「【IS】例えばこんな生活は。」の感想

しのざき
しのざき
 
良い点
楽しませていただきました!(^^)
 
コメント
ゼゼーナンと楯無さんの所では是非ともキスをして欲しかったです。そこで昇天。
(まあそ楯無さんがピンクのヒキガエルに変身するとかでもおもしろいかも…(^_-)) 
作者からの返信
 
なるほど、つまりカエルになってしまう呪いは伝染する……ということは、こうか!



 翌日生徒会室に行くと、何故か10歳くらいの男の子が――何故かミリアを展開してオロオロしながら水色のヒキガエルを抱えて慌てていた。うん、意味が分からない。ゼゼーナンいないし。しかもなんか床にIS学園二年生の物と思われる制服とかパンツとかブラが落ちている。

「どどどどどどどうしよう!カタナがカエルになっちゃったよぉ!!」
『シャキッとなさい、男の子でしょ!!いい?まずはデスクの一番大きな棚を開いて空飛ぶ絨毯型タイムマシンを……』
「ミリアもシャキッとしてないよぉ!!」
『今のは小粋なジョークよ!!もう、こんなことになるって知ってたら私だって楯無を止めたのに!!それもこれもボウヤが最後にキスしたいとかマセたこと言うから!!』
「あのー、何事ですかコレは?」
「あっ、ゴエモンにいちゃん!!」
『遅いわよゴエモン!!早くカエルの呪いを解きなさい!!』
「キュッキュッ(カエルは嫌ぁぁぁぁ~~~~~!!元に戻してぇぇぇぇ~~~~~~!!)」
「カオス・ザ・ワールド……何が起こっているんだ」

 話を要約するとこうだ。
 少年はゼゼーナンらしい。悪い事をした罰として何者かにカエルに変えられ、ずっとカエルとして生きていたそうだ。しかしカエリンガルの存在によって話をした楯無はその事情を知って悲しみ、何かお願いを聞いてあげると約束したそうだ。そして……

『ぼく、カタナのことだいすき。カタナとキスしたい』
「え、ええっ!?………んん、もう!と、特別なんだからね………?」

 大嫌いなはずのヒキガエル。でも中身は男の子で、自分はやってあげると約束した。ならば、ここでやらぬは更識の名折れ。楯無(刀奈)は意を決して元少年にキスをした。……ファーストキスである。少年が満足するならいいけど、カエルとはちょっと嫌だなぁ、と彼女は内心で呟いた。
 すると、何という事でしょう!カエルの身体が見る見るうちに膨らみ、生まれたままの姿の少年が現れたではありませんか!少年は人間に戻れたことに感激し、楯無(刀奈)に抱き着こうとました。
 ところが仰天!何故か目の前にいた筈の楯無(刀奈)の姿がありません。少年が慌てて周囲を見渡すと、「キュッキュッ」と聞き慣れた鳴き声が!なんと、足元に楯無(刀奈)の着ていた服の中で鳴く水色のヒキガエルがいるではありませんか!!

「も、もしかしてカタナ!?」
「キュッキュッ(ちょっと、何よこれ!?え、ヒキガエル嫌いだったのが気に入らないから私を呪った!?)」
『何てこと……坊や!今すぐ私を拾いなさい!』

 ここでミリアがやっと事態を把握して少年に自分を拾わせた。これはオウカと同じ原理でIS展開することで、少年が変な勘違いや乱暴な真似をしないための緊急措置だった。そんなこんなで状況はゴエモンが生徒会室に入ってきたところに戻る。

「どうしようどうしよう、ぼくのせいでカタナが!!」
「キュッキュッ(こんなのあんまりよ……う、う……うえぇぇぇ~~~~~~~ん!!)」
『どうすんのよどうすんのよ!ISに呪いなんて解けないわよ!?』
『ゴエモン!タテナシを助けないと!!』
「ええっ、俺がどうにかすんの!?」

 生徒会長にかけられた呪いはその後キスをした相手に移るという性質が発見されて、仕方なく少年と楯無はその日の用事や状況を使い分けて何度も何度もキスすることになる。しかもカエルから人に変わるために、人間に戻ると強制全裸。結果、少年と会長は何度も相手の裸を見ては恥ずかしさに赤面することになった。
 どうも世の中はグリム童話のようには上手く行かならしく、結局呪いが消えるのは何年も後の話になった。

 だが、ひとつだけ童話と同じところがある。

「カタナ、だいすきっ!」
「ふふ……甘えん坊さんね♪」

 カエルの呪いが解けた王子様はお姫様と結婚する――ってな所とか?