えた。

エックス「ぐっ!!」

あまりの威力に人工血液を吐いたが、次の瞬間、笑った。
エックスを中心に凄まじい光の波動がイグニスを襲う。
グライドアーマー最大の技、ギガクラッシュ。
セカンドアーマーに搭載されていたギガクラッシュ、その派生系のファルコンアーマーのスピアショットウェーブとは比較にならない破壊力にイグニスは沈んだ。

ルナ「す、凄え破壊力…」

あまりの破壊力にルナは呆然となりながら呟いた。
エックスはバスターをイグニスに向けるが、戸惑う。
彼女がロボット三原則に適応される元人間であるためか、撃つのに戸惑いを感じた。

イグニス「くっ…とどめを指さないのか?甘いな…いいだろう。ここは退いてやる。私を生かしておいた事、いつか後悔させてやる!!」

イグニスに去るのと同時にルナはイグニスのDNAスキャンが終了した。

ルナ「エックス…」

エックス「すまない…撃たなくてはいけないのに…」

ルナ「いや、仕方ねえさ。相手は元人間だしな…俺があいつらの同胞ね…」

エックス「気になるのか?」

ルナ「いや、別に。あいつらはあいつら。俺は俺。帰ろうぜエックス。少し疲れた。」

エックス「あ、ああ…」

2人は火力発電所を後にし、ハンターベースへ帰還するのであった。 
 

 
後書き
イグニス撃破。
イグニスのDNAスキャン完了。
 
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