つぶやき

海戦型
 
ヒロアカ二次
僕のヒーローアカデミアの二次創作にはなぜか碌なものがない、とかいうと書いてる人に怒られそうですけど、碌なものがありません。お前も没ストーリーで書いとるやんけと思うかもしれませんが、自分の作品なんぞある種一番信用できないのでいくらけなしてもいいと思います(←おい)。

で、何故ヒーローアカデミアの二次創作にいいのがないのかを頼まれてもないのに考えてみました。こういうつぶやき凄い久しぶりな気がする。


①そもそもヒロアカ自体後から手を加える必要性を感じない

ヒロアカに限らない話なのですが、物語や雰囲気が完成されていたり無駄が少ない話というのは、根本的に二次創作で話を膨らませにくいというのはあります。特にヒロアカは喋るキャラはほぼ例外なく非常に作り込まれているしバックボーンありきの「中身があるキャラ」なので、イジるのが難しいし無理矢理イジると無理やり感が出てしまいます。

また、主要キャラクターたち全員が「成長していく」、サクセスストーリーとしてのイベントが今後も用意されているであろうことが容易に想像出来る以上、下手な事をするとヒロアカの魅力を大きく潰してしまう可能性があるのも困った所です。


②「個性」の魅力をよく理解できてない人が多い

二次創作の定番、チート能力。そしてヒロアカ世界は「個性」という超異能社会。一見してチートを導入しやすい世界観に思えます。しかしここが実は罠。ヒーローアカデミア世界の個性というのは「長所」「短所」「特徴」が非常に極端にハッキリしているのが魅力的なので、そこを押さえないと「浮く」のです。

もちろん強キャラ敵キャラには欠点らしい欠点のない奴もいるにはいますが、総じて「個性」は実戦や訓練で鍛えないと使い物になりにくかったり瞬間的な判断が成否を分けたりと「経験」が占めるウェイトが大きいです。また、欠点や短所をどう補うことでヒーローとして完成するかというのがヒーロー候補たちの命題。ひいては物語の見どころでもあります。
なので、ここで安易に欠点がない、もしくは少ない単純チート能力を持たせてしまうと、ヒロアカ全体のテーマでもある「成長」が欠落してしまいます。


③憑依モノ、特定キャラ不在は特にまずい

もともと憑依モノ事態賛否の分かれる手法なのですが、入学枠が少ないからといって安易に必要なさそうな主人公クラスのキャラを潰してしまうのは危険極まりないです。前述のとおり作者様はキャラメイクに並々ならぬ情熱を注いでいるので、全キャラが準主役級の情報量を誇っています。

なので、安易に潰すとそのキャラのこれからの全部のストーリーを変更しなければならなくなります。それが上手く面白い感じに仕上げられればいいですが、物語の性質上「個性」が密接に絡む可能性の高いそれは、余りにもハイリスクに過ぎます。


④キャラの咀嚼ができていない

繰り返しになりますが、この作品はキャラの作り込みが凄いので、キャラの言動もかなり性格や信念に根差したものとなっています。なのでキャラをちゃんと把握したうえで台詞を回して状況を作らないと、原作ファンが見て首を傾げるような展開になってしまいます。

これが実は一番大きな違和感になりがちで、例えば爆豪が見た目横柄で短気な性格なのでそういうモンだと安直に書くと、すぐ別人化します。何故なら爆豪は見た目以上に複雑でみみっちい性格だから、そう単純なキャラじゃないんです。

更に被害が大きいのが教師陣、特にオールマイトと相澤先生辺りです。主人公を凄いキャラにしたい余りこの人たちに下手な事を喋らせると、一気にチャランポラン教師に早変わり。ヒロアカという作品は「大人」と「子供」の在り方にかなり明確なラインが引かれているため、このラインを意識せずに書けば大人の大人感が全部台無しになります。



とりあえず思いつく問題はこの辺ですかね。あと勘違いされがちなんですが、ヒロアカ世界は個性至上主義社会とそれに割を食う存在、とかヒーロー制度の穴や非合法活動の活発化など、結構世界観はハードだったりします。その辺考えないと、安い作品になってしまう訳ですね。

作品の特徴とリスクリターンを正確に把握しないと、いい作品とは生まれ辛い。二次創作のくせにいい作品って何だよと思うかもしれませんが、二次創作の方が原作を超えるのも近年はそんなに珍しくないと思っています。

果たしてヒロアカ二次はこれから発展するのか。するといいなと思いつつ。オチなし。