つぶやき

海戦型
 
I can`t back to the yesterday
猛烈にどうでもいい話を大爆発させるので「興味ないね」な人は見なくていいよ。


私は昔、二次創作の世界のなかでmugen界隈に住んでいたというどうでもいい情報を流した気がしますが、今でも片足突っ込んだままだったりします。mugen、それすなわち無限の可能性。mugenについての説明は省かせていただき、mugen世界に存在するキャラクターならばどこの会社の何のキャラであれ、或いはどこの会社のキャラでもなくたって好きに解釈し、好きに配役し、好きなストーリーを作ることが出来ます。クロスオーバー無制限、キャラ崩壊設定崩壊、或いはその逆も何でもありのお祭り騒ぎ。
ぶっちゃけ法的にかなりのグレーゾーンでブレイブルーとモメたこともありますが、礼節さえ弁えればそこにはかなり自由度の高い世界が待っています。

で、そんなmugenをベースにストーリーを作る場合、それをmugenストーリーと呼びます。基本的には動画形が主流ですね。かなり内容が酷いものもありますが、最上位ともなると見る人を思わず唸らせる程に緻密なストーリーを展開していたり編集技術が凄まじかったりと創作としても高レベルな世界になっています。

で、私のおすすめがこれ。「I can`t back to the yesterday」。
投稿はニコニコ動画。だいぶ昔から見ており、近年最終話が着々と近づいています。

タイトルは昨日には戻れない的な意味です。なお、世界観はストリートファイター、悪魔城ドラキュラ、ロックマンX辺りをベースにいくつかの作品の設定やキャラを絡めて展開されています。作者のケージュ氏のキャラ愛と動画制作者としての成長が止まらない大作です。


 作品概要

最強を目指して戦いに明け暮れていた男、カンフーマン。彼はあるとき自分の人生を見つめ直し、人を傷つける格闘家ではなく人の為になる事をしたいと考えた。考えた結果、カンフーマン(以下カンさん)はアパートの管理人になって人に安心して住める場所を与えたいと思い、行動に移す。
で、さっそくアパートを購入し、ついでに近所の教会の神父であるリヒター・ベルモンドという住民一号まで獲得したカンさん。しかしその時、だれも住んでいない筈のアパートから黒くて丸いものが現れる。
その黒くて丸い物との出会いが、カンさんの運命を加速させていく。

ストーリーは基本的に主人公カンさんとアパートの住民たちを主役として進み、序盤はギャグが多い。しかし実際には隣り合わせで恐ろしくシリアスな部分も内包しており、笑いあり、涙あり、熱血ありの感動ありな内容になっている。一見してバラバラに見えるストーリーが次第に収束していく構成は非常に見ごたえがある。

(……初期は戦闘音がなかったり誤字が目立ったりと動画として未熟な部分があるが、それらの問題は話数を重ねるごとに改善され、現在ではmugen界隈でも屈指の編集力で視聴者の視線を釘付けにしている)


 ざっくりキャラ紹介(※「作中」はmugenストーリー内を指します)

カンフーマン……mugenというゲームの初期キャラにしてmugenキャラ全ての母、基本、はじまりのキャラクター。mugen界隈ではビジュアルの地味さもあってモブキャラに重宝されるが、実は性能的にその辺の格ゲーキャラに引けを取らない高性能だったりする。カンフーマンの形を残した改変キャラクターは星の数ほどある一大勢力。
作中のカンさんは精神的に熟成した大人だけど、ヘンなところで子供っぽかったり面倒くさがりで大雑把な所があったりと子供っぽい所もある。そのマイペースさが彼の安定感を生んでいる。後に登場するキャラを弟子にするが、精神的な部分以外は基本的に放任主義。
長年格闘家をしていたためか人間観察力と格闘家としての実力は高く、純粋な戦闘においては作中でもトップクラス。カンフーを使っているけど実は普段使わない多彩な技の数々を持っている。

リヒター・ベルモンド……悪魔城ドラキュラシリーズで何度か主人公を務めたキャラクター。ちなみにリヒターは作品によってちまちまデザインが変わっているため最初はキャラグラと実際に戦うキャラが一致していなかったが、後にケージュ氏がドット改変して一致させた。
作中のリヒターは原作と違い単身でドラキュラを退治したことになっており、ベルモンド家としての義務を果たした後は神父をしている。「違いが分かる男」と称されるほどに独特の感受性(世間とはズレまくっている)を持つお茶目さんだが、ドラキュラとの戦いで身に付いた戦いの知識と冷酷さが時々垣間見える。

黒くて丸いの……mugenオリジナルキャラ「ADS」のこと。丸くてぷかぷか浮いているというよく分からないデザインに反し、その性能はおよそ平均的な格闘ゲームキャラの枠に収まらないデタラメなもの(mugen世界ではキャラのカラーによって性能が変わることもあり、凶悪なキャラでは特に顕著。ADSは1Pカラーは普通に倒せるが、7Pカラー辺りからヤバくなっていく)。
作中ではカンさんに「ハーツ」という名前をつけられる。全く正体不明で喋れないが高い戦闘能力を持ち、しかし当人は戦いが苦手で優しくて気の弱い性格。食事もできるぞ。慣れると割とかわいい奴だが、その謎の能力が後にストーリーに深く食い込んでゆく。

ショーン・マツダ……ストリートファイター3に登場するキャラ。同作品キャラのケンの弟子で黄色い胴着が特徴。稼働当初は強かったが後に弱体化を喰らって最弱キャラに転落した不運なかりんとうヘッド。この作品のショーンはその最弱の方。(´・ω・`)ショーン。
作中では指導を面倒くさがったケンによってリュウが彼の指導を押し付けられていたが、格闘大会でカンさんに出会ったのをきっかけにアパートで修行することに。調子に乗りやすく見栄っ張りの知ったかぶりでしかも弱いという情けない男だが、性根はなかなかの男前。格闘家としての向上心は本物で、土壇場に強い。
本人は自分の駄目なところを自覚しておりモテない男と公言しているが、たびたび女性キャラ関連でおいしいポジに抜擢されては視聴者に「おのれショーン!」と言われている。

リン・ベーカー……知名度の低い良格ゲーと評判のレイジ・オブ・ザ・ドラゴンズのキャラクター。黄色い胴着とルーズソックスがおシャレなチャイナガール、といいつつ中国人とアメリカ人のハーフ。原作ダイヤ的にはなかなか強いがゲームの知名度が低いせいで日の目を浴びる機会は少ない。
作中では道場破りに遭った自分の道場の看板を取り返す為にリュウを追って街に来た……まではいいものの、胴着とハチマチを理由にカンさんをリュウと勘違いして喧嘩を吹っかけて返り討ちに遭う。実力不足を痛感したリンはそのままカンさんに弟子入りし、ショーンと喧嘩しながらアパートの住民となる。
ショーンより実力が上なためによくショーンをからかっているが、思い込みの激しめな性格や精神的な打たれ弱さが災いして力関係が逆転してしまうこともある思春期女子。つまりところ総合的にはショーンとどっこい、イエロー胴着ブラザーズ。

春麗……ストリートファイターシリーズお馴染み、むちむち太もも刑事。性格が変わったり苗字が変わったりと忙しい時期もあったが、リュウに並ぶSFシリーズの看板娘。格ゲー世界初の女性プレイアブルキャラの貫禄は健在。
作中では街の刑事としてエックス(後述)と共にアパートに引っ越してくる。警察らしい冷静沈着な頭脳と高い実力、そして頑ななまでの正義感の強さに加えて包容力もあるため、若人からも頼られるまとめ役ポジになっていく。一方でイケメン俳優にキャーキャーと黄色い声を飛ばしたり、どことなくオバs……(此処から先は赤い液体に埋め尽くされて読めなくなっている)

エックス……ロックマンXシリーズの主人公にして、ロボット三原則を破る可能性を秘めた「悩む」ロボット。レプリロイドとは呼ばれているが、レプリより100年ばかり古い癖にブラックボックスの塊みたいなオーバーテクノロジーで出来ている恐ろしい子。
作中では初のレプリロイド警官として春麗とコンビで活動するが、悩む機能のせいもあり未熟で不安定な面が目立つ新米。また社会的にレプリロイドへの理解が浸透していないためにロボット差別のような辛い現実に何度もぶつかり、それでも人の為に動こうとする誰よりも優しくて健気なロボ。ロボット関係のシナリオでは主役に躍り出ることが多く、「レプリロイドとは」という重い命題を背負い続ける。

モネ……ジョジョの奇妙な冒険第三部に登場する敵スタンド。土を作り変えて相手の望んだ物を作り出す能力を持ち、死んだ人間さえ命があるような姿で再現できるが、実は作ったものはスタンド使いの意志で動かすことが出来るというオチが付き、相対したポルナレフを苦しめた。
作中では突然現れてアパートに住み出すチャラ男として登場。常にチャラく、ウザく、明るくをモットーに自重しない生活を送るが戦闘能力は低い。しかしその身には大きな秘密が隠されていて……。

シオン……格闘ゲームMelty Blood、通称メルブラの主人公。……なのだが、主人公としての陰は正直前作主人公に押されてちょっと薄い。錬金術師らしいが錬金術師感はあんまりなく、逆に吸血鬼化の方が進んでいるのでそっちにしか目がいかないのは気のせいか。
作中では突然街に現れた謎の少女として登場。行く当ても記憶もないためアパートに住むことになる。吸血鬼化の設定を生かしてか悪魔城ドラキュラ関連のストーリーで出番が多く、エックスの次くらいに辛い目や酷い目に遭う率が高い。
ショーンとリンとは親友だが、男女の距離感を良く分かっていない為にショーンに異様に接近したり、焼きプリンの魅力に勝てなかったりと若干天然が入っているが、心の奥で「自分は化け物の力を持っている」という負い目をずっと引きずっている。


……こうして続々と癖の強い面子が集まっていくアパート「ふれっしゅ」。カオスで破天荒な登場人物たちと過ごすなかで、彼らは少しずつ、少しずつ――巨大な悪意と残酷な運命の流れに吸い寄せられていく。

だいたいそんなストーリーです。序盤のテンションについていけない人もいるかもしれませんが、ぜひ最新話まで一気視聴して欲しいスゲー面白い作品になっています。見てねー。