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リリカルってなんですか?
A's編
第三十二話 中
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「ここは?」

 光に包まれたせいで目をつむった僕が、瞼の向こう側に光を感じなくなり、ようやく目を開けられると判断して、ゆっくり瞼を開くとそこに広がっていたのは、一面の暗闇だった。

 地面も空も前も後ろも右も左も、どういう原理かわからないが、僕は暗闇の―――いや、その言い方は正しくない。暗闇は、光が一切見えない空間を示す。ならば、自分の掌さえも、空間のはるか向こうに見える小さな瞬きが見えるこの空間を暗闇とは呼べない。

 いうならば、この空間は―――夜。昼間の太陽の光を反射しながら柔らかい光を地上に届ける月のような光で空間を照らし、はるか向こうに見える瞬きが数十、数百と離れた星々の瞬きとするならば、まさしくこの空間は優しい、安寧へと誘う夜の空間であった。

「ようこそ、と言うべきか、少年」

 不意にかかった声は後ろから。その声は、少し前まで聞いていた声だ。

「拉致にも近い強引な招待でしたけどね」

 やれやれ、と苦笑して、肩をすくめながら僕は後ろを振り返る。僕の背後には予想した通りの人物が無表情で立っていた。

「それを行ったのは私であり、私ではないのだがな。もっとも、私が私だったとしても同じ行動をとっていなかったか、と問われれば、肯定も否定もできないだろうが」

 真面目な顔で何とも理解しがたいことを言われた場合、どのような表情をすればいいのだろうか。彼女の意味の分からない言葉に混乱し、僕は小首をかしげることしかできなかった。

 そんな仕草を見て、彼女も僕の状況を理解したのだろう、ふむ、とうなずくと再び口を開いて問いかけてきた。

「少年よ、君は状況を理解できているか?」

 彼女―――闇の書の問いに僕は首を横に振った。

 僕が記憶しているのは、何らかの理由で闇の書が暴走を開始して、なのはちゃんと戦っている最中なのに僕に襲いかかってきたことだけだ。あの時は急に眠くなったような気がする。

「ならば、説明しよう。現在、闇の書は、666頁の魔力の蒐集を完了し、全機能が解放された状態だ。それに伴い、防衛プログラムが暴走を開始している」

「暴走?」

 どこかで聞いた言葉だ。いや、聞き覚えがあるのも間違いないだろう。なのはちゃんも言っていたではないか、「暴走している」と。防衛プログラムというのは初耳だが、闇の書の何らかの機能が暴走しているのは間違いないらしい。

「そうだ、闇の書が闇の書と呼ばれる所以。長き旅の中で改変された防衛プログラム。そのプログラムが過剰ともいえる反応で、外部への攻撃を始めている。このままでは、もう一刻もしないうちに闇の書は666頁の全魔力を開放し、破壊をまき散らしたのちに転生するだろう」

 まるでガイドの案内のように淡々と抑揚のない口調で説明する闇
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