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転生者の珍妙な冒険
ちょっとした小話2
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【小話4 もう1つのフラグ】

取りあえず、国王と話をした時にケモナを出る話が出たんで、その日から準備を始めて3日後にはケモナを出ることにした。
で、ケモナ外の母なる森の前。

「また来い。ニンゲンは嫌いだが、お主らは嫌いではない。」
「そうか。ありがとうよ。」
そう言って国王と握手を交わす。
何と言うか、この爺さんとは出会いは最悪に近かったのに何か不思議なくらい仲良くなれた。ダメ元で頼んだら良い馬と綺麗な馬車。それに1か月分の飼い葉料もくれたし。
「てか、飼い葉料までよかったのか? ぶっちゃけアレはダメ元だったんだけど・・・。」
「何、国を救ってくれた者にこれくらい、どうってことはない。」
「そうか。だったらこれに後1か月分くらいの飲食費も欲しいんだが・・・。」
「調子に乗るな若造。」
そんなアホな会話をしてると、準備が終わったのか皆が来た。
「セイトさん、また無茶なお願いしてたんですか?」
「聴こえてたのか?」
「お前の声デケェんだよ、丸聴こえだぞ?」
マジか、じゃあもう男友達と淫モラルな会話出来ないじゃないか・・・・・。
「よ、ヨシュアさん? 何で落ち込んでるんですか・・・?」
気にしないでくれネーナさん、ちょっと俺にかけられてた枷に気付いただけだ・・・・。



まぁ、そんな阿呆なやり取りも終わり、俺のテンションも復活したので出発することに。
「じゃあな!! しみったれた爺さん! 長生きしろよ!」
「ちょっ、セイトさん何いってるんですか!?」
「いや、ちょっとした冗談だよ。だから国王もそんな青筋浮かべるなって・・・。」
ブチ切れ寸前の国王に追い立てられるようにして馬車を出発させると、誰かが走って来てる。
「あ、あれあの時の狐獣人の女の子ですよ。」
そう言ってネーナさんの指さす先にいたのは、確かにあの時のガキだ。
「おーい!!! そこのニンゲンの兄ちゃん強かったんだなー!!! 馬鹿にしてゴメンなー!!!」
ははは、可愛い奴だ。態々それ言うために追いかけて来たのか。
「気にしねぇでいいよ! 俺こそ焼いちまってすまんかった!」
奥でオッサンが「お前の方が酷いな」とか言ってるけど無視だ。あれは不可抗力だったんだよ。
「それでなー!! ケモナ救ってくれてありがとなー!!!」
「礼なんていいよ、元気でいな!!」
しかし、馬車について来るとか足速いな・・・。
「後なー!! 俺も大きくなったら強くなるからなー!! その時は俺と結婚しろよなー!!!」
あぁ、よくいるよな〜。懐いてるお兄ちゃんとかに結婚するって言うちっちゃい女の子。
「分かった分かった、楽しみにしてるからな!」
そう言うと、ガキは納得したのか、くるっと反転して森に帰って行った。
全く、あーゆー無邪気な子供は微笑ましいな。

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