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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第六十一話 Jungle Maze

 
前書き
ネクロバットを下したエックス。
ジャングルと化したレプリフォースの研究施設に向かったルインは…。 

 
レプリフォースの研究施設に辿り着いたルインは辺りを見回した。

ルイン「ここが、あのレプリフォースの研究施設?前に来た時とは随分変わっちゃったなあ……」

シグマウィルスにより気象管理ユニットが暴走し、植物が機械を覆い隠すほどに成長している。
現在では全く自然の環境など存在しない。
自然を未来に残すために造られた半分機械の人工植物しか今の地球にはない。

ルイン「この研究施設の何処かにいる正体不明のレプリロイド…ローズレッド…か……」

薔薇を1本抜き、その美しさと香りに顔を綻ばせた。
ルインはZXコンポジットを抜き放ち、セイバーモードに切り換え、チャージする。
そしてルインに向かって来るイレギュラーに対して振り下ろす。

ルイン「はああああっ!!」

チャージセイバーによる衝撃波に飲まれ、イレギュラーは爆散した。
オーバードライブを駆使し、エネルギーを全開にしつつジャングルの中を突き進む。
これまで数多くの犠牲を超えながらルインはここまで生きてきた。
戦争の犠牲者達が眠る場所の1つ。
敵味方を含め数多くの犠牲の果てに守り続けてきたこの世界。
シグマの姦計などで滅ぼしてしまっては、彼らにあわせる顔もないのだ。
そんなルインの行く手を阻むのは例によってシグマウィルスに感染しイレギュラー化したレプリロイドやメカニロイド。
中にはあの戦いで滅んだはずのレプリフォース兵士達の姿もあった。
そんな彼らを斬り伏せながら進むのはやはり辛いものだ。
だがルインは耐えに耐えつつ先へ進む。

『ルイン…』

ルイン「え…?」

聞き覚えがある声に足を止めるとライト博士のカプセルがあった。

ルイン「ライト博士…」

ライト『急いでいるところを申し訳ない。エックスに渡して欲しい物があるのじゃ。』

ルイン「エックスに?」

ライト『うむ、ファルコンアーマーと対を為すアーマー、ガイアアーマーのアーマープログラムじゃ。ルイン、これからもエックスと共に戦って欲しい。あの子を支えてほしいのじゃ…』

そう言ってライト博士はルインに向かって深々と頭を下げる。
そんな彼を真っ直ぐに見据えルインは力強く答えた。

ルイン「はい、ライト博士…博士に言われなくても…私はエックスを支え続けます…えっと…その…大切な人だから……」

赤面しながら言うルインにライト博士は何となくだが、今のエックスとルインの関係が分かった気がした。

ライト『ありがとう、ルイン。君はエックスに愛を与えてくれたんじゃな…』

ルイン「あ、愛って…と、とにかくパーツファイルを…エックスに渡しておきますから…」

ライト博士がルインに手渡すのはガイアアーマーのフットパーツプログラムである。

ライト『このカプセルで与えるのはフットパーツじゃ。ガイアアーマーのフットパーツは機動力の向上こそ無いが、脚部の耐久力を極限まで上げる事で如何なる悪路をも突き進む事の出来る特性を持つ。ファルコンアーマーと使い分ける事でいかなる地形にも適応可能となるはずじゃ。この力を以ってこの未曾有の危機から何としても世界を救ってくれるよう、エックスに伝えて欲しい』

ルイン「あ、はい…」

ライト『それから…』

ルイン「?」

ライト『私の息子を頼んだよ…ルイン』

そう言い残すとライト博士は例によってパーツファイルをルインに渡すと姿を消す。
ライト博士の言葉の意味に気づいたルインは赤面しながらパーツファイルをハンターベースに転送する。
そして再び、ジャングルを駆け抜ける。



































一番奥の部屋に入ると薔薇の花びらが舞う。

ルイン「うわあ…」

華麗な花びらの舞に思わずルインは見取れてしまう。

「誰…?」

ルイン「え?」

奥から聞こえてきた声に反応すると、薔薇型のレプリロイドが立っていた。

ルイン「えっと…君がスパイク・ローズレッドなの?」

ローズレッド「そうだよ。あ、あんたもしかしてルインって人?」

屈託なく微笑みながら歩み寄ってくるローズレッドに話が通じそうだと安堵したが、少し疑問が生じた。

ルイン「君はシグマウィルスの影響を受けないの?」

シグマウィルスが蔓延するこの施設内にいてもローズレッドは正常そのものだ。

ローズレッド「それは僕がこの施設の植物とシグマウィルスが融合して誕生したレプリロイドだからさ、つまり僕は生まれながらにシグマウィルスの抗体を持っている」

ルイン「…そうなの?ローズレッド、悪いことは言わないから早くここから出た方がいいよ。ここはイレギュラーの巣窟と化してるんだから」

ローズレッド「心配してくれてるの?」

ルイン「当たり前でしょ?生まれはどうあれ、君自身はイレギュラー認定されるようなことを何もしてないし」

ローズレッド「イレギュラー認定ね……そのイレギュラーって判断は勝手すぎない?」

ルイン「え?」

ローズレッド「だって、本来同志であったレプリフォースさえも些細な誤解からイレギュラー認定してしまったんだろ?」

ルイン「ち、違うよ!!あの時はイレギュラー認定が早過ぎて……レプリフォースの軍人達は誇り高い人達ばかりだったから…」

ローズレッド「……イレギュラーハンターは怖い奴らばっかりだよ。噂通りに抵抗したら殺されそうだしね」

ルイン「そ、そんな…私達は」

最近イレギュラーハンターに対する目が厳しい。
最強のイレギュラーハンター・シグマが反乱を起こしたのもあるのだろうが…。
元々イレギュラー=処分の鉄則を掲げるイレギュラーハンターは無害なレプリロイドからも恐れられていた。
横暴なハンターの取り締まりに不満を持つ者も少なくない。

ローズレッド「僕はここを出ていくつもりはない。ここは僕が生まれた場所、僕の家だ。どうしてもここから退かしたいなら僕を処分すれば?」

ルイン「え…?」

他人事のように言うローズレッド。
恐怖も憎しみもなく、彼の声は淡々としていた。

ローズレッド「さっさと撃ったら?今までもそうしてきたんでしょ?」

ルイン「違う!!」

ローズレッドの言葉にルインは叫んだ。
ルインの叫び声にローズレッドは思わず目を見開いた。

ルイン「私は…私や私の仲間は望んでレプリロイドを倒したことなんてなかった…どうしてレプリロイド同士戦わなきゃいけないの?私は…私もエックスも戦いなんて…嫌なの…」

血を吐くような声で言うルインにローズレッドは口を開いた。

ローズレッド「………甘いよ。その甘さがいつか命取りなるよ。」

ルイン「うん、分かってる。でも嫌なの…罪のないレプリロイドを倒すのは嫌……」

2人の会話が続き、いくばくかの沈黙が流れ…ローズレッドはある物をルインに渡す。

ルイン「これ…DNAデータとカードキー?」

ローズレッド「僕のDNAデータとこの奥にある扉を開けるためのカードキー。部屋はパワーアップパーツを造るためのラボになっていてこの施設のレプリフォース兵士用のパワーアップパーツがある。いくつかは大戦の影響で壊れちゃったけど使えるのもいくつかはあるはずだ。」

ルイン「いいの…?」

ローズレッド「ああ、僕は今まで処分される気持ちしか考えたことなかったけど…処分する人達も苦しいんだって知った…あんたみたいなハンターがいて、嬉しかったよ…言い忘れてたけど、ここのイレギュラーはシグマウィルスと融合して生まれた僕を敵とは認識しないんだ。だから攻撃される心配はないし、ウィルスに感染することもないから大丈夫だよ。コロニー落下も防げたから、ここで穏やかに暮らしていくさ…じゃあまたね、あんただったら遊びに来てもいいよ」

ローズレッドは微笑し、手を振りながらジャングルの奥へと消えた。

ルイン「ありがとう…」

ローズレッドの後ろ姿を見ながらルインは感謝の言葉を囁いた。


































ローズレッドから貰ったカードキーを使い、ラボに入ると、大量のパワーアップパーツがあったが、大戦の影響で壊れており、使えそうなパーツは少ししかなかった。
自分達でも扱えるようにルナに改良してもらわなければとパーツを持って施設を後にした。 
 

 
後書き
戦わずに終了。

特殊武器・必殺技入手。

ルイン特殊武器

スパイクロープ

性能はエックスと同じ。
チャージ不可。

ルイン必殺技

無し

エックス特殊武器

スパイクロープ

性能は原作に準ずる。

ゼロ必殺技

双幻夢

原作に準ずる。 
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