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或る皇国将校の回想録
第三部龍州戦役
幕間3 嗚呼、華の近衛衆兵鉄虎第五〇一大隊
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難い」
 親の仇の名を呼ぶかのような口調で新城がつぶやき、今度は馬堂中佐がなだめるように言った。
「軍事も政治だよ、時に腹立たしくもなるがね ――さっきも言ったが俺たちは命からがら虎城に逃げ込むことだけを考えるべきだろうさ――いやはやお互い冬まで無事でいられることを祈ろうじゃないか」
 そして彼らもまた龍州で再び幕開く地獄へと身を投じる。




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