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『曹徳の奮闘記』改訂版

作者:零戦
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第三十八話




―――シ水関―――

「長門。いきなりの召集とはどういう事じゃ?」

 零が俺の顔を見るなりそう言ってきた。

「理由は今から話す。皆はいるな?」

「皆いるの」

 沙和が点呼の確認する。

「実は今、連合軍は落とし穴―――堀を埋めようとしているが、これは罠だ」

「どういう事ですか隊長?」

 凪が聞いてくる。

「堀を連合軍が埋めようとするなら必然的に俺達はそれを阻止しようと攻撃しなければならない。けど、これがあかん。連合軍は大砲の砲弾を消費させようとしている」

「「「ッ!!」」」

 俺の言葉の意味に、クロエとロッタ、真桜が気づいた。

「………そういう事か」

「クロエ、お前は分かったんか?」

「あぁ、それに真桜も薄々気付いてはいるだろう?」

「……うん、気づいたわ。砲弾は無限やなくて、有限や」

 真桜は皆に説明する。

「最初の砲弾の数は二百発。先日の戦闘で六発を使ったから残りは百九十四発、うち二十発はまた違う大砲の砲弾やから、百七十四発や」

「けど、何か問題があるのか?」

 焔耶が聞く。

「南陽におった頃は製造してたけど、今はしてへんから補給が出来ひんのや」

 真桜が溜め息を吐いた。

「むぅそれはちと辛いのぅ」

 零が腕を組んで唸る。

「そこでだ。これから新たな作戦を言う」

「何か手立てはあるんか長門?」

 霞が聞いてくる。

「一応はな。連合軍の士気は落とせるはずだ」

 俺は皆にニヤリと笑った。




―――連合軍の輸送路―――

ガラガラガラ。

 何台もの食糧を載せた荷台が林近くの道を走行している。

「はふぅ~」

「穏様、だらけては駄目ですよ」

 食糧部隊を護衛しているのは孫呉軍の軍師である陸遜と呂蒙だった。

「でも~、陣内は雪蓮様達の重苦しい雰囲気で一杯だから少しは息抜きしないと~」

 孫呉軍の中では、兵士の士気は普通であったが将達の間では重苦しい雰囲気があった。

 このまま美羽達を攻撃していいのか?

 軍の指揮官である雪蓮は攻撃を出来るだけしないようにしていた。

 母親である夏蓮は雪蓮の決定に何も言わなかった。

 本人曰く「私は既に王を雪蓮にあげたのだから私がとやかく言う必要は無い」との事だ。

「文句言わないで頑張りましょう穏様」

ジャーンッ!!ジャーンッ!!

「「ッ!?」」

 呂蒙がそう言った時、銅鑼の音が響いた。

「『レイ』ッ!!」

 何処から女性の、声が聞こえた。

「り、陸遜様ッ!! 上をッ!!」

 兵士の言葉に陸遜と呂蒙が上を見上げた。

「「なッ!?」」

 上から光線が降ってきたのだ。

「全員退避ですッ!!」

 呂蒙の言葉に兵士達が慌てて荷台から逃げるが遅かった。

ドカアァァァーンッ!!

『ギャァァァァァーーーッ!!』

 逃げ遅れた兵士は、光線に押し潰されて圧死したり身体が重みに耐えきれずに腹がビシャアッ!!と血をばら蒔けたりした。

「突撃ィッ!!」

『ウワアァァァァァァーーーッ!!』

 突然、林から袁術兵が飛び出してきた。

 不意を突かれた孫策軍は、完全に混乱をしていた。

「み、皆さん落ち着いて~」

 陸遜と呂蒙は必死に立て直そうとするがとても無理な状況だった。

「『フォトン』ッ!!」

 突然、陸遜と呂蒙の馬の足下から光りが出現して二人の馬が、光りが炸裂したせいで怪我をした。

「きゃッ!? の、穏様、大丈夫ですかッ!!」

 馬から落馬した呂蒙は陸遜の安否を問う。

「……ゴメンね亞莎ちゃん。捕まっちゃった……」

 呂蒙が振り返ると、クロエに剣を突きつけられた陸遜がいた。



―――シ水関―――

「長門。敵将を二人捕まえてきたぞ」

「お、ご苦労さん」

 ロッタとカノンノ、星、凪、兵士五百が無事に帰ってきた。

「あらま、敵将の一人は陸遜か」

「あははは。お久しぶりです王双さん~」

 陸遜はのんびりとした様子で俺に挨拶をするが………。

「なぁ陸遜。あのかなり俺を睨んでいる子は誰だ?」

「はい~同じ軍師の呂蒙ちゃんです」

「…………」

 ……かなり睨まれている。

「そんなに俺が憎いのか?」

「い、いえ違いますッ!! その……目が悪くて……」

「なのでついじっと見ちゃうんですよ~」

 あぁ成る程な。

「ま、二人には悪いけどしばらくは捕虜として生活してもらうけど、そんな酷い事とかはしないからな」

 俺は予め釘を刺しておく。

「はい~分かりました~」

「は、はい」

 二人は頷いて、兵に案内所されて部屋に向かった。



―――孫呉陣営―――

「何ですってッ!? 穏と亞莎が袁術軍に捕らわれたですってッ!!」

「は、はい」

 兵士からの報告に雪蓮は頭を押さえる。

「………処刑される事はないと思うけど、士気は下がるわね」

「そうだろうな」

 周瑜は溜め息を吐いた。

「………最悪の場合も想定しないとな」

 周瑜の言葉に雪蓮は頷いた。




 
 

 
後書き
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