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転生赤龍帝のマフィアな生活

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十二話:聖女登場


「―――――ッ!!」

今日はすることもないので久しぶりにボンゴレのシマの見回りをしていると後ろから何やら悲鳴のような声が聞こえたので振り返ってみるとシスターが転がっていた……どういうことだ?
気づかないうちに殺ってしまったのか俺は?

(ただ単にこけただけだと思うのだが……。)
(俺は暗殺や奇襲に関してはオートで殺るように鍛えてあるんだよ、カストカゲ。お前も知ってんだろうが。)

そのせいで気づいたときには足元が死屍累々になってることが多々あるからな。偶にカスザメやレヴィが混ざってる時もあるがあいつらは何故か死なない。体が頑丈なんだろうな。

(まあ、相棒の異常さは置いておいて助けないのか?)
(俺がカスの為に膝をつくと思うか?)
(全く思わないな。)

そういうことだ、カスの為に膝をつくようなまねはしない、そもそも誰であろうと膝をつく気はない。ファミリーや地域住民であっても膝をつく気はない。俺が手を差し伸べるのは俺が膝をつく必要のない高さまで自力で手をあげれる奴だけだ。それ以外は部下にやらせるのが俺のやり方だ。

「あうう、何でいつも転んでしまうんでしょうか?」
(相棒、手の届く高さに上がったぞ?)
(仕方ねえな……施しだ、感謝するんだな)

シスターに近づき手を差し伸べる。こいつは運がいい、俺の後ろで転んだんだからな。
俺の後ろにいる限りは施しを与えてやる。俺の前に立つ奴は基本カッ消す対象だ。
今回だってもし俺の前で転んでいたなら堅気だからカッ消しはしないが転んだ姿を見て腹を抱えて笑いながら踏みにじってそのまま進んでいただろう。

(外道だな。)
(トカゲの釜茹で、でもやってみるか?)
(ご主人様!!釜茹では水ではなく油を入れるんです!!!そうすることで水よりも遥かに高い温度になり…ハアハア/////)
(((((レッツパーティー!!!!!)))))

早くシスターを助けてやろうそうすれば神の加護があるかもしれないしな。

「あうう…すいません、ありがとうございます。」
「施しだ、気にするな。」
「いえ、そんなことは――あっ!!」

風でシスターの被っていたヴェールが飛んでいきそうになったので掴む。
あらわになったシスターの顔は金髪にエメラルドのような目をしており、一目で日本人ではないと分かった。というか英語で話している時点で気づくべきだった。普通に話せていたから気づかなかった。

「すいません、ありがとうございます。」
「次からは気をつけんだな。」
「あうう……すいません。」
「ちっ……謝る必要はねえよ。」
「え?」

驚いたように目を見張るシスター、するとその瞬間先ほどよりもかなり強い風が吹いた。
シスターは今度こそはヴェールを飛ばすまいとしっかり両手で押さえている。だがそのせいで押さえられていないスカートがめくれ上がり見えてはいけないものが見えてしまった―――

「きゃっ!!?み、見ないで下さい!!!!!」
「なっ!!?」

混乱したシスターの鋭い拳が俺に襲い掛かる、何とかそれをギリギリでかわすが風圧で俺の髪がなびく……こいつ…一体!!?

「はっ!?す、すいません!!!は、恥ずかしくて……つい。」
「当たってねえから気にすんじゃねえ……てめえ、なんかやってんのか?」
「えっと……何かと言いますと…あ!!毎日、主への祈りを込めて―――」

そういうことを聞いたわけじゃないんだけどな……
まあ確かにお祈りをしているでも間違いではないんだが―――


「感謝の正拳突き、一万回をしています!!!」


そりゃ、それだけすれば風圧起こす位の拳にはなるよね?

「最初は中々終わらなかったんですけど、今では朝の礼拝の前に終わるようになったんです!!!」
「そ、そうか……頑張ったじゃねえか。」
「はい!!!」

本当に嬉しそうな表情で喜ぶシスター……その表情は可愛いんだが先程の拳が目にちらついて素直にそう思えない。と言うかこいつこけたせいかは知らないがおでこを怪我してるじゃないか、顔面からダイブなんて中々やるな、感心した。

(感心するところがおかしくないか?)
(気にするな。)
「動くな。」
「え?」

驚いて目を見開くシスターを無視しておでこに手を当てて晴れの炎の活性で傷を治す。

「治療はした、後は勝手にしろ。」
「あ!!治ってます!!もしかしてあなたも神器(セイクリッドギア)を持ってるのですか?」
「てめえもあるのか?」
「はい、治療の力です。神様からいただいた。」
「そうか……まあ、俺にもあるが今のは違う。」
「え?」
「死ぬ気の炎だ。」

掌に死ぬ気の炎を出してシスターに見せる。

「はうう……綺麗です。」
「綺麗……か。」

そんなこと初めて言われたな、俺の炎は大体敵をカッ消す時にしか使わないから死の象徴的な扱いをされているからな。こういった反応は新鮮だな。

「はう!!そう言えば私の言葉が通じてるんですね!!すごく嬉しいです!!!」
「……道にでも迷ってんのか?」
「はい!!私、今日付けでこの町の教会に赴任して来たんですが……道がわからなくて。」

そこまでシスターが言ったところで教会に向かって歩き始める。しかし、なぜか俺に見放されたと思って落ち込み始めるシスター。……何やってるんだよ。

「あうう……こ、これからどうしましょう。」
「何やってる……さっさと付いて来い。」
「え?」
「二度は言わねえ。」
「あ!!はい、ありがとうございます!!!」

ちっ、調子の狂う奴だ……黙って俺に付いて来いってんだよ。




「あ…すいません。少し待っててください。」

突如そんなことを言って転んで泣いている子供のところへ向かうシスター。
面倒なことをするもんだな。

(今回は助けないのか?相棒。)
(ガキであろうと俺の前を行くことは許さねえ。勿論、施しなんざ与えねえ。)

てめえらは黙って俺の後ろに付いてくればいいんだ。
俺に従わない奴は根絶やしだ、灰も残さん。

(もはや日常生活に支障をきたすレベルではないか?すれ違う時や相手が先で待っている場合はどうするのだ?)
(堅気には手は出さねえし、カスははなからカッ消す価値すらない。)
(さすがは相棒だな、いっそすがすがしい。)

ドカスは生かす気がないから容赦なくカッ消すが、それ以外は俺が認めない限りは敵としても認知しない、その場に存在しないものとして見る。俺が認めた奴以外は俺にカッ消される権利もねえ。認められた奴だけが俺にカッ消される権利を持てるんだ、ありがたく思え。

(全くありがたくないな。)
(お前はとうの昔に権利を有してるぞ?)
(通りでカストカゲと言われながらもカッ消されるわけだ……。)

因みに堅気でも余りにもムカついた場合は殺さない程度にカッ消す。
エロ馬鹿二人組がいい例だ。
などとカストカゲと話しているうちにシスターはガキの治療を終えていた。

「はい、これで大丈夫です。」

ガキは言葉が分からずにポカンとしている。
そうしているとガキの母親らしき奴が出てきてシスターを怪訝な表情で見つめ礼すら言わずにガキを連れて立ち去ろうとしたので、一睨みしてやった。
すると母親は俺にビビったのか足早になって立ち去ろうとしたが
ガキだけは振り返って―――

「お姉ちゃん!!ありがとう!!!」

と言った。中々筋の通ったガキじゃないかそう思いガキを見ると目が合い―――泣き出した。
……なぜだ?なぜ目が合っただけで泣き出すんだ?

(一度鏡を見てみたらどうだ?相棒。)
(おい、変態共(てめえら)釜茹でにしてやるからそこのカストカゲも一緒に連れてけ。)
((((((イイイイイヤッホオオオオオオオオウッッッ!!!!!))))))
(ま、待て!!よせ!!!やめろおおおっ!!!??)
((((((イヤアアアアアッッッ!!!レッツパーティイイイイイッッッ!!!!))))))

これでしばらくは大人しくなるだろ、さて何を言われたか分からずにポカンとしているシスターに何て言われたか伝えてやるか。

「ありがとうだとよ。」
「っ!!良かったです!!!」
「行くぞ。」
「はい!!!」

こいつも大分、分かってきたじゃないか、そうだ俺の後ろに付いてきてれば何も問題はないんだ。安心しろ、俺の後ろにいる限りは守ってやる。




「あそこが教会だ。」
「はい!!案内してくださってありがとうございます!!!」
「そうか……」
「どうかされたんですか?」
「いや……なんでもねえ。」

どういうことだ?なんで教会の中から堕天使の気配がするんだ?
敵対している奴らが堂々と教会に入ってるん何ておかしいだろ?
このシスターも何かつるんでやがるのか?

「えっと……どうかしましたか?私の顔に何か付いてますか?」
「いや……綺麗な髪だと思っただけだ。」
「ふえっ/////!!?あ、ありがとうございます……。」

どうやらつるんでない、もしくは何も知らされてないみたいだな、超直感も反応しないから、まず間違いないだろ。

「あの……お名前だけでも聞いてよろしいですか?」
「兵藤一誠だ。好きなように呼べ。」
「アーシア・アルジェントです。……えっと…イッセーさん、そのよろしければ―――わ、私と友達になってくれませんか?」
「………ぶっ!!はーはっはっは!!!俺と友達になってくれだと!!?」

『暴君』、『最恐の赤龍帝』、マフィアからは恐れられ、ろくな呼び名もない俺と友達になってくれだと?こんなに真っ直ぐに?ただ親睦を深めたいが為だけに?

最高だ!!!こんな面白い奴またといない!!!

欲しい!!!こいつが欲しい!!!!!

「えっと……やっぱりおかしかったでしょうか?初対面の人にこんなことを言うのは…。」
「そう言う意味で笑ったんじゃねえよ。友人なんて呼べる存在俺にもいねえからな……同じような奴がいるもんだと思っておかしくなっただけだ。」

俺の周りにいる奴らは基本部下か家族だ、友達と呼べる存在なんてイリナ程度だが、あれもなし崩し的になっただけだしな、本当に友と呼べる存在なんて今までいなかったのかも知れない。

「いいだろう、今からてめえと俺は友達だ、感謝しな。」
「ほ、本当ですか!!?ありがとうございます!!!」
「親睦の印だ、受け取れ。」
「えっと…指輪ですか?」
「ああ、そいつを肌身離さずつけとけ。そうすりゃ、お前がどこにいようと俺と繋がっていられる。俺はてめえを逃がす気はねえからな。」
「あうう//////わ、わかりました。」

何をする気かは分からないがカラス共にこいつを渡す気は毛頭ないぜ。
なにせこいつは俺の友人なんだからな、守ってやるさ。
こいつは俺のもんだ。こいつを俺から奪おうってなら―――カッ消すまでだ!!!




~おまけ~


「すぅー…すぅー…。」
「寝てんのか?」
「お嬢様は坊ちゃまを待っていたのですよ?でも待ちきれなくて寝てしまわれたのです。」
「そうか……悪かったな。」
「……おにいちゃん…。」
「寝言か?」
「……だいしゅき…。」
「っ!!?………………」

「坊ちゃま、顔がにやけていますよ?」
「なっ!!?これは違えよ!!!」
「静かにしてください、お嬢様が起きてしまいますよ?」
「ぐっ!!………くそったれが。」
「それにしても……照れる坊ちゃまもやっぱり素敵です。写真に収めれば良かったです。」
「カッ消すぞ、てめえ…っ!!」

「うふふふ、照れ隠しする坊ちゃまは可愛いです。」
「ちっ、もういい。」
「怒らないで下さい、坊ちゃま。今日は坊ちゃまの好きなフィレ肉ですから。」
「……ふん。」
「……むにゃむにゃ……ふふ……。」
「お嬢様幸せそうですね、どんな夢を見てらっしゃるのでしょうか?」


~おしまい~
 
 

 
後書き
アーシア登場です。アーシアは強化します。 
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